車の歴史
更新日:2023.08.15 / 掲載日:2023.08.15
【ランドクルーザーの系譜】源流の魅力は色褪せず…70系
8月2日に新型車が発表されて以来、盛り上がりが止まないランドクルーザー。
「ランドクルーザープラド」から「ランドクルーザー250」への名称変更、世界各地で販売されている現行型ランドクルーザーシリーズの3車種が再び日本市場で勢揃いする……ドラマティックな展開にワクワクが止まりません。
そんな中、オールドファンからの注目を集めているのが「ランドクルーザー 70系」の日本市場復活。3車種の中でもランクルシリーズの祖である「トヨタBJ型」~「ランドクルーザー 40系」の流れを最も色濃く継承しているモデルで、オフロード性能に優れたヘビーデューティー系に分類されます。
日本市場では2004年で販売終了となり、それ以後は海外専用モデルに。2014年に期間限定で販売されて以来、約9年ぶりの日本市場導入となります。
今回はそんなランドクルーザー 70系の系譜を、写真と共に振り返ってみましょう。
【トヨタBJ型】「何処でも走るBJ」ランドクルーザーシリーズの原点
1951年、当時の警察予備隊(現・陸上自衛隊)向けに計画された車両で、1953年より量産がスタートしたBJ型。富士山に挑み、6合目到達を果たしてその走破能力を示したというエピソードは、新型250系の発表会でも語られました。
6気筒3,400ccの大排気量ガソリンエンジン(85馬力)を搭載し、当時のカタログによれば乗員2名+500kgの積載を可能としていました。
このカタログには「何処でも走るBJ」の謳い文句で、様々な悪路を走るBJ型の姿を掲載。「路なき路でも平気で走る機動性」「膝を没する河中や、軟弱な湿地でも、四輪駆動の威力をもつて難なく突破」といった言葉で、走破能力がアピールされています。
【1984年 70系誕生】当時のレジャー志向に応えてスタイルを一新「新時代の四輪駆動車をリードする車」
1955年の20系、1960年の40系を経て、1984年に誕生したのが70系。業務用途主体だった四輪駆動車がレジャーシーンで好まれるようになったという当時の背景を踏まえ、内外装を一新して快適性・操作性・使用性の向上が図られました。
スタイルは40系のイメージを継承しつつ、フロントガラスに曲面ガラスを採用、ボディタイプは従来の幌タイプ・バンタイプに加えてFRP(繊維強化プラスチック)トップ車を設定するなど、新要素を追加。
室内も居住空間の拡大、利便性の向上などが図られました。
また、1999年にはフロントサスペンションをリジッドアクスルのままリーフスプリングからコイルスプリングに変更し、乗り心地を向上。
エンジンはガソリン、ディーゼルともに4・5・6気筒を使い分け、輸出用にはV型8気筒4.5L ディーゼルエンジン仕様も設定されました。
【2004年 国内販売終了~2007年 意匠変更】世界の人々の生活を支える存在として地位を確立
1980年代半ばから3シリーズが販売されていたランドクルーザーでしたが、2004年、70系の国内販売が終了となります。
一方で海外では過酷な使用環境での走破性や信頼性が評価されており、70系は海外専用車種として引き続き生産が行われました。
そして2007年には、発売以来初となる大きな意匠変更を実施。40系から受け継がれてきた独立式フェンダーを廃止し、モダンなイメージが備わりました。
【2014年 誕生30周年】強い要望に応えて期間限定で日本市場復活
海外専用車種として様々な国・地域に展開された70系は2014年、誕生30周年という大きな節目を迎えます。それを記念し、復活を望むファンの強い声に応える形で70系が、2014年から約1年間の期間限定で発売されました。
ラダーフレーム構造による高い堅牢性・耐久性や、V6・4.0Lガソリンエンジンとパートタイム4WDを組み合わせて実現した高い走破性など、これまで培ってきたランドクルーザーの特長はそのままに、現代的な内外装デザインや安全装備を追加して時代に合った仕様に仕立てられています。
ラインナップは過去に販売していた4ドアバンに加え、国内初となるダブルキャブピックアップトラックが追加されました。
【2023年 国内販売発表】継続販売モデルとして復活!2.8Lディーゼルターボ搭載
そして今回、250系と合わせてアナウンスされたのが、70系の日本市場復活。2014年のような期間限定ではなく、継続販売モデルとして2023年冬の発売が予定されています。
ボディサイズは全長 4,890mm×全幅 1,870mm×全高 1,920mmで、ホイールベースは2,730mm。エンジンは従来のガソリンエンジンから1GDディーゼル 2.8Lターボエンジン(最高出力:204PS、最大トルク500N・m)に一新され、トランスミッションは6AT(6 Super ECT)を組み合わせます。
低騒音や静粛性、燃費性能といった面にも配慮がなされ、時代に合った仕様となるようです。
【参考資料】
10 million and beyond|ランドクルーザー特設サイト:
https://global.toyota/jp/mobility/toyota-brand/features/landcruiser/
トヨタ自動車75年史 車両系統図:
http://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/vehicle_lineage/family_tree/index.html
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