中古車購入ガイド
更新日:2022.02.03 / 掲載日:2022.01.20
トヨタ クラウン(15代目/S220系)の中古車選びで知っておきたい特徴とグレード構成
1955年に誕生し、日本の自動車文化と歩を合わせて進化し続けたトヨタ クラウンは、いつの時代も憧れの存在だ。時代に合わせた先進技術を積極的に取り入れ、日本の高級車市場をリードしてきた。クラウンは度々大きな方向転換をしてきたが、近年では2003年に登場した12代目、通称「ゼロクラウン」から走りの性能を追求。13代目以降はハイブリッドを設定し、環境性能にも配慮した。今回のテーマは2018年に登場した15代目(S220系)。走行性能をさらに高め、欧州のラグジュアリーセダンにも劣らぬパフォーマンスを身につけている。また、トヨタ初のコネクテッドカーとしても話題となった。ここでは、15代目クラウンの改良遍歴とグレード別装備内容を紹介していこう。
トヨタ クラウン(15代目/S220系)ってどんなクルマ?
2018年6月発売モデルのデータ(RSアドバンス)
新車時価格帯(2018年6月)
2018年6月、トヨタ クラウンがフルモデルチェンジを受けた。15代目となる新型は、初のコネクテッドカーとして登場。車載通信機DCMを全車標準装備し、Tコネクトサービスを3年間無料で利用できる。緊急時に専門のオペレーターが対応してくれる「ヘルプネット」、走行アドバイスを受けられる「eケア」、音声対話サービス(エージェント)など、多くの機能が盛り込まれている。
エクステリアは、先代のイメージを踏襲しつつ、よりダイナミックで存在感のあるデザインに進化。特にRS系では、流れるように点灯するLEDシーケンシャルターンランプを採用したほか、メッシュタイプのフロントグリル、専用18インチホイールを採用し、歴代クラウンの中でも特にスポーティな仕立てとなっている。インテリアは、遠方配置の8インチディスプレイ、操作性を考慮した手前側の7インチディスプレイを連携させたダブルディスプレイを採用。リアシートは、フロントシート下の足入れスペースを拡大し、心地よさを向上した。
プラットフォームは、TNGAをクラウンとして初導入。パワートレインを低い位置に配置して低重心化を図り、前後重量配分も最適化している。またアクティブノイズコントロールを採用することで、静粛性を向上。さらにRS系は、専用フロントスタビライザー、リアスポイラーの採用などにより高速安定性を高めている。パワートレインは、2.5L/3.5Lのハイブリッド、2.0Lターボのガソリンと3タイプ設定。ハイブリッドはCVT、ガソリンは8速ATが組み合わされる。
安全面では、第2世代の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備。歩行者検知(昼間・夜間)、自転車運転者検知(昼間)に対応したプリクラッシュセーフティ、レーダークルーズコントロール、レーントレーシングアシスト、アダプティブハイビームシステムなど多くの先進機能が盛り込まれた。
改良遍歴は?
2020年11月、クラウンが一部改良を受けた。「RSアドバンス」、「RSアドバンス Four」、「G」、「G Four」に本革シートを採用。また、12.3インチTFTタッチワイドディスプレイ採用のTコネクトSDナビゲーションも設定された。「トヨタセーフティセンス」は、ドライバーの体調が急変した際などに無操作が継続した場合、車両を停止させる「ドライバー異常時対応システム」をトヨタとして初採用。また、プリクラッシュセーフティの検知可能範囲を拡大するなど、安全面もさらに進化した。
トヨタ クラウン(15代目/S220系)の主要グレード
クラウン(S220系)のグレードは、「B」、「S」、「G」、「RS」の4系統に大別され、「B」以外のグレードは2.0Lターボ、2.5Lハイブリッド、3.5Lハイブリッドのエンジンを選択可能。また、2.5Lハイブリッド車は各グレードに4WDモデル(Fourと表記)も設定される。
スタンダードな「S」系
ベーシックなグレードの「S」系。17インチタイヤが装着されるが、3.5Lハイブリッドにはハイパークロームメタリック塗装の18インチホイールが与えられる。また、Bi-Beam LEDヘッドランプ+LEDクリアランスランプも標準装備。なお、「S Cパッケージ」では、リモコンカラードドアミラーにリバース連動機能&足元照明が付くほか、カラーヘッドアップディスプレイ、全ドアのスマート&エントリーシステム、助手席肩口パワーシートスイッチ、ナノイーエアコンなどの快適装備が充実する。
ラグジュアリーな「G」系
「S」よりも上位のグレードが「G」系。タイヤサイズは「S」系と同じく17インチ(3.5Lハイブリッドは18インチ)が装着されるが、「G エグゼクティブ」ではスパッタリング塗装の18インチホイールが採用される。また、3眼LEDヘッドランプ+LEDクリアランスランプ+ヘッドランプクリーナーも標準化。トヨタセーフティセンスには、アダプディブハイビームシステム(AHS)も搭載。シート素材は「S」系と同じくファブリックとなるが、「G エグゼクティブ」は本革を採用し、さらに本革巻きシフトノブ、専用ドアトリム仕立てとなるなど、クラウンのなかで最も豪華なグレードとなる。そのほか、リアオーディオコントロールも標準装備。
スポーティな「RS」系
専用フロントグリル&フロントバンパー、リアスポイラー、専用リアバンパー、エキゾーストテールパイプなどにより、エクステリアが差別化される「RS」系。ホイールも専用デザインの18インチ(スパッタリング塗装)が装着される。また、「RS-B」を除き、LEDシーケンシャルターンランプも標準装備。メカニズムは、走行モードを切り替えられるドライブモードセレクトを採用するのも特徴。インテリアは、ブランノーブ+合成皮革素材のシート、カーボン調センターコンソール、グランリュクス巻きドアトリム&インパネオーナメント表皮となり、スポーティモデルらしい仕立てとなる。
※上の記述は、2018年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。
まとめ
従来までのクラウンとは異なり、アスリート、ロイヤル、マジェスタが統一されて生まれ変わった15代目クラウン。全体的にスポーティな味付けがなされているが、「RS」系はよりそのテイストを強めている。ラグジュアリー指向のユーザーは「S」または「G」、走りも楽しみたいユーザーは「RS」がオススメ。グレードごとにパワートレインも選べるため、予算と好みに応じて幅広い仕様から選ぶことができるだろう。