中古車比較・ライバル車対決
更新日:2019.01.06 / 掲載日:2014.03.28
比較で納得 中古車価格

「2台と同じクルマは存在しない」といわれる中古車だが、いったい中古車はどのようにして値付けされているのだろうか?新しくて走行距離が少なければ良いという単純なことではなく、様々な要素から判断されて決定される中古車の値段の仕組みを知るため、販売店を取材してその秘密を探ってみた。
価格設定の秘密を知ればお買い得な中古車探しに役立つ
中古車では同じ車種なのに数10万円もの差があることが珍しくはない。年式が新しく、走行距離が少なければそれだけ価値が高くなりそうということは素人でも想像できるが、実際には、年式が古いほうが高値が付けられている場合もあり、そう単純な話ではないことがわかる。
程度の善し悪しや装備の内容など、価格に影響を及ぼす部分についてはある程度想像はできるものの、それぞれの要素がどの程度価格に反映されるのだろうか?
中古車価格設定の理由を知って、お買い得な中古車探しの参考にしてほしい。
その差はなんと!! 43万円
トヨタ ヴェルファイア
3.5Z プラチナセレクション 322万円
3.5V サイドリフトアップ 279万円
その差はなんと!! 60万円
トヨタ エスティマ
アエラス Gパッケージ 199万円
G 259万円
その差はなんと!! 27万円
トヨタ ハリアーハイブリッド
プレミアムSパッケージ 292万円
プレミアムSパッケージ 265万円
今回の取材店舗
今回の取材店舗
ガリバーWOW!TOWN幕張店
千葉県習志野市芝園1丁目3番1号
営業時間/10:00~20:00
TEL/0120-91-7866
「FUN!な施設で新しいクルマ選び」を提案する新感覚の大型中古車販売店。展示車のQRコードからiPadで詳細をチェックし、気になったクルマのログがいつでも見られるというユニークなサービスも実施。
中古車の価格を左右する重要ポイントはこの6項目
1. ボディカラー
中古車の価格設定時に特に重要となる6項目の中でも、一番大きな価格差が出るといわれるのがボディカラー。セダンやミニバンなどの実用車では白やシルバーの人気が高く、赤や黄色といった派手な色や少数派の個性的な色は敬遠される傾向が強いため安くなる。色を気にしない人はお買い得車が選びやすいといえる。
2. 走行距離
多くの人が気にするのが走行距離。年式が古くても走行距離が少ないと歓迎されやすいなど、一般的には年式よりも気にする人のほうが多いようだ。たしかに少ないほうが気分的には良いが、中古車の程度の善し悪しと走行距離は必ずしも比例しない。たとえ過走行気味でも程度の良い物件はあるので検討しよう。
3. 年式
距離の次に気にする人が多いのが年式。クルマは新しいに越したことはないとの考えが一般的で、実際新しいクルマのほうがリスクは低いことは間違いない。しかし、年式が古くてもメンテナンス管理が良ければ何の問題もなく、安くなる分買い得感が増すこともまた事実。本当は過度に気にする必要はない要素なのだ。
4. 装備内容
装備の内容を左右するのはグレード。上級グレードほど装備は充実するので、中古車価格にも反映される。サンルーフなどのメーカーオプションも大きな加点要素だ。
5. 内外装の程度
年落ちのクルマともなれば、それほど目立たない外装の細かな小傷はあって当たり前と認識されているが、常に触れる内装の汚れや損傷は気になるものなので、こだわる人は多い。タバコの臭いなどは非喫煙者にとっては妥協しがたい部分であったりするなど個人差が大きく左右する部分でもある。
6. 市場での人気度合い
売れ筋の人気車にはそれだけ幅広い人に支持されやすい魅力があるので、人気モデルは基本的に高値で移行しやすい。2~3年で乗り換えるつもりならリセールも重要となる。しかし、市場では不人気でもクルマとして出来が悪いわけではない場合が多いし、乗りつぶすつもりの人はかなりお買い得感が増すことに。
実際の物件例で比べてわかる中古車価格のポイント
同じ車種でも物件ごとに違う中古車価格。年式が古いのに相場より高くなったり、新しいのに相場より安くなる場合もあるが、その理由はどこにあるのか?実際に販売された物件を例に挙げて、販売価格を左右したポイントを探ってみよう。
CASE1 高年式のほうが安い理由は人気カラー
トヨタ ハリアーハイブリッド
年式は5年落ちで走行距離は6.4万kmなので、標準よりもやや距離が伸びていることもあるが、右の物件よりも低年式ながら大幅に安くなったのは、ライトブルーメタリックという特殊なボディカラーによるところが大きいという。装備面はほぼフル装備状態だが、ボディカラーが価格に与える影響の大きさを象徴する例であるといえる。年式は6年落ち、走行距離5万kmという標準的な条件を基本に、人気ボディカラーのブラックという部分が大きな加点要素となっており、相場よりもやや高めに。左の物件よりも低年式であるにも関わらず30万円近く高いが、早々に売れたという。装備はフル装備状態ではないが、車検の残りの長さも加点要素のひとつになっている。
販売価格:265万円
グレード:プレミアムSパッケージ
ボディカラー:ライトブルーメタリック
初年度登録:H21年6月
車検:H26年6月
走行距離:6万4000km
エンジン排気量:3300cc
乗車定員:5人
オプションなど備考:サンルーフ/純正HDDナビ/バックカメラ/スマートキー/クルコン/パワーバックドア/ETCほか販売価格:292万円
グレード:プレミアムSパッケージ
ボディカラー:ブラック
初年度登録:H20年10月
車検:H27年10月
走行距離:5万km
エンジン排気量:3300cc
乗車定員:5人
オプションなど備考:純正HDDナビ/純正CD、MD、DVD/HIDライト/クルコン/ETCほか
サンルーフなどの後付けできないメーカーオプション装着車は中古車でも人気が高く、値段に反映されやすい。
去年の年末に新型が登場し、型遅れとなったが内外装のデザインに古くささはなく、大きく値崩れはしていないようだ。
CASE2 サイドリフトアップ車は極めてお買い得だ
トヨタ ヴェルファイア
相場よりも大幅に安くなっている最大の理由はサイドリフトアップ車であるということ。ノーマルとの違いは2列目シートが回転して介護に便利な仕様となっており、シートアレンジ面にわずかな違いがあるだけで本質的にマイナス要素と呼べるものは何もないのでお買い得度は高い。車検が切れているのでプラス10数万円かかると想定。年式は5年落ちで走行距離は3.5万kmなので平均よりも距離は少ない部類に入り、基本的に高値がつきそうな物件だ。ヴェルファイアで人気が高いボディカラーのブラック、大型ミニバンでは特に歓迎されやすい18インチの大径ホイール、希少な4WD車であるなど、大きな加点要素がいくつも重なっている。
販売価格:279万円
グレード:3.5Vサイドリフトアップ
ボディカラー:ホワイトパール
初年度登録:H21年2月
車検:なし
走行距離:3.3万km
エンジン排気量:3500cc
乗車定員:7人
オプションなど備考:社外HDDナビ/バックドアイージークローザーなど販売価格:322万円
グレード:3.5Zプラチナセレクション
ボディカラー:ブラック
初年度登録:H21年11月
車検:H26年11月
走行距離:3.5万km
エンジン排気量:3500cc
乗車定員:7人
オプションなど備考:4WD/社外HDDナビ/純正18インチホイールなど
サイドリフトアップシートはフルリクライニングおよび横スライドはできず、シートスライド量なども標準車とは異なる。
ヴェルファイアの場合はほとんど黒か白しか売れていないが、兄弟車のアルファードならハズシ色が狙えることもある。
CASE3 大排気量は敬遠され気味のため低価格に
トヨタ エスティマ
7年落ちとやや古めながら走行距離は非常に少なく好条件が重なっているように思えるが、排気量が大きなV6エンジン搭載がマイナス要素として響いた。大排気量車は燃費が悪そうなイメージと自動車税の高さにより敬遠されがち。新車では高額だっただけに買い得感は高い。さらに2列目シートがベンチタイプとなる8人乗りも割安に。年式は5年落ちで走行距離は2.8万kmなので、距離はかなり少ない部類に入る。ボディカラーはゴールドで、若干人気色からは外れているものの大きなマイナスとなるほどの色ではなく、装備が充実した4気筒エンジン車ということで比較的高値となっている。車検なしなので、実際には10数万円ほどプラスされることになる。
販売価格:199万円
グレード:アエラスGパッケージ
ボディカラー:ミディアムシルバーメタリック
初年度登録:H19年3月
車検:H26年5月
走行距離:2.5km
エンジン排気量:3500cc
乗車定員:8人
オプションなど備考:純正HDDナビ/純正フリップダウンモニター/両側パワースライドドア/など販売価格:259万円
グレード:G
ボディカラー:シルキーゴールドマイカメタリック
初年度登録:H21年3月
車検:なし
走行距離:2.8km
エンジン排気量:2400cc
乗車定員:7人
オプションなど備考:純正HDDナビ/純正バックカメラ/両側パワースライドドア/パーキングアシストなど
2~3列目シートの乗員のためのフリップダウンモニターはミニバンでは人気装備だが、後付けも可能なのでこだわらないほうがよい。
Gは快適装備を充実させたラグジュアリーなグレードで、本革巻き&ユーカリ茶木目調ステアリングホイールなどが備わる。
CASE4 クラウンでは白が圧倒的な人気を誇る
トヨタ クラウン
6年落ちで走行距離は5万kmと、右のホワイトの物件と条件的にはほとんど変わらないにも関わらず、シルバーだと約20万円も安く手に入る(他にも細部の違いはあるが)。どうしても「クラウン=白」のイメージを追いかけたい人でなければ、白以外を探すと割安な物件を見つけやすくなるといえるだろう。一般的に、日本人の多くが好むボディカラーは白とシルバー。特にセダンではその傾向が強くなり、クラウンのようなモデルでは伝統的に白が圧倒的な人気で、次いでシルバー、その他の色という流れがある。この物件は、条件的には左のシルバーの物件とほとんど変わらないのだが、ホワイトパールという色が大きな加点要素となっている。
販売価格:203.92万円
グレード:ロイヤルサルーン
ボディカラー:シルバー
初年度登録:H20年7月
車検:H27年7月
走行距離:5万km
エンジン排気量:3000cc
乗車定員:5人
オプションなど備考:純正HDDナビ/純正バックカメラなど販売価格:225.12万円
グレード:ロイヤルサルーン
ボディカラー:ホワイトパールクリスタルシャイン
初年度登録:H20年3月
車検:H27年3月
走行距離:5万km
エンジン排気量:3000cc
乗車定員:5人
オプションなど備考:純正HDDナビ/純正バックカメラなど
多くの人がこだわるということは、ある程度妥協できる人の場合は相場よりも安い物件を選びやすくなるということがいえる。
クラウンのような高級車の場合は内装の程度については妥協しない人がほとんどなので、内装の程度の善し悪しも大きく影響する。
CASE5 スポーツカーはMTが圧倒的な人気
マツダ RX-8
ATのタイプEとなれば大幅に安くなるRX-8。しかし、後期型の6ATはATの出来が良いので変速フィーリングが良く、ギア比が高いためにMTより良い燃費を出しやすいなどメリットも少なくないので、お買い得感は非常に高いものがある。RX-8のATはスポーツモデルの中でも積極的に選びたくなるATであるともいえるのだ。一般的に、スポーツモデルはATよりもMTのほうが相場は高くなる傾向が強い。このRX-8はグレードがRSなので、サスペンションなどミッション以外の仕様の違いも大きいが、年式と走行距離はほぼ同じで80万円もの差がついている。シルビアやWRX、ロードスターなどでも同様にMT人気が圧倒的なので相場は高めで推移する。
販売価格:220.19万円
グレード:タイプE
ボディカラー:ベロシティレッド
初年度登録:H22年10月
車検:H27年7月
走行距離:8万km
エンジン排気量:1300cc
乗車定員:4人
オプションなど備考:純正HDDナビなど販売価格:302.19万円
グレード:タイプRS
ボディカラー:クリスタルホワイトパールマイカ
初年度登録:H22年10月
車検:H27年1月
走行距離:7万km
エンジン排気量:1300cc
乗車定員:4人
オプションなど備考:純正HDDナビなど
外観はエアロパーツなどにグレードごとの違いがあるが、内装はほとんど変わらない。RX-8の場合はATでも満足度は高い。
スポーツカーの場合はステアリングやシフトなどのフィーリングも重要なので、実際に触ってチェックしたいところだ。
※すべての価格は参考価格です
※価格については2014年2月現在のものです
※車両価格などのデータは過去に販売された例として挙げており、必ずしも現在販売されている車両ではありません

CASE6 軽自動車でもスライドドア需要が高い
三菱 ekワゴン
2代目のekワゴンには一部のグレードに左側スライドドアが装備されるが、流通台数は普通のヒンジ式ドアのほうが多く、相場は安め。スライドドアは確かに魅力的な装備だが、これだけの価格差があっても納得できるほどの必要性を感じる人以外は、従来のヒンジ式ドア車のほうが買い得感は断然高いといえる。軽自動車では背の高いトールワゴンと呼ばれるタイプの人気が高いが、特に注目される装備のひとつがスライドドア。軽自動車ながらミニバン的な用途が求められる場合が多いため、年式が3年も古くてもスライドドアが大きな加点要素となり、高年式のヒンジドアタイプのモデルより3万円も高くなっているという実例だ。
販売価格:86.42万円
グレード:MX
ボディカラー:クールシルバー
初年度登録:H23年11月
車検:H26年11月
走行距離:0.4万km
エンジン排気量:660cc
乗車定員:4人
オプションなど備考:なし販売価格:87.45万円
グレード:GS
ボディカラー:ドーンシルバー
初年度登録:H20年11月
車検:H26年11月
走行距離:1.7万km
エンジン排気量:660cc
乗車定員:4人
オプションなど備考:左側パワースライドドア
CASE7 好みがわかれるエアロ車はお買い得?
トヨタ プリウス
カスタムパーツが装着されたクルマは、カスタムの内容にもよるが、一般的には中古車価格にあまり大きく上乗せされないので、カスタム車が好きな人にとってはお買い得となる。カスタムは好みが分かれるため、派手なエアロパーツを装着していたりすると相場よりも安くなるケースも多く、自分の好みと一致すればさらにお買い得だ。プリウスのような大人気モデルの場合、中古車の流通台数が多いので選択肢も多い点が魅力だ。H23年まで販売された先代モデルも流通台数が多い上、現行型に移行してから3年目ということで値段がこなれている。ハイブリッドカーとしての基本的なメカニズムは現行型とおおむね同じであり、お買い得な狙い目車として注目したい。
販売価格:70万円
グレード:S
ボディカラー:シルバー
初年度登録:H20年6月
車検:H27年6月
走行距離:6万km
エンジン排気量:1800cc
乗車定員:5人
オプションなど備考:フロントスポイラー/純正ナビ/コーナーポールなど販売価格:80万円
グレード:S
ボディカラー:ホワイト
初年度登録:H20年1月
車検:H27年1月
走行距離:6.8万km
エンジン排気量:1800cc
乗車定員:5人
オプションなど備考:純正ナビ/純正バックカメラなど
全身を社外品のエアロパーツで固めた状態はマイナス要素となる場合が多いが、自分の好みと一致すれば非常にお買い得となる。
実燃費は18~23km/L程度は記録するので、現在でも立派なエコカーとしてランニングコストの低減に貢献してくれる。
CASE8 「車検なし」がお得な場合もある?
トヨタ エスティマ
販売店に在庫している段階で車検が切れている状態に不安を感じたり、これから車検を通す費用が上乗せされることを敬遠する人は少なくない。しかし、良心的な販売店なら車検が切れたクルマでも丁寧に保管するので程度の劣化は心配ないし、買う時には2年車検が付いてくるので、むしろお得となる場合もあるという。中古車を選ぶ際に気になるのが車検の残り期間。いかに車両本体価格が安くても、すぐに車検が来るようでは車検の費用として10数万円かかることを思えば割安感が薄れるし、多少高めでも車検の残り期間が長いと割安感が高まる。経済性を重視する場合は、できるだけ車検が長く残っている物件を選んでおきたい。
販売価格:250万円
グレード:G
ボディカラー:シルバー
初年度登録:H21年1月
車検:なし
走行距離:4万km
エンジン排気量:2400cc
乗車定員:7人
オプションなど備考:純正HDDナビ/電動両側スライドドアなど販売価格:260万円
グレード:アエラス
ボディカラー:ブラック
初年度登録:H22年12月
車検:H27年12月
走行距離:5.8万km
エンジン排気量:2400cc
乗車定員:7人
オプションなど備考:純正HDDナビ/電動両側スライドドアなど
車検の残りが1年未満の物件よりも、車検ナシ物件のほうが結果的に費用が安く抑えられる場合もあるので、販売店に詳細を尋ねよう。
新車から3回目以降の車検となると、消耗品の交換などメンテナンス費用がかさむ可能性が高くなると認識しよう。
CASE9 走行距離は5万kmを越えると価格に大きく影響
トヨタ ハリアーハイブリッド
一般的に、走行距離が価格に大きく影響する目安として、5万kmという数字が挙げられる。5万km未満の場合はそれほど価格を左右しないが、5万kmを越えると年式が新しくても価格の下げ幅は比較的大きくなる傾向に。5万kmを越えたからといって急激に劣化が進むわけではないが、市場の反応が変わってくるため重要となるようだ。多くの人が気にする走行距離。基本的には、走行距離の数字が増えると価格は下がりやすくなるが、走行距離以外の条件がおおむね同じ場合、1~2万km程度の差はそれほど大きく価格に反映されないものだという。その理由は、クルマの程度の善し悪しなど、中古車としての本質的な品質を見極めて値付けされるためだ。
販売価格:230万円
グレード:プレミアムSパッケージ
ボディカラー:ブラック
初年度登録:H21年11月
車検:H26年11月
走行距離:6.5万km
エンジン排気量:3300cc
乗車定員:5人
オプションなど備考:純正HDDナビなど販売価格:255万円
グレード:プレミアムSパッケージ
ボディカラー:ブラック
初年度登録:H24年2月
車検:H27年2月
走行距離:3万km
エンジン排気量:3300cc
乗車定員:5人
オプションなど備考:純正HDDナビ/革シート/シートヒーターなど
多少過走行気味でも、一定速度での高速巡航が中心で伸びた数字ならばクルマが受ける影響は少ないので、過度な心配は無用だ。
走行距離が多少多めでも価格が高めの物件は、その分だけ程度や装備内容が良いなどの加点要素が多い物件であるといえる。
CASE10 オーナー数はあまり価格に影響しない
トヨタ ヴェルファイア
たとえ3オーナー車であっても、歴代のオーナーに丁寧に扱われていたクルマなら何の問題もないため、時にはワンオーナーよりも高くなることもある。3名のオーナーはすべて販売店の顧客であり、入庫の履歴はもちろん、どのような乗られ方をしてきたかも把握できているため、販売店側も自信をもって値付けできたようだ。オーナーの数は少ないほうが気分は良いと感じる人は多い。特に高級モデルの場合はワンオーナーかどうかを重視して選ばれることが多いが、実際にはクルマの本質にあまり影響しないため、意外と価格にも反映されない場合が多いようだ。この物件はワンオーナーだが、価格差を決定づけたのは内装の程度によるものだったという。
販売価格:295万円
グレード:2.4V
ボディカラー:ブラック
初年度登録:H20年2月
車検:H27年2月
走行距離:3.8万km
エンジン排気量:2400cc
乗車定員:7人
オプションなど備考:純正ナビ/純正バックカメラ/両側パワースライドドアなど販売価格:280万円
グレード:2.4V
ボディカラー:ブラック
初年度登録:H20年8月
車検:H27年8月
走行距離:4.0万km
エンジン排気量:2400cc
乗車定員:7人
オプションなど備考:純正ナビ/純正バックカメラ/両側パワースライドドアなど
オーナーはいずれも非喫煙者で、車内での飲食もほとんどされなかったほど大事に扱われてきた物件だけに内装の程度は素晴らしい。
たとえワンオーナーでも、喫煙車であったなど内装に関するマイナス要素があればそれだけで価格は下がることになる。
CASE11 兄弟車は本質的に同じと認識する
トヨタ ノア/ヴォクシー
ミニバンとはいえエクステリアデザインを重視する人は多く、よりスタイリッシュなことでノアよりも人気が高いヴォクシー。中古車相場はノアよりも若干高めだが、流通台数が多いことで物件の選択肢はより多く、細部にこだわる人にとっては、ノアよりも理想的な物件と出会う可能性は高いといえるが、両方とも検討するのが良い。販売店違いの兄弟車であるノア/ヴォクシー。両車の違いはフロントマスクのデザインのみで、クルマとしてはほぼ同じ。それでも新車市場ではよりスポーティなヴォクシーのほうが圧倒的に人気が高く、中古車の平均相場も116.8万円と、ノアの100.8万円よりも高め。若干のデザインを気にしなければノアのほうがお買い得だ。
販売価格:195万円
グレード:ヴォクシー・Z
ボディカラー:ホワイト
初年度登録:H21年11月
車検:H26年11月
走行距離:3.8万km
エンジン排気量:2000cc
乗車定員:7人
オプションなど備考:純正ナビ/両側パワースライドドアなど販売価格:185万円
グレード:ノア・S
ボディカラー:ホワイト
初年度登録:H22年4月
車検:H27年4月
走行距離:2.5万km
エンジン排気量:2000cc
乗車定員:7人
オプションなど備考:純正ナビ/両側パワースライドドアなど
流通台数はノアの約2900台に対して約3800台と多いため、相場は高めでも自分好みの色や仕様を探しやすいというメリットがある。
相場はノアのほうが安いせいか、ヴォクシーより新しくて距離が少ないにも関わらず、より割安な物件が流通していることもあるので狙い目だ。
CASE12 同じ年式でも中身が大きく異なるケース
特殊なケース スバル レガシィ
H24年5月以降の後期型からエンジンとミッションが新しい世代に変更。サスペンションの仕様も変わって乗り心地など改善された箇所はかなり多く、見た目はほとんど同じながら中身は別モノと化している。そのため、同じ年式でも5月以降の登録車は相場がやや高め。性能にこだわる人は変更された内容を調べて吟味しよう。現行型レガシィはH24年5月以降の後期型からエンジンの世代交代が実施されている。見た目はそれほど変わっておらず、排気量は同じ2.5リッターのままだが、おもに燃費性能が変わっている。つまり、同じH24年式でも初年度登録が5月以前か以降でパワートレーンは別物に。マニア以外では見落としがちなポイントである。
販売価格:245万円
グレード:2.5iアイサイト
ボディカラー:シルバー
初年度登録:H24年8月
車検:H27年8月
走行距離:1.8万km
エンジン排気量:2500cc
乗車定員:5人
オプションなど備考:なし販売価格:225万円
グレード:2.5iアイサイト
ボディカラー:ホワイト
初年度登録:H24年4月
車検:H27年2月
走行距離:1.5万km
エンジン排気量:2500cc
乗車定員:5人
オプションなど備考:純正HDDナビ/など
NAでは大差ないがターボエンジンのパワートレーンの進化幅は大きいため、ターボが欲しい人は後期型を選ぶほうが満足度は高くなる。
性能面に大差はなくても、エンジンとミッションの世代がやや古いというだけで安くなる。世代よりも程度の良さを見極めて選びたい。
※すべての価格は参考価格です
※価格については2014年2月現在のものです
※車両価格などのデータは過去に販売された例として挙げており、必ずしも現在販売されている車両ではありません

中古車の本質を見ようとすればお買い得車が見つかる! 多くの人は気にするが、実はあまり気にする必要はないポイントとは?
昔から中古車を選ぶ際に気になるポイントとして挙げられるのがこの4項目だが、これらは必ずしも中古車の品質を左右しない。本質的な品質を見極めるためには、過度に気にしないことだ。
年式
年式ごとの仕様違いは「アプライドO型」などと呼ばれるので、乗り味など細部の仕様が気になる人は年式ごとの違いを確かめておきたい。
古くても前オーナーの保管状態と
メンテナンス管理に注目
新しいに越したことはない反面、古いものは良くないと判断するのは早計だ。新車から車検までの3年間をノーメンテで過ごした3年落ち車と、定期的に点検や油脂類の交換を受けてきた5年落ち車のどちらが安心かというと後者となる。メンテナンスの有無は確認したい。また、同じ車種・グレードでも年式によって仕様が異なる場合が少なくないということを知っておこう。たとえばスバル車の場合はほぼ1年ごとに細かく仕様が変更され、サスペンションのセッティングが異なることも。
走行距離
管理が良くてもゴムや樹脂パーツは経年劣化が避けられないので、10年を越えた個体では交換履歴の有無をチェックしたいところ。
オドメーターの数字にとらわれず
クルマの本質を見極めるようにしたい
少なければ少ないほど気分が良いというのが一般的だ。しかし、極端な例を挙げれば、たとえ走行距離が新車のように少ないクルマでも、長期間眠っていたような状態では程度が良いと言い切れないし、過走行気味でも完璧な整備を受けてさえいれば、20万キロでも30万キロでも問題なく乗り続けることが可能。走行距離の数字にとらわれず、メンテナンスの履歴や過去の保管状態を知ることが大切である。販売店側が前オーナーの管理状態を把握できている物件は安心といえる。
乗車人数
クルマを買う際には気持ちが高揚するので、つい勢いで余計なものを求めたりしてしまうもの。妥協できる機能や性能を整理しておこう。
その性能や機能は本当に必要なのか熟慮する
ファミリーカーとしてミニバンを選ぶ人は多いが、3列シート付きの6~8人乗りのクルマが果たして本当に必要なのかどうかをあらためて考えてみる。「あれば便利かも」というだけで3列シート車を買っても宝の持ち腐れとなってしまうことは少なくない。乗車人数以外でも、たとえばスポーツモデルの高出力や大排気量エンジンなど、イメージ先行で欲しくはなるものの、実際にはまったく不要だったりするものは多い。その性能や機能が本当に必要なものか冷静な熟慮を。
前オーナーの数
それでも2ケタナンバー車のような、年式が古いクルマの場合、内外装の程度が良いなら1人のオーナーが長年大事にしてきた可能性が高い。
ワンオーナーは必ずしも程度が良いわけではない
「ワンオーナー」をアピールポイントとして掲げる物件は少なくない。同じ5年落ちのクルマでも、所有者が3人も変わったクルマより1オーナーのほうが良さそうに思ってしまうものだが、これも年式や走行距離と同じく、過去のオーナー数が中古車の本質を左右するものではないということを認識しよう。メンテに無関心なオーナー1人に所有されたクルマより、手入れや管理がマメなオーナー3人から愛されたクルマのほうが程度が良いということも十分ありえる。
買い得車を探すなら徹底的に妥協するのもアリだ 妥協してもOK、むしろ良い物件を探すなら妥協したほうが良いポイント
内外装や機関部分の程度が良好で気に入った物件が見つかったら、クルマの性能や品質の本質に大きな影響を及ぼさない部分についてはある程度妥協することも必要。そのほうが決断が早くなる。
装備
装備は充実しているに越したことはないが、たとえ装備が少なくても内外装や機関の程度がより良い物件を選ぶほうが良い場合も。
その装備は本当に自分にとって
なくてはならないモノなのか再考する
中古車のメリットのひとつに、新車では高い上級グレードやオプション装着車と廉価車との価格差が小さくなることがある。それゆえに、装備が充実している物件に惹かれることは多いが、その装備が本当に重要なものかどうかを、あらためて冷静に判断すると、実際にはそれほど必要なものではないと気がつくこともある。冷静な自己分析も必要だ。
ボディカラー
市場での不人気色は希少性が高く、同じ色のクルマと滅多に遭遇しないなど、逆に優越感を抱いてマニア心をくすぐるメリットも。
特に乗りつぶすつもりの人は
妥協したほうが断然お得に
もっとも大きく中古車価格を左右するといわれるボディカラー。同じ程度の物件でも、不人気色というだけでグッと安くなるので、「絶対に赤いクルマに乗る!」などという強いこだわりがない場合は、ボディカラーは妥協したほうが断然お得となる。特に乗りつぶすつもりの人はリセールを心配しないでよいので、最初から不人気色を狙うのも手だ。
型おくれの旧モデル
新型は燃費やボディ剛性感、質感などが向上しているが、ミニバンとしての本質はほとんど変わっていないといえるモデルは多い。
特にミニバン系は
型おくれでも気にならないことが多い
一般的には、走行距離や内外装の程度が同じレベルであっても、1世代古いモデルの場合はグッと安くなる傾向が強い。しかし、1世代前のモデルでも本質的には現行型と比べても見劣りしないことが多い。特に居住性や実用性が重視されるミニバンでは、型遅れでもマイナスに感じる要素は少ないので、旧型を含めて検討することをオススメする。
エンジンタイプ
逆にエンジンの魅力が大きいモデルの場合は、機関部分の程度を最重視して、それ以外の部分については妥協するのもアリだ。
実用車ではエンジンのタイプで
後悔させられることは少ないと言える
「できればOOタイプのエンジンが欲しい」と希望することは多い。しかし、エンジン性能の重要性が高いスポーツモデル以外では、エンジンの種類で後々になって後悔することは少ないといわれているので妥協できるポイント。たとえばCX-5ではディーゼル人気が高いがその分値段も高く、実燃費はほとんど変わらないので経済性では割高となる。
まとめ
自分の理想像を見直すことでお買い得な中古車の姿が見えてくる
中古車価格を左右するポイントを知れば、お買い得車を探しやすくなる。いくつかの候補が挙がって悩んだ時は、自分がクルマに求める性能や機能の優先順位を再考しながら整理し、「捨てる部分は潔く捨てる」ような感覚で絞れば買うべきクルマが見えてくるので、自分の理想像を再考することが重要となる。