中古車購入チェックポイント
更新日:2022.01.25 / 掲載日:2022.01.25

購入する中古車の保証期間を選ぶポイントとは?

中古車についている保証というのは、いくつか種類があってそれぞれ保証期間も異なります。また、買おうとしている車の年式によっても付けられる保証期間は変わってきます。

この記事では、中古車の「保証の種類」と「それぞれの保証期間」について解説します。また。購入する中古車の年式別で「おすすめな保証期間」についても紹介します。

もし中古車が故障してしまったときの対処方法もまとめたので参考にしてください。

中古車に適切な保証期間のついた保証をつけるべき理由とは?

なぜ、中古車に保証をつけるべきなのでしょう?

中古車は新車とは違い、これまで使用されていた期間があります。大事に使われていたのか、乱暴に使用されていたのかも見ただけでは分かりません。

そのため、新車と比べるとどうしてもパーツが劣化や消耗しており、故障の不安を少なからず抱えています。そして、その不具合の程度によっては命に関わる大きな事故につながる可能性もあります。

また、たとえ安く中古車を買えたとしても、保証なしであるばかりに修理費用で高いお金を払うのでは本末転倒になってしまいます。

中古車を購入する際には、故障のリスクに備えて適切な保証期間のついた保証を選ぶことはとても重要なのです。

保証と保険の違い

中古車の「保証」と「保険」には違いがあります。

中古車の「保証」とは、日常的に車を使用していて不具合が出たり故障が生じたりしたときに、メーカーや販売店が修理をすることです。

自分で車をぶつけてしまったことによる故障や傷は、対象とはなりません。このような場合の損害を補うのが「保険」です。

似た言葉ですが意味は異なりますので違いを覚えておきましょう。

今回の記事では保証とその保証期間について説明していきます。

中古車の保証の種類

保証はどこでどのような中古車を買うかによって様々です。そのため、どの保証をつけるかよく検討することが必要です。

保証の種類は、主に「メーカー保証」と「販売店保証」に分けられます。もう少し細かく挙げると下記の4つとなりますが、メーカー保証以外はすべて販売店保証となります。

①メーカー保証
②メーカー系ディーラー保証
③中古車販売店の保証
④中古車検索サイトの保証

どの保証にしても、保証内容の確認ポイントをざっと挙げるなら以下の通りとなります。

・保証期間はどれくらいか?
・対象となる箇所と対象とならない箇所はどこか?
・修理の際の費用に限度額があるのか?
・走行距離の制限の有無はあるのか?
・2回目以降の保証はあるのか?

それぞれの保証がどのようなものか見ていきましょう。

保証の種類①メーカー

メーカー保証は、高年式の中古車で新車の保証期間が残っている場合のみ対象となります。

中古車であっても保証を引き継ぐことが可能ですが、保証の継承手続きを行わなければなりません。継承手続きには、名義変更後に12ヶ月点検と同程度の点検をディーラーで行うことが必要です。

また、メーカー保証といっても2種類あり「一般保証」と「特別保証」に分けられます。

一般保証とは?
車を構成する一般的な部品について交換や修理をしてくれる保証になります。対象部品は以下になります。
・カーナビ
・エアコン
・オーディオ
・ワイアレスロック
・パワーウィンドウ
・ドアミラー
・マフラー など

特別保証部品、消耗部品またオイルは対象外となります。

一般保証は各メーカーで保証の内容に差はなく、ほぼ同じと言えるでしょう。

特別保証とは?
安全、走行、環境性能に関わる重要な部品を対象とした保証です。対象部品は以下になります。
・エンジン
・ステアリング
・ブレーキ
・ギヤ
・トランスミッション など

一般保証とは違い、特別保証は各メーカーによって内容も期間も異なります。そのため、自分が購入する中古車のメーカーのホームページを見て、保証内容を確認することが重要です。

保証の種類②メーカー系ディーラー

メーカー系ディーラーの保証は、期間内に生じた不具合を無料で修理してくれるサービスのことです。中古車をディーラー系の販売店で購入する場合には、必ず付帯されてきます。

保証の内容は、新車の保証とそれほど変わりません。それはディーラーが太鼓判を押しているということでもあり、中古車としては信頼できるでしょう。

対象部品は以下になります。
・エンジン
・エアコン
・カーナビ
・バッテリー など

逆に対象外部品は以下になります。
・エンジンオイル
・ブレーキバッド
・車体のサビ など

メーカー系列であるメリットは、まず手厚いサービスが期待できることです。

また、買ったお店に限らず、全国各地にある系列店で保証修理を受けることができるというメリットもあります。特に移動の多い方や、今後引っ越しの予定がある方には心強いでしょう。

保証の種類③一般の中古車販売店

一般の中古車販売店の保証は、保証される内容がそのお店によってそれぞれ異なるので注意が必要です。

走行距離に上限があったり、保証される対象が限定されていたりする場合があります。

保証期間も短期になるので、きちんとした保証をつけたいと思う場合にはオプションとなってしまい有料になる可能性もあります。

さらに、販売店によっては車検や点検を中古車を購入したお店またはその系列店で受けなければなりません。車検を別の工場に出してしまった場合、保証期間内であったとしても保証が無効になってしまいます。

販売店の保証を選ぶ際には、必要な保証がきちんとついているのか、よく検討し見極めることが必要です。

保証の種類④中古車検索サイト

小さい中古車販売店だと、大手のような保証サービスを用意できないこともあります。そのような場合には、中古車検索サイトから提供されている保証をつけることができます。

保証の内容は、一般の中古車販売店とほとんど同じことが多いです。

ただし、検索サイトに掲載されているすべてのお店・中古車が対象となっているわけではありませんので、検索サイトから中古車を選ぶ際には確認が必要です。

さらに、保証がついていたとしても修理の費用を一部自分で負担しなければいけないケースもあります。また、その修理を行う工場も限定されている場合があり、引っ越し予定があるなどの場合には使い勝手にやや難があるかもしれません。

保証なしの中古車で考えられること

保証がなかったり、保証があったとしてもあまりにも短い期間であったりする中古車で考えられることは何なのでしょう?

それは、品質にやや問題があり、故障する可能性が高いということです。販売店の保証の場合には修理費用は販売店が負担することになるため、保証がなかったり短期間の保証であったりする場合があります。

しかし、保証がないからといってすべての中古車が危ないわけではありません。販売店によっては、自信があるからこそ保証をつけないということもあります。そのような販売店ではある程度の故障は無償で修理をしてくれたり、誠意のある対応を行ってくれたりします。

販売店の傾向や保証の内容をよく検討した上で、保証のついた中古車を選ぶかどうかを決めましょう。

各保証の保証期間

これまで保証の種類についてざっと見てきました。では、それぞれの保証期間はどうなっているのでしょう?

一般的な保証期間はどれくらいなのか、また注意するべき点について説明していきます。

保証期間①メーカー

メーカー保証には「一般保証」と「特別保証」がありますが、それぞれ保証期間が異なっています。

・一般保証の場合
基本的に「新車登録を行ってから3年間」または「新車登録してから6万キロを走行」のどちらか早いほうまでとなっています。

・特別保証の場合
基本的に「新車登録を行ってから5年間」または「新車登録してから10万km走行」のどちらか早いほうまでとなっています。

保証期間が違っているため、メーカー保証を継承する場合には自分の購入する中古車の保証期間がどれくらい残っているのかを把握するようにしましょう。

さらに、保証期間延長措置というものもあります。これは、材料や製造上の問題で不具合が発生する確率が高い部品のみ、保証期間や距離を延長し、延長期間内での不具合はメーカーで無料修理を行ってもらえるものです。

リコールとは異なりメーカーからの連絡はないため自分でメーカーのウェブサイトで情報を確認する必要があります。

保証期間②メーカー系ディーラー

メーカー系ディーラーの保証期間はメーカーにより異なりますが、一般的に「走行距離は無制限」「無料で1年間」となります。

追加料金を払うことにより、最長3年まで延長ができる場合もあります。購入した中古車を乗り始めてからの延長はできず、購入時にしか延長はできないため注意が必要です。

また、ディーラーの保証がついている中古車は基本的に走行時の安全性だけでなく、ナビやエアコンも問題ないと確認されているものになります。

通常の使用であれば大きな故障・不具合が発生する可能性は少ないため、無理に延長をする必要はないとも考えられます。

しかし、全く故障が発生しないとは言い切れません。もし気になるようであれば、安心を買うという意味で保証を延長しておきましょう。

ただし、メーカーによっては車両の価格が40万円未満だと無料保証期間は3ヶ月となる場合があります。保証の延長もできません。そのため、自分の買おうとしている車にどれくらいの保証期間をつけられるのか、メーカーの情報を確認しておいてください。

保証期間③一般の中古車販売店

一般の中古車販売店の保証は、そのお店や購入しようとしている中古車により様々ですので、注意が必要です。

保証期間は短いものになると「1ヶ月~3ヶ月くらい」もしくは「走行距離1,000km~3,000kmくらい」のものがあります。

このような保証期間の短いケースだと、いざ故障したときに保証が切れており、意味がないということにもなりかねません。

反対に、保証期間が長いものもあります。ある一定の基準を満たした車両には、保証期間は「2年間」で「走行距離が無制限」の保証がつけられているという場合もあります。

また、中古車販売店によっては保証期間が「10年」というものもあります。

注意しなければならないのは、1年目の修理は無料ですが2年目からは修理費用が発生するものや、そもそも1年目から修理費用が必要になるケースもあるという点です。そういった場合は、1回あたりの修理費用が一般的に1万円ほどになります。

毎回の車検、点検を購入した中古車販売店で受けることが保証に加入する条件となっている場合もあるため、それぞれの中古車販売店の保証を比べてみてもいいかもしれません。

保証期間④中古車検索サイト

中古車検索サイトも中古車販売店の場合と同様、サイトによって保証期間に差があるので注意が必要です。

中古車検索サイトによっては保証期間が「半年」「1年」「2年」「3年」と選べる場合もあれば、「1年」しか選べないサイトもあります。保証期間の最長は3年となっていることが多いです。

なお、輸入車については一般的に保証期間は最長2年までとなっていることがほとんどです。

保証対象部分の故障であれば修理費用が支払われますが、選択した保証期間によっては補償金額の累積上限が設定されています。さらに、1回あたりの修理費用の上限が設定されていることもあります。

また、中古車検索サイトに掲載されているすべての中古車に保証をつけられるわけではありません。保証をつけられるのは、サイトに保証対象と明記されている中古車のみとなります。

特に、新車登録してから13年以上経過している中古車については保証をつけられないケースがほとんどです。

自分がどれくらいの保証期間をつけたいかによって、使用する中古車検索サイトを選ぶ必要があります。

購入する車の年式によっておすすめの保証期間は異なる

基本的にどの年式であっても、最低限6ヶ月の保証期間をつけておくことが望ましいとされています。

特に古い中古車になってくると、購入してからの半年間で不具合または故障が生じるケースが多いことがその理由です。

しかし、どのような年式の車を選ぶかによって「おすすめの保証期間」は異なってきます。

例えば、新車に近い中古車を選んだ場合には、新しい分それなりに長い期間乗り続けようと思うかもしれません。一方、新車登録から10年近く経った中古車については、古いのでそれほど長期間は乗らないことが考えられます。

それぞれの車の年式によってどれくらいの保証期間をつけることが望ましいのか、見ていきましょう。

年式:2年以内

新車登録してから2年以内の中古車であれば、保証期間は3年程度つけることがおすすめです。

年式が2年以内であれば、新車のメーカー保証の期間が残っていることが多いです。メーカー保証を継承し、うまく組み合わせることで最低限の費用で最大の保証をつけることができます。

年式:2年~4年

新車登録してから2年~4年経過している中古車については、2年程度の保証期間をつけることができます。

なお、3年以上経過している中古車には特に注意が必要です。仮に前の持ち主が売却を前提としていた場合、車検の際にメンテナンスを十分に行っていなかったことも考えられるためです。

そういった可能性を見越して、次の車検までを保証期間としておくほうが安心でしょう。

年式:4年~6年

新車登録から4年~6年経過した中古車の保証期間については、1年~2年程度が望ましいとされています。

新車時代からはそれなりに期間が経っているため、少しずつ不具合や故障が出やすくなってくるためです。

もしある程度長い期間乗り続ける予定ならば、保証を有料で延長することも検討しましょう。

年式:6年以上

新車登録から6年以上経っている中古車の場合、6ヶ月程度の保証期間は必要とされています。

古くなればなるほど、最初の6ヶ月の間に不具合が生じる可能性が高いためです。

新車から乗り換える際の平均的な車齢は7年程度ですので、整備に不良があったというよりは部品の経年劣化が原因である場合が多いです。

平均車齢を過ぎた中古車については、保証をつけるとはいえ、もとより故障や不具合のリスクはあると理解した上で使用することが大事です。

中古車が故障してしまったとき

保証期間内に中古車に不具合や故障が発生した場合、どのように対応すればいいのでしょう?

まずは証拠を残すことが重要です。不具合が証明できないと保証してもらえない可能性もあるため、動画や写真を撮っておくことは有効となります。

次に、速やかに中古車を購入した販売店に連絡を入れてください。期間が空いてしまうと経年劣化と判断されてしまったり、連絡しないまま修理をした場合には保証してもらえなかったりするケースも考えられます。

さらに、車両状態説明書に不具合について記載があるかどうかを確かめましょう。記載のない不具合の場合、契約不適合となりますので、中古車販売店はそれを保証する責任があります。このようなケースだと、契約解除や損害賠償請求ができるかもしれません。

また、保証をつけてあるから大丈夫と安心するのではなく、今回故障や不具合の生じている箇所が保証対象であり、保証期間内であるかをきちんと確かめることも大切です。

まとめ

①中古車は新車よりも故障のリスクが高いため、その車に合った適切な保証期間での保証をつけることがおすすめ

②保証の種類には主に「メーカー保証」「メーカー系ディーラー保証」「一般の中古車販売店の保証」「中古車検索サイトの保証」の4つがある

③選ぶ保険の種類によってそれぞれ保証期間は異なるが、メーカーや販売店によって様々な条件があるため比較検討することが大切

④選ぶ中古車の年式によってもつけるべき保証期間は異なるが、最低限6ヶ月は必要

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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