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更新日:2023.04.03 / 掲載日:2023.04.03

軽自動車の保険料はどのくらい?普通自動車よりも安い理由や保険料を抑える方法について解説

近年、軽自動車の人気が高まっています。その理由として普通自動車と比較してコストパフォーマンスが優れている点が挙げられます。では、保険料は安いのでしょうか?

この記事では、軽自動車が普通自動車より保険料が安い理由や保険料を抑える方法について、保険の補償内容も確認しながら詳しく解説していきます。

軽自動車の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

軽自動車の保険料は安いのか?

軽自動車の保険料は、普通自動車に比べて安いイメージを持っている方もいるでしょう。

実際に軽自動車の保険料は安くなっているか、指標を元に見ていきましょう。

損害保険料率算出機構から提示されている「2021年度自動車保険の概況」によると、軽自動車の年間保険料は平均50,694円でした。この金額は、普通自動車より約24,000円、小型乗用車より約7,000円ほど安いです。

以下は、抜粋したデータになります。

車種年間保険料の平均
軽四輪乗用車50,694円
自家用乗用車(普通)74,439円
自家用乗用車(小型)57,706円

参照:損害保険料率算出機構「2021年度自動車保険の概況」

この結果を見ても、軽自動車の保険料が安いことが分かります。

軽自動車の保険料が安い理由

それでは、普通自動車より軽自動車が保険料が安くなるのはなぜなのでしょうか?

その理由を知っておくと、保険料が算出される仕組みを理解することができるでしょう。

ここからは、普通自動車より軽自動車のほうが保険料が安い理由について詳しく解説していきます。

自賠責保険の保険料の違い

まず、普通自動車と軽自動車では自賠責保険料に違いがあります。

自家用の普通自動車と軽自動車でその金額を比較してみましょう。

<普通自動車の場合>
12ヶ月12,700円
13ヶ月13,310円
24ヶ月20,010円
25ヶ月20,610円
36ヶ月27,180円
37ヶ月27,770円
<軽自動車の場合>
12ヶ月12,550円
13ヶ月13,310円
24ヶ月19,730円
25ヶ月20,310円
36ヶ月26,760円
37ヶ月27,330円
*沖縄・離島地域は自賠責保険料が異なります。
*令和3年4月1日以降から契約開始した時の保険料です。

自賠責保険料に大幅な違いはありませんが、24ヶ月で280円、36ヶ月だと420円、軽自動車のほうが安くなっています。

1事故による保険金支払額が低い

2つ目の理由は、1事故による保険支払額が低いことが挙げられます。

任意保険の保険料が決定される要因には「事故率」があります。任意保険は事故を起こした時に救済する目的があるため、事故率が低ければ保険支払額が少なくなり、その分保険料を抑えることができます。

軽自動車は普通自動車と比べて車両重量が軽く、相手側への損害が少ない傾向にあるため、事故を起こしたとしても保険支払額が少なく済むことも多いです。そのため、軽自動車は任意保険に関して安くなる傾向があると言えます。

「型式別料率クラス」の採用

3つ目の理由は、軽自動車にも「型式別料率クラス」を採用したことです。

型式別料率クラスとは、保険料算出の際に車種ごとに4種類の項目でランク分けされた基準のことです。損害保険料算出機構が公表しており、保険会社は型式別料率クラスを参考にして、保険料を算出しています。

以下に挙げる4つが分類項目です。

・対人賠償
・対物賠償
・人身傷害・搭乗者傷害
・車両保険

例えば、用途車種が自家用の普通乗用車の場合は、4項目に関して1~17までの17段階で算出されます。自家用の軽自動車の場合は、4項目に関して1~3までの3段階で算出されます。そして、保険金の支払い実績が少ない車種ほど、この数字が小さくなる仕組みです。

また、型式別料率クラスは車の型式による事故発生状況によって毎年改定されるため、自動車保険料は見直しを毎年行うことになります。

一般的に事故率の多いスポーツタイプの乗用車や盗難のリスクが高い高級車は型式別料率クラスの数値が高くなり、保険料が上昇する傾向があります。

軽自動車については事故率が低いため、型式別料率クラスの数値が低くなり、保険料が安くなるというわけです。

自分の軽自動車が型式別料率クラスでどの位置づけにされているかは、損害保険料率算出機構のホームページで参照できるので、気になる方は調べてみるといいでしょう。

任意保険の基本的な補償内容

普通自動車より軽自動車の保険料が安くなる理由についてお伝えしてきましたが、任意保険の補償内容はどのようになっているのか疑問に思う方もいるかもしれません。

補償内容の理解を深めておくことで、必要なものを選択することができます。

ここからは、任意保険の基本的な補償内容について詳しく解説してきます。

「対人・対物」賠償

対人賠償補償と対物賠償補償は、任意保険で必須の補償となっています。

対人賠償補償は、事故によって相手側を死傷させた場合に補償されます。一方、対物賠償補償は、物を破損した際に受けられる補償です。

自賠責保険では「対人のみ」賠償補償を受けることはできますが、補償内容が充分とは言えません。

例えば、相手側を死亡させた場合の自賠責保険の保険金の限度額は3,000万円になっていますが、近年の賠償金はそれ以上になることが多いです。そのため、任意保険で補償の上限を無制限にしておくことで、万一の事故に備えることができます。

また、店舗や高級車に追突して多額の損害賠償を請求された時にも、対物賠償補償が役立ちます。

「対人・対物」賠償補償に関しては、無制限に設定しておくことがおすすめです。

「人身・搭乗者」傷害保険

人身傷害保険は、契約者やその家族が、契約している車やそれ以外の車に乗っている時に事故によって死傷した場合に補償される保険です。

事故の過失割合は関係なく、所定の基準で算出された保険金を受け取ることができます。

対人賠償補償と異なるのは、自分や家族に関して補償を受けられる点です。もし、事故によって自分や家族が死傷した際、生活に支障が出てしまうケースも多いでしょう。そのため、補償の設定は無制限または可能な上限額にしておくことをおすすめします。

搭乗者傷害保険は、契約している車に同乗していた搭乗者が死傷した場合に対して補償される保険です。この補償は、家族以外、友人や同僚などを乗せていた時にも補償されます。

様々な人を乗せる機会が多い時には、人身傷害保険だけではなく搭乗者傷害保険にも加入しておくと、万が一の時にも安心です。

車両保険

車両保険は、契約している車が接触や衝突によって損傷した時に修理などの費用が補償される保険です。

例えば、交通事故や自然災害、駐車場でのいたずら、飛び石による損傷、盗難などにも対応できます。

車両保険の保険金額は車の初度登録から計算した時価での判断になります。そのため、新車は時価が高くなる傾向にあるので車両保険を付けておくと安心です。

一方、10年落ちの車になると時価が新車に比べて低くなりますので、満足のいく補償金額にならない可能性もあります。その場合は車両保険を外して保険料を節約したほうがいいでしょう。

また、車両保険には主な事故全般を補償する「一般タイプ」と、一部の事故のみを限定する「エコノミータイプ(車対車+A)」の2種類があります。

車両保険に加入すると保険料も引き上がりますので、免責金額(車両保険のうち契約者が負担する金額)を高くすることで保険料を安くする方法もあります。

各種特約

特約とは、基本補償を補うオプションでのことです。そのため、特約のみを加入することはできませんので注意しましょう。

特約は補償内容を充実させてくれますが、それ以外にも「運転者限定特約」のように、適用範囲を限定することで保険料を抑えることもできます。

また、保険会社によって特約の種類も異なるので、ご自分の状況に応じて加入するといいでしょう。

軽自動車の保険料を抑える方法

保険内容についてお伝えしてきましたが、軽自動車の保険料を抑える方法はあるのでしょうか?

ここからは、保険料の抑え方について詳しく解説していきます。

新規加入や保険の見直しを行う際に、知っておくと役立つ内容なので、参考にしてください。

保険料を一括払いにする

自動車保険の支払方法は、分割払い(月払い)と一括払い(年払い)があります。この2つを比較すると一括払いのほうが保険料は安くなります。

その理由は、分割払いを選ぶと「分割手数料」を保険会社に支払うことになるからです。一般的に手数料は5%ほどとなります。

そのため、年間の保険料を抑えたい場合は、一括払いにするといいでしょう。

車両保険を見直す

車両保険は「対人・対物賠償保険」と異なり、付けるか付けないかは任意になります。そのため、車両保険を付けなければ保険料を抑えることができます。

今乗っている車の年式が古ければ、車両保険を付けなくても問題ないことが多いです。

しかし、新車などであれば車両保険を付けたほうがいいとされています。そのような場合は、補償金額の減額や補償範囲を限定する、免責金額を高く設定することで保険料を安くできます。

例えば、事故を起こして車の修理をすることになった際、免責金額を高くしていれば保険料の受け取り分は減るでしょう。しかし、月々の保険料を抑えることに繋がります。そのため、自分の状況に応じて車両保険を見直すといいでしょう。

必要な特約を見直す

任意保険は、基本補償と車両保険の他に、特約を個々につけることができます。

具体的に費用を抑える特約としては「運転者限定特約」があります。もし自分以外に自動車を運転する人がいないのであれば、運転者限定特約をつければ保険料を抑えることが可能です。

また、現在加入している特約が本当に必要なのか考えてみるといいでしょう。例えば、「他車運転特約」は契約車両以外の車を運転する時の事故を補償する特約です。しかし、自分の車以外を運転することがないのであれば、特約を解除することで保険料を安くできます。

保険料を安く抑えるには、特約についても自分の使用状況に合っているか見極めることが重要です。

ダイレクト型自動車保険を検討する

自動車保険には、代理店型とダイレクト型の2種類があります。

代理店型は担当者と対面で加入するタイプの保険です。代理店の担当者と話しながら補償内容を確認して契約できます。

自動車保険の専門家に相談しながら決められるので、保険に不慣れな方は安心して加入することができます。しかし、保険料は人件費や店舗管理にコストがかかるので割高になる傾向があります。

一方、ダイレクト型はインターネットや電話で見積もりし、見積もり結果を確認して自分で契約をする保険です。そのため、各保険会社の保険料の比較をしながら補償内容を選択できます。

ダイレクト型は人件費や店舗費用を抑えられるため、保険料が代理店型に比べて安くなるのが一般的です。

少しでも保険料を抑えたいと考えているのであれば、ダイレクト型自動車保険を検討するといいでしょう。

複数の保険会社で見積もりを行う

同じ補償内容であっても、保険会社によって保険料が変動する場合があります。そのため、複数の保険会社に見積もりを出してもらい、割安な保険会社と契約することで保険料を抑えることが可能です。

ただし、ロードサービスや事故対応などの補償以外のサービスが限定されるケースもあります。そのため、料金だけを見ずに、きちんとサービス内容も確認した上で契約するようにしましょう。

軽自動車が人気を集めている理由

近年、軽自動車が人気を集めていますが、それはなぜでしょうか?

ここからは、その理由について詳しくお伝えしていきます。

これから軽自動車の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

税金が普通自動車より安い

軽自動車が人気の理由としては、まず税金面で普通自動車より安くなっていることが挙げられます。

自家用の軽自動車が納税する軽自動車税は、一律10,800円です。新規登録から13年経過した場合は増税されますが、それでも12,900円です。

普通自動車の場合、自動車税は排気量によって納める金額が異なりますが、大体29,500円~111,000円ほどかかります。

そのため、軽自動車は普通自動車より費用を抑えることが可能です。

また、自動車重量税に関しても、軽自動車は金額が安く設定されています。

維持費を抑えることができる

軽自動車は維持費を抑えることができる点も人気の理由です。

例えば、燃料費は排気量が少ないぶん燃費が優れており、同じ走行距離であっても軽自動車は少ない燃料費で済むことが一般的です。

また、高速道路代は普通自動車に比べて軽自動車のほうが安く設定されていたり、車検も普通自動車より安くなっていたりします。

こういった理由で、軽自動車はコストパフォーマンスに優れています。

販売価格が普通自動車より安い

軽自動車は販売価格が安いことも人気の理由の一つです。

軽自動車の新車購入価格は100万~200万円程度です。そのため、普通自動車に比べて新車の価格が安く設定されているのが魅力です

小回りが利くので乗りやすい

運転の際に小回りが利きやすく、乗りやすいことも軽自動車が人気の理由です。

軽自動車のサイズは普通自動車に比べてコンパクトです。日本の道路事情を考えると、狭い道での運転や駐車をすることも楽に行えます。

特に運転が苦手な方であれば、軽自動車だと方向転換の際に切り返しなどをしなくて済むケースも増えるので、運転しやすいと感じるでしょう。

車種のバリエーションが増えている

近年、軽自動車は車種のバリエーションが増えてきてます。おしゃれな形状や個性的な軽自動車も多くなりました。

例えば、アウトドアに利用しやすいSUVタイプやスポーツタイプのオープンカーなどもあります。

また、ハイトワゴンと呼ばれる車体の背が高くなっているタイプは現在の軽自動車では主流になっており、使い勝手の良さから人気車種になっています。

居住性も一昔前の狭い状況から広くなっているため、自家用車として使う方のニーズが増しているのも頷けます。

まとめ

  • ①一般的に普通自動車よりも軽自動車のほうが自動車保険料が安くなる傾向にある
  • ②任意保険は加入しておいたほうが安心で、各種補償を受けられるようにしておくことが大切
  • ③保険料を抑えるためには、一括払いにすること、車両保険や特約の見直しをすること、ダイレクト型自動車保険を検討すること、複数の保険会社で見積もりを出してもらうことなどがある
  • ④近年、軽自動車に人気が集まっている理由は、税金や維持費が安いこと、乗りやすさ、車種のラインナップが豊富になっていることが挙げられる
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