車の歴史
更新日:2026.01.31 / 掲載日:2026.01.31
唯一無二の個性を放つミニバン、三菱 デリカヒストリー【名車の生い立ち #22】

ここ最近、三菱デリカD:5の販売が好調。現行型は19年間というロングセラー車でありながら、度重なる改良で魅力をキープ。クロスカントリー×ミニバンという唯一無二のコンセプトは、多くのユーザーやファンに支えられています。そんなデリカD:5は先日マイナーチェンジを受けて内外装をリニューアル。さらに魅力を高めたことも記憶に新しいのではないでしょうか。そこで今回は、三菱デリカの58年に及ぶ生い立ちを振り返ってみましょう。
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まずはデリカ年表でザっとおさらい!
「働くクルマ」としてデビュー。キャブオーバー・ピックアップおよびライトバンとして登場し、頑丈な商用車としてのルーツを確立。
乗用ワゴンタイプとして「スターワゴン」の名称が登場。日本のレジャーブームに応える広さを実現。
スターワゴンに4WDモデルを追加設定。「ワンボックス+4WD」という独自のジャンルを開拓し、アウトドア需要を掴む。
真四角なボクシー・スタイルとガードバーがアイコンに。「よりパワフルで快適に」進化し、RVブームを牽引。
フロントエンジンレイアウトを採用し、フラットフロアを実現。パジェロ譲りの「スーパーセレクト4WD」を搭載。
「リブボーンフレーム」による高剛性ボディと電子制御4WDを搭載。唯一無二のオールラウンドミニバンとして進化。
環境性能とトルクフルな走りを両立するクリーンディーゼルモデルを追加。D:5の魅力をさらに高めた。
19年の時を経て、外装から内装、安全性まで、更なる進化を遂げたモデルが登場。
高度経済成長を支えた働くクルマ「デリカ」が誕生

高度経済成長真っ盛りの1960年代、一般家庭にも乗用車が普及していきました。その一方で商用車需要も大きく伸び、各メーカーの開発競争は熾烈を極めた時期でもあります。特に60年代後半になると、市場の中心はライトバンからキャブオーバーバンに人気が移り、次々と新型車が登場。なかでも1966年に発売されたマツダ ボンゴは日本初の本格キャブオーバーバンとして多くのビジネスシーンで大活躍。このジャンルの代名詞になるほど人気を獲得しました。その翌年の1967年にはトヨタ ハイエースがデビュー。その高い信頼性と実用性でこちらも大ヒット。

そんな商用車マーケットに新たな風を吹き込んだのが、1968年に登場した三菱 デリカです。1968年といえばメキシコオリンピックの開幕が行われた年で、景気も上向きの時代。当初発売されたのはコルト1100と共通の1.1Lエンジンを搭載した600kgのトラックでした。愛嬌のある丸型ヘッドライトなど親しみやすいデザインがトレードマークに。

翌年となる1969年には、キャブオーバーバンも登場。さらに3列シートを備えた乗用モデルのデリカコーチも追加されました。当時はミニバンブームが到来するはるか昔のこと。一般家庭の乗用車といえばセダンが一般的で、デリカは個人よりも法人の送迎用で大活躍したのです。その後、1.4Lエンジン搭載車も追加され、動力性能をアップ。ボンゴやハイエースのような手強いライバルがいるなか、少しずつシェアを伸ばしていきました。
日本のレジャーブームに応えた初代デリカスターワゴン

1979年、デリカはフルモデルチェンジを受けました。1970年代に入ると国民の暮らしは近代的になり、レジャーブームがやってきます。クルマといえばセダンという時代はまだ続きますが、バンやワゴンのニーズも次第に増加。そんな背景のなか、1979年に三菱デリカがフルモデルチェンジを受けました。1975年に生産終了してた乗用モデルが復活し、デリカスターワゴンとしてデビュー。レジャーブームのニーズにしっかりと応えていったのです。角張ったデザインのエクステリアは80年代を象徴するスタイルで、新時代を予感させるもの。アウトドアシーンを想起させるタフなルックスは、この時代にすでに完成されていました。

さらに、1982年10月には4WDも登場。この4WDモデルこそ、現在まで続くオフロードミニバンとしての時代の幕開けとなるものでした。副変速機を備えたパートタイム4WDのメカニズムはパジェロと共通。フロントにダブルウィッシュボーン式トーションバー、リアにリジッド式リーフスプリングのサスペンションも初代パジェロと同じで、パワートレインは1.8Lガソリンを搭載。ワンボックスカーでありながら本格的な悪路走破性を備える唯一無二の存在となったのです。
よりパワフルで快適に。正当進化を果たした2代目デリカスターワゴン

1980年代後半になると、日本の景気はさらに上向きに。いわゆるバブル景気がやってきます。1985年には関越自動車道が全線開通して交通網の整備が進み、同時にレジャーブームはさらに加速。1987年公開の映画『私をスキーに連れてって』が大ヒットを記録し、スキーブームも到来しました。一般家庭の自家用車もRV(現在のSUVやステーションワゴン)が増えていき、街中にはオフロード走行ができるクロスカントリー車も目立つようになりました。

そんななか、1986年にはデリカスターワゴンがフルモデルチェンジ。角張ったスタイルはそのままに、細部をブラッシュアップ。4WDモデルはグリルガードを備え、オフロードミニバンらしさを追求しました。ボディはモノコック式を採用し、より快適な走りを身につけたのもポイント。エンジンは4WDモデルには2.5Lディーゼルターボ(4D56型)と2.0Lガソリン(G63B型)を設定。その力強い走りは、スキーをはじめとするレジャーシーンでも大活躍しました。
1989年には4WDモデルにハイルーフ仕様を設定。ルーフをガラス面で覆ったクリスタルライトルーフなど、アウトドアを意識したモデルも登場しました。1990年8月にはビッグマイナーチェンジが行われ、内外装を大幅にリニューアル。クラス初となるプロジェクターヘッドランプの採用や、上質感を高めた「スーパーエクシード」を追加。さらに2.4Lガソリン(4G64型)も設定されました。1994年に次期型が発売されても2代目デリカスターワゴンは併売されましたが、1999年9月にその生産を終えたのです。
衝突安全性を大きく高めた通算4代目「デリカスペースギア」

1990年代に入ると、クルマには高い安全性が求められるようになりました。1994年5月に登場した通算4代目「デリカスペースギア」は、フロントエンジン(&リアドライブ)レイアウトを採用することで、同年から始まったフルラップ前面衝突基準に対応。安全性はデリカスターワゴンのフロントミッドシップ時代と比べて飛躍的に高まりました。シャシーは、ビルトインラダーフレーム構造を採用し、オフロードモデルとしての性能も向上。エンジンは、4WD車には2.4Lガソリン(4G64型)、3.0Lガソリン(6G72型)のほか、2.8Lディーゼル(4M40型)を設定。さらにルーフ形状は4種類、ボディは標準とロングを設定するなど、ユーザーのライフスタイルに応じた多彩なバリエーションもユーザーにとって大きな魅力に。特にロングの「G ハイルーフ」では10名乗車も可能となり、多人数のピープルムーバーとしても重宝されました。

1997年7月にはマイナーチェンジを行い、精悍なフロントマスクを採用。フロントフェンダーまわりはブリスターフェンダー風になり、よりスタイリッシュに進化。当時の主力エンジンだった2.8Lディーゼルエンジンも燃料噴射装置を機械式から電子制御式に変更して出力をアップ。あらゆるシーンで活躍できる4WDミニバンとしての地位を築き上げたのです。
新世代のスタイルを採用した5代目「デリカD:5」

2007年1月、デリカの乗用モデルとして通算5代目となるデリカD:5が誕生しました。「ミニバンの優しさ」と「SUVの力強さ」の融合を開発テーマとし、優れた積載性を持ちながらオンオフ問わないあらゆる道を進めるオールラウンダーを目指したのが特徴。最低地上高を確保し、大径タイヤを装着したフォルムはまさにSUVそのもの。車体は環状骨格構造のリブボーンフレームを採用したのもトピックといえるでしょう。一方、丸みを帯びた先代のスペースギアから一転し、D:5は直線基調のデザインも見どころ。タフなクロスカントリーミニバンのイメージを再構築しました。

当初搭載されたエンジンは、2.4L MIVECで、これにスポーツモード付きCVTが組み合わされました。駆動方式は4WDのほか、FFモデルも設定。4WDは走行状況に応じて前後輪へのトルク配分を最適化し、あらゆる路面でスムーズな走りを可能としました。三菱では初の運転席ニーエアバッグや復元性に優れた樹脂フェンダーの採用など、安心の装備を充実させたことも特徴といえます。
昭和から平成、そして令和の時代を駆けるオールランドミニバン

2007年1月の発売から19年が経った2026年1月、デリカD:5は大幅改良を受けました。19年という超ロングセラーとなったデリカD:5ですが、そのモデルライフはまだまだ続きそう。今回の改良では、フロントグリル、前後バンパーのデザインの変更やホイールアーチモールの追加などで外観が変わりました。室内には8インチカラー液晶メーターが採用され、シート生地も一新されプレミアム感が大きく高められています。そのほか、安全支援技術「e-Assist」の強化により、安全性も現代の基準にアップデート。

今年で生誕58年のデリカシリーズ。時代とともに進化を重ね、特に本格的なオフロード性能を備えたミニバンという唯一無二の個性は、デリカシリーズ最大の魅力となっています。次期型の存在も気になりますが、現行型デリカD:5もまだまだ現役。令和の時代でもその躍進に期待が持てそうです。
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