車のエンタメ
更新日:2018.11.11 / 掲載日:2016.07.07
ヨーロッパ横断7000kmにメルセデス「W124」でラリーする若者たちが楽しそう!

「クルマで冒険」っていうと「パリ・ダカールラリー」みたいな砂漠を走るようなレースを思い浮かべたくなりますが、ドイツの若者6人の冒険はちょっと違いました。彼ら「チーム・マッドキャップス」が参加したのは、ドイツからオーストリア、スロヴェニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、アルバニア、ギリシャ、トルコを経由してグルジアまで約7000kmを走る「アルゴイ・オリエント・ラリー 2016」。
2006年にはじまったアルゴイ・オリエント・ラリーは、ドイツのアルゴイ州から中東を目指すチャリティラリーで、「本当の冒険ができる最後の大会」とも言われています。その理由は、オリジナリティのあるルール。エントリーできるのは、最低でも20年経過していて、かつそのクルマの中古価格が1111.11ユーロ(約12万5000円 ※2016年6月27日現在の為替レートによる)未満相当の車両に限られるうえ、GPSの使用は禁止(つまりナビゲーションが使えない)、高速道路の使用は不可、その土地の交通ルールは厳守、宿泊費はひとり1泊11.11ユーロ(なんとたったの約1250円!)まで、1日に移動できる距離は最大で666kmまでなど、いろんな制限があるんです。
つまり、文明の利器に頼らず、平凡でクラシカルなクルマと自分たちの力でゴールを目指そう、という、ワクワクしたりドキドキしたりできて、ときにはハラハラしたりイライラすることもある大会なわけです。
チーム・マッドキャップスの冒険の様子をまとめた動画がこちら。スタートからゴールまでの21日間のできごとを約8分30秒にまとめています。

3台のメルセデス・ベンツ「Eクラス(W124型)」でエントリーしてるんですが、もともとは高級乗用車とはいえ最終年式でも1995年式、しかも12万5000円未満相当なんていったら、はっきり言ってもはやボロ車ですよ。ふつうに街乗りするだけでもいつトラブルが発生するか……という状態にちがいありません。そんなクルマでロングドライブ(しかも毎日ほぼ野宿でなんて、冒険中の冒険です。

ナビは使えないので、紙の地図だけが頼り。旅の計画を立てて進みます。

ちゃんと舗装された道路ばかりではなく、ダートも多いルートです。

でも、こんなところを走るのは気持ちよさそーー!

さまざま景観を堪能しながら、W124は進んでいきます。

案の定、故障やトラブルも当たり前。とうぜん専属のメカニックなんていないので、地元の工場にお世話になったり、自分たちでなんとかしたりしながら進みます。ヘッドライトも割れちゃってるし。

マフラーは落っこちちゃうし。

ラジエターがダメになったときには、「スペアパーツとビールを交換してください」ってほかの参加者にお願いしたこともありました。

たいへんなことだらけで快適とは言えない旅だけど、想い出は満載です。

アルゴイ・オリエント・ラリーは、ドイツ本国ではテレビで中継されるほど人気なんだとか。古いクルマを大事にしながら仲間と一緒に冒険する、豊かなクルマ文化。こんな体験ができるって、ちょっぴりうらやましいですね。