中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.24 / 掲載日:2016.03.25

ダウンサイジング成功の秘訣

ダウンサイジング成功の秘訣

クルマ選びでもっともホットなテーマ「ダウンサイジング」。直訳すると「サイズを小さくする」ってことだけど、果たしてどんなメリットがあって、注意すべきポイントはどこなのか?
今回は具体例を挙げつつ「失敗しないダウンサイジングのHow to」を大検証。上手に買い替えて、最高の満足感をリーズナブルに実現しよう!

たとえば・・・

icon 2009年式 マツダ CX-7 4WDクルージングパッケージ

2009年式 マツダ CX-7 4WDクルージングパッケージ

燃費
9.1km/L(10・15 モード)

エンジン
ガソリン 2.3L 直4

ダウンサイジング↓

icon 2015年式 マツダ CX-3 XD ツーリング Lパッケージ

2015年式 マツダ CX-3 XD ツーリング Lパッケージ

燃費
23.4km/L(JC08 モード)

エンジン
ディーゼル 1.5L 直4

CX-3 PROFILE

運転しやすくサイフに優しい乗り替え
大型SUVの「CX-7」からコンパクトな「CX-3」に乗り替えをすれば、狭い道や駐車場など街中での運転がラクになり、燃料代の節約もねらえる。CX-3はディーゼルエンジン搭載で低回転域での力が強いから小排気量と思えない加速感を楽しめる。走りが軽快になり、楽しさはレベルアップ。また機械式立体駐車場への入庫が可能になり、税金が安くなるのもメリットだ。ただ、室内(とくに後席)や荷室はやはりCX-7に比べると狭くなるから確認しよう。

2015年式 マツダ CX-3 XD ツーリング Lパッケージ

DOWN SIZING POINT

・低速トルク増大で運転がラクに!
・クルマが新しいから使い勝手がアップ!
・ジャストサイズで取りまわし性アップ!
・燃費も税金も下がりコストが安い!
・立体駐車場への入庫もできる!

加速化するダウンサイジングの流れ

満足度は下げずに、効率をよくするのが本流
ダウンサイジングの前に、まずは最近のクルマ選び事情を見てみよう。大きくて高いクルマがもてはやされたかつてと違って、近ごろのクルマ選びは「無理せず身の丈」が基本。そのうえ節約志向が強まっているから「困らないなら小さなクルマを選ぶ」というひとが増えているのだ。
というわけで、ダウンサイジングである。「ダウンサイジング」とは「大きさ(サイズ)」を「落とす」こと。簡潔にいえば“小型化”だ。
「小型化」といってもふたつ意味があり、ひとつは「車体サイズ」を小さくすること。もうひとつは「エンジン」を小さくすることである。
まず車体を小さくするとどんなメリットがあるのか考えてみよう。すぐに感じられるのは、運転のしやすさ。やっぱり車体が小さいと日常域での運転がラクになる。狭い道や駐車ではとくに実感でき、小さな車体は軽くなるので、燃費もよくなる。これもうれしいポイントだ。
いっぽうエンジンのダウンサイジングの最大のメリットは燃費がよくなること。こちらはユーザーがクルマを乗り替える際だけでなく、新型車がモデルチェンジの際に従来型よりエンジンを小さくすることもあって、あのフェラーリポルシェですらが採用するくらい大きな流れ。「パワーは従来以上、燃費も改善」というのがうたい文句である。
ただし、忘れてはいけないのがダウンサイジングの影響。車体が小さくなれば室内が狭くなり、ゆったり乗れなくなったり、今まで積めていた荷物が積めなくなることもある。そのあたりの見極めをきちんとするのが賢いダウンサイジングなのだ。
いっぽう、エンジンのダウンサイジングは実用上の不都合はないが、高回転の爽快感など走りの雰囲気が失われることもあることを運転好きなら知っておきたい。

上の図はクルマユーザーを対象にGooが行ったアンケートで、クルマ選びの際「排気量を重視するか」という質問。若いドライバーほど、低排気量モデルへの関心が高いことがわかる。

上の図はクルマユーザーを対象にGooが行ったアンケートで、クルマ選びの際「排気量を重視するか」という質問。若いドライバーほど、低排気量モデルへの関心が高いことがわかる。

2つのダウンサイジング

車体のダウンサイジングは、ユーザーがクル小排気量マを買い替える際に小さなクルマに乗り替えることが中心。いっぽうエンジンのダウンサイジングの多くは、ユーザーの選択ではなくクルマが新型になるタイミングでおこなわれる。

ターボが変わった!

ターボが変わった!

いまや燃費のいいターボがあたりまえ!
エンジンのダウンサイズは排気量を小さくし、同時に気筒数を減らすことも多い。抵抗を減らして燃費をよくするためだ。しかし、単に排気量を落とすだけでは力も落ちる。そこで注目されているのがターボエンジン。ターボで高効率化することによってパワーを上げるのだ。かつてターボといえば燃費が悪くなりがちだったが、技術の進化により最近のターボは燃費がよい。そして低回転から力強いのである。

満足度の高いダウンサイジング乗り替えはコレだ!

生活スタイルによっては小型化も困らない
ダウンサイジングの内容と流れがわかったところで、次はどんなダウンサイジングを実践したらいいかを考えていこう。セオリーはダウンサイジングによって何を得て何を失うかをしっかりと把握すること。たしかにダウンサイジングの結果はお金の節約に繋がりやすい。しかし、ただ闇雲にダウンサイジングしてサイフに優しくなったとしても、選んだクルマの不満が気になるようなら買い替えのダウンサイジングが成功とはいえないからである。
ここではエンジンではなく、買い替え時に車種を変えるダウンサイジングについて注目してみた(アテンザのみ例外)。いずれも燃費や税金面、そして扱いやすさでダウンサイジング前よりもメリットがある。とはいえ室内のゆとりは減っているので、購入時は「狭くなっても困らないか」に注意しながら実車に接してみるといいだろう。しっかりチェックして大丈夫ならば、レッツ・ダウンサイジング!

「エンジンのダウンサイジング」燃費UP↑で走りもUP↑

たとえば・・・

icon 2010年式 トヨタ 先代クラウン ロイヤルサルーン

2010年式 トヨタ 先代クラウン ロイヤルサルーン

燃費
11.8km/L(10・15 モード)

エンジン
ガソリン 3.0L V6

ダウンサイジング↓

icon 2013年式 トヨタ SAI G

2013年式 トヨタ SAI G

燃費
22.4km/L(JC08 モード)

エンジン
ハイブリッド 2.4L 直4

ラージセダンからハイブリッドセダンへ

日本を代表するセダン「クラウン」からダウンサイジングするならハイブリッドセダンの「SAI」がオススメ。ボディサイズは小さくなるけれど、高効率パッケージングのおかげで室内の広さはほぼ同等。パワートレインもV6から直4ハイブリッドになり、燃費は2倍程度まで伸びる(ガソリン代が半分になる)のも期待できる。ただ、荷室が少し狭くなることに注意しよう。

クラウンに比べてエンジンルームが小さいパッケージングにより、車体は小さくなっても同等の室内スペースを持つSAI。トヨタの中では上級セダンとしての位置づけだから室内は上質だ。

クラウンに比べてエンジンルームが小さいパッケージングにより、車体は小さくなっても同等の室内スペースを持つSAI。トヨタの中では上級セダンとしての位置づけだから室内は上質だ。

SPEC

2013年式 トヨタ SAI(CVT)

全長×全幅×全高4695×1770×1485mm
車両重量1590kg
エンジン直4DOHC+モーター
エンジン最高出力150ps
エンジン最大トルク19.1kg m
モーター最高出力143ps
モーター最大トルク27.5kg m
サスペンション前/後ストラット/ダブルウィッシュボーン

「先代クラウン ロイヤルサルーン」→ 「SAI G」

「先代クラウン ロイヤルサルーン」→ 「SAI G」

排気量3Lの6気筒エンジンから2.4L 4気筒とモーターを組み合わせたハイブリッドへ。大排気量ならではのゆとりは失うが、燃費は大幅向上。モーターによるスムーズな走りも魅力。

たとえば・・・

icon 2010年式 日産 フーガ 370GT

2010年式 日産 フーガ 370GT

燃費
10.0km/L(10・15 モード)

エンジン
ガソリン 3.7L V6

ダウンサイジング↓

icon 2014年式 日産 スカイライン 200GT-t

2014年式 日産 スカイライン 200GT-t

燃費
13.6km/L(JC08 モード)

エンジン
ガソリンターボ 2.0L 直4

同門スポーツセダンへ

2014年式 日産 スカイライン 200GT-t

最新の「スカイライン」には排気量2Lの直列4気筒エンジン搭載モデルも用意されている。たとえば3.7LのV6エンジンを積む「フーガ」から乗り替えれば、ガソリン代が節約できるメリットに加えて自動車税が年間2万7000円も安くなるのだから見逃せない。2Lエンジンはフィーリングがおとなしいものの、ターボ付きなので走りは力強い。

2014年式 日産 スカイライン 200GT-t

「フーガ 370GT」→「スカイライン 200GT-t」

「フーガ 370GT」→「スカイライン 200GT-t」

たとえば・・・

icon 2008年式 マツダ 先代 アテンザセダン 25F

2008年式 マツダ 先代 アテンザセダン 25F

燃費
10.8km/L(10・15 モード)

エンジン
ガソリン 2.5L 直4

ダウンサイジング↓

icon 2013年式 マツダ アテンザセダン XD L パッケージ

2013年式 マツダ アテンザセダン XD L パッケージ

燃費
20.0km/L(JC08 モード)

エンジン
ディーゼルターボ 2.2L 直4

ディーゼルの選択で燃料代が安くなる

2013年式 マツダ アテンザセダン XD L パッケージ

単純に排気量を小さくするダウンサイジングとはちょっと違うけれど、燃料代でメリットが大きいのがディーゼルエンジンへの乗り替え。現行型の「アテンザ」には先代になかったディーゼルエンジン搭載車があり、燃費のよさに加えて燃料の軽油がガソリンよりも安いから大幅な燃料代の節約がねらえる。また低回転域のトルクが太くて運転しやすく加速が力強いのもディーゼルの優れた部分だ。

2013年式 マツダ アテンザセダン XD L パッケージ

「先代 アテンザセダン」→「アテンザセダン」

「先代 アテンザセダン」→「アテンザセダン」

燃費の話

エンジンのダウンサイジングの最大の目的は燃費の向上。だからダウンサイジングエンジン搭載車に乗り替える、もしくは同じクルマでも小さなエンジンの仕様を選ぶことで燃費はよくなり、ガソリン代を節約することが可能だ。ハイブリッドならさらに燃費はよくなるし、モーターがエンジンパワーを補うから発進加速がよくなるのもうれしい特徴。燃費がよく燃料代の安いディーゼルを選ぶのも手だ。

燃費の話

・ダウンサイジングで燃費はよくなる
・ハイブリッドならさらに燃費はいい
・ディーゼルという選択も

※ナンバープレートははめ込み合成です。

ダウンサイジング成功の秘訣

「ボディのダウンサイジング」ボディのサイズDOWN↓で便利さUP↑

たとえば・・・

icon 2007年式 トヨタ ランドクルーザー AX

2007年式 トヨタ ランドクルーザーAX

燃費
6.6km/L(10・15モード)

ダウンサイジング↓

icon 2016年式 トヨタ プリウス S E-Four

2016年式 トヨタ プリウス S E-Four

燃費
34.0km/L(JC08 モード)

大型SUVから最新ハイブリッドへ

2016年式 トヨタ プリウス S E-Four

「ランドクルーザー」から「プリウス」に乗り替えるような思い切ったダウンサイジングだって検討の価値はあり。ランドクルーザーならではの悪路走破性や広い室内は失ってしまうけれど、プリウスの十八番である燃費性能は魅力で、ガソリン代は3分の1程度で済む。昨年末に発売された新型プリウスは燃費が大幅に向上し、プリウス待望の4WDモデルも登場。雪国のひとでも安心して選択できるようになった。

先進的なデザインが話題の新型プリウス。4WDモデルといってもランドクルーザーのように本格的な悪路走行用ではなく滑りやすい路面の発進を中心にサポートするシステムを組む。

先進的なデザインが話題の新型プリウス。4WDモデルといってもランドクルーザーのように本格的な悪路走行用ではなく滑りやすい路面の発進を中心にサポートするシステムを組む。

SPEC

トヨタ プリウス S E-Four(CVT)

全長×全幅×全高4540×1760×1470mm
車両重量1430kg
エンジン直4DOHC+モーター
エンジン最高出力98ps
エンジン最大トルク14.5kg m
モーター最高出力前72ps/後7.2ps
モーター最大トルク前16.6kg m/後5.6kg m
サスペンション前/後ストラット/ダブルウィッシュボーン

「ランドクルーザー AX」→「プリウス 4WD」

パワートレインは大トルクが自慢のV8エンジンから、燃費自慢のハイブリッドへ。新型プリウスのハイブリッドシステムは低燃費を最重視した最新タイプで、4WDでも燃費は良好。

パワートレインは大トルクが自慢のV8エンジンから、燃費自慢のハイブリッドへ。新型プリウスのハイブリッドシステムは低燃費を最重視した最新タイプで、4WDでも燃費は良好。

たとえば・・・

icon 2008年式 ホンダ アコード 24L

2008年式 ホンダ アコード 24L

燃費
11.2km/L(10・15 モード)

ダウンサイジング↓

icon 2014年式 ホンダ グレイス ハイブリッド EX

2014年式 ホンダ グレイス ハイブリッド EX

燃費
31.4km/L(JC08 モード)

後席足元は同等の広さ

2014年式 ホンダ グレイス ハイブリッド EX

ホンダセダン「アコード」からダウンサイジング乗り替えをするなら有力候補はハイブリッドセダンの「グレイス」。車体はふたまわり小さくなるけれど、後席の広さ(前後席間距離)は同等以上で、コンパクトな車体ながらゆったりと座ることができる。狭い道や駐車場で運転しやすいのに加え、燃費が大幅にアップするからガソリン代が半分以下で済むのも魅力。

2014年式 ホンダ グレイス ハイブリッド EX

2014年式 ホンダ グレイス ハイブリッド EX

たとえば・・・

icon 2008年式 トヨタ アルファード 350

2008年式 トヨタ アルファード 350

燃費
9.1km/L(10・15 モード)

ダウンサイジング↓

icon 2014年式 トヨタ エスクァイア ハイブリッド Gi

2014年式 トヨタ エスクァイア ハイブリッド Gi

燃費
23.8km/L(JC08 モード)

実用ミニバンへチェンジ

2014年式 トヨタ エスクァイア ハイブリッド Gi

大人気ミニバン「アルファード」からのダウンサイジングにふさわしいのは「エスクァイア」。車体が小さくなって運転しやすく、燃費も大幅にアップする。エスクァイアの内装は上級な仕立てだから、上質感が大きくダウンするようなことがないのも見逃せない部分だ。ただ、居住空間、とくに3列目の広さはやはりアルファードにかなわないので、購入時はしっかりと比べるのをお忘れなく。

2014年式 トヨタ エスクァイア ハイブリッド Gi

2014年式 トヨタ エスクァイア ハイブリッド Gi

お金の話

大型ミニバンから中型ミニバンに乗り替えるなど、買い替え時に車種(車体サイズ)をダウンサイジングするのなら車両価格が前回購入時よりも安くなる。加えて見逃せないのが税金や維持費。購入時の消費税だけでなく年間の自動車税、さらに保険料が安くなることも少なくないのだ。また、車体の小型化でガソリンスタンドでの洗車代が安くなることもあるなど、メンテナンス費の節約も可能だ。

お金の話

・基本的に車両価格は「安く」なる
・自動車税が安くなるのも見逃せない
・洗車代などメンテ代が変わることも

ダウンサイザーを悩ませるギモン?を解消!

ダウンサイザーを悩ませるギモン?を解消!

燃費などの効率性を考えると、サイズダウンは、迷うことのない「正しい選択」と思われがちだ。でも、実際に買い替えをしようと思うと、さまざまな疑問や不安が浮かぶもの。ここでは、そんなダウンサイジング志望のユーザーがもっとも戸惑いやすいポイントを紹介。それぞれに合った買い替えを行えるように、ぜひとも参考にしてほしい。

ハイブリッド?それともターボ?

ハイブリッド

何よりも優れた燃費を求めてもダウンサイジング買い替えなら、オススメはハイブリッド。燃費のよさは同クラスの純粋なガソリンエンジン車ではかなわない。ただ、動力性能面ではダウンサイジング前に乗っていたクルマより劣る場合もあるので気をつけよう。

・低燃費でサイフに優しい
・モーターによるスムーズな走り
・静粛性の高さも魅力

エンジンを止めて走れるハイブリッドモデルはモーター走行時の滑らかさや静粛性も魅力。

エンジンを止めて走れるハイブリッドモデルはモーター走行時の滑らかさや静粛性も魅力。

ターボ

小排気量化してターボを装着するのがダウンサイジングの定番。エンジンの効率をよくして燃費を向上させ、排気量が小さくなったことによるパワーの低下はターボの装着で補うという考え方だ。燃費もよくしつつ、実際の動力性能はダウンサイジング前を上まわることも多いからスポーティな走りを好む人にも最適だ。

・小排気量化で燃費が向上
・低回転域から力強い
・動力性能は大排気量に匹敵

ディーゼルエンジン(ターボ付)を選ぶのもひとつの方法。いまどきのディーゼルエンジンなら、小排気量でも走りが力強い。

ディーゼルエンジン(ターボ付)を選ぶのもひとつの方法。いまどきのディーゼルエンジンなら、小排気量でも走りが力強い。

どちらを選んでも不満は出てこない!?

ハイブリッド最大のメリットといったら、やはり優れた燃費であろう。レクサスなどのプレミアムブランドや高級輸入車など高価なモデルでは例外的に燃費よりも加速性能を重視したハイブリッドもあるが、いずれにせよ同等の動力性能を持つ非ハイブリッド車に比べるとガソリンの消費量は少ない。ストップ&ゴーの多い環境では無類の強さを見せる。
いっぽうターボの特徴は、燃費を向上しつつ、動力性能を犠牲にしないこと。だからダウンサイジング前のパワーユニットに比べて加速で不満が出ることはないだろう。高速クルージングは得意中の得意。
結論を言えば、どっちを選んでも間違いはない。ただ、ハイブリッドは車両価格が高価なことが多いので、あくまで一般論だが購入費用まで含めたトータルコストではターボが有利になる場合が多い。

コンパクトカー?それとも軽自動車?

コンパクトカー

軽自動車に比べると車体サイズにゆとりがあって、積める荷物が増えるのは実用上の大きなメリット。動力性能にも余裕が増すから高速道路を使ったロングドライブでも軽自動車より疲れにくいのも、移動が多いひとには見逃せないポイントだ。新車価格は軽自動車よりも高いが、中古車では逆転していることもある。

コンパクトカー

・軽自動車より荷室が広くて実用的
・長距離ドライブで疲れにくい
・中古車は軽自動車より安い場合も

軽自動車

軽自動車の特徴は維持費の安さ。コンパクトカーだと最安でも2万9500円の自動車税は1万800円で済み、保険料なども割安に済む。そして燃費がいいのもうれしいポイントだ。しかし、車体が小さいので荷物スペースが狭いことが多いから、たくさんの荷物を積むことがあるならしっかり確認したい。また長距離走行は疲れやすい。

軽自動車

・自動車税をはじめ維持費が安い
・ただし荷室は狭いことが多い
・長距離ドライブは疲れやすい

※ナンバープレートははめ込み合成です。

ダウンサイジング成功の秘訣

車種変えか?それともグレード変えか?

車種は変えずに搭載するエンジンを小さくするのも効果的なダウンサイジングのひとつといえる。クルマによっては、同じ車種でも複数のエンジンを用意していて好みで選べる場合があるのだ。多くの車種は排気量や気筒数の異なるエンジンを用意するが、なかにはランドクルーザープラドのようにガソリンエンジンとディーゼルエンジンを選択できるケースもある。しっかり確認したい。

・ダウンサイジングでも実用性はかわらず
・排気量が小さいエンジンは燃費がいい
・ディーゼルで燃料代を節約する手も

現行モデルのランドクルーザープラドには、従来の4.0L V6エンジンに代わり2.8L直4のディーゼルエンジンを搭載。これもダウンサイジングの一種で、ほぼ同じ動力性能を保ったままエンジンを小型化したのだ

現行モデルのランドクルーザープラドには、従来の4.0L V6エンジンに代わり2.8L直4のディーゼルエンジンを搭載。これもダウンサイジングの一種で、ほぼ同じ動力性能を保ったままエンジンを小型化したのだ。

愛車に何を求めるかでオススメが変わってくる

サイズを変えるか?車種を変えるか?それともグレードを変えるか?これはダウンサイジング買い替えの際になんとも悩ましい選択。
ヒントとなるのは「次の愛車に何を求めるか?」である。たとえば居住スペースや荷室の広さなど実用性を失いたくないのなら、安易に車体サイズは小さくしないのが正解。グレード変えてエンジンを小さくし、燃費をよくすることからはじめよう。
運転がしやすくなるなら室内や荷室が狭くなっても気にしない、というのであればこれまで乗っていたクルマよりも車体がコンパクトな車種に乗り替えるのが基本といえそうだ。エンジンの大きさはキープして動力性能はそのまま維持し、車体を小さなクルマに乗り替える手もある。

シルバー世代のダウンサイジング

シルバー世代のダウンサイジング

シルバー世代が愛車をダウンサイジング買い替えする最大のメリットは、車体が小さくなって運転がしやすくなること。シルバー世代にとって運転のしやすさはなによりの魅力だ。だが、内装の仕立てが安っぽくなるのはイヤというひとには、レクサスなどプレミアムブランドの小型車を選ぶという方法もある。

ダウンサイジングとはいえ、安全に関しては従来もしくはそれ以上の性能がほしい。加害者にならないためにも自動ブレーキ付きモデルを選びたい。

ダウンサイジングとはいえ、安全に関しては従来もしくはそれ以上の性能がほしい。加害者にならないためにも自動ブレーキ付きモデルを選びたい。

ダウンサイジング実行直前の確認ポイント!

実行するならこのタイミング

実行するならこのタイミング

ダウンサイジング実行のベストタイミングは「クルマを新しくしたい」と思ったとき。いくらダウンサイジングがお財布にやさしいといっても、そのために買い替えるのは本末転倒。クルマを買おうと思ったときに「ついでにダウンサイジングも!」というのが正解だ。そのほうが維持費と購入額の合計で、リーズナブルになるケースが多い。

意義を見直す

クルマ選びを間違えないかぎりは、ダウンサイジングはお得になる。いちばん効くのがエンジンの小型化で、理由は燃費がよくなって燃料代を安くすることができるからだ。また乗り替える車によっては税区分が変わって自動車税や重量税などが安くなることも。もちろんクラスが下のクルマを買えば車両価格も安い。

ダウンサイジングターボの本場はヨーロッパ

ダウンサイジングターボの本場はヨーロッパ

ダウンサイジングエンジンの火付け役となったのがドイツのフォルクスワーゲン。従来の2L自然吸気にかわって登場した1.2Lターボエンジンが大幅な燃費アップを果たすなど、トレンドをリードする。欧州ではエンジンの小型化は「当たり前」だ。候補に入れるのもアリだ。

ハイト系は有望なダウンサイジングモデル

ハイト系は有望なダウンサイジングモデル

車体の長さと幅は狭いが背の高いクルマは、室内の広さでは有利。だから大型セダンから中型ミニバンへの乗り替えも、実用性を犠牲にしないダウンサイジングとして理想的な手法といえる。ただ、実用性を重視した背の高いクルマはセダンなど背が低いクルマとは運転感覚が違って、ドライバーは運転を楽しめないと感じることもある。

軽自動車でもハイトワゴンなら室内は驚きの広さ。たとえば乗用軽自動車でもっとも背の高いダイハツ「ウェイク」は後席もゆったりとしていて、居住性もハイレベルだ。ただ荷室は広くはない。

軽自動車でもハイトワゴンなら室内は驚きの広さ。たとえば乗用軽自動車でもっとも背の高いダイハツ「ウェイク」は後席もゆったりとしていて、居住性もハイレベルだ。ただ荷室は広くはない。

レヴォーグはレガシィのダウンサイジングモデル!?

レヴォーグはレガシィのダウンサイジングモデル!?

当初は日本専用モデルとしてデビューした「レヴォーグ」は、スバル自ら「従来のレガシィツーリングワゴンに代わる存在」と説明。「レガシィが大きくなりすぎた」という声を受けて車体サイズを小型化し、1.6Lターボエンジンもダウンサイジングユニットだ。日本のユーザーの使い勝手を考えた1台だ。

DOWN SIZING↓

レヴォーグはレガシィのダウンサイジングモデル!?

先輩ダウンサイザーがあなたに明かす赤裸々証言

証言1 子供たちも運転免許を取ったのでクルマが2台必要になりました

2010年式 トヨタ 先代アルファード 350G

2010年式 トヨタ 先代アルファード 350G

大きなミニバンから乗り替えたことで、やはり駐車するのがラクになりましたね。きっかけは子供が免許を取ったこと。アルファードだと大きくてぶつける心配があったからです。アクアは燃費のよさにも驚きましたね。ただ、アルファードの広い室内に慣れてしまっていたので、買い替えて直後に家具店に出かけたときは、いつものように大きな買い物をしてしまい、持ち帰るのに悩んでしまいました。
杉浦さん58才(会計士)

DOWN SIZING↓

icon 「2012年式 トヨタ アクア G」+「2013年式 レクサス IS350」

「2012年式 トヨタ アクア G」+「2013年式 レクサス IS350」

GOOD

・運転が楽になった。初心者も安心
・燃費のよさに驚いた
レクサスISは走りが爽快

not good

・買い物した大きな荷物は持ち帰れない
・大型ミニバンのゆったり感はない

証言2 見た目はSUVが好きなんですが妻も運転することになりまして・・・

2004年式 日産 サファリ グランロードリミテッド

2004年式 日産 サファリ グランロードリミテッド

「もっと小さなクルマじゃないと怖くて運転できない」。妻のそんなひと言でジュークに乗り替えました。子供が生まれて、妻が運転する必要性がでてきたのです。ゴツさが好きで乗っていたサファリに比べると小さくスマートになったのですが、軽快な走りは気に入っています。あと燃費がいいですね。ただ、ジュークは思っていた以上に後席と荷室が狭いので、子供が成長したらもう少し大きなクルマがいいかもしれません。
高田さん夫妻46才(飲食店経営)

DOWN SIZING↓

icon 2015年式 日産 ジューク ニスモRS

2015年式 日産 ジューク ニスモRS

GOOD

・妻でも運転しやすい小さな車体
・軽快な走りが楽しい
・燃費がいいので財布に優しい

not good

・室内は狭くなった
・重厚感がなくなった

証言3 雪国なので4駆はマストだったのですが、上京したので乗りやすいクルマに替えました

2012年式 スズキ 先代エスクード XG

2012年式 スズキ 先代エスクード XG

最近の軽自動車はいいらしいので、思いきって乗り替えました。室内は狭くなったけれど、後席はほとんど使わないのでとくに困ることはないですね。うれしかったのは燃費。以前のクルマの3倍くらい走るので素晴らしいです。ただ、安いクルマなので仕方がないですが、室内の仕立ては質素になりました。生活の足と割り切っているのでいいんですが・・・。
根岸さん53才(会社員)

DOWN SIZING↓

icon 2014年式 スズキ アルト X

2014年式 スズキ アルト X

GOOD

・ガソリン代は前の車の3分の1以下
・狭い道や車庫入れもラク
・税金や保険など維持費が安い

not good

・インテリアの仕上げは質素になった
・ロングドライブは疲れやすい

まとめ

ダウンサイジングは正義だけどあえてしないという選択も
おさらいとしてもう一度確認しておきたいのは、ダウンサイジングには「車体の小型化」と「エンジンの小型化」の2つがあること。そこをしっかり理解することが、成功するダウンサイジング乗り替えの近道だといえる。
小さなクルマに乗り替える場合の最重要チェックポイントは、居住スペースや荷室が狭くなってもカーライフが困らないかどうか。これだけは絶対に確認しよう。いっぽうでエンジンの小型化はクルマにとびきりの速さを求めるのでなければガソリン代を減らすために有効だ。ライフスタイルの変化にあわせてのダウンサイジングは積極的におこなっていい。
ダウンサイジングは節約という意味で絶大なメリットがあるのは事実。とはいえ、無理にダウンサイジングをするのではなく、あえて「ゆとり」を楽しむのもカーライフのひとつだ。

※ナンバープレートははめ込み合成です。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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