中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.02 / 掲載日:2006.03.01

ホンダ ゼスト 中古車購入チェックポイント

  • ホンダ ゼスト中古車購入チェックポイント

    ホンダ ゼスト

    参考車両:スポーツW
    初年度登録:2006年9月

  • ホンダ ゼスト

■全体のチェックポイント

日常の足として使われることが多いが、外装のチェックでは、小さな傷や凹みに気を付けよう。室内のチェックは、傷や汚れの状態に注意する必要がある。子供を乗せていた車両などは、クリーニングでは落ちない染みが付いていることもある。また、乗りっぱなしで点検や整備などをしっかり受けていない車両に注意。外観は比較的きれいでも、エンジンやトランスミッションに不具合が発生していることもある。日頃の手入れや扱い方も車両の良否を判断する目安になる。

  • 1.全体の雰囲気から探る

    ホンダ ゼスト(正面)

  • 1.全体の雰囲気から探る

    やや離れた位置から、全体の様子を観察してみよう。外板パネルの隙間(立て付け)、塗装面の光沢や色むら、車両の傾きなど、外観各部に異常はないかをチェック。
    前面は、バンパー/グリル/ボンネット/ヘッドライトなどが並んでいる線が崩れていないか。左右対称になっているか、確かめよう。
    左右ヘッドライトを見比べて、片方だけ新しく感じたら(交換の疑い)、その側が補修されている可能性もある。
    また、バンパーやフロントグリル周辺、ボンネット先端部などの飛び石などによる小さな打ち傷にも注意。フロントガラスの傷も調べよう。

  • 2.外観表面のチェック

    ホンダ ゼスト(外観表面のチェック)

  • 2.外観表面のチェック

    車体の表面は、見る角度を変えながらチェックしよう。斜め方向から透かして見ると、見落としやすい浅くて広い凹み、あるいは波打ち(しわ)なども発見できる。
    しわが寄っているのは、衝撃を受けているか、板金修理跡だ。
    部分的に塗装面の艶が違っていたり、肌荒れ状態になっている箇所も、修理跡かもしれない。
    擦り傷などを見つけたら、傷の深さを調べると同時に、凹みを伴っていないか、触って確かめよう。

  • 3.鉄板部の様子を見る

    ホンダ ゼスト(鉄板部の様子を見る)

  • 3.鉄板部の様子を見る

    エンジンルーム内は、鉄板部(左右フェンダー側のインナーパネル、室内と隔てている奥のダッシュパネルなど)を必ずチェック。
    インナーパネルは車体の骨格を形成する重要な部分だ。溶接やシーラー、塗装の状態などから、修理跡はないか、念入りに調べよう。
    また、エンジンルーム内の部品やネジなどに塗装の飛沫が付着していたら、周辺に修理の形跡がないか、探ってみよう。

4.整備状態を確かめる

ゴムホースやベルトの劣化など、消耗や劣化しやすい部品を中心に、エンジンと周辺の部品をチェック。
冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキやウォシャーの液量なども点検したい。
周囲と比べて新しく見える部品があれば、交換していることが疑える。消耗部品か、それとも故障や不良か。あるいは事故などでダメージを受けたのか。定期点検整備記録簿も探ってみよう。

  • 5.前部の要チェックポイント

    ホンダ ゼスト(前部の要チェックポイント)

  • 5.前部の要チェックポイント

    エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっているラジエターサポートと呼ぶ鉄板を調べよう。車体前部に大きな衝撃を受けると影響が及びやすく、外観をきれいに直しても、ここにダメージ痕が残っていることがある。
    修正修理あるいは交換している形跡がないか、チェックしよう。
    左右フェンダーとの接合部に不自然なところはないかも確認。
    ヘッドライトや周辺部品の取り付け状態にも気を付けよう。

  • 6.ボンネットのチェック

    ホンダ ゼスト(ボンネットのチェック)

  • 6.ボンネットのチェック

    ボンネットは、外観面だけでなく、裏側に修理跡などがないかも確かめよう。
    さらに、支えているヒンジ部の固定ネジを見て、取り付け状態も探ってみよう。
    ボンネットを交換している形跡があれば、車体前部を修理している可能性がある。隣接する周辺を詳しくチェックしよう。

  • 7.取り付け状態を調べる

    ホンダ ゼスト(取り付け状態を調べる)

  • 7.取り付け状態を調べる

    フロントフェンダーは、外観の状態だけでなく、固定しているネジもチェックしよう。脱着した形跡があれば、外して修理しているか、交換している可能性がある。
    フロントフェンダーは重要な補強部材ではないので、修理しても修復歴車にはならないが、外して修理/交換するほどなら大きな衝撃を受けているはず。車体内側や周辺も調べて、ダメージを受けた範囲を確かめる必要がある。

  • 8.隙間の幅と色調を見る

    ホンダ ゼスト(隙間の幅と色調を見る)

  • 8.隙間の幅と色調を見る

    各外板パネルの立て付けを詳細にチェックしよう。車体前部では、バンパー、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)などが隣接している。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ダメージを受けて部品がずれているか、修理している可能性が高い。
    また、修理や交換で塗装すると、仕上がった色が微妙に違うことがある。隣り合うパネルの色調も比べてみよう。

9.ドアの修理/交換を推察

ドアに大きな損傷を受けると、外して修理したり、交換することもある。ヒンジ部の固定ネジをチェックしよう。
ただし、ドアの立て付けを調整のためにネジを回すこともある。ネジを脱着した形跡があれば、周辺も詳しく調べて判断する。

  • ホンダ ゼスト(ドアの修理/交換を推察)

  • ホンダ ゼスト(ドアの修理/交換を推察)

  • 10.フェンダーのチェック

    ホンダ ゼスト(フェンダーのチェック)

  • 10.フェンダーのチェック

    前後フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを覆っている縁)も覗いて、鉄板を折り込んでいる部分を調べよう。マスキング跡や修理している形跡などはないか、確認。特にスポット溶接の状態に注意。異常や疑いがあれば、左右フェンダーを見比べて確かめよう。
    また、フェンダーの奥を見てみよう。部品などに塗装の飛沫が付着している場合は、周辺を修理している可能性がある。

11.給油口の蓋にもヒント

リアドアを開けて、開口部をチェック。マスキング跡や修理跡などはないか、確かめよう。
フューエルリッド(給油口の蓋)も開けてみよう。マスキング跡や修理跡などがないか、チェック。
リッドは、リアフェンダーを板金修理する際に外すことがある。取り付け状態も確かめよう。
また、リッドの色調が異なっている場合は、リアフェンダーを修理している。周辺を詳しく調べよう。

  • ホンダ ゼスト(給油口の蓋にもヒント)

  • ホンダ ゼスト(給油口の蓋にもヒント)

12.テールゲートを確かめる

後部も、前部と同様に、テールゲート、バンパー、コンビネーションランプ(リアライト)などが並んでいる各部品の立て付け状態をチェックしよう。
テールゲートを閉めた状態を見て、全体に隙間が狂っていれば、テールゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいる可能性もある。
右または左の片方の隙間だけ狂っていれば、その側の車体部を修理していると判断できる。
また、テールゲートを開閉して、スムーズに閉まらない場合も、テールゲートのずれか、車体の歪みが原因のことも考えられる。

  • ホンダ ゼスト(テールゲートを確かめる)

  • ホンダ ゼスト(テールゲートを確かめる)

13.開口部を念入りにチェック

後部に大きなダメージを受けると、テールゲートを交換することもある。ヒンジのネジに手を加えた痕跡がないか見てみよう。
また、左右両側共に鉄板が横から回り込んで溶接で接合されている。溶接やシーラー、塗装の状態などを手がかりに、修理している様子はないか、念入りに観察しよう。左右を見比べると異常を判断しやすいが、コンビネーションランプの交換にも注意。
後方から強い衝撃を受けると、前部にまで波及することもある。車体後部を修理している場合は、関連する他の部分にもダメージが及んでいないか、確かめよう。

  • ホンダ ゼスト(開口部を念入りにチェック)

  • ホンダ ゼスト(開口部を念入りにチェック)

  • 14.床の鉄板をチェック

    ホンダ ゼスト(床の鉄板をチェック)

  • 14.床の鉄板をチェック

    スペアタイヤを外して、波打ち、板金修理跡、交換跡などはないか、チェック。
    底や周辺に貼ってある防振シートの切り接ぎ、張り替えた跡なども修理を推察する目安だ。
    錆や泥の付着などにも注意。水溜まりの跡(希に水が溜まっている車両もある)があれば、原因を突きとめる必要がある。テールゲートのずれ、シール不良、車体の歪みなども考えられる。

  • 15.床下も覗いてチェック

    ホンダ ゼスト(床下も覗いてチェック)

  • 15.床下も覗いてチェック

    鉄板部に傷や凹み、歪み、変形、修理跡などはないか、確かめよう。車体側面下部のサイドシル(ドア下にある車体前後方向に通っている梁)は、特に念入りにチェックしよう。
    さらに、マフラーやサスペンションなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡などはないか。ステーやアーム類も、傷や曲がりなどがないか。車体の前後左右から覗いて探ろう。

  • 16.エンジンをかけてみる

    ホンダ ゼスト(エンジンをかけてみる)

  • 16.エンジンをかけてみる

    始動時の状態、アイドリング回転などをチェック。エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。
    排気ガスの色も確認。白く見える場合は、水蒸気なら問題ないが、なんらかの異常も考えられる。
    容易にエンジンがかからない場合は、バッテリー以外に発電装置などの不良も疑える。エンジンの回転中に異音や大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。

  • 17.オートマチックの動作確認

    ホンダ ゼスト(オートマチックの動作確認)

  • 17.オートマチックの動作確認

    セレクトレバーを操作して、トランスミッションの状態をチェック。
    エンジンをかけてブレーキを踏んだまま、PからDへ、NからRへなど、各ポジションにレバーを動かして、切り替え時にショックや異音などが出ていないか、試してみよう。
    できれば試走して、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないか、繋がるタイミングが長すぎないかも、確かめたい。

18.装備機器を操作してみる

まず、ウインカー、ヘッドライト、ブレーキなどのリアライト類、ワイパー、ハザードなど、走行に欠かせない保安機器類が間違いなく作動することを確かめよう。
さらに、オーディオやエアコンなど、装備機器類もすべてチェック。運転席まわりだけでなく、後席のパワーウインドウ開閉や室内ランプの点灯なども調べよう。
調整機構のある機器類は、機能を操作してみる。例えば、エアコンは温度や風量を整調節してみよう。季節に関わりなく、冷/暖房が効くことを確かめよう。
また、インテリアは、シートや内装材などに、汚れや傷、穴などがないか。各部に設置されている樹脂製部品の傷や破損にも注意して、後部シートやラゲッジスペースまで、念入りにチェックしよう。

  • ホンダ ゼスト(装備機器を操作してみる)

  • ホンダ ゼスト(装備機器を操作してみる)

  • 19.減り具合と減り方をチェック

    ホンダ ゼスト(減り具合と減り方をチェック)

  • 19.減り具合と減り方をチェック

    タイヤは、残り溝の深さを点検。傷や異物の刺さりなどがないかも確かめよう。
    溝が十分に残っていても、減り方も調べよう。一部が極端に減っている「偏摩耗」を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいは車体が歪んでいるのかを確かめる必要がある。偏摩耗は、車体前部のインナーパネルの歪みなどが原因で起こることもあるので、要注意だ。

■車両の情報を確かめる

  • ホンダゼスト(書類)

  • 備え付けの書類は、車両取扱説明書をはじめ、カーナビなどを装備している場合は説明書などが揃っていることを確かめよう。
    定期点検整備記録簿は、車体まわりをチェックする前に、必ず記載内容を調べておこう。定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、各部の状態を探る参考になる。

車両チェックの勘どころ

塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。

取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。

溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接されている(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。

立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性が高い。
●バンパーなどは、押されてずれることがある。たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。

■今回の車両のプロフィール

●2006年3月に新発売された背高ワゴンタイプの軽自動車
660(658cc)エンジンは、自然吸気とターボ付きの2種。トランスミッションは、全車4速AT。駆動方式には、FF(前輪駆動)と4WDがある。
仕様グレードは、ベーシックな「N」、電動格納式リモコンドアミラーやプライバシーガラス、フルホイールキャップを装着した「G」、アルミホイールやアレルフリー高性能脱臭フィルター付きフルオートエアコンを備えた「W」の3タイプが基本。「スポーツ」はエアロパーツを装着し、ターボエンジンとの組み合わせもある。
また、泥などの汚れを簡単に拭き取れるワイパブルマットや撥水シート表皮などをセットにした「アクティブパッケージ」(W/スポーツWは標準。G/スポーツGにメーカーオプション)などの装備設定もある。
2007年2月に一部装備を変更。仕様グレード設定は、N、G、Wが「D」の1タイプに整理されたが、スポーツに変更はない。

■参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
NDBA-JE14ATFF
CBA-JE24AT4WD
GDBA-JE14ATFF
CBA-JE24AT4WD
WDBA-JE14ATFF
CBA-JE24AT4WD

グレード型式シフト駆動
スポーツGDBA-JE14ATFF
CBA-JE24AT4WD
スポーツG ターボDBA-JE14ATFF
CBA-JE24AT4WD
スポーツWDBA-JE14ATFF
CBA-JE24AT4WD
スポーツW ターボDBA-JE14ATFF
CBA-JE24AT4WD

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