中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.21 / 掲載日:2014.02.07
ダイハツ ムーヴカスタム 中古車購入チェックポイント
ダイハツ ムーヴカスタム 中古車購入チェックポイント
DBA-LA100S
参考車両:カスタム RS
初年度登録:2013年7月
全体のチェックポイント
2010年12月から発売している5代目「ムーブ」。参考車両は、2012年12月にマイナーチェンジした以降のエアロモデル「カスタム」ターボ「RS」だ。車体まわりと室内・装備の状態を丹念にチェック。ターボエンジンをはじめ、CVT、サスペンション、ブレーキなど走行機構の整備状況も必ず確認したい。
外装と同時に車体骨格にも注意しながらチェック
1.車体のバランスをチェック
1.車体のバランスをチェック
まずは、外見に異常がないか車体まわりを探る。車両の姿勢(傾き)にも注意。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.ドアと周辺をチェック
2.ドアと周辺をチェック
ドアは、外板パネルだけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジのネジも見る。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など、ドア開口部や関連部、周辺も慎重にチェックする。
3.前部のチェックポイント
バンパーは、角や下部の損傷に注意し、ずれていないか立て付けを見る。バンパーに連なるフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁あたり、タイヤハウス内、内側にあるライナー(泥よけカバー)などもチェック。
ボンネットやフロントフェンダー、車体内側のフレーム部、エンジンルーム最前部にあるラジエターサポートなども、修理/交換していないかチェックする。
4.テールゲートを開けてチェック
後部も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態を慎重にチェック。
横開き式テールゲートは、開閉具合をチェック。内側やヒンジ周辺も調べて、修理/交換していないかチェック。開口部も、パネル接合部に注意しながらチェック。仕上げが荒くなっているので判断は難しいかもしれないが、スペアタイヤ収納部周辺のパネルも、歪みや修理/交換跡などがないか見てみたい。
5.下側に要チェックポイント
「カスタム」は、車体側面下部に装着しているサイドストーンガードに傷や破損がないか、修理や交換していないかチェック。
重要なのは、サイドストーンガードで覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側を覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェック。特に、フェンダーやピラー(柱)との接合部(溶接部)の状態に注意したい。
★損傷を負っていないか確認1
「カスタム」は、大開口エアロバンパー、メッキフロントグリル、ボンネット、4灯ヘッドランプ、フォグランプなどが標準「ムーヴ」とは異なるほか、サイドストーンガード、リアスポイラー、クリアレンズリアコンビネーションランプなども外観の特徴。外装の損傷が気になるところだが、車体骨格もダメージがないか確認したい。
★損傷を負っていないか確認2
★損傷を負っていないか確認2
事故などで車体にダメージを負っているのは、いわゆる事故車。車体の骨格となる部分を修理していれば修復歴車になるが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器の機能をチェックする
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れや染み、傷などがないかチェック。床や天井の状態も調べるほか、ボックスやポケットなどは内部も見る。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損。ステアリングホイールやペダルは、すり減りなどにも注意してチェック。
2.後席もチェック
前席だけでなく、左右一体スライド・分割リクライニング&格納なども試しながら後席周辺も丹念にチェック。後部のラゲージスペースも傷みがないかチェックし、リアフロアボードを上げて、ラゲージアンダーボックスの状態も見る。
3.装備機器の作動を確認
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど、基本的な機能の作動具合をチェック。キーフリーシステムによるリクエストスイッチ付ドアの解錠・施錠や盗難防止イモビライザー機能などもチェック。
オートエアコンは、調整機能をチェックし、冷房・暖房の効き具合を確認。エコアイドルのエアコン(冷房)制御にも注意したい。
参考車両は、オーディオレス(標準装備)だが、ナビなどを付けたければ販売店に相談してみよう。
★細部の具合は販売店で点検
装備機器の状態は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに不具合がないかは販売店で細かく調べてもらおう。
走行機能のコンディションと整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示・警告灯類の点灯などにも注意。キーフリーシステムとエンジンスイッチの機能も確認。わからないことは、販売店スタッフに聞いてみよう。可能なら試乗して、マルチインフォメーションディスプレイの表示やエコインジケーターの点灯などもチェックしたい。
2.変速動作をチェック
2.変速動作をチェック
CVTは、エンジンをかけてブレーキを踏んだまま、セレクトレバーを各レンジに切り替えながら操作具合をチェック。可能なら試乗して、自動無段変速動作をチェック。とはいっても、異常かどうかを判断するのは難しい。不具合などがないかは販売店でチェックしてもらうほうがいい。
3.エコ支援機能もチェック
3.エコ支援機能もチェック
自動でエンジンを停止・再始動するアイドリングストップシステム「eco IDLE(エコ アイドル)」の作動および作動を停止する[eco IDLE OFF]スイッチ機能に異常がないかチェック。専用(特殊規格)バッテリーの状態や減速時に充電する「エコ発電制御」機能なども正常か確認したい。
4.足まわりをチェック
「RS」は、15インチアルミホイール。リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がりに注意しながら傷や破損がないかチェック。過度な衝撃を受けると生じることがある歪みや割れなどにも注意したい。
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れなどがないかチェック。接地面に異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やアライメント(ホイール取り付け角)の狂い、最悪は車体が歪んでいる可能性もあるので要注意。
「RS」は、スポーティサスペンションを装備。ダンパーの抜けやオイル漏れなどに注意して、正常に機能するかチェック。
5.床下の様子も覗いてみる
5.床下の様子も覗いてみる
車体パネルや補強部材など車体部品、マフラーやサスペンション、ブラケットなど部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスの漏れ、樹脂やゴム部品の破損などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態を確かめる。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「RS」は、TC(ターボエンジン)を搭載している。点検整備記録を参照して、消耗部品の交換状況などにも注意しながらエンジンおよび周辺機器の状態をチェック。ターボはオイル管理が大切なので、オイル漏れなどにも注意。せめて日常点検項目くらいは見ておきたいところだが、詳しい整備状況は販売店に聞いて確認しよう。
車両の購入を決めるなら、エンジンやCVTのほか、ステアリング、ブレーキ、サスペンションなど、走行機構をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!

「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2010年12月のフルモデルチェンジで5代目となった「ムーヴ」。内外装を一新し、新開発の第2世代エンジンと変速制御を最適化したCVT(無段変速機)を搭載。標準スタイル「ムーヴ」とエアロスタイル「ムーヴカスタム」の2モデルを設定。ムーヴはNA(自然吸気エンジン)、カスタムはNAとTC(ターボエンジン)。全車に2WD(FF前輪駆動)と4WDを設定。2011年8月にTC車を一部改良し、燃費・環境性能を向上。2011年11月に一部改良。NA車に低燃費技術[e:Sテクノロジー]の一部を採用した新エンジン・新アイドリングストップを搭載。カスタムのグレード設定を変更。2012年5月にTC車にe:Sテクノロジーの一部を採用し、燃費を向上した。
●2012年12月にマイナーチェンジ。フロントまわりの外装を一新。快適性や便利機能を充実。e:Sテクノロジー第2弾を採用し、アイドリングストップを全車装備。NA車に衝突回避支援システム[スマートアシスト]を設定。2013年7月には、TC車にもスマートアシストを設定している。「カスタム」のグレードは、「X」がウレタンステアリングホイール、オーディオレス、14インチアルミホイールなどが標準装備のスタンダードタイプ。「X リミテッド」は、革巻きステアリングホイールやAV一体メモリーナビゲーションシステム+バックカメラなどを追加装備。「RS」は、TCを搭載し、MOMO革巻きステアリングホイール、15インチアルミホイール、スポーティサスペンションなどを装着したスポーティタイプ。全グレードに設定している「SA」は、スマートアシスト(低速域衝突回避支援ブレーキ、誤発進抑制制御、先行車発進お知らせ機能、VSC&TRC)を標準装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
カスタム X | DBA-LA100S | CVT | FF |
DBA-LA110S | CVT | 4WD | |
カスタム X SA | DBA-LA100S | CVT | FF |
DBA-LA110S | CVT | 4WD | |
カスタム X リミテッド | DBA-LA100S | CVT | FF |
DBA-LA110S | CVT | 4WD | |
カスタム X リミテッド SA | DBA-LA100S | CVT | FF |
DBA-LA110S | CVT | 4WD |
カスタム RS | DBA-LA100S | CVT | FF |
DBA-LA110S | CVT | 4WD | |
カスタム RS SA | DBA-LA100S | CVT | FF |
DBA-LA110S | CVT | 4WD |
●2013年10月には、エマージェンシーストップシグナルを全車装備するなど、一部改良している。