中古車購入ガイド
更新日:2022.07.14 / 掲載日:2022.07.14
【レクサス LS】5年落ちなら500万円台から探せる現行型LS

レクサスの最上級セダン「LS」が日本に導入されてから16年が経とうとしている。フラッグシップとして、海外のプレミアムブランドと肩を並べる存在のLSは、日本でも多くのユーザーに支持されるモデルだ。2006年に登場した初代(海外では4代目)は、ハイブリッドをいち早く導入するなど、環境性能と走りを両立したモデルだった。2013年の大幅改良を経て、2017年にはフルモデルチェンジを受けた。今回は、2代目(XF50系)の改良遍歴と中古車相場をみていこう。
レクサス LS(XF50系)ってどんなクルマ?


2017年10月、レクサスLSが一新された。新型はGA-Lと呼ばれる新世代プラットフォームを導入し、ロー&ワイドなスタイリングを実現。先代の後期型より導入されたフロントのスピンドルグリルはより精緻なデザインとなり、リアにもスピンドル形状のテーマを採用したことで、ワイド感を強調した。ボディサイズは、全長を145mm伸長した5235mmに。インテリアは、日本の匠の技を活かしたアートウッド、ハンドプリーツ、切子調カットガラスなど独創的な技術を盛り込んだ。シートには、空気で身体を押圧するリフレッシュ機能を導入したほか、オットマン付き22ウェイリアパワーシート、体温を検知して空調機能を制御するレクサスクライメイトコンシェルジュなど、おもてなしを実現する快適装備も充実している。
パワートレインは、3.5L V6ツインターボ+10速ATのLS500、3.5LV6ハイブリッドのLS500hの2機種を設定。駆動方式はFRが基本となるが、各グレードで4WDも選べる。安全面では、予防安全パッケージ「レクサスセーフティシステム+A」を導入。なかでもプリクラッシュセーフティは、大型カラーヘッドアップディスプレイに歩行者注意喚起、自動で操舵を制御するアクティブ操舵回避支援を装備するなど、従来の機能もアップグレードされた。そのほか、高度運転支援技術「レクサス コドライブ」、ドライバー異常時停車支援システムなど、数多くの先進技術が盛り込まれたのもトピックである。
改良遍歴は?
2018年8月、一部改良を受けた。4WD車のショックアブソーバーに、伸圧独立オリフィスを採用することで乗り心地を向上。また、マルチステージハイブリッドシステムのエンジンサウンドや変速制御のチューニング、制振材の追加などにより静粛性も向上。併せて、「レクサスセーフティシステム+」が進化し、昼間の自転車や夜間の歩行者も検知可能なプリクラッシュセーフティが採用された。
2019年の改良では、FR車のショックアブソーバーに、4WD車と同じく伸圧独立オリフィスを採用し、乗り心地を向上。また、ランフラットタイヤの補強層構造の最適化、リアサスペンションマウントのチューニングなどで快適な走りを実現した。ハイブリッド車(LS500h)では、加速時のバッテリーによるアシスト量を増やし、駆動力と静粛性を向上。「エグゼクティブ」は、後左席の足元や前方視界を広げたエンターテインモード、操作性を高めたリアマルチオペレーションパネルなどで、快適性が高められた。
2020年11月、マイナーチェンジを実施。エクステリアは、新デザインの小型3眼ランプとL字を強調したクリアランスランプの下に、ブレードスキャンAHSを搭載。スピンドルグリルがダークメタリックに、リアコンビランプのメッキモールがピアノブラックに変更された。インテリアは、センターコンソールのスイッチ類をブラックで統一。マルチメディアシステムには、新たにタッチディスプレイが採用された。そのほか3.5L V6ターボも改良を受け、トルク特性や燃費、静粛性などを改善。サスペンションまわりの設計も見直され、さらに快適なドライビングフィールを実現した。
2021年10月、一部改良を実施。標準装備の19インチランフラットタイヤが、新開発のノーマルタイヤに変更された。ランフラットタイヤはメーカーオプションとして選択可能となっている。また、「レクサスセーフティセンス+A」のひとつであるレーントレーシングアシスト(LTA)では、システム制御の見直しでセンタートレース性能を向上。高度運転支援技術「レクサスチームメイト[アドバンスドドライブ]」も、ドライバーの意思に寄り添った作動を行うようになった。
レクサス LS(XF50系)の主要グレード

グレード構成は、ガソリン車の「LS500」、ハイブリッド車の「LS500h」の2モデル構成。それぞれに、標準仕様、「エグゼクティブ」、「バージョンL」、「Fスポーツ」、「Iパッケージ」の5つの仕様が設定されている。ここではグレード別の中古車相場をみていこう。
「LS500」
内燃機関車のLS500。最上級仕様の「エグゼクティブ」には、切子調カットガラス&ハンドプリーツやプラチナ箔&西陣のインテリアが設定され、豪華に仕立てられる。シートにはセミアニリンレザーを採用。「バージョンL」は、本革+本木目ステアリングやセミアニリンレザーシートを採用したラグジュアリーな内装が特徴。「Fスポーツ」は、専用エクステリアのほか、本革/ウルトラスエードのスポーツシートが与えられ、足まわりも強化されている。そして「Iパッケージ」は、本革巻きステアリング、ファブリック素材のルーフサンバイザーなどを採用しつつ価格を抑えたリーズナブルなモデル。
物件数はハイブリッドのLS500hより若干少ないものの、十分な数が流通している。なかでも「Fスポーツ」が豊富で、半数近くを占めている。次いで多いのが、装備と価格のバランスがよい「Iパッケージ」。中古車平均価格は789万円(LS500全グレード)。
「LS500h」
LS500と同じV6エンジンを搭載するが、こちらはハイブリッド車となる。標準仕様を含め5タイプ設定されるのもガソリン車と同じ。物件数はこちらのほうが多く、選択肢が豊富なのがメリットだ。また、「Fスポーツ」が大半を占めていたLS500とは異なり、「パージョンL」や「エグゼクティブ」の物件も揃っている。中古車平均価格は815万円(LS500h全グレード)。
※上の記述は、2017年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。中古車平均価格は2022年7月時点のデータ。
まとめ

パワートレインが2タイプ、装備内容の違いで5タイプ選べる現行型LS。物件数はハイブリッド車のほうが多く、どちらも「Fスポーツ」の割合が多め。しかし、ハイブリッド車ではほかの仕様も十分な量が流通しているため、好みのグレードを探すならこちらを選ぶとよい。登場してからおよそ5年が経過するが、価格の最低ラインは500万円前後。レクサスLSは経年で値下がりしやすいため、低予算で探すならもうしばらく待ってみるのもありだろう。