中古車購入ガイド
更新日:2023.05.09 / 掲載日:2023.04.20
【中古車価格の仕組み】多走行物件、何万kmまで許容範囲?

中古車選びにまつわる素朴な疑問にお答えするコーナー。今回のテーマは「走行距離」について。中古車に詳しいグーネットマガジン編集部がわかりやすく解説します。
質問:走行距離が多い中古車、どこまでなら妥協していいの?
答え:走行距離にこだわるより、保証の内容を確認してみよう。
「走行距離10万kmって大丈夫?」、「走行距離5万kmでも壊れそうな気がする」……中古車選びの際、こんな疑問を持ったことありませんか? 低走行であればあるほどいいけど、でもそれに応じて相場もあがるし……。一番無難なゾーンって何万kmなのか気になりますよね。今回は「走行距離」のお話です。
走行距離と年式の関係性を知ろう
中古車の走行距離を見る時、一緒に確認すべき項目がもうひとつあります。それは年式。例えば、3年落ちで5万kmの車両と、5年落ちで5万kmの車両を比べてみましょう。5万kmという距離は同じですが、1年間で走行した距離は前者のほうが多い。1年当たりの走行距離が極端に伸びている車両は、過酷な使用条件にあった可能性も考えられます。単純な走行距離の多さではなく、1年当たりの走行距離として考えることが大切です。
どのくらいの走行距離ならいいの?
では、1年当たりの走行距離はどのくらいならよいのか。およそ1万kmが目安だといわれていますが、あくまで目安のひとつ程度に留めておくのが無難かもしれません。例えば、北海道のような信号待ちの少ない道路での1万kmと、混雑した都心での1万kmでは、クルマへの負荷が大きく異なります。自動車は、ストップアンドゴーの多い環境がとても苦手なので、後者のようなケースは、メーターに刻まれた走行距離以上の疲労状態となっている可能性もあるのです。

極端な低走行車は良くない?
答えは「YES」……のケースもあります。前述のとおり、1年落ち物件が1万kmというのは一般的な範疇ですが、たとえば10年落ちの車両が1万kmという車両は要注意(絶対にダメではありませんが)。長い期間乗られていないクルマは、普段から使われているクルマと比べてトラブルが発生する可能性が高いもの。これは、人の住んでいない空き家は、傷みが激しいのと同じことです。一見すると飛びつきたくなりますが、特別な場合を除き、長くガレージに埋もれていたような車両は避けたほうが無難です。
まとめ
走行距離はどこまで妥協してOKか……という問いは、ケースバイケースになることが多く、明確に決まったセーフティゾーンはありません。しかし購入後のトラブルを避けるという意味では、走行距離にこだわるよりも、保証内容をチェックすることが大切です。万一故障した場合、いつまで修理に対応してくれるのか、故障箇所はどの範囲なのか。これらは販売店でも大きく異なっており、その後のカーライフを大きく左右するものです。気に入った中古車がある場合、走行距離で足切りしてはもったいない。探すときはゆるーく選び、購入時に保証の有無と内容を確認するようにしたいですね。