車のエンタメ
更新日:2021.07.10 / 掲載日:2021.07.10
今、クルマに求めるのは“快適”

ここ20年でスポーツカーが憧れの的だった時代は終わりを告げ、ミニバンやSUVなどがもてはやされるようになった。人々がクルマに速さを求めなくなった時代になり、代わりにいったい何を求めているのかといえば、それは“快適さ”に他ならない。そこで今回は、元来、そのクルマに備わった乗り心地や上質感はもちろん、装備や機能、使い勝手のよさ、そしてカー用品まで、乗員を“快適”にさせるクルマワードを探っていく。まずは愛車の快適性を確保するうえで、最もタイムリーな課題、新型コロナへの対策と、夏の暑さへの対策から紹介していこう。
(掲載されている内容はグー本誌2021年8月号の内容です)
クルマの“快適”を実現するための最新キーワード
車内の空気をキレイに保つには、エアコンフィルターの交換も有効な手段。抗ウイルスを謳った製品もあるので、年に1回は交換しておきたい。
[新型コロナ対策]基本的な対策とカー用品をうまく活用して万全の対策を!
日常生活と同じく、クルマにおいても換気、除菌、マスク着用は必須と考えるべきだろう。換気に関しては、エアコンの外気導入を利用しつつ、窓を開けて車内の空気を入れ替えるが、このとき、対角線上の窓を10cm程度開けると効果が高いといわれている。また、エアコンのフィルターを交換したり、空気清浄機や加湿器などを導入するというのも感染予防対策としては有効だ。車内の除菌を行うときは、スプレーなどのアルコール度数に注意したい。度数が高い製品の場合、散布する場所によっては変色や色落ちが発生する可能性があるからだ。サンシェードは、直射日光をやわらげることで車内の温度上昇が抑えられるだけでなく、ダッシュボードの日焼けや劣化防止にも効果がある。
[酷暑対策]本格的な暑さ到来の前にエアコンの効き具合を要チェック
停車時は、サンシェードや熱遮蔽カーフィルムなどのアイテムを用いて、車内の温度が上昇しにくくなるよう対策をしておこう。車内の温度を下げるときに停車したままエアコンを全開にする人も多いが、これはバッテリーへの負担が大きく、最悪の場合はオーバーヒートを起こす原因にもなりかねない。車内の温度を効果的に下げるには、まず前後の窓を全開にして走行し、熱を外へ放出する。その後、エアコンを外気導入でかけ、最後に窓を閉めて内気循環に切り替えるというのがオススメだ。また、エアコンの効き具合もマメにチェックしておきたい。
カー用品のプロが選んだ 愛車快適化アイテムランキング
中古で購入した愛車を手っ取り早く快適化してくれるのがカー用品だが、初心者はいったい何を買ったらいいのかわからないもの。今回は、カー用品のプロが快適化アイテムをランキングし、その選び方まで指南する。
自動車ライター 塚田勝弘さん
自動車雑誌、モノ系雑誌の編集者を経て、フリーランスに。新型車、キャンピングカー、カー用品を中心に執筆。カーナビやオーディオ、ドラレコ、スマホ用アプリなどを常に取材、テストをしている。
自分に合うカー用品でより快適なドライブを
クルマの標準装備は、幅広いユーザー層を想定して開発されていることが多い。より細かなニーズに対応するのがオプション用品(純正アクセサリー)で、ディーラーで購入するという手間をいとわなければ、便利なアイテムを手に入れることができる。ただ、オプション用品によっては取り寄せになるなど、時間がかかる場合や割高に感じられることもある。中古車を購入してから、自分好みの快適な空間を手に入れるのに便利なのは、やはりカー用品店やインターネットで気軽に購入できるカー用品だろう。
ひと言でカー用品といっても昔からの定番アイテムから、ハイテク系、ガジェット系などバラエティに富んでいる。ここでは、「快適化」をテーマにおすすめしたいカー用品を1位から10位まで選出した。クルマの使い方や地域、季節、年齢層や性別などで、ピタリと当てはまる用品は異なるだろうが、きっと自分や家族に合うアイテムがあるはずだ。
1.スマホホルダー

価格の目安=1000から1万円
吸盤やエアコン吹き出し口、マグネットなど固定方法は複数あり、インパネの形状など車種によって向き、不向きがある。Qi規格対応のワイヤレス充電も人気。
ホルダーもスマホもしっかり固定できるタイプがオススメ
今やスマホは、ナビアプリを使ったり、音楽を聴いたりする際に欠かせない存在になっている。スマホホルダーはエアコン吹き出し口やマグネット、吸盤タイプまでホルダーの固定方法は複数ある。いずれにしてもホルダーがズレたり、落ちたりしないこと、スマホもしっかり固定できることが必須。店舗でサンプルや実物を確認してから購入するのが無難だ。吸盤やエアコン吹き出し口、マグネットなど固定方法は複数あり、インパネの形状など車種によって向き、不向きがある。Qi規格対応のワイヤレス充電も人気。
2.ドライブレコーダー

価格の目安=5000から2万5000円
万一に備えるだけでなく、思い出作りにも活用
ここ数年、特に人気なのが前後2カメラ式や360度式で、あおり運転などに対応するため初めて購入したり、買い替えたり、買い増す人も多い。駐車監視機能や車間距離や車線逸脱を知らせる運転サポート機能などのほか、旅の思い出を振り返ることもできる機能もある。前後2カメラ式や360度式は、2万円前後が売れ筋だ。
3.カーナビゲーション

価格の目安=3万から20万円
根強い人気を誇る据え置き型カーナビ
スマホ用ナビアプリなどが普及しても、近年の市販ナビの売れ行きは横ばい傾向で、根強いニーズがある。最近は8インチから10インチの大型化、低価格化という傾向がある。車種専用設計をはじめ、中古車も含めた460車種以上に対応する大画面タイプも人気。操作性と視認性の高さが美点で、後席からも映像などを楽しめる。
4.ゴミ箱

価格の目安=1000から3500円
ゴミ入れとしてだけでなく収納にも使える
いろいろな車載用のゴミ箱が販売されているが、車種やタイプに合わせたものが便利。センターウォークスルーが可能なミニバンで、この通路を使っていないのならジャストサイズのゴミ箱もある。面ファスナーで固定したり、重りが入っていたり、車内で遊ばない(動かない)タイプが便利だ。小物入れとしても使える。
5.サンシェード

価格の目安=1000から4000円
暑さと他人の視線を防ぐ便利なアイテム
紫外線を防ぐUVカット機能(遮光率90%以上)はもちろん、赤外線であるIRカット機能付きを選ぶことが暑さ対策のコツ。吸盤やサンバイザーに挟むタイプ、折りたたみ傘のように開いて使う方式もある。フロントスクリーンやサイドウインドウ、リアウインドウなどのサイズを測っておくと愛車に合う商品を選びやすい。
6.ドリンクホルダー

価格の目安=500から5500円
温冷対応式や車種専用設計も人気
今ではスポーツカーにも当たり前のように付いているが、標準装備のなかには使いにくいものもある。近年はシガーソケットを使って保温、保冷もできる4000から5000円くらいの市販アイテムが支持されている。また、最近では車種専用設計も出ていて、エアコン吹き出し口などに純正のように装着できるタイプもある。
7.車載用冷蔵庫

価格の目安=1万5000から3万5000円
飲み物から買い物、キャンプにまで使える
夏に冷たい飲み物をいつでも飲めるのはもちろん、旅先で魚や肉などの生ものを買っても冷やせるほか、流行のキャンプでも重宝する。家でも使えるAC、シガーソケットのDCに対応する2ウェイ電源が人気で、AC電源は最近のEVやハイブリッドなどに装備されている車種も増えているため、より使いやすくなっている。
8.収納ボックス

価格の目安=2000から4000円
実用的で普段使いから重宝する
助手席や後席に手荷物を置く人は多い。筆者は助手席にカメラを置いていたら、前走車が急ブレーキを踏んでカメラがフロアに吹っ飛んで壊れたことがある。コンテナ式や折りたたみ式、シート横やラゲッジに置くタイプなど大小さまざまなアイテムがあり、保冷保温、防水などの付加価値を備えた収納ボックスもある。
9.空気清浄機

価格の目安=2000から1万円
コロナ禍で注目を集める快適化アイテム
ペット連れなどを中心に、昔から定番アイテムだったが、コロナ禍で再び注目を集めている。大手家電メーカーやスウェーデンから日本に上陸した世界的に有名なブランドまで市販の空気清浄機としてリリースされている。長い間使うのなら埃や有害物質やアレル物質、PM2.5なども除去できる高額アイテムがおすすめだ。
10.消臭剤、除菌剤

価格の目安=500から2500円
新車から中古車、タバコ臭まで
中古車の場合、ニオイが敏感に感じられることがあるかもしれない。エアコンユニットのエバポレーター洗浄をプロに頼んだり、専用スプレーでニオイを除去したりする手もある。安く済ませるのなら除菌消臭剤を設置したり、エアコン吹き出し口に取り付けたりするタイプもある。ペットやタバコ臭にも対応してくれる。
ファミリーにおすすめのアイテム
価格の目安=1000から3000円
防水シートカバー
子どもが汚してもイラッとしない
最初から防水(撥水)、防汚シートを設定している車種もあるが、あとでカー用品として防水シートカバーを購入することも可能だ。子どもだけでなく、ペット連れにも使える。価格の目安=1500から3500円
脱着式テーブル(折りたたみ式テーブル)
ステアリング装着式で仕事をする人も
外出先など車内で軽食を取る際に便利なのがテーブル。膝の上で使ったり、ヘッドレストやステアリングに装着できるタイプも。テレワークでノートPCを載せて使ってもOK。価格の目安=1万5000から4万5000円
後席モニター
渋滞で飽きてしまった子ども連れに最適
予算が許せば天井設置型のリアモニターがベストで、ヘッドレスト固定式モニターもある。前席ヘッドレストにホルダーを装着しても、タブレット端末で動画などを楽しめる。
日産エルグランドで考える! 実測 クルマ快適化のためのKEY POINT
感覚的な“快適さ”に加えて、広さや高さは数値にも表れる。ここでは「エルグランド・オーテック」のさまざまな部分を計測、試乗して、実際の快適性について考えてみた。購入時に重視すべきポイントはどこか?
視界の広さ

天地方向に短いフロントエリア
フルサイズミニバンということで期待したが、フロントガラスがかなり傾斜しているため、ダッシュボードから垂直に高さを測るとだいたい35cmくらい。外から見たデザインのスポーティさやワイド感といった要因はあるが、弟分のセレナのほうが視界は広く、開放感がある。快適性からすれば運転しやすいにこしたことはない。
遮音性

音量で不快な思いをすることはなし
国内最高峰の高級ミニバンだけに、アクセルを床まで踏み込みでもしなければ、走行中に音量で不快さを感じることはない。騒音計アプリによる測定値は、一般道で62.7dB、高速道で66.8dBだった。比較対象として、国産LクラスSUVで同コースを走行したところ、一般道で71.6dB、高速道で74.0dBとなっている。
エンジン&トランスミッション

実用域では大排気量でなくても十分
今回撮影したエルグランドのエンジンは170馬力を発揮する2.5L直4で、6速エクストロニックCVTが組み合わされている。一般道における実用域では十分なパワーがあり、加速もスムーズで、不満を感じない。同車には3.5LV6仕様もあるが、高速道路などのより速い領域になれば、エンジンが強力なほどより快適性が高まる。
荷室

収納の深さとスライド機構は使える
日常的に3列シートを使う家庭は多くないため、3列目収納時の荷室の広さ、そしてその形状は、重要なポイントだ。エルグランドは背もたれを前方へ倒すタイプで、元からの収納部分とシートバックが平らになることはない。ただ収納部は深いので、ゴルフバッグを立てて収納可能。また、3列目が前後スライドできることは美点だ。
ドア開口部
ドア開口部
スペースは広いが足もとは注意が必要
ボディが大きい分後席スライドドアの開口部も広めになっている。特に高さは十分あるので、背の高い大人でも乗りやすい。ただし、地面からステップまでの高さは、たとえばライバルのオデッセイなどと比べるとそれほど低くない。大人が乗るなら問題ないが、子どもや老人を乗せる人なら注意したいポイントだ。
車高の高さ

フロントは車止めに当たってしまう
地面からボディ最下端までの距離があまり低過ぎると運転に気を使うことになり、快適性という意味では悪くなる。コンビニなどの車止めは、その多くが90から130mm程度。このエルグランド・オーテックは、バンパーにエアロパーツが取り付けられていて70mmだった。もちろん、後方から駐車すれば問題はない。
乗り心地の快適楽! シート&サスペンションの“快適”を考える
昔からクルマの快適性の指標として「乗り心地」が挙げられる。それを左右する2大要素としてはサスペンションとシートがあるが、いったいどんなサスとシートが理想の乗り心地を実現するのか、クルマのプロに話を聞いてみた。
プロが解説!プロが解説!
プロが解説!プロが解説!
自動車評論家 清水草一さん
執筆歴がすでに四半世紀を超えるベテラン評論家。これまで乗り心地の悪い古めのフェラーリからハイドロサスのシトロエンまで、さまざまな愛車を乗り継いできた。
理想的な乗り心地は しなやかスポーティ
思えば80年代までは、「乗り心地のいいクルマ」とは、サスペンションもシートもフワフワなクルマのことを指していた。その代表が、当時のクラウンやセドリック/グロリアといった国産高級セダンたちだ。
しかし、フッカフカのいわゆる「お姫様ベッド」は、体の一部が沈み込み過ぎて、かえって寝心地が悪くなる。もちろん硬ければいいというものでもなく、硬過ぎれば体の一部に体重が集中し、その部位が痛くなる。
ベストなマットレスは、体をしっかり支える適度な硬さを持ちつつ、体にフィットしてくれるような、低反発でしかも体圧を分散させてくれるものだといわれるが、クルマの乗り心地にも、ほぼ同じことがいえる。
フワフワ過ぎるクルマは、フワフワゆえに揺れが大きくなる。路面が平滑ならいいけれど、ちょっとした凸凹でブワンブワンと船のように揺れて快適性が損なわれる。もちろんスポーツドライビングにはまったく不向きだ。
逆に硬過ぎれば、これまた路面が平滑なら許せるが、ちょっとした凸凹でガツンガツンと突き上げが来て耐えられない。
そこで、近年の理想的な乗り心地は、「しなやかスポーティ系」といわれている。
しなやかスポーティとは、微小な凸凹はしなやかに吸収しつつ、踏ん張るべきときはしっかり踏ん張るという、理想的なマットレスのようなサスペンションのこと。これはサスペンションだけで実現することはできず、ボディとのマッチングもしっかり熟成させねばならない。
基本的には、ボディはガッチリ剛性が高いほうが、サスペンションを計算どおり動かしやすいので、ガッチリボディとしなやかスポーティなサスペンションの組み合わせがベスト! ということになる。
では具体的にどんなサスペンションがいいのかといえば、やはり電子制御系のハイテクサスが性能を出しやすい。メルセデスの「マジックボディコントロール」のように、事前にカメラで路面の凸凹を検知してサスペンションが待ち構えれば完璧だ。
しかし、そこまでやるにはコストがかかるし、普通のサスペンションでも、理想に近いところまでは実現できる。それはカタログスペック的に「これだ!」といえるものではなく、メーカーの経験値や哲学にかかっている。ぶっちゃけ、乗ってみなきゃわからないってこと。だからクルマを買うときは、多少なりとも試乗しましょう。
シートもまったく同じ。かつて、日本車のシートは腰のないフニャフニャ系で、ドイツ車のシートはガッチリ硬めというのが定番だったが、シートもマットレスやサスペンション同様、しなやかスポーティがベストだ。やさしく、そしてしっかり包み込んでくれるシートほど、疲れが少なく快適だ。形状としては、適度に体(特に腰)をホールドする、表面はソフトでコシのあるセミバケットタイプがベストだろう。こちらも座って確認してみてくださいネ!
時代とともにホイールが大径化している一方、サスペンション性能も向上してきた。小型車でも15から16インチはあるが、ホイールが大きいからといって、乗り心地が悪いとは言い切れない。
最近は、日本車のシートも進化した。乗り心地がいいだけでなく、コーナーでの踏ん張りが利くかどうかもポイントだ。バケットシートはスポーツカー向けの装備だが、長距離走行時の疲れは少ない。
ジャンル別で考える 車内×快適×日本の名車カタログ
“乗車している人、すべてが心地よく過ごせる”ことが、快適性に秀でたクルマを選ぶポイントとなる。これを前提としながら、相場も考慮してジャンルや車種ごとに快適性に満足できるクルマをクローズアップしたので、車種選択時の参考にしてほしい。
コンパクトカー
車内の余裕が快適性に大きく影響する
コンパクトカーは概して開発コストが抑えられているため、他ジャンルに比べるとクルマの快適性を推し量る要素である「NVH(Noise ・Vibration・Harshness)」を制御する部分が簡略化されていることが多い。そのため、走行中のノイズや振動については多少の妥協が必要となる。購入時に見るべきポイントは、ボディサイズが小さくても車内のスペースが十分に確保されているか。特に後席の頭上と足もとのスペースは、長時間のドライブにおける快適性に大きく影響するのでしっかりとチェックしたい。
[ホンダ]フィット(先代型)
中古車中心相場 40万から130万円
扱いやすいコンパクトなボディサイズながら、車内は大人4名がゆったりと乗車できる空間を確保。ファミリーユースにも適した万能モデルだ。
足もとは十分なゆとりが確保され、楽な姿勢が維持できる。長距離移動でも疲労が少ない。
[スバル]インプレッサスポーツ(現行型)
中古車中心相場 100万から220万円
不快な振動や騒音を抑えて走りの質感を高め、ドライバーには爽快感を、同乗者には揺れの少ない心地いいフィーリングを提供してくれる。
シートは座り心地がよく、滑らかな触感の表皮を採用することにより心地よさをもたらす。
[スズキ]ソリオ(先代型)
中古車中心相場 50万から170万円
室内が広く、両側スライドドアの採用によって乗り降りがしやすく、利便性にも秀でている。ミニバン的に使え、実用車として高い能力を持つ。
前後、左右の乗員間距離をしっかりと確保することで、小型でも窮屈に感じることはない。
セダン
心地いい移動を提供する装備と機能が充実
セダンは低重心なボディを生かし、振動や揺れを感じにくい安定した乗り心地を実現している。これが快適性という点における大きなメリットのひとつに挙げられる。居住スペースとトランクルームが分離されたボディ構造によって、リアまわりから発生する走行音が車内に侵入することを抑えられるので、優れた静粛性を手にできるのも利点だ。車内には座り心地のいいシートが備わり、車種によってはシートヒーターや助手席オットマンが採用されるなど、心地いい移動空間とするための機能や装備が充実している。
[トヨタ]セルシオ(最終型)
中古車中心相場 30万から140万円
高級サルーンに必須となる快適性や静粛性はもとより動力性能や安全性能、内外装の質感は、年数を経てもまるで色あせていない。
V型8気筒4.3Lエンジンは、力強い特性を発揮しながら、振動やノイズの少なさが持ち味。
[トヨタ]プリウス(現行型)
中古車中心相場 110万から240万円
ハイブリッドシステムの搭載により30km/L超の低燃費を達成。優れた経済性に注目が集まるが、現行型は快適性もレベルアップが図られている。
モーターを積極的に使い、エンジンの振動や騒音を抑制することで走行中の静粛性も高い。
[マツダ]アテンザセダン(最終型)
中古車中心相場 60万から200万円
ロングホイールベースとしたことで、室内長には余裕がある。足もとはもちろん頭上の空間も広く、後席に人の乗せる機会が多い人に最適だ。
スポーティなハンドリングを追求しながら、しなやかな乗り心地の実現にも注力している。
ミニバン
後席乗員への配慮をしっかりとチェック
居住スペースに余裕があるクルマほど快適性は高い。室内の広さでは、どのジャンルも圧倒するミニバンは、快適なクルマ選びにおいて外せない選択肢となる。ミニバン選びでは、広い車内で快適に過ごすための機能や装備の内容をチェックすることになるが、特に2列、3列目の乗員に対する配慮がしっかりとなされていることが重要だ。また、ボディサイズが大きく、高額な車種ほど快適性は高まる傾向にあるが、中古車ならアルファードやヴェルファイアといったLサイズミニバンも購入候補になり得る。
[トヨタ]アルファード(先代型)
中古車中心相場 60万から190万円
高級ミニバンにふさわしい落ち着いた雰囲気や、車内の居心地のよさが持ち味。最新の機能や装備の充実ぶりにも満足できる。
グレードによって仕様は異なるが、いずれのシートもリラックスした姿勢でくつろげる。
[日産]セレナ(現行型)
中古車中心相場 150万から290万円
広々とした空間が確保された室内は、乗る人が心地いいと感じさせる作り込みがなされている。便利な機能、装備が数多く備わる買い得な選択だ。
充電用のUSBが乗員分用意され、車内には便利な収納スペースも豊富に備わっている。
[ホンダ]オデッセイ(現行型)
中古車中心相場 80万から350万円
大柄で車重も相応に重いが、スポーティな運転感覚が味わえる。シャープな操縦性を実現しながら、乗り心地が犠牲になっていないのも美点だ。
頭上空間や前後の乗員間距離を十分に確保することで、多人数での乗車が快適に行える。
SUV・ワゴン
長距離ドライブの心地よさを重視すべし
SUVやワゴンは、日常的な用途だけでなくレジャーで使うことを想定して選ばれることが多い。荷室の使い勝手をはじめとした実用性に着目しつつ、家族や友人を乗せたときのことを想定してロングドライブでの快適性も重視したいところだ。走りの快適性というと乗り心地に注目する人は多いが、動力性能の余裕と正確な操縦性も重要なポイントとなる。こうした能力に秀でたクルマなら、ノイズや不快な揺れを抑えられるからドライバーが気持ちよく運転できるうえに、同乗者も心地よく乗っていられるのだ。
[ホンダ]ヴェゼル(先代型)
中古車中心相場 100万から230万円
ボディサイズのわりに車内が広く、実用性も優秀だ。運転のしやすさとスポーティ感覚を備えたSUVとして幅広い層から支持されている。
シートの座面長が上級セダンと同等のサイズとなっているため、快適な座り心地を長時間キープできる。
[トヨタ]ハリアー(先代型)
中古車中心相場 160万から280万円
プレミアムSUVのパイオニアらしく質の高い内外装デザイン、豪華な装備、快適な乗り心地が特徴だ。静粛性は高級サルーンに匹敵する。
舗装路の走りを重視したシャープなハンドリングによって、爽快な運転感覚が味わえる。
[スバル]レヴォーグ(先代型)
中古車中心相場 90万から230万円
重心の低さがもたらすスバル車らしい卓越した走りや、アイサイトをはじめとした先進の運転支援機能によるハイレベルな安全性もメリットだ。
水平対向エンジン特有の重心の低さや重量バランスのよさを生かし、卓越した操縦性を実現。
まとめ

“快適さ”の定義がクルマ選びを充実化する
長い自動車の歴史のなかで、技術の発達とともに、「確実に目的地へ到着する」という黎明期の目的はほぼ確実に達成されるようになった。そして現在、ユーザーからの要望はそれだけでは足りず、「安全に」「より速く」、そして「快適に」といった付加価値が求められるようになった。
特に「快適に」という部分は、安価なモデルや小型車であっても求められていて、それに対してメーカーは、室内スペースの広さや、使い勝手のよさ、走りの余裕などで、答えを示してきた。
では、自分がクルマに求める“快適さ”や“気持ちよさ”とはいったい何か。そこをよく考えてみれば、クルマ選びはさらに充実化するはずだ。
※中古車価格はグーネット 2021年6月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。