中古車購入ガイド
更新日:2022.08.26 / 掲載日:2022.08.26
【新型クラウンvs輸入車】クラウンクロスオーバーのライバルとなる輸入中古車をチェック!

文●大音安弘 写真●トヨタ、メルセデス・ベンツ、BMW、ポルシェ
今夏に発表された新型クラウンが大きな話題となっている。1955年に誕生し、現行型で15代目を数える日本車の中でも最も長い歴史を持つ同車は、これまでセダンなどの4ドアモデルを基本としてきた。
今度のクラウンはSUVタイプが存在

新型でもセダンが継続されることは発表されたが、新型の主力はSUVにシフト。さらに従来までの日本を中心としたモデルから、世界戦略車へとポジションも変更されている。これは今後も世界的なSUVブームは続き、必ずしも高級車が4ドアモデルである必要がないという読みなのだろう。その新生クラウンの第一弾を飾るのは、クラウンクロスオーバーだ。意外にも、これまでのクラウンの支持層である年齢が高い人たちも、好意的な声が聞かれるという。それは国産車でありそうでなかったクーペSUVであることが大きいのだろう。世界的には、スタンダードSUVと共に、ファストバックスタイルのクーペSUVが設定されることが多いが、国産車ではルーフラインをクーペライクにしたものは存在するが、純然たるクーペSUVは皆無。パーソナル性の強いクーペと機能的なSUVの両立が、長年クルマを愛してきた人たちに、新時代の高級パーソナルカーとして捉えられているのかもしれない。それでは、新型クラウンクロスオーバーと競合するクルマはどんなクルマがあるのだろうか。そこで400万円台~600万円台までとなる同車の価格帯で狙える輸入中古クーペSUVをピックアップした。
扱いやすさとスタイリッシュさを両立したメルセデスのGLCクーペ

〇メルセデス・ベンツGLCクーペ(2017年~現在)
メルセデス・ベンツのDセグメントSUV「GLC」と基本を共有するクーペSUVで、SUVラインアップの中では、セダンのCクラスに相当する役目を担う。日本には、2017年2月より導入された。全長4740mm×全幅1890mm×全高1605mm(※最新仕様のもの)と、全幅こそ披露目だが、全長はクラウンクロスオーバーよりもコンパクトなので、日本でも扱いやすいサイズのメルセデスSUVといえる。後輪駆動車を基本とし、4WDもあり。ガソリン車に加え、ロングドライブやアウトドアシーンに最適なクリーンディーゼル車も用意する。メルセデスの上級車のエントリークラスなので、質感や装備の満足度も高い。何よりも現行型であることも嬉しいところ。スタンダードSUVの「GLC」と比べると流通量は少なく、価格も高めだが、コミコミ400万円以内で狙えるものも……。初期型ならば400万円台が中心。600万円台ならば、比較的年式が新しく走行距離が少ない認定中古車も見つけることが出来る。
スポーティなSUVといえばBMW Xシリーズ

〇BMW X4(2018年~現在)
スポーティなSUVの代名詞といえば、やはりBMWだ。2008年に発売したクーペSUV「X6(初代)」を皮切りに、積極的にクーペSUVを展開してきた。そんなBMWクーペSUVの次男坊がDセグメントに属する「X4」だ。2代目となる現行型は、2018年9月より日本導入を開始。後輪駆動車がベースだが、日本仕様は全て4WDとなる。当初は、ガソリン車のみだったが、2020年6月よりクリーンディーゼル車が追加されている。全長4765mm×全幅1920mm×全高1620mm(※最新仕様のもの)のボディサイズを持つ。中古車は500万円台からとなるが、認定中古車も見つけることが可能。Mパフォーマンスモデルである「M40i」が500万円台から狙えるのも嬉しいところ。基本構造は、スタンダードSUV「X3」と共通なので、装備面や機能性も十分。流通台数は少なめだが、高級車に走りの刺激を求めるならば、検討の価値有りだ。
憧れのポルシェも中古車ならターゲットに

〇ポルシェ マカン(2014年~現在)
ポルシェにもクーペSUV「カイエンクーペ」が存在するが、こちらは予算オーバー。しかし、スペシャルティなクロスオーバーが気になる人には、ポルシェは気になる存在であるはずだ。そこでカイエンよりも小ぶりだが、アクティブ色の強い「マカン」を番外編として紹介したい。ボディサイズは、全長4726mm×全幅2097mm×全高1621mm(※最新仕様のもの)であり、前期型はやや小ぶりとなるが、いずれもGLCクーペやX4と同等の大きさだ。日本では、2014年1月より予約受付を開始し、同年11月に正式発表された。2018年12月には、フェイスリフトを実施している。登場より8年を迎え、ポルシェとしては現実的な価格を提示していたこともあり、流通台数も少なくない。初期モデルは300万円台から見つかり、コミコミ400万円以内も夢ではない。初期に近い年式とはなるが、500万円台でも、比較的低走行のものが見られるのも魅力的。エントリーの2.0L直4ターボだけでなく、大排気量のV6ターボモデルも狙える。クラウンクロスオーバーの上位価格となる600万円前後の車両価格ならば、2018年登録車まで見つけることもできる。
まとめ
充実したラインアップを誇るトヨタSUVの中でも新ジャンルに挑むクラウンクロスオーバー。クーペSUVが充実する輸入車でも、価格を含めると直接対決するクルマは少ない。新型クラウンクロスオーバーか、それとも同予算で狙える中古の欧州スポーティSUVを選ぶか、新型クラウンの発売前となる今は、結論が出しにくいかもしれない。ただクラウンのライバルに欧州スポーティSUVが思い浮かぶのは非常に楽しいこと。まずは、その検討から楽しんで欲しい。