中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.16 / 掲載日:2014.03.14

日産 ムラーノ(2011年2月~)中古車購入チェックポイント

  • 日産 ムラーノ(2011年2月~) 中古車購入チェックポイント

    日産 ムラーノ

    参考車両:250XL(CBA-TZ51)
    初年度登録:2011年4月
    追加装備:<メーカーオプション>地デジ内蔵・HDD方式カーウイングスナビゲーションシステム+ETCユニット+ステアリングスイッチ
    <ディーラーオプション>フォグランプ、ハイパーLEDデイライト (2011年2月)

  • 日産 ムラーノ

■全体のチェックポイント

2010年1月に追加発売された2WD(NZ51型)。参考車両は、2011年2月にマイナーチェンジした時期のモデルだ。2WD車はいわゆる“街乗りSUV”だが、外装・内装のほか、充実した装備の状態もチェック。エンジンやトランスミッションはもちろん、走行安定機構や運転支援機能などのコンディションも必ず確認したい。

外装と同時に車体骨格にも注意しながらチェック

  • 1.車体のバランスを見る

    日産 ムラーノ(正面)

  • 1.車体のバランスを見る

    まずは、外見に異常がないか探ってみる。車両の姿勢(傾き)にも注意。前面は、バンパー、ボンネット、グリル、ヘッドライト、フェンダーなどをチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷などにも注意したい。

  • 2.縁と奥も覗いてチェック

    日産 ムラーノ(正面左)

  • 2.縁と奥も覗いてチェック

    バンパーは、角や下部に損傷がないか見て、立て付けもチェック。下側にあるエアスパッツ(空気整流板)の破損にも注意。バンパーに連なるフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁あたりも慎重にチェック。奥を覗いて、タイヤハウス内もチェック。内側にあるフェンダーライナー(泥よけカバー)の状態も調べる。

  • 3.周辺も詳しく調べる

    日産 ムラーノ(ドア周辺)

  • 3.周辺も詳しく調べる

    ドアは、外面やドアアンダープロテクターをチェックするだけでなく、内側も修理跡などがないか見る。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など周辺もチェックする。

4.下側に要チェックポイント

車体側面下部は、車体側のサイドシル(車体の梁)を必ず見る。下側も覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないか慎重にチェック。同様に、ドア開口部のステップ部(サイドシルの上側)周辺の状態も調べる。

  • 日産 ムラーノ(サイドシル)

  • 日産 ムラーノ(ステップ)

  • 5.車体前部の注意ポイント

    日産 ムラーノ(ボンネット)

  • 5.車体前部の注意ポイント

    ボンネットは、外面・内側・ヒンジ部をチェック。フェンダーは、エンジンルーム側と取り付け状態をチェック。同時に、フレームなど車体パネルもチェック。最前部にあるラジエターサポートおよび関連部も必ずチェックしたい。

6.後部のチェック

後面も、バンパー、テールゲート(バックドア)、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。マフラーの損傷やずれなどにも注意。
テールゲートは、解錠・施錠、開閉の動き具合、全開状態で落ちてこないかチェック。内側やヒンジ部、開口部もチェック。
スペアタイヤ収納部周辺のパネルも、歪みや修理/交換跡がないかチェックする。

  • 日産 ムラーノ(後面)

  • 日産 ムラーノ(テールゲート)

  • 日産 ムラーノ(スペアタイヤ収納部)

7.ドアと周辺をチェック

リアフェンダーの開口部は、乗り降りによる傷や補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、損傷の程度と範囲を確認。車体左側は、フューエルリッドを開けて、給油口周辺もチェック。

  • 日産 ムラーノ(リアフェンダー)

  • 日産 ムラーノ(フューエルリッド)

★損傷箇所や修理歴を確認

SUVの「ムラーノ」は、車高が高いので足元が見づらい。2WD車でもサイドブラインド/バックビューモニターを標準装備しているが、側面を巻き込む例があることにも注意したい。事故などで車体にダメージを負っているのはいわゆる事故車、車体の骨格部を修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。

内装の状態と装備機器類の機能をチェックする

  • 1.隅まで細かくチェック

    日産 ムラーノ(室内)

  • 1.隅まで細かくチェック

    室内は、内装材に汚れや傷、破損などがないか。床や天井まわりもチェック。シートは、染みや擦れ、縫い目のほころび、穴あきなどにも注意。ボックスやポケットなどは、内部の状態も見る。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意したい。

2.後部まで丹念に調べる

前席周辺だけでなく後席も、6:4分割可倒式リアシートのリクライニングや折り畳みなども試しながら周辺をチェック。
後部のラゲッジスペースも、フロア、サイドボックス、フックなどの状態をチェック。フロアボード下のアンダーボックスと仕切りネット分割調節などもチェック。

  • 日産 ムラーノ(フロントシート)

  • 日産 ムラーノ(リアシート)

  • 日産 ムラーノ(ラゲッジスペース)

  • 3.装備機器の作動を確認

    日産 ムラーノ(装備機器)

  • 3.装備機器の作動を確認

    ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなど保安装置のほか、パワーウインドウ、ミラー、ドアロック、室内ランプなど基本的な電装機器の作動状態をチェック。オートエアコンは、冷房の効きに注意して調整や設定具合を確認。インテリジェントキーの機能と各部作動も確認。細かいところでは、メーター部右側の車両情報ディスプレイ表示切り替えスイッチ、左側のメーター照明調整スイッチなどもチェックしたい。

  • 4.追加装備の機能も確認

    日産 ムラーノ(ステアリングスイッチ)

  • 4.追加装備の機能も確認

    日産カーウイングスナビゲーションシステム装着車は、ナビ機能やAV機能をはじめ、マルチファンクションスイッチ/タッチパネル併用操作、ステアリングスイッチ、BluetoothやUSB接続など、付随機能や関連機能が正常か確認。

★車両の装備内容もチェック

6連装CD・AM/FMラジオ・6スピーカーとオーディオステアリングスイッチは、全車標準装備。[カーウイングスナビゲーションシステム(地デジ内蔵・HDD方式)+ステアリングスイッチ(オーディオ・ナビ・ハンズフリーフォン・オートスピードコントロール)+ETCユニット]は、2011年2月のマイナーチェンジで「XV」に標準装備。「XL」には、メーカーオプションとして設定されている。

★販売店でチェックしてもらう

装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェック。不明な部分は、販売店スタッフに説明してもらう。どこかに不具合などがないかは販売店で調べてもらおう。

走行機能の具合と各部の整備状況を確認する

  • 1.無段変速動作をチェック

    日産 ムラーノ(CVT)

  • 1.無段変速動作をチェック

    CVTは、セレクトレバー各ポジションに切り替えながら操作具合をチェック。可能なら試乗して、無段変速動作をチェック。[SPORT]モード(セレクトレバー右スイッチ)も、走行時にチェック。
    走行関連機能としては、[VDC OFF]スイッチによるVDCの作動および停止なども不具合がないか確認したい。

  • 2.エンジンをかけてみる

    日産 ムラーノ(エンジンをかけてみる)

  • 2.エンジンをかけてみる

    エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示・警告灯類の点灯や警報音などにも注意。インテリジェントキーとプッシュエンジンスターターの機能も確認。可能なら試乗して、メーターやディスプレイの表示なども見てみたい。わからないことや疑問があれば、販売店スタッフに聞いてみよう。

3.サポート機能もチェック

左ドアミラーのカメラで左前方を映すサイドブラインドモニターと後部カメラで後方を映すバックビューモニターを標準装備。ナビとセットのステアリングスイッチを装備している車両は、オートスピードコントロール装置(クルーズコントロール)も組み込まれている。それぞれの機能が正常か確認したい。

  • 日産 ムラーノ(ドアミラーカメラ)

  • 日産 ムラーノ(後部カメラ)

  • 日産 ムラーノ(クルーズコントロール)

  • 4.タイヤとホイールをチェック

    日産 ムラーノ(タイヤとホイール)

  • 4.タイヤとホイールをチェック

    タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れなどがないかチェック。接地面に異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やアライメント(ホイール取り付け角)の狂いなども考えられるが、車体の歪みにも要注意。
    アルミホイールは、傷や破損がないかチェック。リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がりに注意。過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意したい。

5.床下も覗いてチェック

日産 ムラーノ(床下)

街乗り2WD車は、事故によるダメージに注意したい。車体パネルや補強部材。カバー類、マフラー、ブラケットなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。
オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態を調べる。

  • ★正しく点検・整備してもらう

    日産 ムラーノ(エンジンルーム)

  • ★正しく点検・整備してもらう

    「240XL」は、2.5Lエンジン+CVTの2WD(FF)車。横滑りを抑制する車両走行安定機構[VDC]+駆動輪が空転した時に駆動力を確保する[ブレーキLSD(リミテッドスリップデフ)]も備えている。とりあえずは、オイル漏れなどにも注意しながらエンジンルーム内をチェック。せめて日常点検項目くらいは見ておきたいが、詳しい整備状況は販売店スタッフに聞いて確認しよう。
    いずれにしても、異常や不具合を判断するのは難しい。車両の購入を決めるなら、エンジンやCVTはもちろん、ブレーキ、ステアリング、サスペンションなど、走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。

★足まわりの状態を確認

「250」は、18インチアルミホイール&235/65Rオールシーズンタイヤを標準装備。ホイールやタイヤを交換している場合は、マッチングにも注意。足まわりとしては、ダンパーの劣化やオイル漏れなどに注意し、サスペンションが正常に機能するか確認。ブレーキも、効き具合と点検整備状況を確認したい。

■最初に車両の現状を確かめる

中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。

目利きはココを見る!

日産 ムラーノ(書類)

「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。
●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。

  • 日産 ムラーノ(立て付け)

    「立て付け」を見る
    ●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。
    ●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。
    ●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。
    パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。

  • 日産 ムラーノ(立て付け)

「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。
●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。
●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。
●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。
●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。

  • 日産 ムラーノ(取り付け状態)

    「取り付け状態」を見る
    ●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。
    ●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。

  • 日産 ムラーノ(取り付け状態)

  • 日産 ムラーノ(接合部)

    「接合部」を見る
    ●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。
    ●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。
    ●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。
    ●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。
    ●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。

  • 日産 ムラーノ(接合部)

■今回の車両のプロフィール

●2008年9月にフルモデルチェンジしてZ51型となった「ムラーノ」。当初の仕様グレードは、低燃費も考慮した2.5Lエンジン+CVT(無段変速機)の「250」と力強く走る3.5Lエンジン+6速マニュアルモード付CVTの「350」。駆動方式は、全車4WD「FOUR」。装備は、スタンダードな「XL」と上級の「XV」を設定。2010年1月には、250に2WD(FF前輪駆動)を追加。350はXLを廃止するなど、グレード体系を変更した。
●2011年2月にマイナーチェンジ。フロントグリルやフロントバンパー、リアコンビネーションランプなど一部外装およびホイールのデザインを変更。メーターや本革シート、ドアトリムなど内装も一部変更。XVは、地デジチューナー内蔵・HDD方式カーウイングスナビゲーションシステムとオートスピードコントロール(クルーズコントロール)を標準装備に加えている。本革巻ステアリングホイール&シフトノブ、プッシュエンジンスターター、インテリジェントキー、エンジンイモビライザー、車両情報表示機能付モニター、車両情報ディスプレイ付メーター、サイドブラインドモニター&バックビューモニター、6連装CD・AM/FMラジオ・6スピーカー、オーディオステアリングスイッチなどを全車標準装備。「XL」は、クロス地シート、運転席/助手席マニュアル調整シート、オゾンセーフフルオートエアコンなどが標準装備。「XV」は、本革シート・前席ヒーター付、運転席/助手席パワーシート、プラズマクラスターイオンフルオートエアコン、スタイリッシュガラスルーフ、アルミルーフレールなどを装備。「250」は18インチ金属調塗装アルミホイール&235/65Rタイヤ、「350」は20インチ金属調塗装アルミホイール&235/55Rタイヤを標準装備している。

■参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
250XLCBA-TZ51CVTFF
250XL FOURCBA-TNZ51CVT4WD
250XVCBA-TZ51CVTFF
250XV FOURCBA-TNZ51CVT4WD
350XV FOURCBA-PNZ51CVT-M64WD

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グーネットマガジン編集部

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