中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.28 / 掲載日:2014.12.19
ホンダ Nボックス(2013年12月~)中古車購入チェックポイント
ホンダ Nボックス (2013年12月~)
参考車両:G・Lパッケージ(DBA-JF1)
初年度登録:2013年12月
追加装備
<メーカーオプション>ディスチャージヘッドライト、右側パワースライドドア、ナビ装着用スペシャルパッケージ、あんしんパッケージ
<ディーラーオプション>ホンダ純正ナビシステム、ETC、フロアカーペットマット
全体のチェックポイント
2013年12月に仕様グレード名や装備設定などを一部変更した時期の標準モデル。外装・内装を慎重にチェックすると同時に、特長としている後席のゆとりや便利装備などもチェック。参考車両はオプション装備を装着しているので、追加された機能も正常か確認。もちろん、走行関連機構各部の整備状況も必ず確認する。
外装と同時に周辺や関連部に損傷がないか調べる
1.外観の様子からチェック
1.外観の様子からチェック
まずは、外装の傷、歪み、塗装の異常などに注意しながら車体まわりを探っていく。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷にも注意したい。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部に損傷がないか見て、ずれていないか立て付けを調べる。バンパー下にあるスポイラーの破損にも注意。
バンパーに連なるフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側にあるフェンダーライナー(泥よけカバー)なども、損傷や修理跡などがないかチェック。
3.関連部も慎重にチェック
3.関連部も慎重にチェック
ドアは、外面だけなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(車体の梁)など関連部も異常がないか調べる。
4.スライドドアのチェック
リアスライドドアも、基本的にはフロントドアと同じだが、開閉スライド動作、外側と内側のパネル、上・下・側部にあるブラケット(ドアの支え金具)とローラー、車体側のレール(スライド溝金具)などに異常がないかチェックする。
5.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部のサイドシル(車体の梁)を必ずチェック。床下側も覗いて、損傷、腐食(錆)、修理跡などがないかチェック。特にパネル接合部の修理/交換跡に注意したい。同様に、ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェックする。
6.関連部の損傷にも注意
リアフェンダーも、フロントフェンダーと同様に(フェンダーライナーはないが)チェック。スライドドアのレールとレールカバー、バンパー、コンビネーションランプなどの状態も見る。車体左側は、フューエルリッドおよび給油口周辺も、修理/交換跡などがないか調べる。
7.後部のチェック
後面も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ、フェンダーなどに異常がないかチェック。テールゲートは、開閉の動き具合をチェックし、全開状態で下がってこないかロッドダンパーの効き具合も確認。
テールゲートの内側も修理跡などがないか見て、ヒンジやヒンジ固定部に歪みや修理/交換跡がないか調べる。開口部も、パネル接合部の溶接やシーラー、塗装の状態に注意しながら慎重にチェック。
8.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側とヒンジ部もチェック。フェンダーも、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡などがないか見て、取り付け状態を調べる。同時に、車体パネルもチェック。最前部にあるラジエターサポートおよび関連部品なども、異常がないか必ずチェックする。
9.タイヤとホイールもチェック
9.タイヤとホイールもチェック
「G・Lパッケージ」は、155/65Rタイヤ&14インチアルミホイールが標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れ、欠けなどがないかチェック。異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの異常や車体の歪みなどにも要注意。タイヤの状態によっては、走行安定制御システムなどが正常に作動しなくなることにも注意したい。
アルミホイールは、損傷や破損などがないか。縁石などに当たって傷付けることがあるリム(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、事故などで過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどに注意しながらチェックする。
★損傷と修理/交換の有無を確認する
「Nボックス」は、両側スライドドアを備えたボックススタイルの軽ハイトワゴン。車体は、骨格を形成するインナーフレームにサイドアウター/ルーフ/リアパネルを貼り付けた構造で、燃料タンクは前席の下。「G・Lパッケージ」は、左側パワースライドドアやドアミラーウインカーなどを標準装備。参考車両には、メーカーオプションのディスチャージヘッドライト、「ナビ装着用スペシャルパッケージ」に含まれているリアカメラとマイクロアンテナ、「あんしんパッケージ」に含まれているシティブレーキアクティブシステムのレーダーセンサー(フロントウインドウ上部内側)が付いている。いずれにしても、外装だけでなく、車体骨格のダメージにも注意したい。
車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器の機能・作動をチェック
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れ、染み、傷、穴、破損などがないかチェック。床や天井の状態も調べるほか、ボックス、トレイ、ホルダー、ポケットなどは内部も見る。ボックスの蓋やエアコン吹き出し口などは、可動部の破損に注意しながら動き具合もチェック。
2.カーゴスペースもチェック
2.カーゴスペースもチェック
前席周辺だけでなく、後席も、5:5分割式リアシートのアームレスト出し入れ、2段リクライニング、座面を跳ね上げ、座面&背もたれ折り畳み、床への収納なども試しながら周辺を丹念にチェック。
後部カーゴスペースも、傷みがないかチェック。カーゴリッド(床板)を開けて、中の様子も見る。
3.装備機器類の作動を確認
3.装備機器類の作動を確認
ヘッドランプ、ウインカー、ミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備機器。スマートキーのキーレスエントリー機能もチェック。フルオートエアコンは、特に冷房の効き具合に注意して、調整・設定機能をチェック。パワースライドドア装備車は、ドアスイッチの自動開閉・手動開閉やスマートキーでの開閉具合などもチェック。
4.追加装備の機能も確認
参考車両には、メーカーオプションの[ナビ装着用スペシャルパッケージ]とディーラーオプションの[ナビ+ETC]が付いている。ナビやAVのほか、オーディオリモコンスイッチ、リアビューモニター、ETCなど、付随・連携するすべての機能が正常か確認したい。
★販売店で細部まで調べてもらう
参考車両は、「G・Lパッケージ」にナビ装着用スペシャルパッケージ(リアワイドカメラ+オーディオリモコンスイッチ+リア2スピーカー+ワンセグTV対応マイクロアンテナ)とホンダ ギャザズナビ+ETCを追加。右側パワースライドドアも追加しているので、両側パワースライドになっている。車両をチェックする際は、販売店で装備内容をまず確認。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに異常がないかは販売店で点検してもらおう。
走行機能のコンディションと整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、スマートキーとプッシュエンジンスタート/ストップスイッチの機能を確認。表示/警告灯類の点灯、メーター/インジケーター/ディスプレイの表示、警告ブザー音などにも注意。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
CVTは、セレクトレバーのシフト操作具合をチェック。可能なら試乗して、自動無段変速動作をチェック。[アイドリングストップ]のエンジン停止・再始動、エンジンやエアコンを制御する[ECON]モードのON/OFF、メーターの色が変化する低燃費運転[コーチング機能]、走行安定制御[VSA]の作動と[VSA OFF]もチェック。シティブレーキアクティブシステム装備車は、追突防止自動ブレーキや誤発進防止エンジン出力抑制なども異常がないか確認したい。
とはいっても正常かどうかを判断するのは難しいので、販売店で細かく点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
「G/G Lパッケージ」は、3気筒660cc自然吸気エンジン+CVT(無段変速機)で、アイドリングストップシステム、低燃費モードECON、低燃費運転コーチング機能を搭載。制動力配分EBD付ABS、走行安定制御VSA(ABS+TCS+横滑り制御)、ヒルスタートアシストなどは全車の標準装備。参考車両は、「あんしんパッケージ(シティブレーキアクティブシステム・低速域衝突軽減ブレーキ+誤発進抑制機能、サイドカーテンエアバッグ、前席用i-サイドエアバッグ)」も追加している。
各機構の構造などはともかく、それぞれの機能が正常かチェックしたい。とりあえずはエンジン周辺だけでも見て、走行系各部の点検整備状況を販売店スタッフに聞いてみる。車両の購入を決めるなら、走行関連機構をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際は、溶接部を剥がすことがあるので、パネルの接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
今回の車両のプロフィール
●2011年12月に新発売した新型軽乗用車「N」シリーズ第1弾「Nボックス」。標準スタイルの「Nボックス」とカスタムカー風に仕立てた「Nボックス カスタム」を設定。「Nボックス」は、自然吸気エンジン+CVT(無段変速機)。「Nボックス カスタム」には、ターボエンジン+7速マニュアルモード付CVTを搭載した「ターボパッケージ」も設定。その後、2012年7月:Nシリーズ第2弾「Nボックス+(プラス)」を発売し、「2トーンカラースタイル」を設定。2012年8月:「Nボックス+」に車いす仕様車を追加。2012年12月:Nボックスシリーズを一部改良し、「Nボックス」にもターボ仕様車を追加設定。2013年1月:「Nボックス カスタム」をベースにしたカスタムカー「モデューロX」を発売。2013年5月:特別仕様車「SS(鈴鹿スペシャル)パッケージ/ターボSSパッケージ」を設定。
●2013年12月にNボックスシリーズを一部改良。燃費性能を向上。仕様グレード名を変更。「Nボックス/Nボックス カスタム/Nボックス+カスタム」にも「2トーンカラースタイル」を設定するなどメーカーオプション設定も一部変更している。「Nボックス」の仕様グレードは、「G」は、ハロゲンヘッドライト、フロントフェンダーウインカー、フルホイールキャップ付スチールホイールなどを装備したベーシックタイプ。
「Lパッケージ」は、左側パワースライドドア、ドアミラーウインカー、車速連動フロントワイパー、プラズマクラスターフルオートエアコン、左右独立式リアセンターアームレスト、14インチアルミホイールなどを標準装備。ターボ仕様車の「ターボLパッケージ」には、パドルシフト、クルーズコントロール、右側パワースライドドア、本革巻ステアリングホイールなども追加している。「2トーンカラースタイル」は、ルーフをボディ別色に塗装し、クロームメッキアウタードアハンドル、カスタムブラックシート表皮、ボディ同色加飾などを装着している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
G | DBA-JF1 | CVT | FF |
DBA-JF2 | CVT | 4WD | |
G・Lパッケージ | * DBA-JF1 | CVT | FF |
* DBA-JF2 | CVT | 4WD | |
G・ターボLパッケージ | * DBA-JF1 | CVT-7M | FF |
* DBA-JF2 | CVT-7M | 4WD |