スズキ ジムニー（3代目／JB23系）の中古車選びで知っておきたい特徴とグレード構成

　軽自動車という制約があるなか、オフローダーとしての第1級の性能を持つ四輪駆動車がスズキ ジムニー。1970年の発売以来、50年以上にわたり日本で愛されてきたロングセラーモデルである。今回は、1998年に登場した3代目（JB23系）の特徴と主力グレードの内容を解説したい。

スズキ ジムニー（3代目／JB23系）ってどんなクルマ？

　1998年10月、ジムニーはフルモデルチェンジを受けて3代目（JB23系）となった。この年は軽自動車の規格が改正された年でもあり、多くの軽自動車が一斉に新型に変わっている。コンセプトは先代と共通で、ラダーフレームと前後リジッドアクスルのサスペンションを採用した本格派オフローダー。アプローチアングルは49度、ランプブレークオーバーアングルは32度、デパーチャーアングルは50度、最低地上高は200mmを確保している。全車副変速機付きの4WDシステムを搭載し、趣味から仕事まで幅広い用途で活躍できるモデルと言えよう。

先代モデルと比較すると？

　規格の改正によりボディサイズはひとまわり拡大。全長3395mm、全幅1475mm、全高1680mm（グレード：XC）となった。エンジンは直列3気筒SOHCターボ（F6A型）から直列3気筒DOHCターボ（K6A型）となり、最大トルクもわずかに向上している。トランスミッションは従来の5速MTのほか、3速ATは4速ATに変更された。エクステリアは、角ばったデザインから丸みを帯びたものへと一新。インテリアもよりモダンな雰囲気に変わり、日常でも快適に使えるクルマとなった。また、OEM車「AZオフロード」として、マツダに供給されたこともトピックと言えよう。

改良遍歴は？

　小改良や特別仕様車などを頻繁にリリースし、20年にも及ぶモデルライフでも新鮮さを失わなかったジムニー（JB23系）。このなかでも特筆すべき改良点は、2002年1月に行われた小変更。このタイミングで、フロントグリルが縦スリットから横スリットに変わっている。2004年10月にはマイナーチェンジを受け、ゲート式シフトの4速ATに変更。さらにトランスファー切り替えがレバー式からスイッチ式になった。インテリアはシート表皮のデザインが一新され、LED発光メーターやダイヤル式空調スイッチを採用している。

スズキ ジムニー（3代目／JB23系）の主要グレード

　デビュー当初のグレード構成は、「XA」、「XL」、「XC」で展開された。2001年6月以降は「XA」と「XL」に代わり、「XG」が新たに追加された。また、数多くの特別仕様車がリリースされたが、ここでは「ランドベンチャー」も紹介したい。なお、パワートレインは全グレードで共通となっている。

初期のエントリーグレード「XA」

　1998年10月から2001年6月まで設定されていたエントリーグレード。エアコン、パワーステアリングなど必要最低限の装備に留まり、価格を抑えたモデルとなっている。

初期の中堅グレード「XL」

　1998年10月から2001年6月まで設定されていた中堅グレード。「XA」の装備に加え、パワーウインドウが標準装備されるが、オーディオレスとすることでユーザーの自由度を高めた仕様。

エントリーグレード「XG」

　2001年2月の改良時に登場したエントリーグレード。エアコン、パワーステアリング、パワーウインドウ、パワードアロックなどの基本的な装備が充実している。

上級グレード「XC」

　「XG」と比べ、マルチリフレクターハロゲンヘッドランプ、UVカットガラス（サイドドア）、ルーフレール、アルミホイールなどで外観が差別化されている。装備面は、電動格納式リモコンドアミラー、ヒーテッドドアミラー、コインホルダー、助手席シートアンダートレーなどにより快適性を高めている。

特別仕様車「ランドベンチャー」

　幾度にも渡ってリリースされた特別仕様車が「ランドベンチャー」。発売された時期によって仕様は異なるが、専用フロントグリル、専用インテリアなど、標準モデルとは異なる内外装となるのが特徴。ステアリングやシフトノブは本革製で、より特別な1台に仕立てられた。

まとめ

　生産期間は20年に及び、中古車物件も充実しているジムニー（3代目／JB23系）。当初は「XA」や「XL」など装備を抑えたグレードが存在したが、設定されていた期間が短いため、中古車の大部分は「XG」と「XC」で占められる。また、さまざまな特別仕様車も発売され、これらもカタログモデルと同程度物件が豊富。いずれもメカニズムは変わらないから、年式や走行距離を考慮してベストな1台を探そう。

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