中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.29 / 掲載日:2016.01.15
Car of Goo 2016 今年のクルマ

新しい年が始まり、新しいクルマへの想いが強くなるタイミング。しかし!慌てることなかれ!
単に安さやカタログ上の性能だけで中古車を選ぶのはちょっともったいない。そこで今回は、クルマのプロである自動車ジャーナリストの力を借りて、本当に選ぶべき中古車を厳選。クルマ選びの新基準がここにある!

自動車のプロだからこそわかる「買いのクルマ」
新しい年を迎え、今年こそクルマを買い換えたいと考えている読者も多いはず。そこで、今回の特集では、自動車のプロであるモータージャーナリストに、買うべきクルマについてアドバイスをしてもらう。まずは、自動車業界の現状について森野恭行さんに話を伺った。
「現状の話をする前に、まず少し前からの流れを振り返ってみましょう。2008年に起きたリーマン・ショック(※)は、自動車業界にも非常に大きな影響を与えました。国内の新車販売も冷え込んで、軽自動車の比率が高くなっていくなかで、消極的なクルマの開発が多くなり、あきらかにコストダウンを感じさせるクルマが増えたんです。クルマというのは、開発開始から発売までに2~4年かかるものですから、経済危機以降はそういう雰囲気が長く続きました。それが、ここ数年徐々に回復して、最近ではクルマそのものがだいぶ魅力的になってきています。装備や機能の充実もそうですが、走りや質感といった部分への投資が増え、“いいクルマ”が増えてきている」。
開発コストやクルマ自体のコスト減が要因となり、国際的な競争力が危ぶまれた時代もあった。しかし、現状ではその傾向から回復していると森野氏は分析する。
「また、近年では車種バリエーションが拡充していることも重要な変化です。その象徴となるのが流行のクロスオーバー系です。しかし、自分のライフスタイルにあったものでなければ、過剰な投資になってしまう。それはハイブリッドやディーゼルエンジンも同じことです。性能に魅力を感じるのであればいいですが、燃費のよさだけで元を取ろうと考えても、難しいのが現実。流行しているから買うのではなく、本当に自分が求めている内容なのか、好みに合うものはどれなのかを考えて、クルマ選びする必要があるでしょう」。
※アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが破たんしたことに端を発した世界的金融危機。
いまのクルマはよくなってますよ!

2015‐2016 日本カー・オブ・ザ・イヤー 選考委員 森野恭行
Goo-netでも新車インプレッションを担当、「歩く自動車辞典」の異名を持つベテランのモータージャーナリスト。これまで30年以上のキャリアで積み上げてきた経験に裏打ちされたインプレッションは正確で、とくに走りに関する指摘は鋭い。愛車はポルシェ 911とマツダ ロードスター。
日本を代表する自動車ジャーナリストたちが注目したクルマから見えてくるもの
日本国内で販売されているクルマのなかから、年間を通じて優秀なクルマを選定するイベント、それが「日本カー・オブ・ザ・イヤー」。
クルマのプロたちがそれぞれ頭を悩ませ、一票を投じるイベントだけに、そこに選ばれたクルマからは、自動車業界のいまが伝わって来る。
ジャーナリスト注目モデル マツダ ロードスター

世界中で愛され続ける
ロードスターの新たなる進化
初代NAよりも全長をコンパクトにして生まれ変わった新型ロードスターは、オールドスタイルなオープンスポーツでありながらも、その設計思想は最新で見所たっぷり。ユーザーの手の届きやすい価格に抑えるため、性能や装備を吟味したところも評価を集めている。
ジャーナリスト注目モデル BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー/グラン ツアラー

走りのBMWが挑むピープルムーバーの実力
BMWが初めて世に送り出した前輪駆動のミニバンで、アクティブ ツアラーは2列シート、グラン ツアラーが3列シート仕様となる。ミニバンなのに走りの質感が高く、楽しいのは流石。老舗高級車ブランドのファミリーカーへの参入で、今後の競争がますます激化する。
ジャーナリスト注目モデル テスラ モデルS P85D

圧倒的なパフォーマンスはEVに対するイメージを変える
床下に多量の電池を搭載することで航続距離を伸ばしつつ、パフォーマンス面でも強烈な印象を与えるピュアEV。車名の最後に「D」とあるのは、デュアルモーターの意味で、前輪と後輪をそれぞれ別モーターで駆動する。時速100kmまでの加速はわずか3秒!
ジャーナリスト注目モデル スズキ アルト ターボRS /アルト ラパン

軽くて安くて魅力的なスズキの主力モデル
部品ひとつひとつの軽さとコストを徹底的に削減し、なおかつ車体構造を最適化することで、軽くて走りのいい軽自動車が誕生。新車価格84万7800円という低価格、2WDCVTでリッター37km(JC08モード)という低燃費もすごい。ポップなルックスも好感度大。
これからのクルマが目指すものとは

持続可能なクルマ社会のためエコカー性能がさらに強化
年々厳しさを増す燃費や排ガスの規制をクリアするために、今後の自動車は「高効率化」と「軽量化」がテーマになると予想。さらに、動力として電気を利用する「電化」もいままで以上に進むことが考えられる。また、運転操作の自動化も今後大きなテーマとなるだろう。
ベストバイなグレードをジャーナリストと探る!
人気モデルのオススメグレードを厳選して紹介
グレードによって買い得度と満足感は異なる
かつては、クルマのリヤには車名だけでなく、グレードを差別化するバッジが輝いていたもの。しかし、現在でもグレードによってクルマの内容は大きく変わっている。一体どのグレードを選ぶのがベストバイなのか、プロの意見を求めた。

グレードにこだわった 一歩先を行く中古車選び
中古車を選ぶ際に、自分の予算や好みから車種を決めるところまでは考えても、なかなか細かいグレードまでは決めきれないというケースは少なくない。結局、お店に展示されているクルマのなかから予算に応じて選んでしまうというのが現実ではないだろうか。しかし、それは非常にもったいないクルマ選び。
というのも、クルマはグレードによって装備やルックスに細かな違いがあり、それによって同じモデルでも様々な個性が生まれるからだ。ボディカラーによって受ける印象が違うように、グレードが変わればクルマのキャラクターは変化する。それは走りの質感といった目には見えない部分にももちろん及ぶ。
そこでここでは、中古車としてのお買い得度はもちろんのこと、走りの質感という側面にも注目して、ジャーナリストにオススメモデルを紹介してもらう。
中古車だからといって、経済性だけを気にしたクルマ選びはつまらない。予算に収まる範囲で、できるだけ「いいクルマ」を選ぶことが充実したカーライフにつながることは間違いない。また、Goo-netのカタログ機能は、中古車選びに非常に役立つ。年式ごとグレードごとにスペックを確認することができるので、活用することをオススメする。
グレードの違いで変化する クルマの乗り味や性能、快適性 Best10

格上のベーシックモデルか格下でも最上級モデルか・・・・・・
たとえ同じ予算でも、最上級モデルとベーシックグレードでは販売価格に大きな差がついてくる。とくに中古車の場合は、年式を妥協すればグレードアップも可能なため、より悩みは深い。
Pickup Function 注目の機能装備

前車追従型クルーズコントロール
従来の車速を維持するだけのクルーズコントロールが進化、センサーによって前方の車両を検知して、前方車両の車速に合わせて車速を制御。高度なシステムを持つクルマの場合は、停止を含めた低速域までカバーする。

優れた燃費を実現するハイブリッドエンジン
かつてはハイブリッド専用車のみに搭載されていたハイブリッドシステム。しかし、いまやハイブリッドは特別なクルマではなく、多くのクルマに採用されるように。当然燃費性能は飛躍的に向上。

衝突被害を軽減する自動ブレーキ
前方に向けたカメラで車両を認知し、衝突が起きそうになると警告を、さらに衝突が避けられないと判断した場合には自動でブレーキをかけ、衝突を回避、または被害を軽減する。

車庫入れを支援するトップビューカメラ
すでに単純なバックビューモニターはかなり多くのクルマに装着されるようになった。近年では、前方や側方のカメラの映像を合成し、上空から見たような光景を映し出すものが主流になりつつある。

専門家がオススメする モデルの中古車相場を分析
注目度の高い売れ筋のクルマのどのグレードがジャーナリスト目線で、中古車目線でお得なのか。ここではそんな気になる情報をずばり掲載。より満足できるクルマ選びのヒントがここにある!
オススメモデルは 11年式 G Lパッケージ ホンダ N-BOX
・他メーカーに影響を与えた実力派 ・登場5年目で中古車としても買い頃に
・ねらい目は割安なマイナーチェンジ前
オススメモデルは 13年式ハイウェイスター X 日産 デイズ
・デイズの軽ばなれした上質さがウケて人気に ・まだ新しい車種だが中古も存在
・新車と比べて割安なモデルを
オススメモデルは 05年式 S トヨタ 先々代 プリウス
・いよいよ価格下落した2代目プリウス・コンディションにこだわる中古選びを
・上級グレードでも値段差は少ない
オススメモデルは 12年式 X SA ダイハツ 先代 ムーヴ
・軽自動車としての実力はピカイチ ・先代モデルは費用対効果が抜群
・ターボモデルのSA付きはまだ高値
オススメモデルは 13年式 G スズキ 先代 アルト
・安価な移動手段として注目の存在 ・内装の綺麗さは中古車選びの注目点
・カタログ燃費にはこだわらないのが吉
オススメモデルは 11年式 S トヨタ アクア
・ベストセラーは中古車でも存在感アリ ・人気ゆえの割高感は拭えない
・装備充実車を探すのがポイント
オススメモデルは 13年式 X SA ダイハツ タント
・背高系の代表選手として人気 ・あえて現行モデルを新車気分で
・カスタム系よりもノーマルが割安
オススメモデルは 12年式 1.5G トヨタ カローラ アクシオ
・元祖ベストセラーとして新車も好調 ・3年落ちとなる現行型をターゲットに
・人気のハイブリッドは少々割高
オススメモデルは 13年式 1.3G Lパッケージ ホンダ フィット
・いよいよ今年は3代目が買い頃に ・価格の1.3Lか走りの1.5Lかは悩み
・現行型だけに長く乗れることを期待
オススメモデルは 12年式 FX スズキ ワゴンR
・燃費も装備も充実で注目度は高い ・高年式車を長く乗る作戦もオススメ
・コミコミ100万円がひとつのライン
あなたにぴったりの中古車がわかる!? クルマのプロがテーマ別に厳選! 今年買うべき中古車
プロの視点で選んだ オススメ車とその理由
自分のニーズはわかっていても、それを叶えてくれるクルマが具体的にわからないというひとは少なくないはず。そこでここでは、再び自動車ジャーナリストの森野氏に登場していただき、テーマ別にオススメのモデルを厳選してもらった。
森野氏に答えてもらったテーマは3つ、「ファミリーユースと走りを両立」、「本当に使える3列ミニバン」、そして最後が「運転が苦手なひとでも安心」というもの。
回答としてそれぞれに2台ずつのモデルを上げてもらい、さらにそれらを選んだ理由についてもコメントしてもらった。
これまで数多くのクルマをテストドライブしてきたジャーナリストが、多くのクルマのなかからどのような理由でどんなモデルを選んだのか、非常に興味深いところ。
また、たとえ今回のテーマが自分のクルマ選びとは違ったとしても、インターネットのGoo-netには、これまでジャーナリストたちが試乗を行ったレポートが多数アップされている。それらをヒントにすれば、カタログだけではわからない、より深い部分まで踏み込んだクルマ選びができるはずだ。
プロが発信する情報をチェックし、自分のニーズと照らし合わせること。それがクルマ選び成功への近道!
Theme1 ファミリーユースと走りを両立
ジャーナリストの選択:スバル 先代 インプレッサ
・ファミリーカー随一のフットワーク ・実用性の高いハッチバック形状
・値段の安さは燃費性能をカバー
トヨタ 先代 プリウス
・圧倒的な燃費性能 ・台数が多く中古車も購入しやすい ・走りにこだわるならSツーリングを
Theme2 本当に使える3列ミニバン
ジャーナリストの選択:日産 セレナ
・2010年デビューで中古車が豊富 ・ベストセラーならではの高い実力
・予算があればハイブリッドも
トヨタ 先代 ノア
・先代モデルがいよいよお買い得に ・使いやすさへの工夫が嬉しい ・装備充実の限定車をねらう手も
Theme3 運転が苦手なひとでも安心
ジャーナリストの選択:日産 ノート
・2013年に自動ブレーキを設定 ・前期モデルならば価格も手頃 ・中古車は装備をチェック!
ホンダ 先代 フィット
・人間中心の設計で運転しやすい ・高効率設計で実用性が高い ・高速に乗るなら1.5L車を
※すべての価格は参考価格です
中古車価格はGoo-net 2015年12月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。
※写真はイメージです。一部、紹介グレードと異なります。

column1 自動車ジャーナリストはどうやってクルマを見極める?
とにかく現場主義!テストこそ命!
自動車ジャーナリストがどのようにしてクルマを見極めるのか、その方法は数多くあるが、もっともオーソドックスで大切なのがテストドライブ。自動車メーカーが主催するジャーナリスト向け試乗会または個別に試乗車を借りてテストドライブを行い、開発者ともコミュニケーションを取る。また、ジャーナリストは自分独自のドライブコースや確認ポイントを持っており、過去の経験と照らし合わせてクルマを見極めることも。例えばマイナーチェンジによる微妙な進化や変化についても判断ができるスキルの持ち主だ。

プロはエンジンの変更など大きな違いだけでなく、サスセッティングの変化なども見逃さない。そのためには数多くの試乗会に足しげく通い、確認する地道な作業が必要だ。
column2 定番や評判だけで選ばず自分の乗りたいクルマを!

損をしたくないという気持ちは誰にでもあるが、もっと自由な発想でクルマを選びたい。それが結局は満足感へとつながるはずだ。
他人が選んだクルマが自分に合うとは限らない
今回、様々なテーマでクルマ選びについてアドバイスをしてくれた森野氏だが、同時にこのように力説していた。「人気のある売れ筋のクルマには確かにそれだけの魅力があります。しかし、人気があるからといって、それが自分にとってもいいクルマとは限りません。もっと言えば、“いいクルマ”ではなかったとしても、好きなクルマとの生活はいい思い出を残してくれます。ぜひ、自分の乗りたいクルマを自由に選んでください」。
column3 中古車の選び方はジャンルだけじゃない!
選び方A

ここ数年でモデルチェンジを行った車種はとくにチャンスのある物件。たとえば先代スカイラインはモデルライフが長く条件に合う。
「5年落ち」という目線で見るとこんな中古車選びもできる
中古車の価格を左右する要素はいくつかあるが、そのなかでも最大のものが年式だ。というのも、クルマは耐久消費財であり、メカニズムの集合体であるため、たとえ走行していなくても市場価値は下がる。逆を言えば、実際のコンディションよりも中古車価格は安くなるのだ。そこで、一般的に古さを感じさせる5年落ちからがターゲットになる。とくに新車時に高額だった高級車は値落ち率が高く、車種によっては5年で新車時の半額程度になることも。憧れを実現するチャンスとしても見逃せない。
選び方B

例えばスバルの先々代レガシィB4もジャーナリストからの評価が高かったクルマ。走りにこだわりがあるなら、安くなった中古車をねらいたい。
いつの時代でも「100万円」は中古車のマジックナンバー
中古車というのは市場の人気によって評価が変わるもの。そう、どんなに優れたクルマでも、市場からの支持を得なければ徐々に価格は下がっていく。そして、ある程度下がると今度は価格メリットに目をつけるユーザーが購入していくため、そこで相場が形成される。その大きなターニングポイントになるのが100万円。つまり、かねてからほしかったクルマの中古車が100万円になっていたとしたら、それは買い時のサイン。コンディションをチェックしたら、売れてしまう前に確保しよう。
中古車通になるための情報を厳選して紹介! 中古車事情2016
より安心して中古車を購入するためのシステム
ここまでは、現在の自動車を取り巻く状況やジャーナリストがオススメする中古車を紹介してきた。そこでこのページでは、より上手な中古車購入をサポートするための、最新の中古車事情をお伝えする。
現在、中古車業界でもっともホットな話題が保証付き販売。新車に比べて価格の安い中古車ではあるが、購入後の故障リスクを心配する声は昔からなくならない。それに対する回答が保証付き中古車。かつては購入から数カ月または半年程度だった保証期間が、現在では1年またはそれ以上となる商品が開発されている。まだまだディーラー系や一部の中古車店を中心とした施策だが、今後はより幅広く導入されるだろう。
また、すっかり浸透した施策としては、ユーザーに代わってプロの鑑定師が中古車の車両状態を鑑定するサービスがある。Goo-netでも「Goo鑑定」として鑑定書付き物件にはわかりやすい印をつけている。
値段だけでなく、こうした安心を提供するお店から中古車を選ぶことは、結果的に安心感や満足につながる。これこそいまどきの購入術だ。
Topic.1 中古車業界「今」、「昔」

・クルマの信頼性が上がり故障のリスクも低減
・第三者機関によるコンディションチェックが存在
・保証付き中古車の増加などサポートが充実・故障のリスクが高く、購入後の維持費が高額
・コンディションを見分けるのはユーザー
・保証などアフターケアがなく、すべては自己責任
油断はできないが、より買いやすく、安心できるのが現在の中古車
現在、中古車業界がもっとも力を入れているのが、中古車購入のリスクを減らし、安心して購入できる環境づくり。「中古車は故障しやすい」、「壊れたら高額の修理費用がかかるかも」といった昔のイメージを覆すために、仕組みの部分からの透明化やアフターサービスの充実を各企業が行っている。とくに、多くのユーザーが心配する修復歴のあるクルマ(いわゆる事故車)をそうでないと偽って販売する悪質なケースは、年々少なくなってきている。Goo-netでも第三者機関が車両状態をチェックしたものに品質シートを発行する「Goo鑑定」というサービスを行い、安心して購入できる環境づくりを行っている。
Topic.2 年々長くなりつつある自動車の「寿命]
![Topic.2 年々長くなりつつある自動車の「寿命]](https://img.goo-net.com/goo/magazine/contents/6097/f67d71223b33c7f53246246283a067c5.jpg?20210914201910)
5年落ちでも平均でまだ7年は使える計算
自動車検査登録情報協会が発表した資料によると、2015年における初度登録年度別の年間減少台数の割合(左のグラフ)から算出した乗用車の平均使用年数は12.38年。つまり、初度登録から廃車になるまでが約12年ということ。この数字は年々伸びており、中古車を選ぶメリットの裏付けとなる。
Topic.3 5年間のデータから見る中古車販売のいま
2015年 | 343万4400台 (1~11月まで) |
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2014年 | 375万1533台 |
2013年 | 389万2830台 |
2012年 | 401万5909台 |
2011年 | 377万4015台 |
販売台数は縮小傾向だが・・・・・・
日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した2011年から2015年までの中古車の販売台数データを集めたのが上の表。その数字を見ると、2012年から徐々に減少傾向にあることが伺える。その背景にあると考えられるのが、使用年数の長期化と消費税アップによる家計の圧迫。つまり、クルマの耐久性が上がっていることと景気の低迷が背景にある。しかし、だからといって、買い替えを控えるのもいい手とは限らない。なぜならば、現在のクルマを乗り続けるよりも、いいタイミングで手放すことのほうが、結果的に経済的にもメリットがあるケースが多いからだ。
Topic.4 中古車販売店のいまを知る

時代が変われば販売店の常識も変わっていく
我々一般ユーザーが中古車を購入する窓口となるのが販売店。ここでは、そんな中古車販売店の最新事情を紹介しよう。
もっとも大きな変化は流通に関する状況。かつては、販売店が下取りしたクルマはオークション会場へと集められ、そこで別の販売店が仕入れを行いユーザーへと販売していた。もちろん、現在でもその状況は基本的には変わらないが、買取店の一部が自社で買い取った車両を直接販売するケースが増えているのだ。
こういったお店では、自社で買い取って直接販売するため、中間マージンが発生せず、その分買取価格や販売価格が有利に設定できるということもあり、人気を集めている。
また、別項目でも説明している保証システムを導入する店舗も増えてきている。保証が付帯する中古車であれば安心して購入できると、遠方から通信販売で買い求めるユーザーの数も増えているという。その際に、「保証があるなら」と実車を確認せずに購入するケースも少なくないというから驚かされる。
もちろん、中古車は1台1台コンディションが異なるため、実車を確認して納得して購入するのがいちばん。しかし、自分の常識にしばられず、現在の最新事情をチェックして柔軟に対応することも、これからはユーザーに求められていくだろう。

10年前には存在しなかったような購入サポート制度やディーラーを超える大型販売店の登場など、中古車販売店をめぐる状況は変わっている。発想を柔軟にして対応していきたい。
Topic.5 進化を続ける保証システム
ディーラー以外の専業店でも保証がつくように
新車では当たり前の保証も、中古車の場合はついていないケースも多々あるもの。そんな心配をケアしてくれるのが保証システム。これまではディーラー中心に提供されていたサービスだったが、現在では内容を充実させつつ、一般的な専業店にも広がりつつある。なお、Goo-netでも保証サービス「Goo保証」を提供。業界最多水準の保証範囲でサポートを約束する。
Topic.6 メーカー別中古車情報
TOYOTA
TOYOTA
とにかくプリウスの動きに注目!
2015年末に登場した新型プリウスは、すでに大量に受注があることが報道された。下取りや買取されたクルマが今後中古車として市場に投入されるだろう。
NISSAN
NISSAN
自動ブレーキの採用で買い替えが起きる!?
2015年に多数の車種に自動ブレーキを投入した日産。その買い替え需要によって、今後下取りされたモデルが中古車市場に出まわることが予想される。
HONDA
HONDA
基幹モデルの中古車が買い頃に
中古車市場でも人気車のフィットは、2013年のフルモデルチェンジによって先代モデルの中古車が増加。後期モデルでも3年落ちとなる今年は買い頃を迎える。
MAZDA
MAZDA
「スカイ」世代の中古車が高値をつける
「スカイ」世代のマツダ車のレベルの高さに多くの注目が集まっている。中古車市場にもその影響はすでに及んでおり、とくにCX-5は高値で取引されている。
MITSUBISHI
MITSUBISHI
アウトランダーPHEVに注目!
パジェロのイメージが強い三菱だが、じつは中古車市場で注目を集めているのはアウトランダーPHEV。燃費のよさや、電源車として使える可能性もポイント。
SUBARU
SUBARU
あえて「アイサイト無し」という選択も
近年スバルの人気を飛躍的に高めたのが、自動ブレーキシステムである「アイサイト」。だが、中古車的には価格的なメリットを考えてアイサイト無しを選ぶのも面白い。
SUZUKI
SUZUKI
全体の多数を占めるワゴンRがカギ
取材時点で現在で約5万台登録されている中古車のなかで、1万台以上がワゴンRという状況。価格が手頃で物件も多いため、初めての中古車としても選びやすい。
まとめ

クルマ選びをサポートしてくれるのがプロの意見
年間数百台ものクルマをテストする自動車ジャーナリストでも、クルマ選びにはときに迷いが生じるという。それは、クルマ選びにはいろいろな視点があり、それによって正解が変わってくるから。つまり、だれかの正解が必ずしも自分の正解になるとは限らないのだ。
しかし、自動車ジャーナリストが口を揃えて「いいクルマ」と褒めるモデルにはやはり共通点がある。それは、ドライバーが運転しやすく、安全かつ快適にドライブを行えるクルマだ。どんなに経済性が優れていても、運転していて苦痛になってくるようでは本末転倒。
中古車というのは、新車に比べれば購入価格がだいぶ安い。だからこそ、新車ではできないような、ちょっと趣味性や好みを重視したクルマ選びをしたいもの。人生損得だけを考えるのはつまらない。せっかく家族や友人と楽しい時間を過ごすものなのだから、プロの意見を参考にしながら、自分の好みに合った1台を選びたい。その参考意見として、自動車ジャーナリストのレポートは、きっとあなたの大きな力になるはずだ。