中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.22 / 掲載日:2016.05.20
トヨタ エスティマ(2014年9月~)中古車購入チェックポイント
トヨタ エスティマ (2014年9月~) 中古車購入チェックポイント
参考車両:3.5 アエラス 2WD 8人乗り[DBAGSR50W]
初度登録:2014年9月
追加装備:〈メーカーオプション〉パノラミックビューモニター、クリアランスソナー&バックソナー、HDDナビゲーションシステム+エスティマパノラミックスーパーライブサウンドシステム、G-BOOK mX Pro専用DCM+盗難防止システム〈ディーラーオプション〉専用フロアマット(エントランスマット付)
■全体のチェックポイント
2006年1月に発売した3代目が、2度のマイナーチェンジを経た後、2014年9月に一部改良したモデル。スペシャリティミニバンとしての基本構成は維持しながら、仕様装備を変更しているところにも注目。ユーザー層が幅広いので、車両の傷み具合などから、どのように使われていたか探ってみたい。
関連部や走行機能のダメージにも注意してチェック
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、歪みやずれ、塗装の異常などにも注意しながら外装の様子を観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、ロアグリル、フォグランプカバーなどに損傷がないか見て、立て付けも調べる。下側にあるタイヤ前エアスパッツ(整流板)の破損にも注意。同時に、アッパーグリル、ヘッドランプ、ボンネットもチェック。フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側にあるライナー(泥よけカバー)などもチェック。
3.関連部の状態もチェック
3.関連部の状態もチェック
ドアは、外面やサイドクラッディングパネルだけでなく、内側(側部のパネル接合部など)も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、車体側のピラー(柱)など関連部も慎重にチェックする。
4.車体の内側もチェック
ボンネットの内側やヒンジ部もチェック。フェンダーも、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡などがないか見て、固定ネジやブラケット(支え金具)をチェック。同時に、車体パネルも見る。最前部で左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品なども、必ずチェックする。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラー、ルーフなどの状態をチェック。ガーニッシュやリアスポイラーなど付加物、バンパー下のマフラーの損傷などにも注意。
バックドアは、開閉具合とロッドダンパーの効き具合をチェック。ずれていないか立て付けを見て、バックドアの内側やヒンジ部周辺もチェック。開口部も、溶接やシーラー、塗装の異常などにも注意しながら修理/交換跡などがないかチェックする。
6.スライド動作もチェック
リアスライドドアは、基本的にはフロントドアと同様、ブラケット(支え金具)やローラー、レール(車体側にあるスライド金具)などをチェック。スライド動作や閉めた時の合わせ具合もチェック。
パワースライドドアは、電動開閉機構の具合のほか、イージークローザー、挟み込み防止機能、中央ストッパー機能などもチェック。
7.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、ドアとフェンダーに装着しているサイドクラッディングパネルに損傷などがないかチェックするが、重要なのは車体側のサイドシル(車体の梁)。床下側も覗いて、腐食、損傷、修理/交換跡などがないかチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も異常がないか調べる。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
「アエラス」は、225/50Rタイヤ&18x7Jアルミホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷や亀裂などがないか調べる。異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体の歪みにも要注意。タイヤの状態によっては、車両安定制御VSCなどが正常に作動しなくなることにも注意したい。
アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、縁石などに接触することがあるリムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じる歪み(変形)や割れなどにも注意しながらチェックする。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバーなど車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の状態を調べる。
★損傷と修理/交換歴の有無を確認する
「エスティマ」は、5ドア・リア両側スライドドア・3列シートのミニバン。フロントハロゲンフォグランプ、LEDサイドターンランプ付リバース連動オート電動格納式ドアミラー、LEDテール/ブレーキリアコンビネーションランプ、LEDハイマウントストップランプ付リアスポイラーなどを全車標準装備。「アエラス」は、専用のフロントエアロバンパー&グリル、ブラック塗装エクステンション付ディスチャージヘッドランプ、カラードサイドクラッディングパネル、リアエアロバンパー、カラードバックドアガーニッシュ、クリアスモークレンズリアコンビネーションランプ、18インチアルミホイールなどを装着し、デュアル(両側)パワースライドドアを装備。
参考車両には、メーカーオプションのパノラミックビューモニター用カメラ(フロントアッパーグリル中央・左右ドアミラー下部・バックドアガーニッシュ下側)とクリアランスソナー&バックソナー用超音波センサー(フロントバンパーコーナーセンサー・リアバンパーコーナーセンサー/バックセンサー)が付いている。
衝撃吸収構造などにも注意したいところだが、車体構造はともかく、外装だけでなく、走行機能のダメージにも注意したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器の機能動作をチェックする
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、汚れや傷、損壊などがないか。シートからドア、床、天井まわりまでチェック。ボックスやトレイなどは、内部も見る。シート表皮の染み、破れ。本革部分の擦れ、剥げ。内装パネルの割れ、浮き。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などの可動部破損にも注意しながらチェック。
2.ラゲッジスペースも調べる
前席周辺だけでなく、2列目席のスライド・リクライニング・チップアップやアームレスト出し入れ、3列目席の背もたれ前倒し・床下収納(シート引き上げ・押し下げ)なども試しながら、後部ラゲッジスペースまでチェック。室内全体としては、扱い方による傷みや破損などに注意したい。
3.追加装備の機能も確認
ヘッドランプ、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備機器。リモコンキーの機能と各ドアの解錠・施錠具合などをチェック。
オートエアコンは、自動調整や各種調整・設定機能、リアクーラーの作動具合、エアコンフィルターの交換状況などもチェック。
ナビ・オーディオなどを追加している車両は、ナビ機能やAV機能のほか、通信・接続機能やステアリングスイッチ(全車に標準装備)など、付随・連携する機能もすべて正常か確認したい。
★細部は販売店で調べてもらう
スマートエントリー(運転席/助手席/バックドア・ワイヤレスドアロックリモコン/ハザードアンサーバック機能付)、盗難防止イモビライザー、左右独立温度コントロールフロントオートエアコン、オーディオレス・6スピーカー、ステアリングオーディオスイッチ、6:4分割サードシート・ラゲッジ床下格納機能付などを全車標準装備。「アエラス」は、リアクーラー、本革巻ステアリングホイール&シフトノブ、専用加飾パネル・サテン調シルバー加飾モール付、専用トリコットシート表皮などを標準装備。
参考車両は、8人乗り(セカンドシート6:4分割チップアップシート・ロングスライド・リクライニング・座面上げ機能+アームレスト左右外側/センター付)。メーカーオプションのHDDナビゲーションシステム+エスティマパノラミックスーパーライブサウンドシステム+アクセサリーコンセント(AC100V/100W)+ガラスアンテナ(ダイバシティ地デジTV用)、G-BOOK mX Pro専用DCM(通信サービス/盗難追跡/ヘルプネット対応)+盗難防止システム(イモビライザー+オートアラーム)も追加装備している。
いずれにしても、チェックする際は、車両の装備内容を販売店でまず確認する。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、細部は販売店で点検してもらおう。特に電装機器に異常がないか確認したい。
走行関連機構や制御機能の具合も必ず確認する
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、スマートエントリー&プッシュスタートシステムの機能も確認。表示灯・警告灯、メーター・インジケーター・ディスプレイの表示なども見る。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
2.運転支援機能もチェック
シフトレバーを操作して、各レンジへのシフト具合をチェック。可能なら、走行時のオートマチック動作とシフト制御、マニュアルモードのシフトアップ・ダウンと制御機能をチェック。
ブレーキ、ステアリング、サスペンションなど各走行機構および制御機能、ステアリング協調車両安定制御S-VSCなどの作動具合もチェック。参考車両は、追加している駐車支援機能なども、異常がないか確認したい。
とはいっても、機能が正常かどうか判断するのはまず無理。販売店で厳密に点検してもらおう。
★点検整備状況を確認する

3.5L車は、V型6気筒[2GR-FE]エンジン+S(マニュアル)モード付6速AT・自動シフトAI-SHIFT制御を搭載。電子制御ブレーキECB付ABS&ブレーキアシスト、電動パワーステアリングEPS、ステアリング協調車両安定制御S-VSC(ABS/空転防止TRC/横滑り防止VSC/EPSを協調制御)・[TRC/VSC OFF]スイッチ、ヒルスタートアシスト、クルーズコントロール、スマートエントリー&スタートシステム+エンジンイモビライザーなどを全車標準装備。「G/アエラス」は、ホワイトオプティトロンメーター、マルチインフォメーションディスプレイ、コンライトなどを装備。参考車両は、クリアランスソナー&バックソナー・[警告ブザー/表示灯]とパノラミックビューモニター・[ナビ画面表示]も追加装備している。
各機構の構造などはさておき、それぞれの機能に異常がないか確認したい。とりあえずエンジンルーム内だけでも見て、走行機構各部の具合と整備状況を販売店に聞いてみる。車両の購入を決めるなら、走行関連機能をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカー/ディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。走行機構の整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」のほかに、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2006年1月に発売した3代目「エスティマ」は、2.4Lエンジン+7速マニュアルモード付CVT(無段変速機)・3.5Lエンジン+マニュアルモード付6速AT、7人乗り・8人乗り、2WD(FF前輪駆動)・4WDを設定。その後、2008年12月と2012年5月にマイナーチェンジし、2013年5月にー部改良。
●2014年9月に一部改良。3.5L車に搭載していた車両安定制御S-VSCとヒルスタートアシストコントロール、新採用のリバース連動オート電動格納式ドアミラーを全車に標準装備している。左側パワースライドドア、フロントオートエアコン、3列目席6:4分割シートなどは全車標準装備。2列目席は、「7人乗り」はキャプテンシート、「8人乗り」は6:4分割チップアップシートを装備。
2.4「X」8人乗りは、ハロゲンヘッドランプ、アナログメーター、ウレタンステアリングホイールなどが標準装備のベーシックタイプ。2.4/3.5「G」7人乗りは、ディスチャージヘッドランプ+ヘッドランプコントロールAFS、両側パワースライドドア、ナノイー空気清浄機付フロントオートエアコン+リアオートエアコン、運転席パワーシートなどを標準装備。2.4/3.5「アエラス」7人乗り/8人乗りは、エアロタイプの外装や本革巻ステアリングホイールなどを装着し、両側パワースライドドアを標準装備。
パッケージオプションの“サイドリフトアップシート装着車”は、7人乗り2列目左席に電動サイドリフトアップシートを装着。“レザーパッケージ”は、アエラス7人乗りに本革シート表皮、運転席/助手席温熱シート、ナノイー付フロントオートエアコン+リアオートエアコンなどを追加装備する。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 定員 | 型式 | シフト | 駆動 |
2.4 X | 8人 | DBA-ACR50W | CVT-7M | FF |
DBA-ACR55W | CVT-7M | 4WD | ||
2.4 X *1 | 7人 | DBA-ACR50W | CVT-7M | FF |
DBA-ACR55W | CVT-7M | 4WD | ||
2.4 G | 7人 | DBA-ACR50W | CVT-7M | FF |
DBA-ACR55W | CVT-7M | 4WD | ||
2.4 アエラス | 8人 | DBA-ACR50W | CVT-7M | FF |
DBA-ACR55W | CVT-7M | 4WD |
2.4 アエラス *1 *2 | 7人 | DBA-ACR50W | CVT-7M | FF |
DBA-ACR55W | CVT-7M | 4WD | ||
3.5 G | 7人 | DBA-GSR50W | 6AT-M | FF |
DBA-GSR55W | 6AT-M | 4WD | ||
3.5 アエラス | 8人 | DBA-GSR50W | 6AT-M | FF |
DBA-GSR55W | 6AT-M | 4WD | ||
3.5 アエラス *2 | 7人 | DBA-GSR50W | 6AT-M | FF |
DBA-GSR55W | 6AT-M | 4WD |