オートモビルカウンシル2021 アフターレポート #2 【輸入車編】

1966 Porsche 911 2.0 SWB
1965 年デビューの 911 の初期型。通称“0シリーズ”に属する1台。 オールアルミ SOHC 空冷フラットシックスは トリプルチョーク・ソレックス2基 (この個体はウェバーに換装)を備え 圧縮比 9.0 から 130ps、17.8kgm を生んだ。

1968 Porsche 911S 2.0 SWB
1967 年型から高性能版として加わった 911S。 排気量は 2Lのまま圧縮比アップ、カムプロファイルの変更等により 160ps、18.2kgm に増強されている。操縦安定性改善のため、フロントバンパー左右端にはまだ計 20kgを超える重りが備わっている。

1969 Porsche 911S 2.0 LWB
安定性に難を抱えた 911の欠点を改善すべく、ホイールベースが6cm 近く延長され、燃料供給装置を ボッシュ製プランジャーポンプ、通称“メカポン”に 変更したのがこのモデル最大の特徴だ。出力とトルクは 10ps アップの170ps、18.5kgmを実現している。

1970 Porsche 911T Targa 2.2
ポルシェは 67 年モデルから着脱式ルーフを持つ タルガボディをラインナップしていたが、この展示は 2.22時代のベーシックモデル、 125ps、18.0kgm を発する 911T のタルガ版である。 ジウジアーロが最も愛するボディ形式だ。

1973 Porsche 911 Carrera RS 2.7
GT レースを戦うためグループ 4 / GTS 仕様のベース モデルとして誕生したのが、この“ナナサンカレラ”。 ナローの中で唯一明確なオーバーフェンダーと ダックテール・スポイラーを備えたモデルだ。 2.7LSOHC は 210ps / 26mkg を絞り出す。 まさに究極のナロー。

個人所有車の Bugatti Type 40。
1980 年代前半、オーストラリアから持ち込まれたT40。
当時の所有者の要望によりオリジナルの姿を守られているT40は、この日はエンジンを外した状態で展示された。

マセラティ ギブリII カンパーナ スペチアーレ
1996年に試作モデルが完成。製作は1台のみ。
トランスミッション ゲトラグ社製6速+リバース
駆動方式FR、 総排気量1,996 cc
ボア×ストローク(mm) 82×63 mm 、最高出力(ps/rpm) 320~340ps 16,500 rpm
最大トルク(kgm/rpm) 38.5 Kgm / 4,000 rpm
(出力・トルク等の数値は推定。ボディサイズ・重量はギブリ オリジナルモデルの数値)

Chevrolet Camaro Z28 tribute
　シボレーカマロはフォードマスタングの対抗馬として1967年に登場した。 そして初代カマロは 1969年に生産終了となったが、この3年間において、 1969年の SCCA(Sports Car Club of America) トランスアメリカン・チャンピオン シップの 2.5L 以上クラスで優勝という成績も残した。
　展示車両は初代カマロの最終 69 年式。この最終モデルはマイナーチェンジが実施され、基本的メカニズムには大きな変更はないが、ボディがよりスポーティなフォルムとなり、全長・全幅が大きく、全高は低くなっている。また、当時トランザムレース出場のために作られた「Z28」仕様にあげられています。427 V8 ビックブロックエンジンに、5速マニュアルトランスミッションを搭載した、極上の一台。

LANCIA FULVIA ZAGATO 1.3S
　これまでに、数多くの独創的なスタイリングを持つランチアがカロッツェリア・ザガートによって手掛けられてきた。中でも「フルビア・スポルト・ザガート」は特筆すべきモデルだ。革新的であったフルビアをベースに、”スポーティな車を作ってほしい”というランチアの要望をザガートが具現化したものがフルビアスポルト ザガートだ。

Mercedes-Benz 220 (W187)
　展示車両は、1951年4月に第二次世界大戦以降、最初に開催されたフランクフルト国際モーターショーで、ダイムラーベンツ社が発表したメルセデス・ベンツ220サルーン。1953年に、ヤナセの子会社でありメルセデス・ベンツのインポーターだったウエスタン自動車が輸入したもの。
　大きな特徴は、メルセデス・ベンツとしては初のSOHCの真新しい6気筒エンジンを搭載していること。このエンジンの高い出力により、最高速度も140km/hとなり、これに対応する為に、前輪には新しいブレーキが装備された。
　それ以外は、主に4気筒エンジンを搭載した170Sをベースにしていて、シャーシと車体はほぼ同じで、ヘッドライトはフロントフェンダーに埋め込まれ、当時としては上品でモダンなデザインとなった。
　このモデルは、現在まで綿々と続くSクラスの初代モデルとなった。 そして、1954年の生産終了まで16,066台が生産された。 他には、コンバーチブルA、コンバーチブルBなどのボディが存在した。
　その後、Sクラスは、1954年からのポントン6気筒モデル、1959年からのW111「羽べン」、1965年からの250S/300SEL、1972年からのW116、1979年からのW126、 1991年からのW140、1988年からのW220と続き、最新のW223と続いていった。

Mercedes Benz 190SL (W121)
　メルセデス・ベンツ190SL(W121) は、プロトタイプが1954年にニューヨークで開催された「国際モータースポーツショー」で公開され、翌年3月のジュネーブモーターショーで生産モデルが公開され た後に生産が開始された。
　技術・構造的には、既に実績のあるタイプ180をベースにしている為に、扱いやすいスポーティモデルとなった。ボディは300SLを彷彿させ、スポーティなエレガンスを備えた快適を提供するメルセデス・ベンツSLの伝統を作り上げた。この伝統は現在のSLモデルまで、引き継がれている
　展示車の190SLは、ヤナセクラシックカーセンターとしてエンジン、トランスミッションのオーバーホールから、ボディ色の変更、内装の張替えまで行った完全なフルレストア第1作。