中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.02 / 掲載日:2007.08.01
ダイハツ ソニカ 中古車購入チェックポイント
ダイハツ ソニカ中古車購入チェックポイント
CBA-L405S
参考車両:RSリミテッド2WD
初年度登録:2007年8月
■全体のチェックポイント
軽自動車は気軽に乗れて維持費も安いのが魅力だが、乗りっぱなしになっている車両も少なくない。見かけがきれいでも、整備状態に注意しよう。定期点検整備を行っているかどうかもチェックポイントだ。長期間走っていないとタイヤにヒビ割れを起こしていることがある、あるいは子供を乗せているとシートなどに染みを付けることが考えられるなど、車両の使い方によるダメージも推測しながら、外まわりもちろん、室内の細部にいたるまで、念入りにチェックしよう。
1.全体の雰囲気から探る
1.全体の雰囲気から探る
やや離れた位置から、車両の様子を観察しよう。外板パネルの隙間(立て付け)、塗装面の光沢や色、車両の傾きなど、外観各部に異常がないかチェック。
前面は、ボンネット/ヘッドライト/バンパーなどが並んでいるバランスと、左右対称になっていることを確認。
左右ヘッドライトの片方だけが新しく(交換の疑い)感じたら、単なるライト破損か、車体部の修理に伴う処理なのか、周辺を詳しく調べてみよう。ナンバープレートの傷や歪み(変形)、修正の形跡なども、バンパーや車体部の修理/交換を推察するヒントだ。
2.角度を変えながら見る
2.角度を変えながら見る
車体まわりを調べる時は、見る角度を変えてみよう。プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなどを判断しやすい。
表面を斜めから透かして見ると、見落としがちな浅くて広い凹み、あるいは波打ち(板金修理跡のしわ)なども確認できる。
塗装面の艶が周囲と違っていたり、部分的な変色や色むら、肌荒れ状態になっている箇所なども、修理跡の疑いがある。
3.整備状態を確かめる
3.整備状態を確かめる
定期点検整備記録と突き合わせて、ゴム部品の劣化、エンジンオイルの滲みや汚れ(オイル漏れの兆候)などに注意しながらエンジンと周辺の状態をチェック。エンジンオイル交換など、消耗品の交換時期なども確かめよう。
周囲と比べて新しく見える部品(交換の疑い)があれば、故障などか、消耗部品か、それとも事故などでダメージを受けたのか、整備記録も調べてみよう。
4.車体内側の鉄板を調べる
左右フェンダー側のインナーパネル、室内側のダッシュパネルなど、各部の鉄板を見てみよう。大きなダメージを受けると、走行機能面に不具合が生じる部分だ。歪みや修理跡(溶接、シーラー、塗装の異常)などがないか確認。
エンジンルーム内の色調は、新車時から外板色とは若干異なっているが、部品やネジなどに塗装の飛沫が付いていれば、周辺に修理跡などがないか探ってみよう。
5.ボンネットの裏面もチェック
5.ボンネットの裏面もチェック
外面をチェックしたら、裏面に修理跡などがないかも確かめよう。アウター(外)とインナー(内)のパネルを貼り合わせている接合部(特にシーラー)の状態に注意。
ダメージを負うと、外して修理したり、交換することもある。ヒンジ部のネジを脱着していないかもチェックしよう。
ボンネットを修理/交換していれば、ボンネット単独の場合もあるが、車体部も修理していないか、詳しく調べる必要がある。
6.前部の必須チェックポイント
6.前部の必須チェックポイント
エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっているラジエターサポートと呼ぶ鉄板を調べよう。車体前部に衝撃を受けると、影響が及びやすく、修正あるいは修理/交換する確率が高い。外観をきれいに直しても、ここで車体にダメージを負っているのがわかることがある。
フェンダー側の取り付け部周辺、ヘッドライトやフロントグリル/バンパーなど、関連する部分の状態も確認しよう。
7.取り付け状態を確認
フロントフェンダーは、大きな損傷を負うと、外して修理したり、交換することもある。取り付けネジを脱着した形跡がないかチェックしよう。ブラケット(支えている金具)の状態にも注意。ネジは、エンジンルーム内の他に、ドアを開けるとピラー(柱)付近にもあるのが見える。
フロントフェンダーは、車体の重要な補強部材ではないので、修理しても修復歴にはならない。しかし、外して修理/交換していれば、大きな衝撃を受けていると考えられるので、インナーパネルなどにダメージを受けていないかを確かめる必要がある。
8.隙間の幅と色調を比べる
8.隙間の幅と色調を比べる
立て付けを見る時は、例えば前部側面では、バンパー、ヘッドライト、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス部の柱)などが隣り合わせになっている。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ダメージを受けてずれているか、あるいは修理/交換している可能性がある。
隙間を境に、隣り合うパネルの色調も比べてみよう。修理や交換で塗装すると、仕上がった色が微妙に異なることがある。
9.縁の部分も覗いてチェック
フェンダーは、膨らんでいる部分に傷を付けることも多い。傷があれば、凹みや歪みを伴っていないか確認。
鉄板を内側に折り込んでいる部分もチェックしよう。修理跡があれば、傷や凹みの補修か、板金修理か、あるいは交換か。修理の範囲とダメージの大きさを確認。溶接(シーラー)の状態にも注意しよう。タイヤハウス内に付着した塗装の飛沫も修理のヒントだ。
10.側面のチェックポイント
ドアに大きな損傷を負うと、外して修理、あるいは交換することも多い。ドアヒンジ部のネジを脱着していないかチェック。ただし、ドアの立て付け調整でネジを回すこともあるので、ネジ脱着の形跡だけでは即断できない。ピラー(柱)やサイドシル(ドア下を通っている梁)など、周辺の状態も確かめて判断する必要がある。
ドアの開口部に見えるピラーとサイドシルとの接合部も、溶接(シーラー)の状態を慎重にチェックしよう。ピラー部にある楕円の突起部も、形状に注意。歪んでいれば、車体にダメージを受けている。
11.後部のチェック
11.後部のチェック
後部も前部と同様に、テールゲート/コンビネーションランプ(テールランプ)/バンパーなどのバランスをチェック。
後部ナンバープレートは、封印を剥がした傷(剥がした形跡)が注意ポイントだ。
テールゲートの立て付けを見て、全体に狂っていれば、テールゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいる疑いもある。左右の片側だけに隙間が狂っている箇所があれば、その部分の車体部を修理している。コンビネーションランプやバンパーの取り付け状態にも注意しよう。
12.リアフェンダーのチェック
リアドアを開けて、開口部を見て見よう。傷や修理跡などがないかチェック。下部にあるサイドシルとの接合部にも注意。
開口部にマスキング跡があれば、フェンダー部を補修、あるいは修理している。周辺を調べてみよう。
フューエルリッド(給油口のカバー)を開けて、内部にマスキング跡や修理跡などがないかもチェック。フューエルリッドを外して付け直した形跡にも気をつけよう。
13.開閉しながらチェック
テールゲートを開閉してみよう。ロックの解錠/施錠と、テールゲートのスムーズな動きをチェック。上に跳ね上げた状態でしっかり止まっていることも確かめよう。
閉まり具合が悪い(カチッと閉まらない)場合は、テールゲートがずれているだけなら調整で直ることもあるが、車体の歪みが原因になっていることも考えられるので注意が必要だ。
テールゲートは、裏面側に修理跡などがないかもチェック。大きな損傷を負うと交換することもあるので、取り付けネジもチェック。ヒンジおよび周辺に歪みや修整の形跡などがないかも確認しよう。
14.ダメージの波及にも注意
開口部を見ると、鉄板の接合部がある。溶接やシーラー、塗装の状態などを手がかりに、修理/交換跡などがないかチェック。
疑わしい部分は左右を比べて見れば、異常を判断しやすい。
下部の鉄板部は見えないが、コンビネーションランプやバンパーの取り付け状態に注意しよう。
後方から強い衝撃を受けると、キャビン(室内)やルーフにまで波及することもある。修理/交換の形跡があれば、関連部分や後部周辺はもちろん、ダメージが及んだ範囲を広く探る必要がある。
15.床下も覗いてみる
15.床下も覗いてみる
フレーム(骨格)やメンバー(補強部材)など、鉄板部に損傷や歪み、修理跡などはないかチェック。サイドシル(車体左右にある前後方向に通っている梁)下部の損傷や修理跡などにも注意。
マフラーやサスペンションなど、部品類に損傷や修理/交換の形跡などがないかも確認。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないが、腐食の進行状態に注意しよう。油汚れや滲み(オイルやグリスなどの漏れ)、ゴム部品の劣化(割れなど)にも気をつけよう。
16.減り具合と減り方を見る
16.減り具合と減り方を見る
タイヤは、残り溝の深さをまず点検。傷や異物の刺さり、ひび割れなどがないかもチェック。
溝が十分に残っていても、減り方(摩耗状態)も必ず調べよう。接地面の外側だけとか内側だけなど、一部が極端に減っている偏摩耗を起こしていれば、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているだけか、車体が歪んでいるのか、確かめる必要がある。
ホイールは、リム部(タイヤと接している縁)を傷付けることも少なくない。傷があれば、曲がりなどがないかも確かめよう。
17.不具合の兆候を察知する
17.不具合の兆候を察知する
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽って、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。
容易にエンジンがかからない場合は、バッテリーが弱っているだけなら問題は少ないが、他の要因も調べる必要がある。白煙(水蒸気なら問題ない)や黒煙の排気ガス、不安定なアイドリング回転なども、不具合が起きている兆候。エンジン回転中に異音や大きな振動が出ているようなら、なんらかのトラブルを抱えている。
18.装備機器類の機能を確認
18.装備機器類の機能を確認
保安関係(ヘッドライト、ウインカー、テール/ブレーキ/バックランプなど)の作動をまず確認。さらに、エアコンやオーディオなど、電装機器や電動機構は、スイッチを入れるだけでなく、調整操作して、機能をチェックしよう。
エアコンは、寒い日でも冷房の効き具合を確かめよう。パワーウインドウの開閉やドアロック、後部座席ランプの点灯など、日常的に使う部分のチェックを忘れることが多いので注意しよう。
19.オートマチックのチェック
19.オートマチックのチェック
エンジンをかけてブレーキを踏んだままセレクトレバーを操作して、ポジション切り替えの動きをチェック。
できれば試走して、CVTの動作も確認したい。アクセルペダルの踏み込みと連動していないとか、ギアが切り替わるような感じがあれば、不具合が生じている。
マニュアルモードでも、操作具合と動作状態をチェックしたい。
20.室内の隅まで細かくチェック
20.室内の隅まで細かくチェック
シートや内装材などに汚れや傷、染み、穴などがないか。運転席周辺だけでなく、後席やラゲッジスペースまでしっかりチェック。床部分や天井の状態も調べよう。各所にある樹脂部品の損傷や破損、取り付け状態にも注意。
傷や染みなどは、補修が可能かどうか、あるいは交換が必要か、ダメージの程度を見極めたい。
■車両の情報をチェック
車両をチェックする際には、「定期点検整備記録簿」の記載内容を必ず確認しよう。車両がどのように使われて、どのような整備を受けてきたのかがわかり、定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。きちんと定期点検整備して詳細な記録が残っている車両は、走行距離が伸びていても、大きな問題を抱えていないとも考えられる。
備え付けの書類は、「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式など、「保証書」で期限と内容などを確認。「車両取扱説明書」の他に、オプションや後付け装備などが付いている場合は、使用説明書が揃っていることも確かめよう。
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接している(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性がある。
●バンパーなどは押されてずれることもあるが、たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
R | CBA-L405S | CVT | FF |
CBA-L415S | CVT | 4WD | RS | CBA-L405S | CVT | FF |
CBA-L415S | CVT | 4WD | RSリミテッド | CBA-L405S | CVT-7M | FF |
CBA-L415S | CVT-7M | 4WD |