中古車購入ガイド
更新日:2021.11.15 / 掲載日:2021.10.28
ダイハツ タント(4代目)の中古車選びで知っておきたい特徴とグレード構成

全高1700mmを超えるボディを採用し、広大な室内空間を実現したスーパーハイト型の軽自動車は、ファミリー層に絶大な支持を得たジャンル。その草分けとなるのが、2003年11月に発売されたダイハツ タントである。それまでスペース重視型の軽自動車といえば、ダイハツ ムーヴやスズキ ワゴンRだったが、垂直方向にゆとりを持たせた新しいパッケージングにより、さらに快適な室内空間を実現したのが特徴だ。2007年12月に登場した2代目では、助手席側のセンターピラーを廃してスライドドアを採用した「ミラクルオープンドア」を導入。これにより、乗降性を大きく高めている。今回は、2019年7月に登場した4代目(LA650S・LA660S)の改良遍歴とグレード別装備内容を紹介したい。
ダイハツ タント(4代目/LA650S・LA660S)ってどんなクルマ?

2019年7月発売モデルのデータ(カスタムRS)

新車時価格帯(2019年7月)
2019年7月、ダイハツ タントがフルモデルチェンジを受けた。4代目となった新型は、新世代アーキテクチャー「DNGA」を採用した最初のモデルでもある。エクステリアデザインは、ひと目でタントと分かるデザインを踏襲。標準タイプのほか、カスタム仕様があるのも先代と同じ。従来のミラクルオープンドアも継続採用され、これに運転席ロングスライドシート、軽自動車初の助手席イージークローザー、タッチ&ゴーロック機能、ウェルカムオープン機能なども組み合わせ、「ミラクルウォークスルーパッケージ」を実現したのが大きな特徴となる。具体的には、ロングスライドシートでは運転席を最大540mmスライド可能とし、助手席スライドドアから運転席まで移動できる室内ウォークスルーを実現した。助手席イージークローザーは、半ドア時に自動で閉めてくれる機能。タッチ&ゴーロックは、スライドドアが閉まりきる前にドアロックを事前に予約できる。そしてウェルカムオープン機能は、スイッチを押せばクルマから降りて戻った際、自動でスライドドアが開くという画期的な機能となっている。
また、助手席側に1170mmのロングステップを設定し、助手席やシートバックに付けられた「ラクスマグリップ」の採用により、乗降性をさらに高めたことも見逃せないポイント。そのほか、シートの座り心地の改善、サイド&カーテンを含む合計6個のエアバッグを標準装備するなど、商品力を大きく強化した。先代モデルでも採用された予防安全機能「スマートアシスト」は、「車線逸脱抑制制御機能」、「アダプティブドライビングビーム」、「標識認識機能」、「ブレーキ制御付誤発進抑制機能(前方・後方)」を設定し、機能を強化している。一方、高い実用性を活かした福祉車両「ウェルカムターンシート」、「スローパー」も用意する。
改良遍歴は?
2019年12月、新グレード「セレクション」を追加。これは、既存のパックオプションであるコンフォータブルパック、スマートクルーズパック、スタイルパックをグレードに応じて標準設定し、価格を抑えたモデルである。また2020年6月には、「X」をベースに装備内容を見直したお買い得グレード「X スペシャル」が登場。
2020年12月、カスタム系グレードにメッキ加飾を施したフロントデザインの「スタイルセレクション」を設定。さらにインパネ、ドアトリムのカラーをグレーからブラックへ変更したほか、スマートアシストに夜間歩行者検知機能、路側逸脱警報機能、ふらつき警報、標識認識機能(最高速度/一時停止)を追加するなど、安全面が強化された。
2021年9月の一部改良では、「Xターボ」、「カスタムRS」、「カスタムRS スタイルセレクション」に電動パーキングブレーキ、オートブレーキホールド機能、コーナーリングトレースアシストを標準装備。また、「X」、「カスタムX」、「カスタムX スタイルセレクション」には、全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)、電動パーキングブレーキ、オートブレーキホールド機能、コーナーリングトレースアシストなどを含む「クルーズパック」をメーカーオプション設定とした。
ダイハツ タント(4代目/LA650S・LA660S)の主要グレード

4代目タントのグレード構成は、「L」、「X」、「Xターボ」、「カスタムL」、「カスタムX」、「カスタムRS」で展開される。全車に2WDと4WDが用意され、さらに「X」をベースとした福祉車両「ウェルカムターンシート」、「ウェルカムシートリフト」、「スローパー」も設定。ここでは、注目グレードの装備内容を紹介したい。
装備を厳選して価格を抑えた「L」
タントで最も簡素なグレードが「L」。ただし、スーパーUV&IRカットガラス(フロントウインドウ)、LEDリアコンビランプなどの装備に加え、キーレスエントリー、先進安全装備のスマートアシストも標準装備(非装着車の選択も可)となっている。ミラクルオープンドアによる使い勝手は上位グレードと変わらない。エンジンは、3気筒DOHCの自然吸気を搭載する。
標準グレード「X」/「Xターボ」
装備を充実させたスタンダードモデルが「X」。エクステリアは、フードガーニッシュ、360°スーパーUV&IRカットガラスを標準装備。フロントシートは、「L」ではセパレート式なのに対しベンチ式を採用。また、アームレスト、チルトステアリング、運転席シートリフター、リアシートリクライニング、TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイも与えられる。さらに「Xターボ」のステアリングは本革巻きとなるのも特徴。快適装備は、オートエアコン、スライドドアイージークローザー、助手席イージークローザー、USBソケットが装備され、「L」と比べてワンランク上の装備が盛り込まれる。ただしお買い得グレード「X スペシャル」では、スライドドアイージークローザーをはじめとする一部装備が省かれているので注意したい。エンジンは、「X」は自然吸気、「Xターボ」はその名の通りターボが搭載される。
ドレスアップ系の内外装が特徴の「カスタムX」
自然吸気エンジンを搭載したカスタム系グレード。大型エアロバンパー、サイドストーンガード、メッキのフォグランプガーニッシュ&リアリフレクターガーニッシュ、LEDイルミネーションランプなど、存在感のある専用エクステリアが大きな特徴。足もとには14インチ切削アルミホイールを装着。インテリアは、TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ、ファブリック×ソフトレザー調シート、メッキ加飾付きインパネセンターシフトなど、より豪華な仕立てとなる。また、右側パワースライドドアも標準装備。なお、「カスタムX スタイルセレクション」では、フロントグリルがメッキ仕立てとなり、さらに存在感を高めている。
ターボエンジンの最上級グレード「カスタムRS」
ターボエンジンを搭載したカスタム系グレードで、タントの最上級モデルがこちら。基本的には「カスタムX」の装備内容と同じだが、こちらには15インチ切削アルミホイールが装着される。室内には本革巻きステアリング/インパネセンターシフトを採用。そのほか、アダプティブクルーズコントロール、レーンキープコントロール、コーナーリングトレースアシストも標準装備。
※上の記述は、2021年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。
まとめ

スーパーハイト型の軽自動車は次々と新しいモデルが登場し、競争の激しい一大ジャンルとなった。そのなかでもタントは改良の度に進化を続け、現行型は新しいプラットフォームを採用したことで走りも進化。スマートアシストも基本的には標準装備となるから、どのグレードも安心して買うことができる。エクステリアは標準仕様とカスタム系があるから、こちらも好みに合わせて選んでよいだろう。

ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
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