中古車購入ガイド
更新日:2021.10.21 / 掲載日:2021.05.07
トヨタ ハイエースバン(200系)の中古車選びで知っておきたい特徴とグレード構成

1967年に登場したワンボックスタイプの商用および乗用ワゴンがハイエース。乗用ミニバンとは一線を画する堅牢なボディのおかげで、多走行にも耐えうる設計、ビジネスにおける実用性を追求した室内、複数選べるボディサイズと広い室内は、商用ユースだけでなく一般ユーザーからも高く支持されている。今回は、2004年8月にデビューした200系の歴史とバリエーションに注目してみたい。
トヨタ ハイエースバン(200系)ってどんなクルマ?


2004年8月、ハイエースおよびレジアスエースがフルモデルチェンジを受けた。前者はトヨペット店、後者はネッツ店で取り扱われる姉妹車の関係だが、レジアスエースには商用モデルのみの設定となるのが違いだ。5代目となるハイエース(200系)は、小型商用車4ナンバー枠で荷室長をクラストップレベルの3000mmとし、広い荷室を確保。また、フロントノーズのクラッシャブルゾーンの拡大、ボディ構造の見直し、新開発ステアリングやブレーキペダル後退低減機構の採用などにより、高い衝突安全性能を追求している。
先代モデルと比較すると?
従来の100系では全幅がすべて小型車枠(1690mm)だったが、200系のワイドモデルでは全幅が1880mmに拡大され、居住性は格段に向上している。またボディタイプは、全長の違いでロング(約4.7m)とスーパーロング(約5.4m)、全幅の違いで標準仕様(1695mm)とワイド(1880mm)が存在する。これに加え、ルーフ高も標準、ミドルルーフ、ハイルーフが設定され、幅広いバリエーションを誇るのが特徴。そのなかで最も大きいものは、スーパーロング・ワイド・ハイルーフで、こちらは15人乗車も可能とする(コミューターに限る)。
エンジンは、当初2.0Lガソリン、2.7Lガソリン、2.5Lディーゼルターボを搭載。多くは4速ATを組み合わせるが、2014年12月の改良以降6速ATに変更されている。また、一部モデルには5速MTも選択可能。なお、2.5Lディーゼルターボは新たに搭載されたもので、デビュー当初は「平成15年(新短期)排出ガス規制」に適合するなど、環境性にも配慮。新設定された2.7Lガソリンエンジンは、2.0Lをベースに排気量を拡大したものである。
改良遍歴は?
デビュー翌年の2005年11月、一部改良を受けた。ヘッドランプには対向車への眩惑を減少する光軸調整用マニュアルレベリング機構を採用すると同時に、ハイマウントストップランプを全車標準装備。また、標準グレード「DX」にも助手席リクライニング機構を採用した。
2007年8月の改良では、ディーゼルエンジンが従来の2.5Lから可変ノズル式ターボを装備した3.0Lに変更された。PM(粒子状物質)を浄化するDPR触媒を採用することで、「平成17年(新長期)排出ガス規制」に対応している。また、バンの「スーパーGL」にワイドボディ、「DX」に「GLパッケージ」、ワゴンの新グレード「GL」が追加された。
2010年7月にマイナーチェンジが行われた。エクステリアは、フロントバンパー、ヘッドランプ、フロントグリルのデザインを変更。上級グレードにはディスチャージヘッドランプをオプション設定するなど、よりスタイリッシュに進化した。インテリアは、オートエアコンを標準装備としたほか、「DX」にパワーウインドウを採用。また、3.0Lディーゼルターボ搭載車は、DPR触媒の改良により、「平成21年(ポスト新長期)排出ガス規制」、「平成27年度燃費基準」を達成している。
2012年4月に一部改良を実施。全車のフロントループランプに、ドアを閉めた後も一定時間点灯するイルミネーテッドエントリーシステムを採用。さらにエンジンイモビライザーを全車標準装備。
2013年11月、エクステリアの改良を伴いマイナーチェンジを再び実施。フロントまわりを中心にデザインが一新されたほか、鋭角的なラインのアルミホイールをオプション設定。インテリアは、センタークラスターパネルのデザイン変更に加え、燃費や気温などを表示するマルチインフォメーションディスプレイを全車標準装備とした。
2014年12月、ガソリンエンジンにデュアルVVT-iを採用し、燃費性能を向上。「平成27年度燃費基準+10%」の達成、既存の「平成17年度基準排出ガス50%低減レベル」の認定と合わせ、エコカー減税の対象とした。また、ガソリン車のトランスミッションを従来の4速ATから6速ATに変更し、よりスムーズな走行を実現。
2016年6月、車両の安定性を確保するVSC、TRC、ヒルスタートアシストコントロールなどをワゴンとコミューターに標準装備。同時に、アクセサリーソケット(DC12V・120W)も全グレードで使えるようになった。
トヨタ ハイエースバン(200系)の主要グレード

ハイエース(200系)は、バン、コミューター、ワゴンという3つのモデルが存在する。バンは商用車、ワゴンは10人乗り、コミューターは大勢での移動や送迎に便利な15人乗り。ここでは、売れ筋であるバンのグレード内容に注目していこう。
標準グレード「DX」

ハイエースバンの量販グレードが「DX」。フロントグリルはシルバー塗装となるほか、ジャージ素材のシートと内外装は簡素。乗車定員は3名(ルートバン)から9名と幅広く選べる。
上級グレード「スーパーGL」

エクステリアには前後カラードバンパーが装着されるほか、プライバシーガラス、メッキ加飾などを採用し、豪華な仕立てとなるのが特徴。インテリアは、2段階調整式リアシート(リクライニング付き)、分割式リアシートヘッドレスト、オールフラットシートなど利便性を向上。また、「DX」ではジャージ素材なのに対し、こちらはトリコットのシート表皮となり、より高い質感を実現している。そのほか、リアクォータートリムポケット、大型成形スライドドアステップ、後部座席の空調など快適性が高い装備内容となっている。
※上の記述は、2004年8月発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。
まとめ

2004年のデビュー以降、ロングセラーモデルとなったハイエースシリーズは、中古車市場でも人気が高いモデル。バン、ワゴン、コミューターという分類のほか、ロング、スーパーロングというボディダイプの違いなど、ユーザーのニーズに応じた組み合わせが可能となっている。中古車選びの場合、どのボディにするかを決めるのが重要。特にスーパーロングやハイルーフ仕様を選ぶと、駐車場に納まらない可能性があるから注意したい。さらにガソリン、ディーゼルともに選べるので、こちらもランニングコストや燃費も計算に入れておきたいポイントである。