中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.24 / 掲載日:2008.12.05
ホンダ アコード 中古車購入チェックポイント
ホンダ アコード 中古車購入チェックポイント
DBA-CU2
参考車両:24iL
初年度登録:2008年12月
■全体のチェックポイント
新車価格が高い上級セダンは、比較的丁寧に扱われていることが多い。整備記録を調べて、きちんと定期点検整備を受けているかどうか確かめよう。内装も細部まで念入りにチェック。内装の手入れ状態でも、車両がどのように扱われていたかが推察できる。外観は、損傷や修理跡などの有無に注意するが、大きなダメージを受けていないことを確認。装備類やハイテク機構などの動作もチェックして、すべての機能に問題がないことも確かめたい。
1.全体の雰囲気から探る
1.全体の雰囲気から探る
やや離れた遠目から、車体の様子を観察しよう。車両の周囲をひと巡りして、外装部品の立て付けや塗装面状態などをチェック。違和感や異常に見える部分などがあれば、近寄って詳しく調べよう。
正面は、バンパー/ヘッドライト/フェンダー/ボンネットなどが並んでいるバランスと、左右対称になっていることを確認。左右ライトの片方だけが新しい場合(交換)は、その側の車体部を修理している可能性がある。ナンバープレートの傷や変形、修整跡なども、前部をぶつけて車体部を修理/交換している疑いがある。
2.角度を変えると見える
2.角度を変えると見える
車体まわりは、見る角度を変えながらチェックしよう。プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども確認しやすい。車体表面を斜め方向から透かして見れば、広くて浅い凹みや波打ち(しわ)なども見落とすことがない。
しわが寄っているのは、ダメージ痕か板金修理跡。塗装の艶や色調が違っているとか、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所なども、修理跡の疑いがある。
3.整備状態を確かめる
3.整備状態を確かめる
点検整備記録と突き合わせて、消耗部品を中心にエンジンと周辺をチェック。エンジンオイルのにじみや汚れ(漏れの兆候)にも注意。できれば、冷却水やオイルの量および汚れ、ブレーキやウォシャーの液量なども点検したい。
周囲と比べて新しく見える、交換している部品があれば、消耗品か、故障など不具合か、あるいは事故などでダメージを受けたのか、整備記録も探ってみよう。
4.車体内側の鉄板を調べる
左右フェンダー側のインナーパネルやフレーム、室内側のダッシュパネルなど、エンジンルーム内各部の鉄板を見てみよう。大きなダメージを負うと、走行機能面に不具合が生じる部分だ。歪みやしわ、修理/交換の形跡などがないかチェック。関連する樹脂カバーや部品類の交換にも注意。
車体の骨格部を修理していれば修復歴車になっているはずだが、念のために、慎重に調べたい。
5.ボンネットのチェック
5.ボンネットのチェック
外面をチェックしたら、裏面側に修理跡などがないか確認。特に、外と内のパネルを貼り合わせている接合部(スポット溶接やシーラー)の状態が注意ポイントだ。
ボンネットを外して修理、あるいは交換することもあるので、取り付けネジもチェック。ヒンジの修理/交換にも注意。
ボンネットを交換していれば、ボンネット単独の損傷も考えられるが、車体部を再チェックする必要がある。
6.前部の必須チェック
エンジンルームの最前部にあるラジエターサポートは、車体部に強い衝撃を受けると、影響が及びやすく、修理あるいは交換する確率が高い。外観に問題がなくても、ここで車体にダメージを負っているのがわかることがある。上部にカバーを設置しているので見づらいが、修理/交換跡などがないか確認。同時に、上部フレームやメンバー(補強部材)、ヘッドライト、フロントグリルなど、関連部分の状態も慎重にチェックしよう。
7.取り付け状態をチェック
フロントフェンダーは、エンジンルーム側に腐食や修理跡などがないかチェック。外して修理、あるいは交換していないか、固定しているネジもチェック。エンジンルーム部は樹脂カバーで覆われているが、前ドアを開けるとピラー(柱)部にもネジがある。
フロントフェンダーは、傷や凹みを修理しても修復歴にはならないが、外して修理/交換していれば、車体骨格部にダメージを受けていないか確かめる必要がある。
8.隙間の幅と色調を比べる
8.隙間の幅と色調を比べる
立て付けを見る時は、例えば前部側面では、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス部の柱)、サイドシル(ドア下の梁)などが隣合わせになっている。それぞれの隙間の幅が均等でなければ、ダメージを負ってずれているか、修理している可能性がある。
フェンダーからドアに繋がるプレスラインのずれなどにも注意。
隙間を境に、隣り合うパネルの色艶が違って見える場合も、修理や交換で塗装した疑いがある。
9.フェンダーの縁と奥を探る
9.フェンダーの縁と奥を探る
フェンダーは、膨らんでいるホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)を傷付けることも多い。傷があれば、凹みを伴っていないか、フェンダーに歪みがないか確認。塗装補修跡(修理跡)にも注意。
鉄板を内側に折り込んでいる部分も覗いて、修理跡などがないかチェック。特にスポット溶接の打ち直しに注意。タイヤハウス(フェンダーの奥)の部品などに付着した塗装飛沫も修理のヒントだ。
10.周辺も調べて判断する
ドアに大きな損傷を負うと、外して修理、あるいは交換してしまうことも多い。ドアヒンジ部のネジをチェックしよう。ただし、ドアの立て付け調整などでネジを回すこともあるので、ネジ脱着の形跡だけではドアを修理/交換しているとは断定できない。ドア本体をはじめ、ドアヒンジやドアキャッチ(ロックの受け金具)、ピラー(柱)、サイドシル(ドア下にある梁)など、周辺の状態も調べて判断する必要がある。
11.リアフェンダーのチェック
リアドアの開口部を調べよう。後席への乗り降りなどで付けることがある小さな傷や凹みなどがないかチェック。補修や修理跡などがないかも確認。マスキング跡があれば、リアフェンダーを補修、あるいは修理している。開口部下部の角付近に修理跡があれば、フェンダーかサイドシル(ドア下の梁)を交換している疑いもあるので要注意。
フューエルリッド(給油口のカバー)も開けて、マスキング跡や修理跡などがないか確認。内部の樹脂部品を交換した形跡にも注意。
12.後部のチェックポイント
12.後部のチェックポイント
前面と同様に、バンパー/トランクリッド/コンビネーションランプ(テールライト)/フェンダーなどのバランスをチェック。
後部ナンバープレートは、封印の傷(プレートを外して付け直した形跡)が注意ポイントだ。
トランクリッドの状態にも注意。立て付けが全体に狂っていれば、トランクリッドがずれているか、あるいは車体が歪んでいる疑いもある。左右片側だけに隙間の異常箇所があれば、その部分の車体部を修理/交換していると考えられる。詳しく調べてみよう。
13.開閉してチェック
13.開閉してチェック
トランクリッドは、解錠/施錠の具合をまず確認。トランクスイッチのほか、リモコン操作などでもチェックしよう。
開閉して、上下する動き具合もチェック。上げた状態でしっかり止まっていることも確認。
閉まり具合がよくない(閉める時にカチッと収まらない)場合は、トランクリッドがずれているだけなら調整などで直ることもあるが、車体が歪んでいる可能性もあるので要注意。
14.床の中も慎重にチェック
14.床の中も慎重にチェック
トランクの床を開けてスペアタイヤ収納部を調べよう。歪みや修理/交換跡などがないかチェック。底に貼ってある防振シートの切り接ぎや張り替えた形跡なども、修理を推察するヒントになる。
15.裏面側の状態も確かめる
トランクリッドも、ボンネットやドアと同様に、裏(内)側に修理跡などがないかチェック。交換している形跡がないかも探りたいが、樹脂カバーで覆われている部分を確認するのは難しい。カバーや周辺の状態に注意しよう。
16.後部の修理/交換に注意
開口部を見ると、外側と内側の鉄板を接合している部分がある。左右を見比べながら、修理/交換の形跡などがないかチェック。
特に、後部の角付近に注意。下部にあるコンビネーションランプやバンパーなどの状態も慎重にチェックしよう。
後方から強い衝撃を受けるとルーフなどに波及することがある。後部を修理/交換していれば、関連部はもちろん、他の部位に及んだダメージにも注意する必要がある。
17.タイヤとホイールの点検
17.タイヤとホイールの点検
タイヤは、残り溝の深さを点検。傷や異物の刺さり、ひび割れなどがないかもチェック。
摩耗状態も調べよう。接地面の外側だけとか内側だけなど、一部が極端に減っている偏摩耗を起こしていれば、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているのか、車体が歪んでいるのか、原因を確かめる必要がある。
ホイールは、リム部(タイヤと接している縁の部分)を傷付けることも多いが、傷があれば、曲がりにも注意。アルミホイールは、過度な衝撃を受けると起こる歪み(変形)や割れなどにも注意。
18.床下をチェック
18.床下をチェック
アンダーカバーなどで覆われて見えない部分もあるが、鉄板部に損傷や歪み、修理/交換跡などがないかチェック。
マフラーやサスペンション、ブラケットなど、部品や金具類なども、傷、凹み、曲がり、修理/交換の形跡などがないかチェックしよう。
油汚れ(オイルやグリスなどの漏れの兆候)、ゴム部品の劣化(ひびや割れ)など、整備に関わる部分にも注意。錆があれば、表面に浮いている程度なら心配ないが、範囲と腐食状態を確かめよう。
19.不具合の兆候を探る
19.不具合の兆候を探る
エンジンをかけてみよう。スターターに勢いがなければ、バッテリーが弱っている目安になるが、発電機の不具合など放電した原因を確かめる必要がある。スターターが勢いよく回っても始動がもたつくなら、なんらかの不具合が疑える。
不安定なアイドリング回転、異音の発生、大きな振動なども、トラブルを抱えていると判断して間違いないだろう。メーター内の警告表示はもちろん、なんらかの異常を感じたら、販売店で確認してもらおう。
20.オートマチックのチェック
20.オートマチックのチェック
エンジンをかけてブレーキを踏んだままセレクトレバーを操作して、各ポジションに切り替える時にショックがあるなどの異常がないか確認。
できれば試走して、自動でギヤが切り替わる時のショックが激しいとか、繋がるタイミングが長過ぎるなど、走行時に不具合の症状が出ていないか確かめたい。同様に、パドルシフト操作やマニュアル変速モードも、走行時の状態をチェックしたい。
21.装備機器類の機能を確認
21.装備機器類の機能を確認
ヘッドライト、ウインカー、テール/ブレーキ/バックランプなど、保安装置類の作動をまずチェック。エアコンやオーディオなど、電装機器や電動機構は、スイッチをオン/オフするだけでなく、調整機能も確かめよう。ステアリングホイールに付いているスイッチ類も操作してみる。パワーウインドウ、ドアミラー、ドアロック、室内ランプなども、忘れずにチェック。
仕様グレードによる装備の違いやオプションなど後付け装備の有無は、事前にチェックしておきたい。
22.隅まで細かくチェック
22.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材などに、汚れや傷、染み、破れ、穴などはないか。運転席周辺だけでなく、後席も念入りにチェックしよう。フロアマットの下、天井の内張など、目に付かない部分もしっかり確認。各部に設置しているボックスやポケット、センターコンソール、リアアームレストなど、細部の状態も見落とさないように。
■車両の情報をチェック
備え付けの書類は、「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で保証内容や期限を確認。「車両取扱説明書」のほか、オプションなど追加装備の説明書が揃っていることも確かめよう。
車両をチェックする際は、必ず「メンテナンスノート(定期点検整備記録簿)」の記載内容を調べよう。車両がどのように使われ、どのように扱われてきたかがわかる。定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。
●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。
●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。
●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。
溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。
●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。
●車体各部はスポット溶接している(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性がある。
●バンパーなどは押されてずれることもあるが、たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。
■今回の車両のプロフィール
●2008年12月にフルモデルチェンジした8代目。エクステリアデザインを一新すると同時に、以前の7代目モデルと比べると全長は65mm、全幅は80mm拡大されて、車体はひとまわり大きく、室内スペースも広い。インテリアデザインや内装の仕立てなど、細部に渡って上質感を高め、走行性能、安全性能、環境性能なども向上している。
●2.4(2354cc)エンジンとパドルシフト付き5速ATの組み合わせは全タイプ共通。仕様グレードは装備内容による設定となっている。
「24E」はベーシックタイプだが、左右独立温度調整式フルオートエアコン、クルーズコントロール、キーレスエントリーシステム、セキュリティアラーム/イモビライザー、サイド&カーテンエアバッグ、VSA(横すべり防止装置)など、上級クラスの装備を標準装備。「24TL」では、ディスチャージヘッドライト、後席用エアコン吹き出し口、運転席パワーシート、本革巻ステアリングホイール&シフトノブ、自動防眩ルームミラー、ブルーイルミネーション、フォグライト、リバース連動ドアミラーなどを追加。さらに最上級タイプの「24iL」になると、スマートキーシステム、HDDインターナビシステム、GPS制御日射コントロール式フルオートエアコン、ETC、雨滴検知ワイパー、黒木目調のセンターコンソーパネル&ドアスイッチパネルなどが加わるほか、追突軽減ブレーキやレーダー式クルーズコントロールなどの先進機構も標準装備。
「24TL スポーツスタイル」は、文字どおりのスポーティタイプで、24TLをベースに、専用のフロントグリル、フロントスポイラー、サイドシルガーニッシュ、ディフューザータイプリアバンパー、18インチホイール(他のグレードは17インチが標準)を装着。専用ブラックインテリアやメタルスポーツペダル&フットレストも装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
24E | DBA-CU2 | 5AT | FF |
24TL | DBA-CU2 | 5AT | FF | 24TL スポーツスタイル | DBA-CU2 | 5AT | FF | 24iL | DBA-CU2 | 5AT | FF |