日産サニーの中古車購入の際の選び方の参考ポイント

サニーは「すべての人にモビリティを届けたい」という日産の想いを乗せて、日本の高度経済成長期最中の1966年4月にリリースされました。

1964年の東京オリンピック開催に向けて、首都高速道路や東名高速道路の工事が進む中、来る本格的なモータリゼーションを想定し、誰もが購入しやすい日本のマイカーブームを牽引するベーシックカーとして開発されました。

625kgの軽量ボディにタフな新開発1000cc直列4気筒OHVエンジンを搭載し、高速巡行もラクラクこなす優れた動力性能を備える、エポックメイキングな3ドアセダンとして華々しいデビューを飾っています。
また、販売前年の12月より車名の公募を開始し、2ヶ月間で約850万通の応募が寄せられるなど、初代「ダットサン サニー」のデビューは期待の大きさを物語るセンセーショナルな出来事となりました。

後に100cc大きな1.1Lエンジンを搭載したモデルが追加され、その後はトヨタを代表するワールドベストセラーカー「カローラ」とともに、「CS戦争」と呼ばれる程、互いを良きライバルと評し、切磋琢磨し合いながら進化を続けます。

排気量の拡大やスペース効率を高め、居住性を重視した前輪駆動の採用をはじめ、サスペンションの改良による乗り心地・操縦安定性の向上に加え、悪路での走行安定性能を高めるフルタイム4WDモデルなどが追加されました。先進的なスタイリングとともに、時代を象徴するコンパクトセダンとして安定的なセールスを誇りました。

セダンやクーペ、ハッチバックのバリエーションに加え、ステーションワゴン、バンやトラック、キャブタイプのライトバンなど、多彩な派生車をラインナップに生むなど、まさに日産を象徴する人気ブランドとして揺るぎないポジションを築きます。

2004年10月まで9世代にわたり販売され、「ティーダラティオ」に4ドアセダンのポジションを引き継ぎ、伝統のブランドは幕を下ろします。

2年後の2006年10月に長年にわたりライバルであった「カローラ」も、その役割を終え次世代コンパクトセダン「カローラスパシオ」へバトンタッチされるのも、象徴的な出来事として取り上げられました。

ここではサニーの中古車購入の際の選び方の参考ポイントとして、主なグレードの特徴、維持費と燃費、中古車の価格相場や価格帯を取り上げてご紹介します。

ここでは最終モデルとなる9代目モデルの後期型について説明します。

・FE
1.3Lおよび1.5L直列4気筒DOHC自然吸気エンジンが搭載されます。
駆動方式は2WD/FFモデルと1.5Lのみビスカスカップリング方式を採用するフルタイム4WDモデルが設定されています。

ベーシックグレードながら、UVカットグリーンフロントガラスやトップシェード付 UVカット断熱グリーンフロントドアガラスをはじめ、パワー＆チルトステアリングやオゾンセーフエアコン、リッド付センターコンソールボックスに加え、デュアルSRSエアバッグシステムや前席アクティブヘッドレストが装備されます。
ドアミラーブラック仕上げとなり、最適配光2灯式C.S.R.ハロゲンヘッドランプ仕様となります。

足回りは14インチタイヤ＆センターキャップが装着され、4WDモデルは同径ながら1サイズ太い185サイズとなります。

・EXサルーン
搭載されるエンジンは1.5Lエンジンのみとなる上級グレードです。
「FE」グレードに対し、電動リモコンカラードドアミラー、全席パワーウインドウ、集中ドアロック、リモートコントロールエントリーシステム、キー連動室内照明システム、マップランプが装備されます。

また、交通情報スイッチ付カセット一体AM/FM電子チューナーラジオ+2スピーカー、運転席シートリフターなどの快適装備に加え、室内のドアトリムがクロス張りなどといった、上質感漂う装備となっています。

外観上はサイドガードモールがボディ同色のカラードタイプとなり、足回りは14インチタイヤ＆フルホイールキャップ仕様となります。

・スーパーサルーン
2WD/FFモデルのみの設定となる最上位グレードです。
「EXサルーン」グレードに対し、フロント無段間けつ式セミコンシールドワイパー、タコメーターが追加されます。

オゾンセーフオートエアコンや電動格納式リモコンカラードドアミラー、トップシェード付UVカットグリーンフロントガラス、後席ハイバックシートやリヤセンターアームレストなどの快適装備をはじめ、4スピーカー、メッキ加飾+室内色ドアインサイドハンドル、助手席バニティミラーなど室内の質感の向上や実用性の高い装備が追加されます。
外観上はマッドガードがボディ同色のカラードタイプとなります。

ここでは、サニーの型式ごとの燃費の違いと、燃費に基づく年間の燃料代と自動車税からなる年間維持費用をまとめます。
同じ型式でも車両重量などにより若干の差異が生じることがあります。

なお、年間の走行距離は年間1万km、ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しています。また、自動車税は2018年10月時点で参照したものとなります。

・B15：1.3L/5MT/FFモデル
使用燃料：無鉛レギュラーガソリン
10モード/10・15モード燃費：17.6km/L
年間ガソリン代：約76,704円（568.1L x 135円） ※1
自動車税：年間34,500円 ※2
年間維持費：約111,204円 ※3

・FB15：1.5L/4AT/FFモデル
使用燃料：無鉛レギュラーガソリン
10モード/10・15モード燃費：16.2km/L
年間ガソリン代：約83,333円（617.2L x 135円） ※1
自動車税：年間34,500円 ※2
年間維持費：約117,833円 ※3

・FNB15：1.5L/4AT/フルタイム4WDモデル
使用燃料：無鉛レギュラーガソリン
10モード/10・15モード燃費：14.2km/L
年間ガソリン代：約95,070円（704.2L x 135円） ※1
自動車税：年間34,500円 ※2
年間維持費：約129,570円 ※3

※1．ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しております。
※2．自動車税は2018年10月時点で参照したものとなります。
※3．年間の走行距離は年間1万kmと仮定して1年間のガソリン代を算出し、自動車税を合算して、年間維持費として計算をしております。

サニーはややエッジを立てた見切りの良い、5ナンバーサイズの上品でトラディショナルなスタイリングに加え、長時間の移動でも疲れを感じにくい厚みのある掛け心地の良いシートや乗り降りをスムーズにする高めに設定された後席シートなどがあります。

ホスピタリティの高いパッケージデザインを採用するコンパクトセダンであり、比較的安定した中古車価格を維持しています。

しかしながら、流通台数がやや少ない傾向にあり、じっくりと時間をかけ、好みにあった最適な1台を探すことをおすすめします。

9代目 日産 サニー B15系：2.9～98万円
FB15：2.9～32.9万円

EXサルーン：2.9～32.9万円
スーパーサルーン：15～55万円

一部200万円台から300万円台のプライスが付けられている車両がありますが、人気のある2代目クーペモデルをドレスアップした車両のため割愛します。
最終モデルにあたる9代目モデルは2004年10月に販売を終了しており、既に月日が経過していることもあり、登録台数がやや少ない傾向にあります。

車両価格は概ね10万円未満から60万円台を中心に分布しています。
走行距離に関しては、1万kmから5万km未満の低走行車両、10万kmを超える年式相応とも言えるマイレージの車両まで、広く分布している特徴が窺えます。

あまり乗られていなかった程度の良い車両が散見され、じっくりと走行距離や程度、グレードなどから、最適な1台が見つかることでしょう（上記中古価格帯については、2018年10月1日時点での数値となっています）。

年式やグレード、オプション装備をはじめ、走行距離や程度、ボディカラーなどで個々の中古車販売価格が異なりますので、中古車を価格で選ぶ際には、最新の価格をチェックするようにしましょう。