中古車購入チェックポイント
更新日:2014.11.27 / 掲載日:2013.12.20
マツダ ロードスター RHT (2012年7月~) 中古車購入チェックポイント
マツダ ロードスター RHT (2012年7月~) 中古車購入チェックポイント
DBA-NCEC
RS RHT
初年度登録2012年7月
追加装備:【レザーパッケージ〔タン〕(合成皮革サイドドアトリムアームレストソフトパッド、本革シート・タン、合成皮革センターコンソールリッドソフトパッド、シートヒーター・温度5 段階調整機能付)】、【BOSE サウンドシステム(AUDIOPILOT 2)+7 スピーカー】 <ディーラーオプション>オーディオ一体HDD ナビゲーションシステム(ステアリングオーディオスイッチ対応・BOSE サウンドシステム対応) (2012年7月)
■全体のチェックポイント
3代目ロードスターが2012年7月に一部改良した時期のハードトップ車。車体まわりはもちろん、電動トップ開閉機構の状態も慎重にチェック。ソフトトップよりも重量増とはなっているが、軽量オープンスポーツカーとしての本来の走りを損なっていないことも大切。エンジンから足まわりまできちんと整備された車両を選びたい。
外傷だけでなく車体骨格のダメージにも注意する
1.車体のバランスをチェック
1.車体のバランスをチェック
まずは外装にずれや歪みなどがないか探る。車両の姿勢(傾き)にも注意。前面は、バンパー、ボンネット、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷にも注意したい。
2.車体の内側もチェック
車体前部は、ボンネットも、修理/交換していないかチェック。車体に衝撃を受けると影響が及びやすい、エンジンルーム最前部のラジエターサポートおよび関連部などもダメージがないか調べる。
フェンダーは、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け状態も調べる。同時に、車体内側のパネルも、歪みや修理/交換跡などがないか見る。
3.ぶつけやすい部分も見る
3.ぶつけやすい部分も見る
フロントバンパーは、角や下部、チンスポイラーなどに損傷がないか見て、立て付けも確認。下側のディフレクターの破損にも注意。
バンパーと連なるフェンダーは、ホイールアーチの縁や奥のタイヤハウス内も、損傷や修理跡などがないかチェック。内側にあるフェンダーライナーの状態にも注意。
4.ドアと周辺を調べる
4.ドアと周辺を調べる
ドアは、修理跡がないか内側もチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジのネジを見る。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など周辺も調べる。
5.開口部も必ずチェック
後部も、バンパー、コンビネーションランプ、トランクリッド、フェンダーなどの状態をチェック。マフラーエンドの位置(ずれ)や損傷などにも注意。
トランクリッドは、解錠・施錠と開閉の動き具合、全開時の静止状態をチェック。開口部のパネル接合部に注意しながら関連部も慎重にチェック。
6.下側に要チェックポイント
6.下側に要チェックポイント
車体側面の下部は、サイドシルガーニッシュに損傷がないか、修理/交換していないかチェック。重要なのは覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側を覗いて、損傷、腐食、修理/交換跡などがないかチェック。ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も必ずチェックする。
電動ルーフの開閉状態と同時に密閉性もチェック
1.開閉具合をチェック
1.開閉具合をチェック
電動開閉式ハードトップのオープンは、トップロックを解除し、オープンボタンを押し続ける。クローズは、クローズボタンを押す。作動表示灯にも注意しながら、トップ、リアウインドウ、デッキが連動する開閉動作がスムーズかチェック。トップ各部がきちんと収まるか、全開時と全閉時の状態もチェック。
2.雨漏りの原因にも注意
ハードトップは、損傷がないかチェックし、フロントウインドウやドアガラスなどのシール材に劣化や破損などがないか調べる。最悪といえる車体の歪みにも要注意。
坂道などで車体が傾いた状態での開閉や洗車、凍結などでも開閉機構が損傷する恐れがある。エンジンを止めたままで開閉するとバッテリーが上がりやすい。といったところも注意ポイントだ。
★販売店でチェックしてもらう
ハードトップは、損傷がないかチェックし、フロントウインドウやドアガラスなどのシール材に劣化や破損などがないか調べる。最悪といえる車体の歪みにも要注意。
坂道などで車体が傾いた状態での開閉や洗車、凍結などでも開閉機構が損傷する恐れがある。エンジンを止めたままで開閉するとバッテリーが上がりやすい。といったところも注意ポイントだ
室内の状態と装備機器類の機能をチェックする
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れ、染み、傷、破損などがないかチェック。ボックス類は、開けて内部も見る。ボックスリッド(蓋)やエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意。
後部のリアコンソールボックス(中にフューエルリッドオープナーがある)やメッシュエアロボードの周辺、シートの背面側などもチェック。同様に、トランク内の状態も丹念にチェックする。
2.機能と作動具合を調べる
2.機能と作動具合を調べる
ヘッドライトやウインカーなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な部分。キーレスエントリーによる各部の作動状態などもチェック。エアコンは、各種調整機能やルーフを開けた状態で使う[OPENMODE]なども試してみる。
参考車両は、オプションで追加しているBOSEサウンドシステムとAV一体HDDナビを装備しているので、それぞれの機能および関連機能が正常か確かめたい。
★細部は販売店で点検してもらう
装備機器などは、とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに不具合などがないかは販売店で点検してもらおう。
走行機構全般のコンディションと整備状況を確認
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示・警告灯類を読み取り、メーター類の針の動きも見る。同時に、キーレスエントリー&スタートシステムの具合もチェック。可能なら試乗して、エンジンの吹け上がり具合などもチェックしたい。
2.整備状態を確かめる
2.整備状態を確かめる
点検整備記録と突き合わせて、消耗部品を中心に、エンジン周辺をチェック。オイル漏れにも注意。せめて日常点検項目くらいは見ておきたいが、詳しい整備状況は販売店スタッフに聞いて確認しよう。
3.駆動系の不具合にも注意
3.駆動系の不具合にも注意
「RS RHT」は、6速MT。シフトレバーを操作して、各ギヤにシフトしながら引っかかりやぐらつき(緩み)などがないかチェック。
可能なら試乗して、クラッチの断続具合と合わせてシフト具合をチェック。走行時には、エンジンサウンドに気を取られないで、トランスミッションやデフまわりからからの異音にも注意したい。
4.タイヤとホイールをチェック
4.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検。傷、ひび割れ、欠損などがないかチェック。接地面に異常摩耗を起こしていれば、車体の歪みやサスペンションの異常などにも注意する必要がある。
アルミホイールは、傷や破損などがないかチェック。リムの欠損や曲がりのほか、事故などで過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意したい。
5.床下も覗いてみる
5.床下も覗いてみる
車体パネルや補強部材、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスの漏れ、樹脂やゴム部品の破損などにも注意。錆は、範囲と腐食状態を調べる。
6.足まわりもチェック
「RS RHT」は、ビルシュタインダンパー(車高調整機能なし)を標準装備。ダンパーのへたりや抜け、オイル漏れなどに注意し、サスペンション機構に不具合がないかチェック。
ブレーキも、利き具合をチェック。ブレーキ液を含めたブレーキラインも不具合がないかチェック。パッドの交換状況など、整備状態も確かめる。
★販売店で正しく点検・整備してもらう
「S RHT」は、エンジンには軽量フライホイールや吸気音を増幅するインダクションサウンドエンハンサー、走行系はトルセンLSDやDSC&TCS、車体パーツにはフロントサスタワーバーや発泡ウレタン充填フロントサスクロスメンバーなどが組み込まれている。車両の購入を決めるなら、すべての走行関連機構を販売店できちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確認する
中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備の他に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。●パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●ドアの開口部などにマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、マスキング跡。なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよびヒンジ固定部周辺の状態も調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際には溶接部文を外すことがあるので、パネル接合部を調べる。●スポット溶接(丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジして3代目“NC型”となった「ロードスター」は、2005年8月にソフトトップを発売。2006年8月にパワーリトラクタブルハードトップ「RHT」を追加発売。2008年12月にはマイナーチェンジ。●2012年7月に一部改良し、フロントバンパーを変更。アクティブボンネット(歩行者保護システム)を採用。MT車は、エンジンやブレーキのコントロール性を改良。ソフトトップ車はスポーティさ、RHT車はプレミアム感を強調した内外装でそれぞれの個性を明確化している。「RHT」は、電動開閉式ハードトップ、クローム調&アルミ調加飾、スタンダードタイプメーターフード、本革巻ステアリングホイール、オーディオリモコンステアリングスイッチ、フルオートエアコン、オーディオレス+4スピーカ、アドバンストキーレスエントリー&スタートシステムなどを全車標準装備。仕様グレードはの「S RHT」は、2.0L162馬力エンジン+マニュアルモード付6速AT。205/50Rタイヤ&16インチアルミホイール、ブラックシートバックバー、ウレタンシフトノブ/パーキングブレーキレバー、ブラック内装などが標準装備。「VS RHT」は、S RHTの装備に、シフトスイッチ、合成皮革トリム、タン内装色、シートヒーター、横滑り防止機構DSC&トラクション制御TCSを追加装備。「RS RHT」は、2.0L 170 馬力エンジン+6速MTを搭載。205/45R タイヤ&17インチアルミホイール、アルミペダル、トルクセンシング式LSD、軽量フライホイール、インダクションサウンドエンハンサー、ビルシュタイン製ダンパー、フロントサスタワーバー、DSC&TCSなどを装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
パワーリトラクタブルハードトップ
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
S RHT | DBA-NCEC | 6AT-M | FR |
VS RHT | DBA-NCEC | 6AT-M | FR |
RS RHT | DBA-NCEC | 6MT | FR |
ソフトトップ
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
S | DBA-NCEC | 5MT | FR |
NR-A | DBA-NCEC | 5MT | FR |
RS | DBA-NCEC | 6MT | FR |
●その後、2013年5月にカラー設定を一部変更しているが、仕様装備に大きな変更はない。