中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.28 / 掲載日:2015.05.15
ホンダ N ワン 中古車購入チェックポイント
ホンダ N ワン(2014年5月~)中古車購入チェックポイント
参考車両:G・A パッケージ・2トーンカラースタイル(DBA-JG1)
初度登録2014年5月
追加装備:〈メーカーオプション〉ナビ装着用スペシャルパッケージ〈ディーラーオプション〉ホンダギャザズナビ(スタンダードインターナビ)
■全体のチェックポイント
2014年5月にマイナーモデルチェンジした時期の“スタンダードモデル”。Nシリーズの中でも、Nワンとしては走りに期待したいところ。基本的な走行機構はもちろん、低燃費や運転支援など走行機能の具合と整備状況を必ず確認。参考車両は、パッケージやオプションなども付いているので、追加された装備の状態もチェックする。
関連部のダメージにも注意しながらチェックする
1.外装の様子から探っていく
1.外装の様子から探っていく
まずは、傷、歪み、ずれ、塗装の色艶などに注意しながら車体まわりを観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷にも注意したい。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、グリルなどに損傷がないか見て、ずれていないか立て付けを調べる。上側のアッパーグリルやヘッドランプなども、異常がないかチェック。フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側にあるフェンダーライナー(泥よけ)なども、損傷や修理跡がないかチェック。
3.周辺も慎重にチェック
3.周辺も慎重にチェック
ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など車体側の関連部も異常がないかチェックする。
4.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーも、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、固定状態を調べる。同時に、車体パネルもチェック。最前部のラジエターサポートおよび関連部品なども、必ずチェック。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。ガーニッシュやナンバープレートの損傷などにも注意。
テールゲートは、解錠・施錠と開閉の具合をチェックし、全開状態で下がってこないかロッドダンパーの効き具合もチェック。テールゲートの内側やヒンジ部もチェック。開口部も、パネル接合部の溶接やシーラー、塗装の状態などに注意しながら修理/交換の形跡などがないかチェックする。
6.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)を必ずチェック。床下側も覗いて、損傷、腐食、修理跡などがないかチェック。判断するのは難しいかもしれないが、特に下に突き出ているパネル接合部の交換跡に注意。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も調べる。フェンダーやピラーとの接合部あたりの異常に注意したい。
7.関連部の損傷にも注意
リアフェンダーも、フロントフェンダーと同様に、関連部と同時にチェック。フェンダーライナーはないが、タイヤ前方にあるストレーキ(空気整流板)の状態もチェック。車体左側は、フューエルリッドおよび給油口周辺も、修理跡などがないか見る。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
スタンダードモデルは、155/65Rタイヤ&フルホイールキャップ付14インチスチールホイールが標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れ、欠けなどがないかチェック。異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの不良や車体の歪みなどにも要注意。タイヤの状態によっては、車両安定制御機能などが正常に作動しないことにも注意したい。
ホイールは、ホイールキャップに傷や破損などがないか見て、緩みなどがないか取り付け状態をチェック。ホイール自体も、錆や損傷がないか、リムの縁(タイヤと接している部分)に損傷や曲がりなどがないか見る。
9.床下の状態もチェック
9.床下の状態もチェック
車体パネルや補強部材、カバーなど車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、曲がり、修理跡、交換跡などがないかチェック。水漏れ、オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の状態をチェックする。
★損傷の有無と修理/交換歴を確認する
「N ワン」の車体は、軽ハイトワゴン「N ボックス」で確立した技術を基に、走行安定性を考慮した5ドアハッチバックに再構成。参考車両は“スタンダードモデル”だが、目を引くのは車体色プレミアムイエローパールIIのルーフ/ドアミラーをタフホワイトに塗装した「2トーンカラースタイル」。「G・A パッケージ」は、ディスチャージヘッドライトやLEDウインカー付ドアミラーなどを装備しているほか、[シティブレーキアクティブシステム]のレーザーセンサーがフロントウインドウ上部にある。ナビ装着用スペシャルパッケージ装備車には、ワンセグTV対応マイクロアンテナとリアカメラも付いている。
車体構造も注意ポイントといえるのだが、それはともかく、走行に支障が生じるようなダメージがないか確認したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換箇所がないか販売店に聞いてみよう。
インテリアの状態と装備機器の機能をチェック
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れや染み、傷、擦れ、穴、損壊などがないかチェック。ダッシュボード、ドア、床、天井まわりなども調べるほか、ボックス、トレイ、ポケットなどは内部の状態も見る。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などは、開閉機構部の破損に注意しながら動き具合もチェック。
2.ラゲッジスペースも調べる
前席周辺だけでなく、後席も、5:5分割式リアシートのスライド・リクライニング・座面跳ね上げ・足元への収納なども試しながら周辺を丹念にチェック。
後部ラゲッジスペースも、傷みなどがないかチェック。ラゲッジボードを起こして、床下収納スペースの状態もチェックする。
3.装備機器類の作動を確認
ヘッドランプ、ウインカー、ミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備機器。キーレスエントリー機能および各ドアの解錠・施錠具合などもチェック。
フルオートエアコンは、自動調整機能や設定機能などが正常かチェックするが、[ECON]モードで制御されることにも注意したい。
4.追加装備の機能も確認
参考車両には、ナビ装着用スペシャルパッケージとホンダ純正ナビが付いている。ナビ・AV・通話・接続・通信などの機能のほか、タッチパネル、オーディオリモコンスイッチ、リアビューモニターなど、付随・連携するすべての機能に異常がないか確認したい。
★販売店で細部まで調べてもらう
参考車両は、「G・A パッケージ」の装備に「2トーンカラースタイル」の内装〔インパネ/フロントドアパネルカラードガーニッシュ、メッキメーターリング、シルバーガーニッシュ付ステアリングホイール、メッキ加飾(A パッケージは標準装備)〕が加わっている。メーカーオプションのナビ装着用スペシャルパッケージ〔ワンセグTV対応マイクロアンテナ、リア2スピーカー、ステアリングオーディオリモコンスイッチ、リアワイドカメラ〕とディーラーオプションのギャザズナビ(スタンダードインターナビ)も追加している。いずれにしても、車両をチェックする際は、販売店で装備内容をまず確認。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに異常がないかは販売店で点検してもらおう。特に、電装機器の具合に注意したい。
走行機能の具合と各機構の整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、スマートキーとプッシュエンジンスタート/ストップスイッチの機能を確認。表示灯・警告灯の点灯、メーター・インジケーター・ディスプレイの表示、警告音などにも注意。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
2.運転支援機能もチェック
CVTは、各レンジへのシフト操作具合をチェック。可能なら試乗して、走行時の自動無段変速動作をチェック。[アイドリングストップ]のエンジン自動停止・再始動、エコ運転[コーチング機能]、低燃費優先制御[ECON]モードのON・OFF、横滑り防止[VSA]や空転防止[TCS]の作動とOFFスイッチなどもチェック。[CTBA]装備車は、自動ブレーキ機能と誤発進防止機能、システムOFFなども異常がないか確認したい。
とはいっても、正常かどうかを判断するのはまず無理なので、販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「G」は、直列3気筒・NA(自然吸気)エンジン+トルクコンバーター付CVTを搭載。アイドリングストップ、ECONモード、コーチング機能、EBD付ABS、電動パワーステアリング、VSA&TCS、ヒルスタートアシストなどは全車の標準装備。「A パッケージ」は、シティブレーキアクティブシステムCTBA(低速域衝突軽減ブレーキ+誤発進抑制機能)や前席サイドエアバッグ&前席/後席サイドカーテンエアバッグを装備している。
各機構の構造などはともかく、それぞれの機能が正常か確認したい。とりあえずはエンジンルーム内の様子だけでも見て、走行機構各部の整備状況を販売店に聞いてみる。車両の購入を決めるなら、走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際は、溶接部を剥がすことがあるので、パネルの接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●往年の「N360(1967年3月発売~1970年9月終了)」のコンセプトを受け継ぐ新世代高性能軽乗用車として、2012年11月に新発売した「N-ONE(エヌワン)」。ベーシックな“スタンダードモデル”・上質な“プレミアムモデル”、NA(自然吸気)エンジン+CVT(無段変速機)+アイドリングストップ・ターボエンジン+7速マニュアルモード付CVT、2WD(FF前輪駆動)・4WDを設定。ECONモード、コーチング機能、エマージェンシーストップシグナル、車両挙動安定化制御システム、ヒルスタートアシストを全車に搭載。車体色とルーフを塗り分ける「2トーンカラースタイル」や装備を充実する「L パッケージ」を設定。
●2014年5月にマイナーチェンジ。エンジンを改良し、燃費を向上。ターボ車もアイドリングストップを搭載。装備設定を一部変更するとともに、「L パッケージ」を「A パッケージ」に変更。衝突回避支援自動ブレーキ[シティブレーキアクティブシステム]とエアバッグをセットにした「あんしんパッケージ」を新設している。
スタンダードモデルの「G」は、ハロゲンヘッドライト、14インチスチールホイール、グリーン/ホワイト照明常時点灯3眼メーターなどを標準装備。「G・A パッケージ」は、Gの装備に、あんしんパッケージ、ディスチャージヘッドライト、LEDドアミラーウインカー、内装クロームメッキ加飾などを追加。「ツアラー」は、ターボ車。パドルシフト、クルーズコントロール、ピアノブラック調ガーニッシュ付ステアリングホイール、アルミホイールなどを標準装備。プレミアムモデルの「プレミアム」は、ディスチャージヘッドライト、バイオレット照明メーター、LEDルームランプ、本革巻ステアリングホイール、14インチアルミホイールなどを標準装備。「プレミアムツアラー」は、15インチアルミホイールなどが標準装備となっている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
G | DBA-JG1 | CVT | FF |
DBA-JG2 | CVT | 4WD | |
G・A パッケージ | DBA-JG1 | CVT | FF |
DBA-JG2 | CVT | 4WD | |
ツアラー・A パッケージ | DBA-JG1 | CVT-7M | FF |
DBA-JG2 | CVT-7M | 4WD | |
プレミアム | DBA-JG1 | CVT | FF |
DBA-JG2 | CVT | 4WD | |
プレミアム ツアラー | DBA-JG1 | CVT-7M | FF |
DBA-JG2 | CVT-7M | 4WD |