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故障・修理
更新日:2019.02.13 / 掲載日:2019.02.13

スバルサンバーを懐走仕様! 懐走仕様!

SUBARU Sambar  V-KV3[1995]SUBARU Sambar V-KV3[1995]

前号で燃料タンクの取り外しから燃料センサーの検証まで行ったが、修復したはずのセンサーの具合がよろしくなく、発注しておいたパーツが約ひと月半で揃ったので交換および検証。さらに燃料計を刷新するために23歳でお疲れの燃料ポンプも同時に交換した。始動性からアクセルレスポンスまで向上!

 前号で燃料タンクを取り外して、燃料センサーの分解などを行って不具合箇所を修正して戻してみた。なぜかというと、新品部品発注時、パーツは製廃にはなっていないものの、メーカー在庫でもないため、パーツがいつ揃うか分からないという。その間不動車になってしまうのが旧車に属するクルマは一番怖いため、なるべく可動状態に持ち込むべく、燃料センサーの修復を行ったのだ。
 ひとまず満タン表示はしてくれたが、やはり可動ガタが原因なのだろうが、今度はいきなりエンプティを指し、しばらくしたらまた動き出すという不可解な動きになってしまった。そうこうしているうちに燃料もどんどん減ってきてくれたのだが、その頃に「パーツが揃いました」とひと月半ぶりくらいにディーラーから連絡があった。
 今回は接続するゴムホース類もすべてリニューアルして燃料系は安全にしたかった。外したゴムホースがすべてカチカチに硬化していてなんども脱着を繰り返すとヒビやクラックが入る恐れがあったからだ。特に泥カブリの激しい給油口付近はいち早く対策をしておきたかった。
 新品の燃料センサーを早速計測してみると、最低・最高の抵抗値は旧品と変わらないことが判明。だが、稼働させて抵抗値の変化を見ると新品は非常にスムーズで、多少乱暴に振ってみたりしてもテスターの抵抗値にエラーが出ることはなかった。
 興味津々で蓋を開け、内部を観察すると、構造も中身も全く同じだが、抵抗帯のスライダー部分が旧品はかなり減っていて、接触不良を起こしていることが分かった。これは時間をかけて旧品を修理しておけば、やがて製廃になった時に使えるかもしれないので、保存しておこうと思う。
 取り付けなどはバラした工程の逆を行えばいいのだが、タンクに先に取り付けるホース類が新品だと柔軟性があるので非常に作業がやりやすくなる。
 特にタンク後部に伸びるブリーザーホースはタンク装着後の接続になるので、旧品は硬くて差し込めないだろう。 そしてタンク取り付け前の手が入るうちに燃料ポンプまわりの交換をしてしまう。

新品と、装着されていたパーツの細部を比較。トッププレートの刻印など、旧品の汚れを削り落としてみると全く同じ。このパーツはもしかすると歴代サンバー全部同じパーツかもしれない。

ということは仮にトラブルが発生しても安心してパーツ発注ができるということになる。古いサンバーでもパーツが出てくれるのは嬉しい限り。

2.7Ω。抵抗値をテスターで計測してみるが、旧品とほぼ変わらず、満タン時は2.7~4オーム付近。ちょっと触るだけで抵抗値は変化する。

120.6Ω。フロート最下部でカラの状態も旧品と変わらない数値。その間を動かすとエラーは全く出ないので、滑らかに抵抗値が変化する。

旧型の巻線抵抗部分のアップ。スライダーの当たる部分が平らに削れてしまっている。構造的には全く同じだが変色はかなりある。

巻線抵抗の左側がかなり密に巻いてあるのが分かるだろうか。構造的には同じだが、この部分が変色なのか改善なのかは不明だ。

新品も構造は同じだが、メッキの色がかなり違う。常時燃料に漬かっているいる部分なので変色は何で起きたかは分からない。

新品の巻線抵抗部分の左側が巻き方がかなり粗く、上下で比較すると分かりやすいだろう。満タン近い状態の抵抗値変化が少ないはず。

満タン時のフロート位置が燃料タンクのどのくらいになるかを取り付けプレート面から測ってみた。42mmとかなり下にあることが判明。

タンク実装で測ってみるとかなり隙間がある。つまりこれ以上は満タンとなるので、しばらくはF指針位置を維持していることになる。

給油口のパイプはフロントタイヤの後部でむき出しのため、保護を兼ねて塗装。ホース部分は錆びていなかったのでマスキング。

センサー取り付けは5mmのボルト5本でパッキンが均等に潰れるように工具を使わず星形にナットを指で止まるまで締め込んでいく。

旧ホースと新品ではまるで柔軟性が違った。同じように指で潰しても旧品はカチカチで潰れない。こうなるとクラックやヒビが怖い。

ソケットを差し込んでドライバーのように回していき、手の感触で同じトルク感になるように軽く締め込んでいく。

最後に手で握り込むだけの「クッ」で止めるのが無難。ちなみに平均的な5mmボルトの締め付けは4.0N-m。

防水と腐食防止を兼ねてコネクター部分はグリスを塗布。たまたま手持ちの導電系のグリスを使ったが、繋いでからシリコン系が○。

ホースには向きが指定されているものがある。SUBARUは白いペイントが施されていて、これが天を向くように差し込むといい。軟らかいので挿入も簡単。

タンク後部のブリーザーとリターンホースは形が違うので注意。見た目は同じだが5mmと6mmがあるので装着時注意する。品番で確認したい。

タンクの前側は先に防振ゴムとワッシャをのせてからタンクをのせる。落下しやすいので、薄くシリコン系グリスなどを塗布して仮固定するといい。

タンク装着前に燃料ポンプとフィルターを取り外す。ポンプ前側にタンクがないと工具が入りやすい。ここはソケットが使えない。

燃料ポンプとフィルターは繋がった状態で外すといいだろう。全部の位置関係が分かりやすく、組み立て時に参考になる。

燃料フィルターはクリップに挟まっているだけなので引き抜けば外れる。燃料ポンプまわりは先に交換して取り付けてしまう。

燃料タンク取り付け時は先に前側を取り付けステーにのせ、手でタンクを上げながら、センサー類を繋いで、ジャッキで支える。

前側のホースの位置関係はシャシーの上にエア抜き用のホースが出ている。青いウエスで塞いであるのが給油口部分。

タンク前側はゴムとワッシャが落ちないようにしながらドライバーなどを差し込んでボルトが入る位置にタンクのネジ穴を合わせる。

前側の給油口ホースバンドはできるだけ奥まった位置に固定しておかないとガードに当たってしまうので、取り付け時に注意。

タンク後ろ側の2本のホースはタンクを上げた状態でフレームの上側になるように曲げ、反対側から手で引き出すようにするといい。

ブリーザー・リターンホースは接続時、金属ホースも自由配管なのでなかなか入れにくい。わずかに潤滑剤を塗っておくといい。

タンク後ろ側の固定はネジにカラーを差し込んで固定するが忘れてしまうことが多いので、余ったパーツが出ないように注意する。

古い錆だらけの燃料ポンプのゴムマウントはやはりカチカチに硬化していて潰れ、新品のゴムマウントは軟らかい。

IGオンで音が車内で確認できるほどだったが、これだと振動も音も緩和されることは間違いない。

燃料フィルターには取り付け方向があるので注意。分かりやすく着色したが、どちらでも取り付けできるので必ずチェックしておこう。

配管取り付け時は適当に押し込まず、ストップ位置があるので、そこまできちんと押し込んでからクリップ固定するように。

アセンブリーで取り外したので、全く同じような位置に組み立てることでミスを防止できる。しかし23歳の旧品は汚いなぁ。

燃料ポンプのコネクターはカチッと音がするまできちんと差し込むことを忘れないように。

これでタンクに給油してIGオンで待つ。

タンクを固定したら燃料ホースを奥まできっちり差し込んでクリップで固定する。燃料漏れは火災の恐れがあるのでしっかり確認!

これはGSで満タン直後に撮影したが、この後Fを超えるところまで指針は上がった。あとはスムーズに動いてくれることを祈るばかりだ。

23歳の燃料ポンプとフィルターは相当くたびれていた様子

 23年間で約18万キロを走行しているKV嬢だが、その間常に燃料をキャブレターに送り続けていたと思われる燃料ポンプ。目視できる場所にあるので、我が家にKVがやってきた時にはすでに真っ赤な錆だらけの状態。内部は見えないが多分新車装着されていたものと思われる。その手前に付く燃料フィルターは、もしかしたら交換されているかもしれないが、樹脂の部分が燃料色に着色?されてしまっているから、これも古いことは確実。
09513E165 HOSE BRTH
09513D155 HOSE RET
42075TA220 HOSE AIR VENT
42075TA070 HOSE TANK-FILTER
42075TA240 HOSE FILLER
42075TA430 HOSE PUMP-PIPE
42075TA440 HOSE FIL-PUMP
42072KA020 FILTER ASSY FUEL
85111TA010 FUEL SENDER
42021TA041 FUEL PUMP ASSY
092311500 CLIP
59130AA000 CLIP
794070240 SCREW RIVET
091748014 HOSE CLAMP
42034TA010 CLIP 20.5
以上が今回発注パーツ。クリップ個数は必要数オーダしてください。
 組み上がってエンジンを始動した時からなにからなにまで変わってしまったと感じた。キャブ車だから変化はないものだと思っていたが、燃圧が上昇したおかげか、アクセルレスポンスがこんなによかったのかと驚いた。高速域でも80km/hからさらに加速が楽になった。




提供元:オートメカニック


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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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