インタビュー
更新日:2020.06.23 / 掲載日:2017.11.30
クラウンコンセプト 開発者インタビュー

先に開催された東京モーターショーでも、クラウンコンセプトは多くの注目を集めていた。日本を代表する伝統モデルの次はどうなるか? その注目度の高さは際立っている。
――全面刷新されましたが、やはり社内でも「クラウンを変えなければ!!」と言う想いは強かったのでしょうか?
秋山 常に危機感はありました。今回のモデルは15代目です。15代将軍で終わってしまっては困るので、私の使命は「ラストクラウンにならない事」でした。
――エクステリアデザインは?
秋山 今回は法人需要を考えずパーソナルユースに絞っています。横から見たらこれまでのクラウンからは想像できないくらい流麗なデザインを目指しました。
――ただ、全幅はタワーパーキング対応の1800mmです。
秋山 若返りはしましたが、ボディサイズの制約、取り回し性、乗降性など、日本のお客様向けと言うのは決して忘れていません。
――インテリアも大きく変わり、シンプルだけどモダンな印象です。
秋山 今回はツインモニターが特徴ですが、表示は上にモニター、操作時は下のモニターで行なうことで、視認性と使いやすさを両立させています。
――プラットフォームはレクサスで採用しているGA-Lがベースですか?
秋山 クラウンは幅が狭く、リヤサスが若干異なるナロー版です。
―― 走りはニュルブルクリンクで鍛えたと聞きましたが?
秋山 国内専用モデルですが、ベンチマークはジャーマン3で、200km/hの世界まで見ています。どんな路面でもフラット感があり、安心感も非常に高いです。
――パワートレーンは?
秋山 詳しく言えませんが、ハイブリッドを含め数種類用意します。
――GRの予定はありますか?
秋山 企画は出ていませんが、個人的にはニュルのレースには出たいなと。初代クラウンがトヨタモータースポーツの原点ですし。
――発売時期はいつ頃ですか?
秋山 来年の夏くらいになりそうですが、できるだけ早く出したいですね。ご期待下さい!
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トヨタ自動車 MS製品企画 ZS チーフエンジニア 秋山 晃氏

クラウンの歴史は「変革」の歴史でもある
10代目 1995年-1999年
セルシオの登場によりフラッグシップの地位が揺るぎ始めた1990年代半ばに登場した10代目クラウンは、デザインこそ保守路線を踏襲するも、ボディ構造がモノコックに変更され大幅な軽量化を達成するなど、クラウンの歴史において大きな節目になったモデル。快適性重視からの脱却も進められ、運動性能も意識したクルマ造りは賛否両論もあった。
12代目 2003年-2008年
かつてゴールだったクルマが、いまスタートになる。そんなキャッチコピーで話題を集めた12代目は「ゼロクラウン」の愛称でも有名だ。プラットフォームの一新のほか、長年搭載されていた直6エンジンから省燃費性能に優れたV6エンジンに切り替わるなど、メカニズム的に大きな変革があったことでも知られる。
14代目 2012年-
現行の14代目は「CROWN Re BORN」のキャッチコピーでも有名。ついには全身ショッキングピンクにカラーリングされたピンククラウンを期間限定で販売するなど、変革を大きくアピール。アスリート系の販売比率が大きく高まり、2015年には2L直噴ターボを搭載するスポーティなクラウンも投入。クラウンのイメージを大きく変えた世代だ。
提供元:月刊自家用車