故障・修理
更新日:2020.03.10 / 掲載日:2020.03.10

バッテリー&オルタネーター完全リフレッシュ 【8】

オルタネーター不良なら交換するしかない リビルト品の利用が現実的!



リビルト オルタネーター

リビルトパーツを利用する場合、外したパーツは次のO/Hベースとして発送先に送り返すのが原則となっているので注意!

新品/リビルトパーツ/中古品の3つの選択肢がある

 オルタネーターの交換が必要となった場合、選択肢は3つある。新品/リビルトパーツ/中古品の3つだ。

 価格は並び順で、新品は7万~8万円と高価。リビルトは新品の半額が相場で、中古は1万円前後と、走行距離が少ない程度のよい物に当たれば中古品が最も安上がり。しかし、リスクを考えればリビルト品の利用がおすすめだ。

 さて、モデル車のモビリオはオルタネーターが奥まった位置にあって脱着時、整備マニュアルでは「インテークマニホールドを外す」となっている。しかし、これだとかなり手間がかかる。

 そこで、EGRバルブをベースのホルダー部ごと外してしまうことにした。細い冷却水ホースが接続されていて、EGRバルブを外すと冷却水が多少漏れるが、補充が必要となるほどではない。インテークマニホールドを外すことに比べればはるかに楽で、組み上げも容易だからだ。

上部に設置されたEGRバルブが邪魔で抜き出せない

EGRバルブがオルタネーターの上に被さるように設置され、上部からはオルタネーターの一部しか見えない。周囲にもオルタネーターを引き出せるだけのクリアランスはないため、このままでは取り出すことができない。

EGRバルブを外して抜き出しルートを確保する

オルタネーターB端子はバッテリーの+端子に直結されているため、作業中のショート防止策として-ターミナルを取り外す。

EGRバルブに接続されたカプラを引き抜く。

カプラホルダーの固定ボルトを外す。

EGRパッセージ(ベースのホルダー部)から分離。

正面側から水平に、上下2か所セットされている。

固定ナットを取り外す。

EGRパッセージごとまっすぐ引き抜く。

そして、作業の邪魔にならない位置に避難させておく。

これでオルタネーターの全景が目視でき、抜き出しも可能となる。

ハーネスホルダーの固定も外しておく

EGRバルブから引き抜いたカプラを横にズラす際、ハーネスがつっぱって引き出せないため。

インテーク前方の取り回しルートにセットされている固定ボルトを外してフリーにしておく。

アジャスターを緩めて外し、駆動ベルトを取り外す

リフトアップして右フロントタイヤを外し、アンダーカバーを取り外す。そして、オルタネーターの一端をエンジンに固定している「固定ボルト」を緩め、アジャストボルトを目一杯緩める。

アジャスターの「ロックボルト」を緩めて外す。

固定ボルトを外してアジャスターAssyを分離する。

オルタネーターをエンジン側に押し込み。

ベルトの張りを緩める。

駆動ベルトを取り外す。

固定ボルトを外し、オルタネーターを抜き出す

ケース端のエンジンに固定している「固定ボルト」を。

引き抜いてオルタネーターをフリーにする。

オルタネーターを両手で挟み込むように持ち

引き上げつつひねって突起面が引っかからずに引き抜けるルートを探る。

最終的にプーリーが真上を向く形にひねり出すことで、抜き出すことができた。

本来ハーネス類は抜き出す前に外すが、カプラーのロックが解除できなかったため引き出してから分離することにした。

B端子コードを取り外し、ロック爪を押し込みつつカプラーを引き抜く

モデル車はB端子のナットが固着して緩まなかった。

しかも、グッと力を入れたら、ねじ切れてしまった。ベースの固定ナットを支えつつ外すべきだったが後の祭り。

リビルトを用意しておいてよかった。

カプラーのロック爪を押し込みながらまっすぐ引き抜く。これで取り外し完了。

型番が合っているか確認後、組み付ける

コーションラベルをチェックして念のため型番が合っているか確認。リビルト品と見比べてブラケットの取り回しが合っているか確認する。

カチッとロックがかかるまでカプラを確実にはめ込む。

B端子ケーブルを組み付け、ナットを締めて固定する。

引き抜いた時の逆のルートではめ込み。

定位置に組み付ける。

固定ボルトを仮締めし、アジャスターを組み付ける

オルタネーターを上下させて固定穴位置を合わせ、「固定ボルト」をはめ込む。

そして、軽く回る程度に仮締めする。アジャスターAssyを元通り組み付ける。

なお、この段階ではボルト類は軽く緩められる程度の仮締めに留めておく。

駆動ベルトを組み付ける

取り回しルートに注意して。

新品ベルト(外したベルトを利用する場合、外す前に回転方向を記入しておき、同じ回転方向になるよう組み付ける)を組み付ける。

オルタネーターのプーリーへは回転方向に回した時に引き込まれる方向に駆動ベルトを引っかけ。

クランクを回してはめ込む。

たわみ量が規定値になるよう調整する

アジャストボルトを締め込んでベルトの張りを調整する。

なお、調整にはベルト周波数チェッカーを利用。

基準値のベルト押力10kgfで5mmに調整した状態における測定値、274Hzに設定した。

しっかり固定し、外したパーツを組み付ける

調整が完了したらアジャスターの「ロックボルト」を締め込んでロック。

「固定ボルト」をキッチリ緩め込んでオルタネーターを固定する。

EGRバルブを元通り組み付け。

カプラを接続してカプラホルダーを固定。

アンダーカバーを元通り組み付け、タイヤを取り付けて完了だ。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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