中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.17 / 掲載日:2013.09.23
トヨタ ウィッシュ(2012年4月~)中古車購入チェックポイント
トヨタ ウィッシュ(2012年4月~) 中古車購入チェックポイント
DBA-ZGE20G
参考車両:1.8G
初年度登録:2012年4月
追加装備:<メーカーオプション>スマートナビ(フルセグ内蔵AV一体ナビ)、10スピーカー、ステアリングスイッチ
■全体のチェックポイント
2009年4月に発売した2代目。参考車両は、2012年4月にマイナーチェンジした時期のモデルで、装備が充実した「1.8G」にオプションを追加している。外装・内装はもちろん、装備機器に不具合などがないかチェック。エンジンやCVTのほか、ブレーキなど走行機能の状態も必ず確認しよう。
外見だけでなく車体内側の様子も注意深く見る
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
まずは、外装の状態に注意しながら、車体まわりに異常がないか観察する。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどにずれや歪みなどがないかチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷にも注意しよう。
2.ぶつけやすい部分に注目
バンパーは、ずれていないか立て付けを見て、角や下部に損傷がないかチェック。下側のタイヤの前にあるスパッツ(空気整流板)の破損にも注意。
フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁や奥のタイヤハウス内も損傷や修理跡がないか見る。内側にあるライナー(泥よけ)の状態にも注意。
3.車体の内側もチェック
フェンダーは、エンジンルーム側も錆や修理跡がないか見る。同時に、車体内側の鉄板もチェック。最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートも、車体前部の要チェックポイントだ。
4.後部のチェック
後面も、バンパー、テールゲート(バックドア)、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。マフラーをぶつけていないか、バンパーの下側あたりも見てみる。
5.周辺も慎重にチェック
5.周辺も慎重にチェック
ドアは、外面だけでなく内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジのネジも見る。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など、関連部や周辺の車体側も異常がないかチェックする。
6.下側も覗いてチェック
6.下側も覗いてチェック
車体側面は、下部に設けているサイドマッドガードに傷や破損がないか、修理や交換していないかチェック。それよりも重要なのは、覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側を覗いて、鉄板部に損傷や腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)の状態もチェックする。
7.開口部も慎重にチェック
7.開口部も慎重にチェック
テールゲートは、修理跡などがないか内側も見て、取り付けネジ、ヒンジおよびヒンジ固定部周辺もチェック。開口部も、パネル接合部の溶接やシーラーの状態に注意して、修理/交換跡がないかチェックする。
8.損傷の度合いも調べる
8.損傷の度合いも調べる
ドア開口部は、乗り降りによる擦り傷や打ち傷、補修跡などがないかもチェック。マスキング跡があれば、フェンダー部を修理しているはずなので、周辺を調べてダメージの程度と範囲を確かめる。
★損傷を負っていないか確認
車体の骨格部を修理している車両は修復歴車になるが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。車両の評価表を明示している販売店なら不安は少ないといえる。
インテリアの状態と装備機器の機能を確かめる
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れや傷、破損などがないか調べる。床や天井の状態もチェック。ボックスやポケットなどは内部も見る。シートは、染み、擦れ、破れなどにも注意。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意する。
2.シートアレンジもチェック
前席だけでなく、2列目や3列目の周辺も慎重にチェック。7人乗りは、6:4分割可倒式セカンドシート、5:5分割可倒式サードシート。それぞれのリクライニングや折り畳みの具合も試してみる。
後部ラゲッジスペースの周辺もチェック。フロアボードを開けて、アンダーボックスの状態も見る。
3.装備機器類の作動を確認
ヘッドライトやウインカーなど保安装置。パワーウインドウの開閉やドアロック、室内ランプの点灯など基本的な部分の作動状態をチェック。エアコンは、特に冷房の効き具合を確認。「1.8G」は、スマートエントリー、ヘッドランプ・オートレベリング、コンライト(ライト自動点灯・消灯)といった装備の具合もチェックしたい。
標準装備はオーディオレスだが、参考車両はメーカー装着オプションのAV一体ナビ、10スピーカー、ステアリングスイッチを追加している。ナビ・TV・DVD/CD/SD・USB/VTRなどのほか、関連機能が正常か確認。ナビは、データの更新状況も確かめたいが、G-BOOKサービスの契約などについても、販売店に聞いてみるといいだろう。
★細部の具合は販売店で点検
装備機器類の状態は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに不具合がないかは、販売店で細部まで調べてもらおう。
走行機能全般の調子と整備状況を必ず確認する
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンがスムーズにかかるか始動具合をチェック。始動時には、表示・警告灯類の点灯や警告音などにも注意。「1.8G」は、スマートエントリー&スタートシステムの具合も確認。エンジンをかけたら、アイドリング回転や排気ガスの色なども見る。わからないことは販売店スタッフに聞いてみよう。
2.整備状態を確かめる
2.整備状態を確かめる
できれば点検整備記録と突き合わせて、エンジン周辺をチェックしたいが、とりあえずオイル漏れなどにも注意してエンジンルーム内の様子を見る。詳しい整備状況は、販売店に聞いて確認しよう。
3.変速動作をチェック
3.変速動作をチェック
7速マニュアルモード付CVTは、エンジンをかけた時に、各ポジションに入れながらシフト操作の具合をチェック。可能なら試乗して、自動無段変速の動作をチェック。マニュアルモードのシフトアップ[+]・ダウン[ー]も、走行時の具合をチェックしたい。とはいっても、異常や不具合を判断するのは難しいので、販売店で点検してもらうほうがいい。
4.ホイールをチェック
「1.8G」は、ダークメタリック15インチアルミホイールを標準装備。傷や破損などがないかチェック。リムの縁(タイヤと接している部分)あたりも、欠損や曲がりなどがないか調べる。事故などで過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意したい。
5.タイヤの摩耗状態にも注意
5.タイヤの摩耗状態にも注意
タイヤは、スリップサインを目安に残り溝の深さを点検。傷、異物の刺さり、ひび割れ、欠けなどがないかチェック。接地面の減り方を見て、一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やアライメント(ホイールの取り付け角)の狂いなども考えられるが、車体やサスペンションなどに不具合を抱えている可能性もあるので要注意。
★正しく点検・整備してもらう
エンジンやCVTと関連するエコドライブ(エアコンとアクセルを制御)モード、ステアリング協調車両安定性制御S-VSC、制動力配分制御EBD付ABS&ブレーキアシストなども、不具合などがないか確認したい。車両の購入を決めるなら、走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備して納車してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(モデル年)・仕様・グレードを確認。標準装備の他に、メーカーオプションや販売店オプション、市販装備品、カスタムパーツなどを追加していないか確認する。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●ドアの開口部などにマスキング(塗装する部分の周辺にスプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、マスキング跡。なんらかの理由で周辺を塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内は、外装色とは異なっていることがある。●スペアタイヤ収納部などは、塗装の飛沫が付着しているように見える場合もあるので、新車時の塗装か、新しく塗装したのか判断する必要がある。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●無塗装ネジの場合は判断しにくいので、関連部のネジと見比べる。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修正跡や修理跡がないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(鉄板接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●鉄板の接合部などに塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、パネルの接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジして2009年4月に発売した2代目「ウィッシュ」。3列シート7人乗りコンパクトミニバンの長所を継承しながら、外観はスポーティ感を強調し、室内は快適性を向上。エンジンは、1.8Lと2.0L。全車に7速マニュアルモード付CVTを搭載し、FF(前輪駆動)と4WDを設定。燃費や安全性能も向上した。
●2012年4月にマイナーチェンジし、内外装デザインを一部変更。外観は、新しいフロントグリルやLEDリアコンビネーションランプ、サイドターンランプ付ドアミラーなどが特徴となっている。エンジンとCVTを改良し、燃費を向上。装備およびグレード設定も一部変更している。
「1.8X/1.8G」は、サイドマッドガード、リアルーフスポイラーなどを装備したス標準スタイルで、車体幅が5ナンバー(小型自動車)サイズ。「1.8X」は、装備を絞ったベーシックタイプ。「1.8G」は、スマートエントリー&スタートシステム、本革巻きシフトノブ&漆黒調シフトパネル、カーボン調トリム、ブルー照明オプティトロンメーターなどを装備した充実装備タイプ。
「1.8A/1.8S」は、前後エアロバンパーを装着したスポーティスタイルの3ナンバー(普通自動車)。「1.8A」は、基本的な装備は1.8Xとほぼ同じ。「1.8S」は、スポーツモード付きの7速マニュアルモード付CVTやパドルシフトを装備し、一部に1.8Gの装備も加えている。
「2.0Z」は、前後エアロバンパーに、オーバーフェンダー&クラディングパネル、大径マフラーカッター&スポーツマフラーを追加。ダイナミックスポーツモード付・7速マニュアルモード付CVT、レッド照明オプティトロンメーター、オレンジステッチ本革巻きシフトノブ、クルーズコントロール、17インチアルミホイールなどを装備。2列目席キャプテンシートで、定員が6人乗りとなっている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定(2009.09)
グレード | 定員 | 型式 | シフト | 駆動 |
1.8X | 7 | DBA-ZGE20G | CVT-7M | FF |
1.8G | 7 | DBA-ZGE20G | CVT-7M | FF |
1.8A | 7 | DBA-ZGE20W | CVT-7M | FF |
1.8S | 7 | DBA-ZGE20W | CVT-7M | FF |
*1.8全車に4WD(DBA-ZGE25G)を設定。 | ||||
2.0Z | 6 | DBA-ZGE22W | CVT-7M | FF |