車の歴史
更新日:2023.08.17 / 掲載日:2023.08.17
【ランドクルーザーの系譜】国内SUVをリードする!55型~最新300系まで

8月2日に新型車が発表されて以来、盛り上がりが止まないランドクルーザー。
約8年ぶりに復活が決まった「ランドクルーザー70」により、世界各地で販売されている現行型ランドクルーザーシリーズが再び日本市場で勢揃いする……ドラマティックな展開にワクワクが止まりません。
一方で、一足早くフルモデルチェンジを果たしたステーションワゴン系の「ランドクルーザー300」は2023年8月現在で注文停止状態が続いており、受注再開が待たれるところです。
今回は、トヨタのSUVラインナップを牽引するランドクルーザー55~ランドクルーザー300までの系譜を、写真と共に振り返ってまいります。
【55型】国内では商用バンとして展開された本格ステーションワゴン

1967年8月、ホイールベース2,650mmの4ドアバン(FJ45V)に代わるモデルとして登場したのが「FJ55」。ホイールベースを2,700mmに広げ、全く新しいデザイン要素を取り入れた本格的ステーションワゴンです。
主要市場の海外では乗用車として設定されましたが、日本国内では商用バンの設定で展開されました。
リヤゲートは、電動式のガラス窓を下げてから手前に引き倒して開くタイプ(パワー式)と、観音開きタイプの2種類を用意。
パワートレーンは、125HP(1969年から130HP)を発揮する6気筒3.9L ガソリンエンジン(F)と2速トランスファー・3速MTを組み合わせました。
1975年1月、日本国内向けは排ガス規制対応のため、直列6気筒4,230cc135HPエンジン(2F)・4速MTのFJ56Vに切り替えられています。

【60系】排気量アップ&ディーゼルモデル設定 運転席はベンチタイプからセパレート式へ


1980年8月に55型(日本市場は56型)の後継モデルとして登場した60系は、日本市場では引き続き商用バンカテゴリーで販売されました。
外観は、当時北米で人気を集めていたステーションワゴン的なスタイルを取り入れています。
エンジンは4.2Lに排気量を増やしたガソリンエンジン(2F型)と、新たに3.4L ディーゼルエンジン(3B型)の2種類を設定。
フロントシートを従来のベンチシートからセパレートタイプに変更、さらにリクライニング機構を搭載して快適性が高められ、個人ユーザーの支持を集めました。

【80系】海外需要に応えるべく大型化 国内市場では乗用車仕様を初設定


1989年10月登場の80系は、メインである北米・豪州などの海外市場での販売強化を狙い、ボディサイズを一回り大型化。全長4,970mm、全幅1,930mmとなり、仕様・装備など高級SUVとしての性格が強められました。
日本市場においては、乗用車(ワゴン)と商用バンの2仕様設定に。ワゴンには直列6気筒4.0L ガソリンエンジン、バンには新規開発の直列6気筒4.1L ターボディーゼルエンジンがそれぞれ搭載されました。
【100系】タフネスさとプレステージ性を兼ね備えた高級SUV


「The King of 4WD」「The Top of SUV」という2つのテーマを掲げて1998年1月に発売されたのが、ランドクルーザー100系。両テーマにふさわしく、4WDとしての走行性能をより高めるとともに、デザインや車内空間などのプレステージ性が追求されたモデルとなりました。
パワートレインは、ワゴンには新開発のV型8気筒DOHC32バルブ・4.7L ガソリンエンジンと4速ATの組み合わせを用意(2002年8月に5AT化)。バンは205PSを発揮するL6・24バルブ4.2L ディーゼルターボエンジンを搭載しています。
車内は、室内長を30mm、室内幅を105mm、2列目足元スペースを70mm拡大し、ゆとりある空間を実現。ワゴンにデュアルオートエアコンを標準装備とするなど、快適性も高められています。
また、同年12月には内外装に専用装備をあしらい、上質感を一層高めた「ランドクルーザー シグナス」も設定されました。

【200系】TOYOTAブランドの最上級SUVに君臨

100系の後を継いで2007年9月に発売されたランドクルーザー 200系。このモデルでは「The King of 4WD」のテーマをさらに掘り下げ、走行性能・安全性能・風格あるデザインを追求したものとなりました。
走行面では、V8・4.7L 2UZ-FEガソリンエンジンをベースに、新たに吸気VVT-iを採用するなどして、出力を39kW(53PS)増強。
さらに、岩石路、砂地路、急坂路などで、極低速を自動的に維持する世界初のクロールコントロールと、走行状況に応じて前後の駆動力配分を瞬時に選択し、スムーズで安定した走りを可能とする新開発のトルセンLSD付トランスファーを標準装備しました。

【300系】「運転しやすく、疲れない」クルマを目指し刷新


ステーションワゴン系ランドクルーザーの現行型である300系は、モデルの誕生70周年を迎えた2021年にデビューしました。
信頼性・耐久性・悪路走破性といった、これまで受け継いできた性能を進化させつつ、「世界中のどんな道でも運転しやすく、疲れにくい走り」を追求しています。
最新技術により高剛性と軽量化を両立したGA-Fプラットフォームをはじめ、オン/オフの両方に対応できる新開発サスペンション、同じく新開発の3.5L V型6気筒ツインターボガソリンエンジン、トヨタ初の指紋認証スタートスイッチなど新たな要素を多数導入しました。
また、シリーズでは初となるGR SPORTモデルも新たに設定されています。

【参考資料】
10 million and beyond|ランドクルーザー特設サイト:
https://global.toyota/jp/mobility/toyota-brand/features/landcruiser/
トヨタ自動車75年史 車両系統図:
http://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/vehicle_lineage/family_tree/index.html
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