中古車購入チェックポイント
更新日:2020.04.03 / 掲載日:2014.01.31
トヨタ ウィッシュ (2012年4月~) 中古車購入チェックポイント
トヨタ ウィッシュ (2012年4月~) 中古車購入チェックポイント
DBA-ZGE20G
参考車両:1.8X 2WD
初年度登録:2012年9月
追加装備:<メーカーオプション>スマートエントリー&スタートシステム+盗難防止システム<販売店オプション>トヨタ純正AV一体HDDナビゲーションシステム+リモコン機能付後席ディスプレイ+バックガイドモニター+ナビ連動ETC(2012年4月)
■全体のチェックポイント
参考車両は、2009年4月に発売した2代目「ウィッシュ」が2012年4月にマイナーチェンジした後のモデル。スタンダードタイプの「1.8X」にオプション装備を追加している。基本ポイントに添って、車体まわりや室内をしっかりチェック。エンジンやCVTのほか、ブレーキなども含めた走行関連機構の整備状況も必ず確認したい。
外装と同時に周辺の車体側も慎重にチェックする
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
まずは、外装に異常がないか車体まわりを見て回る。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷にも注意しよう。
2.縁や奥も覗いてチェック
2.縁や奥も覗いてチェック
バンパーは、角や下部に損傷がないかチェックし、ずれていないか立て付けも調べる。
バンパーに連なるフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁あたりも、損傷や修理跡がないか見る。さらに奥を覗いて、タイヤハウス内もチェック。内側にあるフェンダーライナー(泥よけカバー)の状態にも注意。
3.周辺も慎重にチェック
3.周辺も慎重にチェック
ドアは、外面だけでなく内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジのネジもチェック。同時に、車体側もピラー(柱)やサイドシル(梁)など、関連部や周辺に異常がないかチェックする。
4.下側にも注意ポイント
車体側面は、下部に装着しているサイドマッドガードに傷や破損、修理/交換の形跡がないか見る。
重要なのは、覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側を覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も調べる。
5.損傷の度合いも調べる
5.損傷の度合いも調べる
ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易補修跡などがないかもチェック。マスキング跡があれば、フェンダー部を修理していると考えられるので、周辺を詳しく調べて損傷の程度と範囲を確かめる。
6.後部一帯をチェック
後面も、バンパー、テールゲート(バックドア)、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。下部は、マフラーの損傷などにも注意。
テールゲートは、開閉具合をチェック。全開状態で下がってこないか確認。内側や取り付けネジ、ヒンジ、ヒンジ固定部周辺もチェック。開口部も、溶接やシーラーの状態に注意しながら修理/交換跡などがないかチェック。ラゲッジボードを開けて、床まわりのパネルに歪みや修理跡などがないかチェック。
7.車体内側の状態も探る
7.車体内側の状態も探る
フロントフェンダーは、エンジンルーム側に錆や修理跡がないか見て、固定状態もチェック。同時に、車体内側のパネルもチェック。最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートも、車体前部の要チェックポイントだ。
★損傷や修理の有無を確認
車体の骨格部に損傷を負って修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。傷や修理箇所などを記載した評価表を備えている車両なら不安は少ないといえる。
インテリアの状態と装備機器の機能を確認する
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れや傷、破損などがないかチェック。床や天井の状態もチェック。ボックスやポケットなどは内部もチェック。シート表皮は、染み、擦れ、破れなどにも注意。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意。
2.室内後部までチェック
前席周辺だけでなく、6:4分割可倒式セカンドシートのスライド・リクライニング・ダブルフォールディングや5:5分割可倒式サードシートのリクライニング・ワンタッチチルトダウンなども試しながら、2列目席や3列目席の周辺を丹念にチェック。
ラゲッジスペースも、中央と左右デッキボードをチェック。デッキボード下のラゲッジボックスやフックなどの状態もチェック。
3.装備機器の作動を確認
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な電装機器の作動状態をチェック。オートエアコンは、特に冷房の効きに注意して調整や設定具合をチェック。
4.追加装備の機能も確認
4.追加装備の機能も確認
参考車両は、メーカーオプションのスマートエントリー(フロントドア/バックドア・アンサーバック機能付)&スタートシステム+盗難防止エンジンイモビライザーと販売店オプションのトヨタ純正AV一体HDDナビ+後席ディスプレイ(リモコン機能付)+バックガイドモニター+ETC車載器(ナビ連動)を追加装備している。それぞれの機能および連携機能が正常か確認したい。
★細部の具合は販売店で点検
車両の装備内容は、あらかじめ販売店で聞いておく。電装機器類などは、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに不具合などがないかは販売店で調べてもらおう。
走行機能のコンディションと整備状況を必ず確認
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示・警告灯類の点灯や警告音などにも注意。参考車両は、オプション装備のスマートエントリー&スタートシステムやエンジンスイッチの具合も確認。わからないことは、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.整備状態を確かめる
2.整備状態を確かめる
点検整備記録と突き合わせて、オイル漏れなどにも注意してエンジンルーム内をチェック。せめて日常点検項目くらいは見ておきたいところだが、詳しい整備状況は販売店に聞いて確認しよう。
3.自動変速動作をチェック
3.自動変速動作をチェック
7速マニュアルモード付CVTは、エンジンをかけて、セレクトレバーを操作して各ポジションへのシフト具合をチェック。可能なら試乗して、自動無段変速の動作をチェック。マニュアル[M]モードのシフト[+]アップ・[-]ダウンも、走行時の具合をチェックしたい。とはいっても、異常かどうかを判断するのは難しいので、不具合などがないかは販売店で点検してもらうほうがいい。
4.タイヤとホイールをチェック
4.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れなどがないかチェック。接地面に異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やアライメント(ホイール取り付け角)の狂いなども考えられるが、車体の歪みなどにも注意する必要がある。
「1.8X」は、樹脂フルキャップ付15インチスチールホイールを標準装備。キャップに傷や破損がないかチェックし、取り付け状態も確認。ホイールは、歪みや錆、リムの縁(タイヤと接している部分)の曲がりなどにも注意したい。
5.床下の様子も覗いてチェック
5.床下の様子も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、マフラーやサスペンションなどの部品類も、損傷や修理/交換跡などがないかチェック。ちなみに、後部床下にスペアタイヤの収納場所があるが、標準装備はスペアタイヤレスでパンク修理キットを備えている。
油汚れ(オイルやグリスなどの漏れ)や水漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態をチェック。
★正しく点検・整備してもらう
「1.8X」は1.8Lエンジンと7速マニュアルモード付CVTの組み合わだが、「ウィッシュ」はエコドライブモード(エアコンとアクセル特性を燃費重視に制御する)、S-VSC(ステアリング協調車両安定性制御システム)、EBD(制動力配分制御)付ABS&ブレーキアシストなどが全車標準装備となっているので、それぞれの機能に不具合などがないか確認したい。車両の購入を決めるなら、販売店で走行関連機構をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2009年4月にフルモデルチェンジして2代目となったコンパクトミニバン「ウィッシュ」。エンジンは、1.8Lと2.0Lの2種。CVT-7M(7速マニュアルモード付無段変速機)を全車標準装備し、2WD(FF前輪駆動)と4WDを設定。2009年12月に1.8L/4WD車および「1.8X 2WD」の燃費を改善。2010年4月には「1.8S 2WD」の燃費を向上し、〔燃費基準+25%〕を達成した。
●2012年4月にマイナーチェンジ。内外装デザインを一部変更し、燃費性能を向上。「1.8A」と「1.8G」を追加、従来の「20G 7人乗り」は廃止するなど、仕様グレード設定を一部変更している。1.8L車は2/3/3人掛けの7人乗り、2.0L車は2列目キャプテンシートで6人乗り。標準スタイルの「1.8X/1.8G」は5ナンバー(小型自動車)、エアロバンパーを装着したスポーティスタイルの「1.8A/1.8S/2.0Z」は3ナンバー(普通自動車)となっている。
「1.8X」は、ハロゲンヘッドランプ、ウレタンステアリングホイール&シフトノブ、アナログメーターなどが標準装備のスタンダードタイプ。「1.8G」は、ディスチャージヘッドランプ、フロントフォグランプ、スマートエントリー&スタートシステム、本革巻きステアリングホイール&シフトノブ、オプティトロンメーターなどを装備した上級タイプ。「1.8A」は、エアロバンパーを装着しているが、基本装備は1.8Xとほぼ同等。「1.8S」は、パドルシフト付CVT-7M+CVTスポーツモードを搭載し、一部装備は「1.8G」に準じる。「2.0Z」は、パドルシフト付CVT-7M+ダイナミックスポーツモードを搭載し、オーバーフェンダー&クラディングパネル、大径マフラーカッター&スポーツマフラー、17インチアルミホイールを装着。内装は1.8Gとほぼ同等ながら、オレンジステッチやレッド照明メーターなどで上質感を高めている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
1.8X | DBA-ZGE20G | CVT-7M | FF |
DBA-ZGE25G | CVT-7M | 4WD | |
1.8A | DBA-ZGE20W | CVT-7M | FF |
DBA-ZGE25W | CVT-7M | 4WD | |
1.8S | DBA-ZGE20W | CVT-7M | FF |
DBA-ZGE25W | CVT-7M | 4WD | |
1.8G | DBA-ZGE20G | CVT-7M | FF |
DBA-ZGE25G | CVT-7M | 4WD | |
2.0Z | DBA-ZGE22W | CVT-7M | FF |