車のエンタメ
更新日:2018.11.10 / 掲載日:2017.03.01

ニュル最速を記録!ポルシェ パナメーラがフルモデルチェンジ

文と写真●ユニット・コンパス

 ニュルブルクリンク北コースで「7分38秒」を記録。新型パナメーラの一報は大きな衝撃をもって伝えられた。このタイムは、ラグジュアリーセダン最速となるものだが、それはなんとポルシェ911のレーシーンググレード「GT3(タイプ997)」の記録7分40秒をも抜き去るものだった。

 以来、世界中から熱い視線を集めていた新型パナメーラ。東急プラザ銀座のキリコラウンジで行われた新型発表会は、多くの報道陣で埋め尽くされ、寄せられる大きな期待が感じられた。

 2009年、生粋のスポーツカーブランドであるポルシェが世に送り出した4ドアサルーンは、その優れたパフォーマンスと卓越した実用性、快適性で世界中を驚かせ、人気モデルとしてポジションを確固たるものとする。今回が初めてのフルモデルチェンジとなり、シャシーからエンジン、ミッションなどが、すべて新開発となり、高い完成度とポルシェの強い意気込みが伝わってくる。

 ポルシェの研究開発センターがあるヴァイザッハから来日したシュテファン ウッチ 博士(Dr.Stefan Utsch)は、製品説明を行い、ラグジュアリーセダンにおける「スポーツ化」という課題に対して、ポルシェが独自の運転哲学に忠実に取り組んだことを明らかにした。要点をまとめると以下のとおりとなる。

【デザイン】
 新型は、ホイールベースを30mmほど延長しルーフ高を20mm低くし、セダンのような3ボックスデザインではなく、サイドから眺めるとあたかも「大きなクーペ」のようなフォルムとなり、より優雅さが増している。フロントは、4灯式のデイタイムランニングライトが内蔵されたLEDヘッドライトと低くなったエアインテークが目を引き、フェンダー部分がフードよりも高く盛り上がっていてダイナミックさも増している。リヤまわりでは、新採用の「ライトストリップ」がワイド感を強調し、4灯のブレーキライトを備えたLEDのテールライトが強い存在感を放っている。

【シャシー】
 ボディはアルミニウムをベースとした最先端の複合素材を用いて、大幅な軽量化が進められている。それに加えて、パフォーマンスと快適性を両立する技術が数多く採用されている。ピッチングやロール、ヨーなどを3次元的に分析し、リアルタイムにすべてのシャシーシステムを最適化させる「ポルシェ4D シャシーコントロール」をはじめ、空気容量を60%増加した3チャンバーのエアサスペンション、電子制御ダンパーシステム「PASM(ポルシェ・アクティブ.サスペンション・マネジメント・システム)」やコーナリング中に発生するボディのロールを制御するシステム「PDCC Sport(ポルシェ・ダイナミックシャシー・コントロールシステム)」と、まさにハイテク満載となっている。

【エンジン】
 新型パナメーラに用意されるエンジンは、「3LV6ターボ(パナメーラ/パナメーラ4)」、「2.9LV6ツインターボ(パナメーラ4E-ハイブリッド/パナメーラ4S)」、そして「4.0LV8ツインターボ(パナメーラターボ)」の3タイプで、すべて新設計されたものとなる。低回転域でのトルクが向上し、レスポンスも改善、効率性も高められている。出力は、V6ターボが330馬力/45.9kgm、V6ツインターボが440馬力/56.1kgm、V8ツインターボが550馬力/78.5kgmとなる。
 なお、V6ツインターボのハイブリッドが462馬力/71.4kgmとなる。ポルシェでは、パフォーマンス向上のためにハイブリッドを積極的に採用している

【ミッション】
 完全に新設計された8速PDKは、シフト速度を極限まで短縮して、パワーロスを28%改善している。なお、ハイブリッドモデルを考慮して、電気モーターのスペースが設けられている。


 ラグジュアリーセダンというカテゴリーの中の「スポーツモデル」。セダンの常識を覆したハイパフォーマンスと日常やビジネスシーンでの多様な要求に応える高い機能性は、発表されたニューモデルでは、さらに高いレベルで両立され、パナメーラの存在感は嫌が応にも増すことだろう。


 発表会で、ポルシェジャパン七五三木敏幸(しめぎとしゆき)社長は、ニューモデルに自信を見せつつ、今後ポルシェがデジタル化によってユーザーとプロダクトの関係を密接化していくことを明言、自動運転についても完全否定することはなかった。「世界マーケットの情勢を見極め、対応していかなくては、恐竜のように絶滅してしまう」と語り、今後もポルシェがさらに、変化に向けて積極的に臨んでいく姿勢を明らかにした。

  • 会場となったのは東急プラザ銀座のキリコラウンジ6F。ガラス越しには銀座の景色。

  • ポルシェジャパン株式会社 代表取締役社長 七五三木 敏幸(しめぎ としゆき)氏。

  • プレゼンテーションを行なったポルシェAGのウッチ博士。

  • 新型ポルシェ パナメーラターボ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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