車の歴史
更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.11.06

トヨタヴィッツの概要と歴史をまとめてみた

トヨタヴィッツの概要と歴史をまとめてみた

goo-net編集チーム

ヴィッツは、トヨタスターレットの後継者として1999年1月に発売された、トヨタのハッチバックタイプの乗用車です。
1996年、トヨタが掲げる「ニューベーシックカー・プロジェクト」として、以下の2点を満たす21世紀のワールドコンパクトカー市場の頂点を目指し開発されました。

1.環境、安全、走行、居住の各性能で国内外の同クラス車を凌駕すること
2.性能・価格競争力を両立させる技術を確立すること

「大人4人が快適に過ごせる室内空間と優れた基本性能を、社会との調和を図るミニマムサイズで具体化した、コンパクトクラスのワールドワイドなベンチマークを提案する新型車」をコンセプトに開発されました。
トヨタが国内外のコンパクトカーの概念を一新させるべく、世界戦略車として重要な中核モデルに育つよう意気込みが伝わる、21世紀をリードするためにベンチマークとなったモデルです。

国内ではネッツ店の専売モデルとして投入され1999年1月の発売と同時に、高い実用性能はたちまち話題となり、発売1カ月で目標の2倍を超える2万200台を受注するなど、現在ではコンパクトカーカテゴリーの中心的モデルとして安定的な人気を博します。

2001年より海外向けモデル「ヤリス(Yaris)」としてフランス(バランシエンヌ)工場で生産され、北米、中南米、ヨーロッパ、アフリカ、中国香港、オセアニア、中近東など世界で広く販売され、2000年には権威のある自動車賞のひとつである「欧州カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。
2006年には累計生産台数が100万台に達するなど、文字通りワールドカーとして成功を収めています。
現在では累計販売台数300万台を突破するなど、発売以来高い人気を維持し、進化しているモデルです。

車名はドイツ語で「才気、機知」という意味のWITZに由来し、これまでのコンパクトカーになかった新たな歴史を築く、輝かしいモデルとして成長するよう期待の込められた、世界戦略車に相応しいネーミングと言えるでしょう。

ヴィッツは1999年1月の発売以来、2度のフルモデルチェンジを行っています。
ここでは代表的なモデルを紹介します。

初代 ヴィッツ 10系(1999年~2005年)

初代 ヴィッツ 10系(1999年~2005年)

goo-net編集チーム

初代ヴィッツは、21世紀のワールドコンパクトカー市場のベンチマークカーを目指し開発され1999年1月に発売されました。

ヴィッツは開発にあたり、プラットフォームをはじめ、エンジンやトランスミッション、サスペンションなど、あらゆる根幹となる基本コンポーネントの全てを新設計しました。
コンパクトカーなボディサイズでありながらも、大人4人がゆったりくつろげる広い室内空間を確保し、過不足ない快適な走行性能、クラストップの安全性を実現するとともに、地球環境に優しい燃費性能を併せ持ったモデルです。

ボディサイズは、5ナンバー登録のコンパクトなボディサイズながら、ショート&トールのボディデザインを基調に、タイヤを四隅に配置することでロングホイールベースを実現しています。
さらに徹底した車体床下のフラット化による空力特性の徹底を図り、十分なホイールストロークを確保した足回りと相まって、リラックスできる快適なキャビン性能とフラットで上質な乗り心地を両立しました。

VVT-i機構を採用したコンパクトで軽量な新開発の1.0L直列4気筒BEAMSエンジンをはじめ、新開発トランスミッションSuper ECTと相まって、実用性の高い豊かな低中速域トルクによりスムーズで軽快な走行性能とクラストップレベルの低燃費性能を実現しています。

新設計プラットフォームからなる衝突安全ボディGOAを採用したことにより、衝突の際の乗員保護性能が大きく向上し、また、プリテンショナー&フォースリミッター付シートベルト(運転席・助手席)や、デュアルSRSエアバッグ、点滅式シートベルト非着用警告灯を全車に標準装備するなど、快適な走行性能と高い安全性能を併せ持つバランスの良いモデルと言えるでしょう。

ボディタイプは3ドアと5ドアモデルが用意され、FF駆動とフルタイム4WDモデルの組み合わせになります。

トヨタ ヴィッツ(VITZ)B(1999年1月販売モデル)

ボディタイプ:ハッチバック系
乗車人員:5名
駆動方式:FF
ボディサイズ:3610×1660×1500mm(全長×全幅×全高)
室内サイズ:1800×1380×1265mm(室内長×室内幅×室内高)
タイヤサイズ:(前)155/80R13 79S(後)155/80R13 79S
エンジンタイプ:1SZ-FE型 直列4気筒DOHC
排気量:997cc
最高出力:70ps(51kW)/6000rpm
最大トルク:9.7kg・m(95.1N・m)/4000rpm
10モード/10・15モード燃費:22.5km/L
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
車両重量:810kg
価格:845,000円
自動車税:年間29,500円 ※

※自動車税は2017年7月時点で参照したものとなります。

参考:
http://www.goo-net.com/catalog/TOYOTA/VITZ/1003939/index.html

・主なグレード
「B」「F」「F Dパッケージ」「U」「クラヴィア」「U ユーロスポーツエディション」「RS Dパッケージ」「RS」「B エコパッケージ」など。
(特別限定車を除く)

・主なオプション
14 インチタイヤ&アルミホイール(175/65R14 82S+5.5JJ)、チルト&スライドムーンリフト、SRSサイドエアバッグ(運転席&助手席)、デュアルSRSサイドエアバッグ、VSC&TRC(ビークル・スタビリティー・コントロール&トラクション・コントロール)、ディスチャージヘッドランプ(マニュアルレベリング機能)、GPSボイスナビゲーション(1DINタイプ)など。

・カラーバリエーション
スーパーホワイトII、ダークブルーマイカ、イエローマイカメタリック、ライトアクアメタリック、ペールローズメタリックオパール、シルバーメタリック、スーパーレッドIIなど。
(発売時期・グレードにより異なります)

トヨタ ヴィッツ 10系の中古車一覧:
http://www.goo-net.com/usedcar/brand-TOYOTA/car-VITZ/model-1-10101044/index.html

2代目 ヴィッツ 90系(2005年~2010年)

2代目 ヴィッツ 90系(2005年~2010年)

goo-net編集チーム

ヴィッツは2005年2月にフルモデルチェンジを行い2代目へ移行しました。
2代目となるヴィッツは、「MY PROUD COMPACT」を開発テーマに掲げ、所有することに誇りを持てるコンパクトカーを目指し開発されました。

基本的には先代からのキープコンセプトとし、5ナンバー登録の取り回しに優れるボディサイズとやや丸みを帯びたクリーンで親しみやすいスポーティなエクステリアデザイン、大人4人が快適に過ごせる高い居住性と乗り心地、使い勝手の良い優れた実用性・乗降性、あらゆる面で徹底的に見直しがなされ、より世界を意識した高いクオリティとポテンシャルを備えるコンパクトカーとしてリリースされました。

日本国内のボディタイプは5ドアのみに集約され、新開発プラットフォームの採用し、全長・全幅・全高ともサイズアップし、車内のキャビン性能も大幅に向上しました。
多彩で利便性の高いシートアレンジとさまざまな収納スペースを確保し「VIVID SIMPLICITY」をテーマにしたインテリアは、使いやすく明るい快適空間となっています。

エクステリアは「POWERFUL SIMPLICITY」をテーマにし、フロントウインドウを傾斜させ、一筆書きで書いたようなモノフォルムなシルエットに仕上げるなど、シンプルながら洗練された躍動感溢れるスポーティなデザインが特徴です。

搭載されるエンジンは先代と同様に1.0L/1.3L/1.5Lエンジンのラインナップにより構成され、1.3L モデルのみフルタイム4WDモデルが用意されています。
剛性感の高い新開発プラットフォームの採用により、クラストップレベルの足元の余裕を生みだし、軽快なハンドリングとしっかりしたフラットな乗り心地を実現させる新型サスペンション、優れた制動力を発揮する新型のブレーキシステムや滑らかな加速フィールが特徴のSuper CVT-iの搭載により、街乗りからロングドライブまでストレスのない高い走行安定性と居住性を両立しています。

また、進化した「トヨタ・インテリジェント・アイドリングストップシステム」により、クラストップレベルの低燃費性能を実現しました。

トヨタ ヴィッツ(VITZ)B(2005年2月販売モデル)

ボディタイプ:ハッチバック系
乗車人員:5名
駆動方式:FF
ボディサイズ:3750×1695×1520mm(全長×全幅×全高)
室内サイズ:1855×1390×1270mm(室内長×室内幅×室内高)
タイヤサイズ:(前)165/70R14(後)165/70R14
エンジンタイプ:1KR-FE型 直列3気筒DOHC
排気量:996cc
最高出力:71ps(52kW)/6000rpm
最大トルク:9.6kg・m(94N・m)/3600rpm
10モード/10・15モード燃費:22.0km/L
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
車両重量:980kg
価格:1,050,000円
自動車税:年間29,500円 ※

※自動車税は2017年7月時点で参照したものとなります。

参考:
http://www.goo-net.com/catalog/TOYOTA/VITZ/10026140/index.html

・主なグレード
「B」「F」「X」「U」「B インテリジェントパッケージ」「F インテリジェントパッケージ」「アイル」など。

・主なオプション
VSC&TRC、ディスチャージヘッドランプ(ロービーム/オートレベリング機能付)、フロントフォグランプ、リヤフォグランプ(右側のみ)、熱線式ウインドシールドデアイサー、ステアリングスイッチ(オーディオ・ハンズフリー&音声認識)、スマートエントリー(運転席/助手席・バックドア/アンサーバック機能付)、電気式バックドアオープナー、15インチタイヤ&アルミホイール(195/50R15+15×6J)、HDDナビゲーションシステム(オーディオ)、ブルートゥースハンズフリー機能対応CD一体AM/FMマルチ電子チューナー付ラジオ、マイク&マイクアンプ(ハンズフリー・音声認識)など。

・カラーバリエーション
ホワイト、ダークブルーマイカメタリック、シルバーマイカメタリック、ミディアムシルバーメタリック、グレイッシュブルーマイカメタリックなど。
(発売時期・グレードにより異なります)

トヨタ ヴィッツ 90系の中古車一覧:
http://www.goo-net.com/usedcar/brand-TOYOTA/car-VITZ/model-2-10101044/index.html

3代目 ヴィッツ 130系(2010年~)

3代目 ヴィッツ 130系(2010年~)

goo-net編集チーム

ヴィッツは2010年12月にフルモデルチェンジを行い3代目へ移行しました。
ヴィッツは1999年の初代モデルの登場以来、世界70ヵ国以上で販売し、累計販売台数350万台を達成するなど、トヨタを代表するモデルへと成長を遂げました。

3代目となるヴィッツは、ユーザーの多様なニーズに対応し「コンパクトカーのあるべき姿」を見つめ直すところから開発が進められました。
その結果、精悍でスタイリッシュなスタイリング、コンパクトでありながら上質なインテリアを持ち、高いスペースユーティリティの実現をはじめ、日常の街乗りからロングドライブまで優れた走行性能、より高い燃費性能を追求し、クラスを超えた上質な走りと居住性を持つコンパクトカーへと進化しました。

「軽快さ・上質感」をデザインコンセプトに掲げ、より優雅さを増した端正で存在感のあるボディデザインを採用するとともに、従来からの5ナンバーサイズのボディの恩恵により、4.5mの最小回転半径を実現するなど、優れた操作性はそのままに上質感が向上しました。
インテリアもスポーティでありながら、質感を向上させ親しみやすい造形が特徴です。

また、圧力分布特性に優れロングドライブでも疲れの感じにくい新骨格シートや世界初の紫外線を99%カットするスーパーUVカットガラス、車庫入れに便利なカラーバックモニター、手元からオーディオの調整が可能なステアリングスイッチの採用など、快適性の大幅な向上が図られました。

搭載されるエンジンは2代目と同じく1.0L/1.3L/1.5Lの直列4気筒自然吸気エンジンが用意され、1.3L モデルのみFF駆動とフルタイム4WD駆動が設定されています。
1.3Lの2WDモデルには新開発のアイドリングストップ機能「SMART STOP」が搭載され、クラストップレベルの低燃費性能を実現しました。

乗員保護性能も大幅に進化を遂げ、運転席と助手席にSRSエアバッグ、EBD付ABS&ブレーキアシストを全車標準装備し、全車対象のオプションとしてSRSサイドエアバッグ、SRSカーテンシールドエアバッグも用意されています。

2017年1月のマイナーチェンジでは、新たに1.5Lエンジンのハイブリッドモデルがラインナップに追加され、クラストップレベルの低燃費性能とモータアシストによる余裕の走りを実現しました。

トヨタ ヴィッツ(VITZ)F(2010年12月販売モデル)

ボディタイプ:ハッチバック系
乗車人員:5名
駆動方式:FF
ボディサイズ:3885×1695×1500mm(全長×全幅×全高)
室内サイズ:1915×1390×1250mm(室内長×室内幅×室内高)
タイヤサイズ:(前)165/70R14(後)165/70R14
エンジンタイプ:1KR-FE型 直列3気筒DOHC
排気量:996cc
最高出力:69ps(51kW)/6000rpm
最大トルク:9.4kg・m(92N・m)/3600rpm
JC08モード燃費:20.8km/リットル
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
車両重量:970kg
価格:1,195,000円
自動車税:年間29,500円 ※

※自動車税は2017年7月時点で参照したものとなります。

参考:
http://www.goo-net.com/catalog/TOYOTA/VITZ/10067122/index.html

・主なグレード
「F Mパッケージ」「F」「ジュエラ」「F スマートストップパッケージ」「U」「RS Cパッケージ」「RS」「ジュエラ スマートストップパッケージ」など。

・主なオプション
メッキ加飾アッパーグリルモール、カラードアウトサイドドアハンドル、15インチタイヤ&アルミホイール(185/60R15+5.5J、センターオーナメント付)、ヘリカルLSD(リミテッドスリップデフ)、SRSサイドエアバッグ(運転席/助手席)&SRSカーテンシールドエアバッグ(前後席)、プロジェクター式LED(ロービーム/オートレベリング機能付、メッキ加飾)、コンライト(ライト自動点灯・消灯システム)、フロントフォグランプ、リヤフォグランプ(右側のみ)、ステアリングスイッチ(オーディオ・ハンズフリー操作)、スマートエントリー(運転席・助手席・バックドア/アンサーバック機能付)&スタートシステム、買い物アシストシート(助手席)、助手席アンダートレイ、イルミネーテッドエントリーシステム(エンジンスイッチ)、Toyota Safety Sense C、T-Connectナビ 9インチモデルなど。

・カラーバリエーション
ブラックマイカ、スーパーホワイトII、グレーメタリック、ジンバックメタリック、ライトブルーマイカメタリック、ローズメタリックオパール、シルバーメタリック、スーパーレッドV、ホワイトパールクリスタルシャインなど。
(発売時期・グレードにより異なります)

トヨタ ヴィッツ 130系の中古車一覧:
http://www.goo-net.com/usedcar/brand-TOYOTA/car-VITZ/model-3-10101044/index.html

ヴィッツはトヨタの代表的なコンパクトカーとして1999年に登場以来、質感の高い余裕のある室内スペース、ユーザーを選ばないスタイリッシュで精悍なスタイル、高い運動性能と燃費性能により、幅広いユーザーから高い支持を得るモデルです。
現在はクラストップレベルの低燃費性能を実現するハイブリッドモデルが加わるなど、高い人気を維持しています。

ヴィッツはグローバルコンパクトカーとして進化を続け、今後も世界を代表するベンチマークカーとして君臨し続けることでしょう。

トヨタ ヴィッツの中古車一覧:
http://www.goo-net.com/usedcar/brand-TOYOTA/car-VITZ/index.html

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