車の歴史
更新日:2020.01.29 / 掲載日:2020.01.29
SUNNY 1200GX-5 (B110) 【4】

前後のブレーキ、サスペンション共に定番のセット

前:マクファーソンストラット

後:リーフリジッド

全て自分でレストアした鈴木さんのサニーGX-5
そんなレアなGX-5のオーナーである鈴木さんの車両を今回撮影させていただいた。かなりハイレベルなサンデーメカニックである鈴木さんは、リフトを備えるガレージを自力で建て、クルマいじりを楽しんでいる。このGX-5もボロボロだった状態から、自らの手でここまでに仕上げたそうだ。
鈴木さんのGX-5は、フルオリジナルを保つという車両ではないが、かといってチューニングを楽しむようないじり方をしているわけでもない。オリジナルから変更されている部分は、現代の日常生活で使うのに必要だと鈴木さんが判断した部分を鈴木さんなりに変更しているというもの。軽自動車用の部品を改造して付けたというクーラーなどもそのひとつ。 さらには、GX-5の最たる特徴となるミッションも、普段の街乗りや旧車イベントに高速道路を使って参加する際に使い勝手が悪いということで、通常の直結5速ではないオーバードライブタイプの5速に載せ替えているのである。もちろんいつでも元に戻せるように直結5速の56A型ミッションは手元に残しているそうだが、飾りとして旧車を楽しんでいるのではなく、日常的に旧車に乗るという鈴木さんならではの改造が面白い。
そんなGX-5に乗って、奥様と共に各地の旧車のイベントに参加するという、楽しい旧車生活を送っているそうだ。
フロントの足回りは、先代のB10サニーがダブルウイッシュボーンだったのに対し、ストラット式が採用される。ブレーキもGX系などはディスクが採用され、走行性能を飛躍的に高めていた。
フロントのサスペンションアームの構成は、I型のロアアームにフロントから伸びるテンションロッドの組み合わせとなる。スタビライザーはリンクを介してロアアームに接続されている。
フロントブレーキはソリッドディスクと片押しタイプのキャリパーの組み合わせ。現代の軽自動車並みの車重ゆえに、旧車にありがちな制動力の不足は、それほど感じることはないようである。
フロントストラットはノーマルではなく、スプリングシートがネジ式となるレース用オプションパーツに変更されている。これにより車高もオリジナルの状態よりもかなり低い状態にセットされている。
リヤサスペンションはシンプルなリーフリジッド式。リーフスプリングはノーマルのままだが、フロントの車高に合わせるべく、ホーシングとリーフスプリングの間にアルミ製のブロックを噛ませている。
リヤのブレーキはリーディングトレーディンウ式ドラムとなる。ドラムがシルバーなのでアルミ製に変更しているのかと思いきや、オリジナルのスチール製のままで、表面をシルバーに塗装しているそうだ。
ドラムブレーキの内側にはなにやらセンサーが増設されている。これはサイクルコンピューターのセンサーで、ここで回転を拾って、ハンドルコラム上に設置した本体に速度を表示させているそうだ。
ステアリングギアは、当時多くの車両に採用されていたボール&ナット式をB110サニーも採用する。またホイールベースが短くギヤボックスと車室の間隔が短いので、ステアリングシャフトは立った状態となる。