中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.12 / 掲載日:2015.09.18
レクサス NX(2014年7月~)中古車購入チェックポイント
レクサス NX(2014年7月~) 中古車購入チェックポイント
参考車両:NX200t 4WD Fスポーツ(DBA-AGZ15)
初年度登録:2014年7月
追加装備:〈メーカーオプション〉プリクラッシュセーフティシステム+レーダークルーズコントロール、クリアランスソナー&バックソナー+パノラミックビューモニター+ブラインドスポットモニター、レーンデパーチャーアラート+オートマチックハイビーム+ヘッドアップディスプレイ、縞杢オーナメントパネル、電動6:4分割可倒式リアシート、アクセサリーコンセント、パワーバックドア、おくだけ充電、マークレビンソンプレミアムサラウンドサウンドシステム、寒冷地仕様
■全体のチェックポイント
2014年7月新発売の「NX」は、オンロードに重点を置いた都市型クロスオーバーSUV、いわゆる“街乗りSUV”。参考車両は、レクサス初の2.0Lターボ車に「Fスポーツ」専用装備を装着し、メーカーオプションの運転補助機能や快適装備なども満載している。車体まわりはもちろん、装備機器類の機能や走行関連機能などの状態も慎重にチェックしたい。
走行機能への影響にも注意しながらチェックする
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、外装に歪みやずれ、塗装の異常などがないか観察する。車体の姿勢(傾き)にも注意。
前面は、バンパー、グリル、ヘッドランプ、ボンネット、フェンダーなどをチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷にも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、本体のほか、ガードやモール類、クリアランスランプ、フォグ/コーナリングランプ、グリルなどに損傷がないか見て、立て付けも調べる。下側にあるエアスパッツ(タイヤの前にある整流板)の破損などにも注意。同時に、ヘッドランプやボンネットもチェック。フェンダーは、縁のホイールアーチモールや内側のフェンダーライナー(泥よけカバー)などにも注意するが、フェンダー自体も慎重にチェックする。
3.ドアと関連部を調べる
3.ドアと関連部を調べる
ドアは、外面だけなく、内側パネルとの接合部あたりも修理跡などがないか見る。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、ピラー(柱)やドアキャッチ(ロックの受け側)など、関連部もチェックする。
4.下側に要チェックポイント
4.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、ドア下部および車体側のサイドシル(車体の梁)に設置しているサイドマッドガードに損傷や修理跡などがないかチェック。床下側も覗いて、サイドシルに損傷、腐食、修理/交換跡などがないかチェック。同様に、フェンダーやピラーとの接続部あたりにも注意しながらステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェックする。
5.損傷の度合いも確かめる
ドア開口部は、事故などによる損傷や修理跡のほか、乗り降りによる擦り傷や打ち傷、簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認する。
左リアフェンダーは、フューエルリッドと給油口周辺も、修理跡などがないか見る。
6.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダーなどをチェック。ルーフスポイラー、ナンバープレート、バンパーガード、リフレクター、マフラーカッターなどの損傷にも注意。
バックドアは、開閉具合やロッドダンパーの効き具合をチェック。バックドアの内側やヒンジ部もチェック。開口部も、パネル接合部の溶接やシーラーの状態に注意しながら修理/交換跡などがないか見る。ピラーやルーフなどの異常にも注意。
7.車体の内側を調べる
ボンネットは、内側やヒンジ部も調べる。フェンダーも、カバーがあるが、修理跡などがないか見る。同時に、車体パネルもチェック。最前部で車体左右に連結しているラジエターサポートおよび関連部品なども要チェック。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷・ひび割れ・欠けなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体が歪んでいる可能性もあるので要注意。
アルミホイールは、塗装の傷み・剥がれ・ブレーキダスト、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損・曲がり、過度な衝撃による歪み(変形)・破損(割れ)などにも注意しながらチェックする。
★損傷と修理歴の有無を確認する
「NX」の車体は、SUVスタイルのコンパクトハッチバック。最低地上高が低い、オンロードに重点を置いた作り。ボディ下部に、無塗装のバンパーガード/フェンダーアーチモール/サイドマッドガードを設置。ランプ類は、LEDを採用。「NX200t」は、デュアルマフラーカッターを装備。4WD車の床下には、トランスミッションと後車軸を繋ぐプロペラシャフト(動力伝達装置)がある。
「Fスポーツ」は、メッシュフロントグリル、金属調塗装フロントロアバンパーモール(スポイラー)、ブラックドアミラー、専用18インチアルミホイールなどを装着。
参考車両は、メーカーオプションの寒冷地仕様(ヘッドランプクリーナー、右バックランプ部リアフォグランプ、ウインドシールドデアイサーなど)を装備。各種運転支援機構も追加しているので、フロントウインドウ上部カメラ、フロントLEXUSエンブレム裏側ミリ波レーダーセンサー、フロントバンパーコーナー/フロントグリルセンターセンサー・リアバンパーコーナー/センターセンサー、フロントLEXUSエンブレム下部/左右ドアミラー下部/リアナンバープレート上側カメラ、リアバンパー内左右レーダーセンサーなども付いている。
衝撃吸収・歩行者傷害軽減ボディやSRSエアバッグシステムなどにも注意したいが、車体構造はともかく、走行機能にもダメージがないか確認したい。損傷や修理/交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
★足まわりの状態を確認
「NX」は、タイヤ空気圧警告システムTPWS(ホイール内に空気圧センサー・エアバルブ一体・送信機/電池内蔵、前後左ホイールハウス内に受信機)を装備。「Fスポーツ」は、235/55R18タイヤ&ダークプレミアムメタリック塗装アルミホイール(参考車両に付いている225/60R18タイヤ&ブラック塗装+切削光輝アルミホイールも選択できる)、専用チューニングサスペンション+パフォーマンスダンパー(フロント/リア)、NAVI・AI-AVSなどを装着。
タイヤ/ホイールは、操縦性だけでなく、走行制御機構などとも関わっている。関連するブレーキ、ステアリング、サスペンションなどの状態にも注意したい。
室内の状態と装備機器の機能・作動具合を調べる
1.隅まで細かく調べる
室内は、内装材に汚れや傷、損壊などがないかチェック。ボックスやトレイ、ポケットなどは、内部も見る。シート表皮の染み、破れ、穴。本革部分の擦れ、剥げ、亀裂。ステッチのほころび。装飾パネルの傷、割れ、浮き。ボックスリッドやエアコンルーバーなどの可動部破損などにもに注意しながらチェックする。
2.ラゲッジルームもチェック
2.ラゲッジルームもチェック
後席も、シートからドア、床、天井まわりまでチェック。6:4分割可倒式シートのリクライニングや折り畳み具合なども試しながら周辺の状態を丹念に調べる。
ラゲッジルームも、傷みがないかチェック。トノボードの脱着や床下への収納。デッキボード(床板)の開閉。デッキアンダートレイ周辺の状態などもチェック。
3.装備機器の具合を確認
ヘッドランプ、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備。電子キーによる各ドアの解錠・施錠、シートやステアリングなどの電動調整、ドアミラーのオート格納なども、機能動作の具合をチェック。
オートエアコンの自動調整と調整・設定機能。ナビ・AV・通信・接続などのほか、リモートタッチスイッチやステアリングスイッチなどの連携機能もチェック。
4.追加装備の機能も確認
4.追加装備の機能も確認
セットオプションやメーカーオプション装着車は、追加している装備の内容と機能を確認し、すべて正常に作動するかチェック。ディスプレイには、運転支援機能なども表示することにも注意したい。
★販売店で細部まで調べてもらう
「NX」は、スマートエントリーシステム、ナノイー空気清浄機能付オートエアコン、運転席/助手席電動シート・運転席電動ランバーサポート、SDナビゲーションシステム(ナビ、CD/DVD、USB/AUX・SDスロット、Bluetooth、DSRCユニット・ETC/VICS+NXプレミアムサウンドシステム(AM/FM・TV・10スピーカー)、タッチパッド式リモートタッチ、ステアリングスイッチなどを全車標準装備。
「Fスポーツ」は、ステアリングヒーターや専用本革スポーツシート(運転席ポジションメモリー・運転席/助手席ベンチレーション機能付)を装着。参考車両は、メーカーオプションの電動リクライニング&格納機能付6:4分割可倒式リアシート、AC100V 100Wアクセサリーコンセント(センターコンソール後部)、パワーバックドア(挟み込み防止機能・停止位置メモリー機能付)、おくだけ充電、マークレビンソンプレミアムサラウンドサウンドシステム(AM/FM・TV・14スピーカー)などを追加。いずれにしても、販売店で車両の装備内容をまず確認。装備機器類の具合は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、細部は販売店で点検してもらおう。
走行機能のコンディションと整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、エンジンスイッチの機能も確認。表示灯・警告灯、メーター・インジケーター・ディスプレイの表示なども見る。わからないことは、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
マニュアルモード付6速ATは、シフト操作具合をチェック。可能なら、走行時のオートマチック動作と制御、マニュアル変速の具合、ドライブセレクトモードの走行特性切り替えなどもチェック。横滑り抑止VSC/空転抑止TRCのほか、ブレーキ、ステアリング、サスペンションなどの各機能・制御なども、作動具合と車両の挙動をチェック。「Fスポーツ」は、パドルシフトやNAVI・AI-AVSなどの機能動作具合。運転支援機構を追加装備している車両も、各機能に異常がないか確認したい。
とはいっても、機能が正常かどうか判断するのは、まず無理。販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう

「NX200t」は、2.0L直列4気筒インタークーラー付ターボ(筒内直接+ポート燃料噴射D-4ST・連続可変バルブタイミング機構VVT-iW・無鉛プレミアムガソリン仕様)エンジン+マニュアルモード付6速AT・GAI-SHIFT制御。ドライブモード[ECO・NORMAL・SPORT]セレクトスイッチ、アイドリングストップ[A OFF]スイッチ、VSC/TRC[OFF]スイッチ、電動パーキングブレーキ(P)スイッチ、ブレーキホールド[HOLD]スイッチ、電動パワーステアリングEPS、EBD/ABS/ブレーキアシスト、クルーズコントロール、ヒルスタートアシストコントロール、ドライブスタートコントロール、タイヤ空気圧警告システムTPWS・タイヤ空気圧警告インジケーター、電子制御サスペンション・減衰力可変制御AVSなどを搭載。4WD車は、ダイナミックトルクコントロールAWD[4WDロック]スイッチを装備。
「Fスポーツ」は、パドルシフト、NAVI・AI-AVS、4ドライブモード[ECO/NORMAL/SPORTS/SPORTS+]、アクティブサウンドコントロールASC、Gモニター+油温計/油圧計/ターボブースト表示+タイヤ空気圧警告表示付マルチインフォメーションディスプレなどを装備。
参考車両には、メーカーオプションのプリクラッシュセーフティシステム[PCS OFF]スイッチ+全車速追従機能付レーダークルーズコントロール、クリアランスソナー&バックソナー[P]スイッチ+パノラミックビューモニター[VIEW]スイッチ+ブラインドスポットモニター[BSM]スイッチ、ステアリング制御付レーンデパーチャーアラート[LDA]スイッチ+オートマチックハイビームAHB[AUTO]スイッチ+カラードヘッドアップディスプレイなども付いている。
各機構の構造などはともかく、それぞれの機能が正常か確認したい。いちおうエンジンルーム内の様子だけでも見て、走行関連各部の具合と整備状況を販売店に聞いてみる。車両の購入を決めるなら、すべての機構と制御システムをきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカー/ディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。走行機構の整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2014年7月に新発売したプレミアムコンパクトSUV「NX」。2.0Lターボエンジン+マニュアルモード付6速AT+2WD(FF前輪駆動)・4WD(電子制御)を搭載した「NX200t」と2.5Lハイブリッドシステム+2WD・4WD(電気式)を搭載した「NX300h」を設定。各種先進運転支援機構などをメーカーオプションとして設定。
NX200tは、アイドリングストップOFFスイッチやデュアルマフラーカッター。NX300hは、EVドライブモードスイッチ、電子制御ブレーキ、車両接近通報装置、デュアルアンダーフィンなどを装備しているが、基本的な装備は両車ほぼ同じ。セットオプション装備の設定も両車共通となっている。スマートエントリー&スタートシステム、前席パワーシート、ナノイー付オートエアコン、SDナビゲーションシステム、タッチパッド式リモートタッチ、ステアリングスイッチなどを全車に標準装備。セットオプションの「Iパッケージ」は、三眼フルLEDヘッドランプ&LEDウインカー、メモリー付電動格納式ドアミラー、ステアリングヒーター、パワーイージーアクセス、合成皮革シートなどを装着。「Fスポーツ」は、メッシュフロントグリル&金属調ロアスポイラー、ブラック塗装ドアミラー、パドルシフト付ディンプル本革ステアリングホイール、本革スポーツシート、油温/油圧/ターボブースト表示付マルチインフォメーションディスプレイ、ダークプレミアムメタリック塗装18インチアルミホイール、チューニングサスペンション+パフォーマンスダンパー、アクティブサウンドコントロール、NAVI・AIAVSなどの専用装備を装着。「バージョンL」は、Iパッケージ装備に加えて、縞杢+バンブーオーナメントパネル、本革シート、後席パワーシート、パワーバックドア、18インチアルミホイールなどを装着する。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
NX200t | DBA-AGZ10 | 6AT-M | FF |
DBA-AGZ15 | 6AT-M | 4WD | |
NX300h | DAA-AYZ10 | ECVT | FF |
DAA-AYZ15 | ECVT | E-4WD |