車のエンタメ
更新日:2018.11.11 / 掲載日:2016.10.25
メルセデスへのライバル意識がすごい! アウディUSAの攻めてるCM

ドイツのラグジュアリー3ブランドといえば、アウディ、BMW、メルセデス・ベンツ(50音順)ですよね。比較広告がメジャーなアメリカでは、日本では考えられないCMが制作されているんです。
今回は、アウディUSAのCMを2本ご紹介しましょう。
こちらは、「Progress is Beautiful(進歩は美しい)」というタイトルがつけられた「A4 クワトロ」2009年モデルのCMです。2008年、北京オリンピック開会式の際に初放映されたことからも、アウディ陣営の気合いがハンパなかったことがわかります。

薄暗く、クラシカルな雰囲気の室内。

暖炉も、絵画も、家具も、デコラティブ。アメリカで言えば、田舎のおじいちゃんとおばあちゃんの家……という感じでしょうか。


その室内が、どんどん変化していきます。愛犬も、アフガンハウンドからボーダーコリーに変身!
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カメラが室内をぐるりと一周し終えるころには、リフォームがすっかり終わって明るくモダンなリビングに。


ふとガレージを見ると、停まっているメルセデス・ベンツ「Cクラス」もスッと消えて、A4が!

「モダンなデザインはA4のインテリアに通じるでしょ?」と言わんばかりのこのアングル。メルセデス・ベンツ=オールドファッション、アウディ=モダンファッションというイメージを表現した動画ですが、個人的にはCクラスが合わないってこともないような気がします。
もう1本は、2011年に登場した「A8」のCM、「Goodnight」。1947年にアメリカで初版本が発行されて以来、現在まで世界中で読み継がれているマーガレット・ワイズ・ブラウンのベストセラー絵本『Goodnight Moon(邦題:おやすみなさい おつきさま)』をモチーフにしています。

煌々と窓に明かりが灯った大きなお屋敷。空には満月が輝いています。



屋敷の中へ入って行くと、豪華なごちそうが残ったダイニングからスタートして、次々と部屋を移動しながら、いろんなものに「おやすみなさい」を言っていく構成。ゴージャスな雰囲気をたたえた映像も韻を踏んだナレーションの詩的な美しさも、絵本の世界そのままです。


灯りは、ひとつ、またひとつと消えていきます。

お屋敷全体が眠りにつくよう……。

前庭に停まっていたメルセデス・ベンツ「Sクラス」のフロントライトもターンオフ

先ほどのA4 クワトロ「Progress is Beautiful」とはちがって、メルセデスとアウディがそのまま置き換わる構成ではありませんが、「おやすみなさい、Sクラス」、「おはよう、A8」は時代の移り変わりを印象づけていますよね。
ちなみに、A8「Goodnight」をSクラスのCMとしてつくり替えた非オフィシャルの動画もあります。「おやすみなさい、Sクラス」までは本家のまま、「おはよう、Sクラス」で覚醒。これはこれで成立しちゃうところがすごいです。
いずれも、能力を比較したり、あからさまにメルセデス・ベンツをこきおろしたりしているわけではなく、あくまでもイメージとしてアウディの優位性を物語ったCM。裏を返せば、それだけアウディがメルセデス・ベンツを意識し、高く評価しているということでもあるわけで。ちょっと考えさせられてしまいますね。