中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.02 / 掲載日:2013.08.16
ダイハツ ムーヴ コンテ カスタム (2012年4月~2013年7月) 中古車購入チェック
ダイハツ ムーヴ コンテ カスタム (2012年4月~2013年7月) 中古車購入チェックポイント
DBA-L575S
参考車両:カスタムG
初年度登録:2013年3月 (2012年4月)
■全体のチェックポイント
2011年6月のマイナーチェンジ後、2012年4月に一部改良した時期の「カスタム・NA(自然吸気)エンジン」モデル。車体まわりを慎重にチェックし、室内や装備の状態も確認。エンジンやCVT、エコ機構などはもちろん、走行関連機能の調子と整備状態も必ず確認したい。
外装だけでなく車体骨格のダメージにも注意する
1.車体のバランスをチェック
1.車体のバランスをチェック
まずは、外装に異常がないか車体まわりを観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷などにも注意したい。
2.ドアと関連部をチェック
2.ドアと関連部をチェック
ドアは、外板パネルだけでなく内側も修理跡がないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部も見る。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など関連部部も慎重にチェック。
3.下側に要チェックポイント
「カスタム」は、車体側面下部に付いているサイドストーンガードに損傷がないか、修理や交換していないかチェック。
それよりも重要なのは、覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側を覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェック。
4.損傷の程度を確かめる
ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易補修跡などがないか見る。マスキング跡があれば、損傷の程度と範囲を確認。左リアフェンダーは、フューエルリッドを開けて、給油口周辺もチェックする。
5.縁や奥も覗いてチェック
5.縁や奥も覗いてチェック
バンパーは、角や下部の損傷に注意し、立て付けを見る。バンパーに連なるフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁もチェック。さらに、タイヤハウス内や内側にあるライナー(泥よけカバー)などもチェック。
6.前部の要チェックポイント
6.前部の要チェックポイント
ボンネットは、内側とヒンジ部をチェック。フロントフェンダーも、内側を見て、固定状態も確認。同時に、フレームあたりも見る。最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートなども、修理や交換していないかチェックする。
7.後部のチェック
後部も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダーなどを細かくチェック。
跳ね上げ式バックドアは、解錠・施錠と開閉の具合をチェックし、全開状態でしっかり止まっているか確認。内側やヒンジ周辺も調べて、修理/交換していないかチェック。開口部も、パネル接合部に注意しながらチェック。
できれば、スペアタイヤ収納部周辺のパネルも、歪みや修理跡などがないかチェックしたい。
★損傷や修理/交換の有無を確認
「コンテ カスタム」は、縦型2灯ヘッドライト、前後エアロバンパー、フロントフォグランプ、メッキフロントグリル、サイドストーンガード、メッキドアアウターハンドル、リアスポイラーなどが、標準「コンテ」とは異なる外観の特徴となっている。外装の損傷が気になるところだが、車体骨格もダメージがないか確認したい。
事故などで車体にダメージを負っているのは、いわゆる事故車。車体の骨格部を修理していれば修復歴車になるが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器類の機能・作動をチェック
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れや染み、傷などがないかチェック。床や天井の状態も調べるほか、ボックスやポケットなどは内部も見る。ボックスリッドやエアコンルーバー、プッシュ式カップホルダーなどは、可動部の破損。ステアリングホイールやペダルなどは、すり減りなどにも注意。
2.後部まで慎重にチェック
前席周辺だけでなく、リアシートの分割リクライニングや背もたれ前倒しの折り畳み具合なども試しながら後席周辺も丹念にチェック。後部のラゲージスペース周辺も、傷みがないかチェックする。
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど、基本的な機能の作動具合をチェック。
キーフリーシステム(イモビライザー機能付・運転席リクエストスイッチ付)によるドアの解錠・施錠とアンサーバック(非常灯や室内照明と連動)の作動も確認。
オートエアコンは、冷房の効き具合に注意しながら調整・設定機能をチェック。[エコアイドル]のエアコン(冷房)制御にも注意したい。
参考車両は、オーディオレス(標準装備)だが、ナビなどを付けたければ販売店に相談してみよう。
★細部の具合は販売店で点検
装備類の状態は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに異常がないかは販売店で細かく調べてもらおう。特に電装機器の不具合に注意したい。
走行関連機能全般の調子と整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示灯・警告灯類の点灯やディスプレイ表示などにも注意。キーフリーシステムとエンジンスイッチの機能も確認。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.エコ支援機能もチェック
2.エコ支援機能もチェック
コラムシフト式CVTは、セレクトレバーを[P・R・N・D・S・B]の各レンジに切り替えながら操作具合をチェック。可能なら試乗して、走行時の自動無段変速動作をチェック。
アイドリングストップ[ecoIDLE]の自動エンジン停止・再始動および[eco IDLE OFF]スイッチ機能もチェック。減速時に充電する[エコ発電制御]も正常か確認したいが、専用バッテリーの状態にも注意する必要がある。
いずれにしても、異常かどうかを判断するのは難しい。不具合などがないかは販売店でチェックしてもらうほうがいい。
3.ホイールとタイヤをチェック
3.ホイールとタイヤをチェック
「カスタムG」は、14インチアルミホイール+155/65Rタイヤが標準装備。ホイールは、傷や破損などがないかチェック。縁石などで傷付けることがあるリムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり。過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意したい。
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やアライメント(ホイール取り付け角)の狂いなども考えられるが、車体が歪んでいる可能性もあるので要注意。
4.床下の様子も覗いてみる
4.床下の様子も覗いてみる
車体パネルや補強部材など車体構成部品のほか、マフラーやサスペンション、ブラケットなど部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の破損などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態を見る。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
参考車両の「カスタムG」は、NA(自然吸気)エンジン+CVT(無段変速機)を搭載。低燃費化技術[e:Sテクノロジー]の一部(新エンジン&CVT、停車前アイドリングストップ機能を追加した[eco IDLE]、減速エネルギー回生機能[エコ発電制御]など)も採用している。
とりあえずオイル漏れなどにも注意しながらエンジン周辺を見て、詳しい整備状況は販売店に聞いて確認する。車両の購入を決めるなら、エンジンやCVTのほか、ステアリング、ブレーキ、サスペンションなど、走行機構をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確認する
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●室内空間が広いスペース系軽自動車「ムーヴ」の長所を生かし、箱形スタイルの外観と居心地のよい室内で特徴づけた「コンテ(ムーヴ コンテ)」。標準「コンテ」とカスタムカー風の「コンテ カスタム」の2タイプを2008年8月に新発売。「コンテ」は全車NA(自然吸気)エンジンを搭載し、「コンテ カスタム」にはNAとTC(ターボ)エンジン車を設定。2009年12月と2010年5月に一部改良。2011年6月にマイナーチェンジし、フロントグリルや内装、装備を一部変更。NA車にアイドリングストップシステム〔eco IDLE〕を搭載した。
●2012年4月に一部改良。低燃費化技術〔e:Sテクノロジー〕の一部を採用し、装備設定を一部変更。2012年5月には、ターボエンジン車もe:Sテクノロジーを搭載し、従来のMOMOステアリングホイールが標準装備から外れるなど、装備設定も一部変更している。
「コンテ カスタム」は、エアロスタイルの外装パーツを装着し、ディスチャージヘッドランプ、フォグランプ、クリアレンズリアコンビネーションランプ、3眼メーター、ブラックインテリアなどを全車標準装備。仕様グレードの「カスタムX」は、ウレタン(ブラック)ステアリングホイール、オーディオレス・16cmフロントスピーカー、フルホイールキャップ付14インチスチールホイールなどが標準装備のスタンダードタイプ。「カスタムG」は、革巻ステアリングホイール、オーディオレス・6スピーカー、14インチアルミホイールなどを標準装備した上級タイプ。「カスタムRS」は、ターボエンジンを搭載し、カスタムGの装備に加えて、15インチアルミホイール、ローダウンサスペンション、フロント/リアスタビライザー(2WD)などを標準装備したスポーティタイプとなっている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | エンジン | シフト | 駆動 |
カスタムX | DBA-L575S | NA | CVT | FF |
DBA-L585S | NA | CVT | 4WD | |
カスタムG | DBA-L575S | NA | CVT | FF |
DBA-L585S | NA | CVT | 4WD | |
カスタムRS | DBA-L575S | TC | CVT | FF |
DBA-L585S | TC | CVT | 4WD |
●その後、2013年7月に「コンテ/コンテ カスタム」を一部改良。〔e:Sテクノロジー第2弾〕を採用し、装備設定も一部変更している。