故障・修理
更新日:2019.07.23 / 掲載日:2019.07.23
オルタネーターの仕組みと構造とは
電装品は増える一方の今、役割はより重大に
150Aクラスの大容量仕様が増えている
走行時またはエンジン稼働時において、クルマは「電気の自給自足」が完成しているといってもいいだろう。電力供給はバッテリーからではなく(もちろんアイドリング時など、バッテリーの電力を使用するときもある)、オルタネーターの発電によってまかなわれているのだ。
そして、現代のクルマは電装パーツが増える一方で、「便利、快適」はすべて電気が支えているのだ。それを証明するのが、オルタネーターの容量(つまり仕事量)の加速度的増大。今では150Aクラスも珍しくないほど。
オルタネーターは、クランクプーリーと補機駆動ベルト(VまたはVリブドベルト)で繋がっていて、エンジンによって駆動される。クランクプーリーよりもオルタネータープ ーリーのほうが小径になっていて、エンジン回転よりも約2倍に増速されている。
オルタネーターは、低回転域(アイドリング以下)では発電量に乏しく、回転を上げていくと急激に発電能力が上昇する。また、オルタネーター自身も発熱し、高温下では発電能力が低下する。最近の熱の抜けの悪いエンジンルームは決していい環境とは言えず、容量ア ップはその影響もあるのでは…。
プーリーと直結したローターが、ステーターの内側で回転する。内部にはフィン(放熱ファン)も。また、ICレギュレーターも内蔵されるのが一般的だが、発電量をECUが管理するレギュレーターレス仕様も登場している。
発電の仕組みを模式化したのが上の図。「コイルに磁石を近づけたり離したりすると、起電力が生じる」という現象だ。ステーターコイルの内部で磁石を回転させると、コイルに起電力が発生する。オルタ内部には3個のコイルがあり、3本の交流波が生じる(最下図)。