中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.21 / 掲載日:2014.11.14
トヨタ クラウン ロイヤル ハイブリッド(2013年1月~) 中古車購入チェックポイント
トヨタ クラウン ロイヤル ハイブリッド(2013年1月~)
DAA-AWS210
参考車両:ハイブリッド ロイヤルサルーン
初度登録:2013 年1月
追加装備:<メーカーオプション>アドバンストパッケージ、ドライバーサポートパッケージ、リアコンフォートパッケージ、リアオートエアコン、パノラミックビューモニター+LEDサイドターンランプ付電動格納式リモコンカラードドアミラー+リバース連動機能&足下照明、ボディカラー・ホワイトパールクリスタルシャイン
全体のチェックポイント
2013年1月に追加発売した14代目「クラウン」の「ハイブリッド」車。「ロイヤル」シリーズは、年配ユーザーが大半なので、比較的丁寧に乗っている車両が多いといえるが、車体まわりと室内を慎重にチェック。装備機器の機能もチェック。肝心なハイブリッドシステムのほか、運転支援機能なども異常がないか必ず確認。正しく点検・整備した車両を手に入れたい。
外装の関連機能や車体骨格の損傷にも注意する
1.車体の様子を観察する
1.車体の様子を観察する
まずは、外装に異常がないか車体まわりを探っていく。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.周辺部も同時にチェック
2.周辺部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、グリルなどの損傷。下側のエアスパッツ(タイヤの前にある整流板)の破損などにも注意し、立て付けも見る。バンパーに連なるフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけ)などもチェックする。
3.車体の内側をチェックする
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーは、エンジンルーム側も見る。同時に、車体パネルもチェック。最前部にあるラジエターサポートも要チェックポイントだ。遮音カバーなどで覆われて見えない部分の状態は、販売店スタッフに聞いて念を押す。
4.後部のチェック
4.後部のチェック
後面も、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ、フェンダーなどを慎重にチェック。ガーニッシュやナンバープレート、エキゾーストテールパイプの損傷にも注意。トランクリッドは、開閉動作をチェック。トランクリッドの内側、ヒンジおよびヒンジ固定部もチェック。開口部のパネル接合部はカバーで覆われているので、とりあえず見える部分だけでもチェック。トランクのラゲッジボックス下のパネルも、腐食、歪み、修理/交換跡などがないか調べる。
5.ドアと関連部をチェック
5.ドアと関連部をチェック
ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(車体の梁)など周辺の状態も調べる。
6.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドマッドガードに損傷や修理/交換の形跡がないかチェック。床下側を覗いて、サイドマッドガードで覆われているサイドシル(車体の梁)に損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も慎重にチェックする。
7.床下も覗いてチェック
7.床下も覗いてチェック
各部にアンダーカバーを設けているが、車体パネルや補強部材、カバー類、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリス、水などの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、範囲と腐食の進行状態を見る。
★損傷と修復歴の有無を確認する
「クラウン」は、衝突安全ボディ。バンパー、フード(ボンネット)、フェンダー、カウル(フロントガラス下前方のパネル)などが歩行者傷害軽減・衝撃吸収構造。ポップアップフードは、ハイブリッド車の専用装備。空力ボディに、エアロスタビライジングフィン、整流フィン付アンダーカバー、エアスパッツなど空力パーツを配置。
グレードやオプションによってヘッドランプやドアミラーの機能が異なる。パッケージオプションなどで運転支援機能を追加していれば、専用エンブレムの後ろにミリ波レーダーセンサー、前後バンパーに超音波センサー、前/後/左右にカメラなどが組み込まれている、といったところも注意ポイントといえるだろう。
いずれにしても、外装だけでなく、車体骨格のダメージにも注意したい。車体の骨格となる部分を事故修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換した箇所がないか販売店に聞いて確認したい。
室内の状態と装備機器類の機能・作動をチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れ、染み、傷、破損などがないか。床やドア、天井まわりもチェック。ボックスやトレイなどは、内部も見る。シート表皮や本革部分の擦れ、破れ。木目調パネルやメッキ加飾の傷。ボックスリッドやエアコンルーバーなどは可動部の破損にも注意しながらチェックする。


2.後席やトランク室も見る
2.後席やトランク室も見る
前席だけでなく、後席周辺も、グレードやオプション装備などによって異なるシートやセンターアームレストなどの仕様・機能を確認しながらチェック。車体まわりをチェックする時には、トランク室もチェックし、折り畳みラゲッジボード付ラゲッジボックスの状態なども見ておく。
3.装備機能の作動を確認
ヘッドランプ、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプ、シートポジション調整など基本的な装備機器の作動およびそれぞれに付随する機能の作動状態をチェック。オートエアコンは、特に冷房の効き具合に注意して、マルチオペレーションタッチの調整・設定機能とエアコンの作動状態をチェック。
4.関連機能の状態も確認
「ロイヤルサルーン」は、HDDナビゲーションシステム&クラウンスーパーライブサウンドシステムを標準装備。ナビ、DVD/CD・AM/FM・TV、USB・Bluetooth接続、音声ガイダンス機能付カラーバックガイドモニター、ETCなどの各機能。ステアリングスイッチ(ナビ装着車は音声認識・ハンズフリー通話スイッチ付。レーダークルーズコントロール装着車は車間距離切替スイッチも追加されている)の機能も正常か確認したい。
★販売店で細部まで調べてもらう
「ロイヤルサルーン」は、ナノイー+スイングレジスター付左右独立温度調整フルオートエアコン+前席集中モード、運転席/助手席電動シート、運転席電動ランバーサポート、HDDナビ&クラウンスーパーライブサウンドシステムなどを標準装備。参考車両は、メーカーパッケージオプションとメーカーオプションを追加している。
中古車両をチェックする際は、装備内容を販売店で確認。装備機器類の機能や操作方法などは、販売店スタッフに聞いてみる。とりあえずわかるところだけでもチェックして、細部は販売店で点検してもらおう。特に電装・電子機器の機能に異常がないか確認したい。
走行関連機構全般の具合と整備状況を確かめる
1.システムを始動してみる
1.システムを始動してみる
ハイブリッドシステムの始動時は、スマートエントリー&スタートシステムの電子キーとパワースイッチの機能を確認する。表示・警告灯、メーター、インジケーター、ディスプレイ表示、警告ブザーなどにも注意したい。状況によってエンジンも始動することがある。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
ハイブリッドシステムの[停車・スタート・通常走行・加速・減速・EVモード]などの制御。トランスミッションの[P・R・N・D・S]シフトおよび通常走行[D]時の自動無段変速動作と6速マニュアル[S]モードの[+・ー]シフト。マルチオペレーションタッチ[走行モード]画面で切り替える[NORMAL・POWR/SPORT・ECO・SNOW]など各機能。走行安定制御関連機構や安全&運転支援機能なども、作動状態と車両の挙動をチェックしたい。
とはいえ正常かどうか判断するのはまず無理。走行系各部は販売店で厳密に点検してもらおう。
3.タイヤとホイールをチェック
3.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れ、欠けなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やサスペンションの異常などのほか、車体が歪んでいる可能性もあるので要注意。
アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、傷、凹み、破損などがないかチェック。縁石などに当たって損傷を負うことがあるリムの縁(タイヤと接している部分)の擦り傷、欠損、曲がり。事故などで過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意しながらチェックする。
★足まわりに問題がないか確認
「ハイブリッド」は、215/60Rタイヤ+16×7Jアルミホイールを標準装備。タイヤ/ホイール、ブレーキ、サスペンションなど足まわりは、それぞれの機能に問題がないかチェックするが、関連する機能の状態もチェックする必要がある。たとえばタイヤに異常があると、走行安定制御機構VDIM(EBD付ABS&VSC&TRC&EPS)などが正常に作動しないことがあるので注意したい。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「ハイブリッド」車は、2.5L直列4気筒[D-4S]エンジン+モーター・ハイブリッドバッテリー・パワーコントロールユニット・6速マニュアルモード付電気式無段変速機などで構成したFR(後輪駆動)専用ハイブリッドシステムを搭載。走行安定制御[VDIM]・電子制動力配分制御[EBD]付[ABS]&横滑り制御[VSC]&空転制御[TRC]&電動パワーステアリング[EPS]、[ブレーキアシスト]、[ヒルスタートアシスト][ドライブスタートコントロール]、[EVドライブモード]などを装備。参考車両は、運転支援機能に[ミリ波レーダー方式プリクラッシュセーフティシステム]や[ブレーキ制御付レーダークルーズコントロール]なども追加している。各機構の構造などはさておき、機能に異常がないことを確認したい。車両の購入を決めるなら、販売店がすべての機構を正しく点検・整備できるかどうかも確認したい。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカー/ディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。走行機構の整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
今回の車両のプロフィール
●2012年12月に発売した14代目「クラウン」。フォーマルな「ロイヤル」は、V型6気筒2.5Lエンジンを搭載。スポーティな「アスリート」には、2.5Lエンジン車とV型6気筒3.5Lエンジン車を設定。● 2013年1月には、「ロイヤル/アスリート」に直列4気筒2.5Lエンジン+モーター・6速マニュアルモード付電気式無段変速機・2WD(FR)を搭載した「ハイブリッド」車を発売した。「クラウン ロイヤル ハイブリッド」は、マルチオペレーションタッチ、ハイブリッドシステムインジケーター、スマートエントリー&スタートシステム、本革巻ステアリングホイール+ヒーター+オーディオスイッチ、茶木目調/メッキ加飾シフトノブ、フルオートエアコンなどを全車に標準装備。
仕様グレードの「ロイヤル」は、マニュアル調整ステアリング、運転席/助手席マニュアルシート、一体固定式リアシート、オーディオレス・6スピーカーなどが標準装備のベーシックタイプ。「ロイヤルサルーン」は、自動格納機能付ドアミラー、電動調整ステアリング、ナノイー+前席集中モード付フルオートエアコン、運転席/助手席電動シート、HDDナビ&クラウンスーパーライブサウンドシステムなどを装備したスタンダードタイプ。「ロイヤルサルーンG」は、ロイヤルサルーンの装備に、電動リアサンシェード、ドライビングポジションシステム、リア40/20/40分割リクライニング電動シートなどを加えた上級タイプ。
各グレードに、メーカーオプションのほか、運転支援機能や快適装備などをセットで装着する「メーカーパッケージオプション」を設定している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
「ロイヤル」ハイブリッド
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
ロイヤル | DAA-AWS210 | eCVT-6M | FR |
ロイヤルサルーン | DAA-AWS210 | eCVT-6M | FR |
ロイヤルサルーンG | DAA-AWS210 | eCVT-6M | FR |