中古車購入ガイド
更新日:2022.06.10 / 掲載日:2022.06.10
【マツダ ロードスター(ND)】人気の「S スペシャルパッケージ」が100万円台で探せる

1989年の登場以降、オープン2シーターの一大ブームを引き起こしたユーノスロードスター。国内外のメーカーがこぞって同コンセプトのモデルを発売したが、専用設計の後輪駆動シャシーに1トン前後の軽量な車重を実現したユーノスロードスターの人気は抜きん出ていた。その後ブームが去ったあともロードスターは堅実に生産が続けられ、現在は4代目として販売されている。今回は、4代目ロードスター(ND)の改良遍歴とグレード別中古車相場をみていこう。
マツダ ロードスター(4代目/ND)ってどんなクルマ?


2015年5月、10年ぶりにフルモデルチェンジを受けたロードスター。ボディサイズは、先代よりもひとまわり小型化し、全長は4mを切った。また、アルミや高張力鋼板の使用比率を高め、先代と比べて100kg以上の軽量化を実現し、1トンを切る仕様も設定された。ソフトトップは、簡単に手動開閉可能で、インテリアには小物入れ、脱着式ドリンクホルダー、飛行機に持ち込み可能なキャリーバッグを2個積めるトランクを設置するなど、2シーターでありながら実用性も確保している。
パワートレインは、131馬力の1.5L 直4エンジン「スカイアクティブG 1.5」をフロントミッドシップに搭載し、前後重量配分を50:50としている。トランスミッションは、構造をシンプル化して軽量化を図った新開発6速MTを基本に、ブリッピング機能やドライブセレクションを追加した6速ATを組み合わせる。加えて、マツダ初のデュアルピニオンタイプの電動パワーステアリングを採用したこともトピックだ。小型化された恩恵は走りにも現れており、初代のシンプルな楽しさを受け継いだスポーツカーといえる。なお、2016年11月にはハードトップ仕様のロードスターRFも登場。こちらには2.0L 直4エンジンが搭載されている。
改良遍歴は?
2017年11月、ロードスター/ロードスターRFともに一部改良を受けた。リアコンソールボックス内部床面に遮音マットを追加したほか、一部グレードにシートヒーターを装備するなど、快適性を向上。また、リアサスペンションやステアリングフィールも見直された。
2018年6月の改良では、1.5Lエンジンでは燃焼システムの改良により燃費を向上。2.0Lエンジンではトルク特性を見直し、エンジンサウンドも変更された。
2019年11月、一部改良を実施。インテリアは、本革素材にパーフォレーション(穴あけ加工)を施したほか、グレーステッチやステンレススカッフプレートを採用するなど、質感を向上。安全面では、アドバンストSCBSが夜間歩行者検知機能に対応した。また、レイズ社製鍛造アルミホイール、ブレンボ社製フロントブレーキをメーカーオプション設定とした。
2020年12月、ピュアホワイトのナッパレザーインテリアを採用した「ホワイトセレクション」を設定。新ボディカラー「ディープクリスタルブルーマイカ」も追加された。
2021年12月の改良では、リアの内輪側をブレーキ制御することで車体のリフトを抑えてコーナーリングを安定させる「キネマティック ポスチャー コントロール(KPC)」を採用。また、大幅な軽量化を実現した特別仕様車「990S」も追加された。
マツダ ロードスター(4代目/ND)の主要グレード

ロードスターのグレードは、スタンダードな「S」系のほか、モータースポーツベース車の「NR-A」、スポーティな装備を充実させた「RS」で構成される。ロードスターRFは、「NR-A」は設定されないがナッパレザー内装の「VS」を設定。ここでは主要グレードの中古車相場を見ていこう。
「S」系
どちらのボディタイプにも設定される基本モデルが「S」系。スタンダードな「S」に加え、快適装備が充実する「S スペシャルパッケージ」、合成皮革シートを採用した「S レザーパッケージ」も用意されている。ロードスターの中古車市場における主要グレードであり、物件の大半を占めている。なかでも「S スペシャルパッケージ」が最も多く、中古車平均価格は228万円。「S レザーパッケージ」も230万円となっており、価格に大きな差がないのが特徴だ。価格の下限がおよそ140万円となっており、一押しのグレードといえよう。一方ロードスターRFでは、「S」は少ない傾向にあり、中古車平均価格は266万円となっている。
「VS」
ロードスターRFに設定される豪華グレードが「VS」。高級なナッパレザー内装が特徴で、より大人のクルマに仕上げられている。ロードスターRFのなかでは一番人気のグレードとなっており、物件数が最も豊富。中古車平均価格は272万円。
「RS」
スポーツカーとしての魅力を一層高めたグレードが「RS」。ビルシュタイン社製ダンパー。フロントサスタワーバー、大径ブレーキを標準装備。レカロ社と共同開発された専用シートも装着される。魅力あるグレードではあるが、中古車市場では物件が少なめなのが難点。中古車平均価格はどちらのボディタイプも310万円と、「S」に比べてワンランク上の価格帯となっている。
「NR-A」
ロードスターのみに設定されるモータースポーツベース車で、車高調整式ビルシュタイン車製ダンパー、大容量ラジエター、大径ブレーキを装備しながら、一部の装備を簡略化したモデルである。走りに重きを置いたモデルながら「RS」よりもリーズナブルなのが特徴で、中古車平均価格は234万円と手頃。カスタムしたいひと向けのグレードである。
※上の記述は、2022年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。中古車平均価格は2022年6月時点のデータ。
まとめ

発売から7年が経過し、モデルライフの後半戦に突入した現行型ロードスター。しかし昨年はKPCを採用するなど走りにもテコ入れされており、当分は現役のスポーツカーとして生産が続けられるだろう。それゆえ中古車相場の大幅な値崩れはないが、最近は100万円台半ばの物件も目立つようになってきた。グレードによる差別化も明確で、好みに応じたクルマ選びができるのも魅力といえよう。一般的なユーザーには「S スペシャルパッケージ」がオススメ。装備と走りのバランスに優れ、物件が充実している。また、快適なドライブを楽しみたいならロードスターRFも検討しておこう。

ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
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