故障・修理
更新日:2020.07.28 / 掲載日:2020.07.28
セリカから大量のサビ! AA63セリカ ラリー車製作プロジェクト

ここ数年、華やかなラリーイベントとして大人気を博しているのがトヨタGRラリーチャレンジ。トヨタの現行車がベースのラリー車両が、参戦車両の主なところなのだが、車両規格にさえ合致していれば旧車や他メーカー車両の参戦も可能。そんなTGRラリーチャレンジに参戦を目論むAA63セリカの製作模様をレポートしています。
2020年シーズンには参戦? できるように作業進行中
本来であれば2019年シーズンに1戦ぐらいは参戦したかったTGRラリーチャレンジですが、現在も肝心の参戦車両はまだオンボロの域を脱しておりません。このペースでの車両製作では、来シーズンの参戦も絵に描いた餅となってしまいます。TGRラリーチャレンジ参戦を目論むRSロゴスでは、2019年シーズンのレース活動が一段落した今こそ、セリカの車両を進めるチャンス!とばかりに急ピッチで作業を進めております。 とはいえ、立ちはだかるのはボディの錆。錆が激しかったリヤセクションの補修こそ、鉄板の切り貼り作業がようやく完了してはいるものの、フロント側に作業範囲を移動すれば、リヤにも負けないほどしっかりと錆びています。今回もボンネットフードを外したついでに、カウルトップ部の樹脂パーツを外してみれば、その下のパネルは錆びて朽ちてしまった部分がほとんどという酷い状態。ワイパーアームの付け根が付くパネルという重要な部分だけに、強度やワイパーの軸部分の位置関係などを考えて再生する必要があるので、かなり面倒な作業となることは容易に想像がつきます。 そんな錆びたボディの補修ばかりが続くこの連載ですが、本来のテーマはラリー参戦車両製作。今回は鉄板の切り貼り作業だけではなく、競技車両製作感を読者のみなさんにアピール(?)すべく、錆の処理がまだまだ山積みという状況を考えるとまだ時期尚早という気もしますが、ロールバーの仮付けも行いました。 雑誌の企画だから、ロールバー用の引抜鋼管を切り出し、ボディ形状に合わせて曲げて……なんていう場面を思い浮かべた方がいたなら、申し訳ありませんが、他車種用の既成品、しかも大中古のロールバーがベースとなります。 完成した姿は、まだ全く想像ができませんが、車内にロールバーが入ると少しは競技車両感が出て来た感じが……。
床が抜けそうだったトランクは 切り貼り作業が完了して 穴のない(←当たり前)な状態に!

ラリー車両に変身を遂げる予定(?)のAA63セリカ。長期間海に近い場所にあった車両だったため、錆により腐ってしまった部分が多数ある。その最たる部分となるのがリヤのトランク内で、トランクの床部分の3方が錆により穴が開いてしまい、その下に設置されている燃料タンクとともに今にも脱落してしまいそうな状態だったのだ。まずはそのトランクまわりを連載当初より補修してきた。前号ではまだその修復が完全に完了していない状況をお伝えしたが、今回RSロゴスに行ってみると、ようやく鉄板の切り貼りが完了していた。ちなみに、いわゆる元の状態に復元するレストア的作業方法ではないので、見た目よりも機能性(今回の場合、スペアタイヤを積める形状と、ラリーに耐えるボディ強度)を重視した仕上がりとなる。ある意味ラリー車らしい仕上がりといえるはず?

強度が必要となる部分(各パネルが合わさったツメの部分)にアングル材を使って仕上げたバックパネル部も、しっかり鉄板で覆われた。

ラリー競技ではスペアタイヤを搭載する必要があるので、鈑金が面倒だったが元々のスペアタイヤの凹みを活かして再生している。

上側はまだ未塗装のままだが、フロア下側は防錆しておかないと、車両をガレージの外に出した時などに錆びるので、ひとまずはサフェーサーを塗布。
競技車両製作レポらしく(?) 車両規定に合致する(?) ロールケージを仮装着してみる

今回の取材に合わせて海老名メカが用意しておいてくれたセリカに装着するロールケージのベース。AA63セリカ用ではなくAE86用の7点式+サイドバーの大中古品。長年レースサービスを行っているロゴスだけに、AE86のレース車両に使っていたロールケージをストックしていたものだそうだ。


「ボディサイズも近いから、中に入ってくれれば、小改造でセリカ用になってくれると思いますよ」と海老名メカ。久保社長とともに、まずはメインバーをインパネまわりを残しドンガラ状態になっている室内に入れる。メインバーが立たないと早速加工が必要となるのだが、無事に車内で立たせることができた。

Bピラーに沿うように……というようなピッタリのフィット感にはさすがにならなかったが、高さ的にはルーフのフレーム部と絶妙なクリアランスで、ロールゲージの重要な役割のひとつとなる乗員保護はクリアとなる形状であることを確認。さすがにフロアの形状は異なるので、取り付け板は要加工となる。

メインバーとともに流用できるか否かを左右する部分がフロントの2点。Aピラーの角度やインパネ形状に合わないと加工が面倒となるのだが、ご覧のようにセリカ用といってもいいぐらいあたり前に装着できてしまった。ここもフロアの取り付け板加工のみでOKそうだ。

リヤパイプはホイールハウスに落ちるタイプだが、AE86用では長過ぎるようでパイプ長を加工しないと装着不可だった。海老名メカによると「ここはパイプを短く加工するだけですから全く問題ないです。小加工でハチロク用を流用できそうですね!」とのこと。
63セリカに合う FRPボンネットって どっかで作って ないんですかね?

錆サビで開閉することさえ 困難なボンネットフードを 何とかせねば……

AE86用のロールケージが比較的簡単な加工のみで使えそうなことが確認できたので、再びボディの錆びた部分との戦いに。まずは袋の部分が激しく錆びてしまっているボンネット。表面はそれほど錆びているようには見えないのだが、内側のフレーム部の錆が激しいため、開閉する時などは強度が保てずボンネット自体が歪んでしまうのだ。社外品のFRPボンネットでもあればそれに代えてしまいたいところだが、いろいろ調べてみたもののFRPボンネットは見当たらない。それなら純正の中古は? と探してみても、あのネットオークションを持ってしても今のところ出てこない。ボンネットだけではなくA63セリカそのものや、その中古パーツがほぼゼロなのだ。そんな状況のため、まずは現在付いているボンネットが再生できるかどうかを確認すべく、ボディから外してみたのだが……。

AA63セリカのボンネットの裏側には、インシュレーターが装着されている。それに覆われている部分の裏骨の状態も気になるので、まずはインシュレーターを取り外し、状態を確認してみることに。

内張りの樹脂クリップを、再利用する予定はないがとりあえず破壊せずに外すべく、内張り剥がし用のツールを用いて取り外そうとするものの、樹脂クリップの経年劣化が激しく、ほとんどが割れてしまった。

全てのクリップを外したところで、ボンネットの裏側を覆っていたインシュレーターを剥がしてみる。インシュレーターで覆われていた部分も錆びてしまっているんだろうと覚悟していたのだが、剥がしてみれば激しく錆びた部分は幸いにもない。激しく錆びているのは前端と後端部のみであった。


前端と後端の裏骨のみが激しく錆びていたわけだが、その部分こそが特に強度が必要となる部分。いうまでもないが前端中央にはロックに組み合わさるフックがあり、後端部の両側にはヒンジの取り付け面があるのだ。どちらも位置を変えずに錆びた部分を切り貼りするのはかなり難易度の高い作業となるはずだ。

AE92用ボンネット 横幅はほぼ同じだが 長さが足りない

他車種用のボンネットを上手く使えないかと、ロールバー同様にロゴスにストックされていた部品を合わせてみることに。まずはAE92用のボンネット、横幅はほぼ同サイズであったが、長さが足りない。

AE86用 ボンネット 横幅も長さも ぜんぜん長さが 足りない

次に取出してきたのはAE86用のカーボンボンネット。サイズさえ合えば、樹脂なので成形はスチールよりもやりやすいはず。期待を込めてセリカに載せてみると、長さも幅も全くの寸足らずで使えそうにない。

リヤまわりがアレじゃフロントが 無事で済んでいるワケないか!?

ボンネットをどうするかはひとまず棚上げ。他に錆の酷い部分がないか探るべくカウルトップの樹脂パーツを外してみると、その下がとんでもないことになっていた。ワイパーの軸部が設置されるパネルなのだが、元の状態を想像できないほどに、潔く(?)錆びて朽ちているのだ。公道で行われるラリーを走る車両だから、ワイパーは機能的にも、そして法令的にも必須な装備。「取り付け部が錆びてなくなったら、付けなくてもいいか?(笑)」なんてワケにはいかないのだ。ちなみにワイパーのリンク類もかなり錆びていたので、分解前に試しにワイパーを動かしてみたのだが、動きはするが軸部は激しくたわむ。果たして再生できるのか?

運転席側のワイパーアームの軸部分。かろうじて軸の位置はキープされているが、周囲はご覧のとおり鉄板が朽ちている。ちなみに写真の上部はフロントウインドウの下端なので、錆びたままではフロントウインドウにも影響が出てしまう。

ワイパーのリンク類が着いたままでは再生作業ができないので、錆びたパネルを壊さないように注意しながら分解。固定しているボルトもご覧のように錆で固着していたのだが、ラスペネを塗布したことで、何とか外すことができた。ワイパーモーターも取り外す。カウルトップ下に溜まった錆をかき集めてバケツに移すと、こんな大量に。ワイパーのリンクまわりの固定が外れたのでリンク類は無事取り外すことができた。



