車のエンタメ
更新日:2018.11.03 / 掲載日:2016.05.24
リニアモーターカーより2倍以上速い乗り物とは!

電気自動車が実用化されて自動車メーカーのスタンスは変わった。技術の主軸はエンジンからモーターになって、BMWは電気自動車オンリーのサブブランド「BMW i」を起ち上げたし、「テスラモーターズ」のようなベンチャー企業も誕生した。
電気自動車の専業ブランドであるテスラモーターズのCEO、イーロン・マスク氏は電気自動車以外の移動システム構想も持っている。「ハイパーループ」と名付けられた超高速の移動システムで、磁力とエアの力で宙に浮いた状態のボディがチューブのなかを「シュッ!」と飛んでいく。20世紀のSF映画なんかに出てきそうなイメージの乗り物だ。開発自体はテスラではなくて「ハイパーループ・ワン」というベンチャー企業が進めている。
で、そのハイパーループのオープンエア実験が5月11日にアメリカのラスベガスで行われた。鉄鋼製のボディは、約7000ボルトの電流を流したレール上を2.5Gの加速度で突っ走り、あっというまに約186km/hに到達。約4秒の走行実験を成功させている。

実用化時にはチューブのなかの気圧を下げ、最高速度はなんと約1120km/h!となるらしい。日本が開発中のリニアモーターカーの約430km/h、音速の1225km/hと比較すれば、どんだけ速いかわかるだろう。しかも、リニアモーターカーにくらべて省電力で運用できるうえ、既存の高速鉄道よりも費用が安くてすむらしい。日本の感覚でみると東京-福岡を1時間ほどで移動できることになるけれど、アメリカの広大な国土を直線的に移動つなぐことが前提なので、起伏が多い日本に導入できるかどうかは不明。
実用化にはまだ時間がかかるとはいえ、20世紀に思い描いていた「未来」は確実に近づいてきているってこと。10年後の交通事情がどうなっているのか楽しみだ。