中古車購入チェックポイント
更新日:2022.06.30 / 掲載日:2022.06.30

中古車のディーラー保証とは何か?販売店保証との違いとは?

中古車の購入先として、中古車販売店のほかにディーラーという選択肢もあります。ディーラーでは新車だけでなく、取り扱っているメーカーの中古車の販売を手掛けているところは多いです。

ディーラーで販売されている中古車は、メンテナンスの行き届いている状態の良い車両が多いと言われます。加えて、購入した中古車にはディーラー保証がついているものもあるのが特徴です。

ここではディーラー保証とはどのようなものか、保証のついている中古車を購入するべきかについて見ていきます。

中古車における保証の種類について

中古車を購入する際、保証の有無は確認したほうがいいでしょう。保証がついていれば、いざというときでも整備や修理してもらえるので安心です。

ディーラーで取り扱っている中古車の中には、ディーラー保証のついているものも少なくありません。ディーラー保証とはどのような保証なのか、詳しく見ていきます。

また、ディーラー以外にも保証をつけているところもあります。その種類と特徴についても以下でまとめました。

メーカー保証

メーカー保証とは、新車を対象についてくる保証を指します。新車を対象としていますが、購入してすぐに売却された中古車にはメーカー保証が残っている場合もあります。

近年では長期間のメーカー保証も少なくありません。メーカー保証がまだ使える可能性がありますので、購入する際に店員さんに確認してみるといいでしょう。

ただし、中古車でまだ残っているメーカー保証を使用するためには「継承手続き」が必要です。継承手続きをするためには、12ヶ月点検に相当する整備をしてもらう必要があるため、ある程度の費用を負担しなければなりません。

手間や経費がかかる部分には注意が必要ですが、製造元の保証ですからつけておいたほうが安心と言えます。

販売店保証

中古車販売店の中には、取り扱っている中古車を対象に独自の保証をつけていることもあります。

独自の保証なので、その内容はお店によってまちまちです。保証される部位が限定されていたり、期間内でも走行距離の条件が設けられていたりする場合もあります。保証がつけられる場合、内容に関する詳しい説明を受けましょう。

販売店の保証の場合、期間は短めの傾向が見られます。長くて半年、短ければ3ヶ月程度しか保証されないこともあります。

また走行距離の上限は、お店によってまちまちです。大体1,000~5,000㎞といったところが相場となります。

販売店保証の場合、保証の対象になるのは車検やメンテナンスをそのお店もしくは系列店で受けることが条件になります。別のところに出してしまうと期間の有無に関係なく保証は無効になるので、注意しましょう。

中古車情報サイトの保証

中古車販売店には全国にチェーン展開している大手もあれば、家族経営のような小規模な店舗もあります。

小さな販売店の場合、独自の保証をつけていないところも少なくありません。

お店の保証はないものの、その代わりに中古車検索サイトが保証をつけている場合もあります。中古車を購入する際、お店に行く前に中古車検索サイトを使って目ぼしい車を探している方も多いでしょう。

ただし、中古車検索サイトに掲載されている車すべてに保証がついているわけではありません。保証がついているかどうかも、あらかじめネットで確認しておくことをおすすめします。

また、保証がついていても費用の一部は自己負担しなければならない、修理できる工場が限定されている、など制約が伴う可能性もあります。条件についても確認しておきましょう。

ディーラー保証

ディーラー保証はその名の通り、ディーラーで販売している中古車を対象にした保証のことです。

ディーラー保証は新車を対象にしたメーカー保証と比較して遜色のない、充実した内容のものがほとんどです。逆に言えば、ディーラーが取り扱っている中古車の状態に、それだけ絶対的な自信を持っている証拠でもあります。

メーカーによって若干違いがありますが、大体は1年間、走行距離無制限で保証をつけているところが多いです。

保証の対象は、エンジンオイルやブレーキパッドをはじめとした消耗品を除いたほぼ全部です。また、メーカー認定資格を保有したメカニックによる修理のため、しっかり行ってくれます。

有償にはなりますが、保証期間を延長することも可能です。同系列であれば日本全国どこでも修理が出せるので、引っ越した場合でも安心です。

メーカー保証の継承とは?

新車を対象にしたメーカー保証でも、残期間があれば中古車でも保証を受けることは可能です。ただし、継承の手続きをしなければならないので注意してください。

保証を継承するためには、ディーラー点検を受けることが前提です。もしその結果、何らかの不具合が見つかった、社外パーツが取り付けられていた場合は保証が受けられないかもしれません。

保証を継承するためには、継承の事務手続きと点検費用がかかります。どの程度の費用がかかるかは、メーカーによってまちまちですが、大体15,000~30,000円といったところが相場です。

購入する前に、保証継承すると費用がどのくらいかかるのか、担当者に確認を取っておきましょう。

ディーラー保証のついている中古車を購入すべき理由とは?

中古車の購入を検討しているのなら、ディーラーで探すのがおすすめです。ディーラーで中古車を購入すれば、ディーラー保証が付いてきます。

なぜディーラー保証をつけるべきなのかというと、いくつか理由があります。具体的にどういうことか以下にまとめました。

保証内容が充実している

ディーラー保証がおすすめな理由として大きいのは、保証内容が手厚いからです。

エンジンやバッテリーなど走行性能に関わるところはもちろんのこと、カーナビやエアコンといった部分も対象の場合が多いです。

メーカー系列のディーラーのため、車両に対する知識を持ったメカニックが対応します。修理に出した場合でも不備はないでしょうし、丁寧に対応してもらえるのはメリットです。

ディーラー以外にも保証をつけてくれるところもありますが、期間が短かったり、修理を受けるにあたって制約があったりします。

ディーラー保証の場合は、長期間条件なしで保証してくれるところが多いです。その上同じ系列であれば、別の場所で整備をお願いしても条件を満たせば無償で修理してもらえます。

保証の手厚さで見れば、ディーラー保証が群を抜いて良いでしょう。

保証を利用しやすい

ディーラー保証の場合、前提条件がないのもおすすめの理由の一つです。

例えば中古車販売店の保証だと、そのお店で車検や法定点検を受けることが前提条件というところが多いです。また、期間のほかにも走行距離の上限が設けられているなど、保証が使いにくいところがあります。

ディーラー保証であれば、取り扱っているすべての中古車に条件なしで保証をつけてくれることが多いです。

中古車を購入してすぐに引っ越す場合もあるでしょう。また、出張やレジャーなどで遠方まで運転したときに、旅先で故障することもあり得ます。

そんな時に中古車販売店の場合は保証がついていても購入したお店で修理しないと保証が受けられないことが多いです。ディーラー保証の場合は同じ系列のディーラーであれば日本全国で対応してもらえるので安心です。

状態のいい中古車が多い

ディーラー保証は、新車保証と比較して遜色ない充実した内容のものが多いです。見方を変えれば、手厚い保証をつけても問題な、状態のいい中古車ばかりを取り揃えているとも言えます。

中古車の場合、ある程度走りこまれた車両なので購入後の不具合や故障リスクがどうしても付きまといます。ディーラーの中古車なら状態がいいので、故障リスクを低減できるのもメリットの一つです。

そのメーカーの車について熟知しているメカニックが日々メンテナンスを行っているので、安心して運転できます。

また、ディーラーの場合は「登録済未使用車」という、ほぼ新車と同じ状態の中古車を取り扱っているところもあります。具体的にいうと、試乗車や展示車のことです。

車両登録をしているので中古車扱いですが、ほとんど乗っていないので品質の部分を見れば新車に近いです。その状態の車を中古車価格で購入できるというのは、かなりお得です。

ディーラー保証と販売店保証はどちらがいい?

中古車をディーラーで購入するか、中古車販売店で購入するのかは悩むところでしょう。比較できるポイントもいくつか考えられます。

そこでここでは、保証面で考えるとディーラーと中古車販売店どちらがおすすめか比べてみました。

加入条件や自己負担、保証費用で比較するので、購入する際の参考にしてみてください。

加入条件で比較

ディーラー保証の場合は基本的にお店で取り扱っている中古車全部が対象です。

しかし、中古車販売店で取り扱っている車の中には保証がついていない車両もあるかもしれません。

また、ディーラー保証は保証を使うにあたって前提条件がないところが多いです。保証期間内であれば、何度でも保証を受けられるディーラーもあります。

しかし、中古車販売店の場合は条件のついているものが多いです。例えば経過年数や走行距離の上限を設けているケースが見られます。そして、車検や点検をそのお店で受けないといけないというのも、しばしばみられる条件です。全国にチェーン展開しているところならまだ安心ですが、1店舗しかないところだと引っ越したときなどは厳しくなります。

自己負担で比較

ディーラー保証の場合は不具合が発生して修理が必要なら保証期間内だと無償で整備してくれます。

しかし、中古車販売店の場合は保証がついていても、一部自己負担しなければならないかもしれません。大手の販売店を見てみると、1万円分は免責というところが多いです。

また、年度で免責条件が変わってくる中古車販売店もありました。最初の1年間は無料で修理してくれますが、2年目以降は保証期間内でも数万円自己負担になるなどです。

中古車販売店の場合は保証が使えても、一切費用負担しなくてもいいということではないので、注意しましょう。

保証費用で比較

ディーラー保証の場合は無条件で中古車購入すれば保証をつけてくれるところが多いです。つまり保証をつけるにあたって、加入費用を負担する必要はありません。

ディーラー保証の有効期間は1年というところが多いですが、希望すれば、任意でさらに数年延長することもできます。ただし、延長する場合には加入料金が発生しますので、注意してください。

その費用は年式や走行距離、車種によってまちまちなので担当者に確認しておきましょう。

中古車販売店の保証の場合は10年保証といった長期保証に対応しているところもあります。しかし、加入料金を支払うことが前提条件というところが多いです。費用はお店によって様々ですが、数万円単位で負担しないといけません。

条件の制約があったり加入するためにお金を払ったりすることになるので、中古車販売店よりもディーラー保証のほうがおすすめと言えます。

ディーラー保証を付ける前のチェックポイント

ディーラー保証は手厚いので、中古車を購入する際につけるのがおすすめです。ただし、ディーラーによって細かな保証内容や条件は変わってくる可能性があります。

そこでここでは、ディーラー保証をつけるにあたってのチェックポイントを3つにまとめました。

①保証内容を確認する

ディーラー保証をつけるにあたって、どこまでが対象なのか、範囲は確認しておきましょう。いざ保証を使おうと思ったら実は対象外だったということも起こりかねません。

ディーラー保証の場合、消耗品や内外装の装飾品以外はすべて保証対象になっていることがほとんどです。しかし、全てがディーラー保証とは言い切れないので確認しましょう。

特に走行性能にかかわる部分の不具合や故障が保証の対象になっているかは必ず確認してください。具体的にはエンジン系やミッション系、ブレーキが対象になっているかどうかです。

また、「交換部品が無償の対象で工賃については別途費用がかかる」「自損事故は対象外」といった条件がついているかもしれないので、あらかじめ担当者に確認しておいてください。

②保証期間の確認

保証期間がどうなっているかも確認しておきましょう。ディーラー保証の場合は1年間というものが多いです。ただし、低年式車や過走行距離車といった車両を取り扱っているディーラーの場合、あまり状態の良くない車両は6ヶ月と短めに設定されているかもしれません。

「ディーラー保証=1年」と頭から決めつけるのではなく、購入前に確認を取るのが賢明です。

あらかじめ決められた保証期間は、希望すれば有償で数年延長させることもできます。この場合、延長料がいくらかかるのか確認しましょう。料金との兼ね合いで保証をつけたいのなら、延長するのも一考です。

③無料点検の有無

ディーラー保証には、購入から1ヶ月後に無料点検がついているものが多いです。一部メーカーでは期間ではなく走行距離で決めているところもあり、この場合1,000㎞走行したタイミングで点検します。

このような無料点検があるのであれば、積極的に利用しましょう。不具合の中には運転していて気づくものもあれば、全く自覚症状を伴わないトラブルもあります。

気づいていない軽微なトラブルも、無料点検で発見される可能性が高いです。もちろん、不具合が見つかれば無償で修理してくれます。

軽微なトラブルでも放置しておくと、どんどん悪化して、いずれ走行に支障をきたすこともあり得ます。

実際に不具合が起きた場合のディーラー保証の使い方

ディーラー保証の期間中に購入した中古車を運転したところ、何らかの不具合が実際に起きることもあるかもしれません。その場合、どのように対処すればいいのか以下で詳しく見ていきます。

運転中に故障するとパニックに陥りがちです。どんな感じで対処すべきか頭に入れておくと安心でしょう。

とにかくディーラーに問い合わせること

購入した中古車に何らかの不具合が発生した場合は、とにかく購入したお店に問い合わせるのが一番です。

現在の車両は精密機器が多いので、今まで何の問題もなかったのにある日突然トラブルが起きることもあり得ます。

突発的にトラブルが起きるとパニックになってしまう方もいるでしょう。しかし、落ち着いて購入したディーラーに連絡してください。

もしものことを考えて、ディーラーの連絡先はメモしておくと安心です。

出張中や旅行中に滞在先で故障したとしても、対処法は一緒です。購入店に連絡して、どう対処すればいいか先方の指示に従いましょう。

保証書は車内に保管しておく

ディーラーで中古車を購入した場合、保証書を添付書類として渡されます。いつ車が故障するか分からないので、保証書は車内に保管しておきましょう。

車検や自賠責保険証など運転するときに常に携帯しなければならない書類は、ダッシュボードやグローブボックスで保管している方も多いかもしれません。保証書もこれら必要書類と一緒にまとめて、保管するのがおすすめです。

保証書には連絡先や保証内容に関する情報が記載されています。保証がきくかどうか自分であらかじめ確認できるので、車内に常に保管するように心がけましょう。

保証が使えるかどうか確認する

中古車にトラブルが起こったときには、購入したディーラーに連絡しましょう。このとき不具合の状況を分かる範囲で説明してください。

具体的には、どこのパーツでどんな問題が起きているかを報告します。その上で「この修理でディーラー保証が使えるか?」と確認しましょう。できる限り詳しく説明すれば、先方も保証の対象かどうかある程度判断できます。

保証書にも保証の内容は記載されていますが、素人に判断の難しい微妙なトラブルが発生することもあるかもしれません。保証書を見ても判断できなければ、ディーラーに直接聞いたほうが確実です。

まとめ

①中古車でもつけることのできる保証はいくつか種類がある

②ディーラー保証は内容が充実しているものが多い

③中古車販売店の保証は条件がつく場合もある

④問題が起きたら購入したディーラーに相談するのが優先

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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