故障・修理
更新日:2020.05.08 / 掲載日:2020.05.08
AA63セリカ ラリー車制作プロジェクト
かつて大人気を博したWRCのカテゴリーであるグループB。その参戦用マシンとしてトヨタが選んだのが、最後のFRとなったA60系セリカだ。そんなA60系セリカをベースにラリー車を製作し、GAZOOラリーチャレンジ参戦を目論んでいる。しかしベースとして見つけてきたセリカがあまりに錆び過ぎていて、作業は難航中。
サーキットでセリカの記事見てると言われることも!
前号お休みをいただいてしまった、この連載ページ。その仕掛人であり、作業を行っているRSロゴスの代表、久保さんに電話するも、「ごめんなん!ちょっとレースでドタバタしてて」という話しか返ってこない。これは連載をお休みするしかないなと、前回は休載とさせていただいたのだ。
そして今回。久保さんに電話すると「9月半ばになればやっと落ち着くはずです」というお答えが。とりあえずこれまでに少しずつ進めていてくれたであろう作業箇所だけでも撮影させてもらおうと、9月半ばにあきる野にあるRSロゴスにお邪魔した。
ガレージに到着すると、海老名メカが埃が厚く積もったセリカのボディを拭いている最中。ガレージの最深部に放置したまま、レースの方が忙しくて、作業を進められなかったという話を聞く……。
実際にセリカに目を移すと、確かに何も変わっていない(正確には微妙に作業が進んでいるところはあるが……)。ページ担当の予想としては、トランク内やバックパネルなどは少なくとも穴が埋まるぐらいは作業が進んでいるだろうと思っていたのだが、まだまだパックリと口を開けている。
「もっと作業を進めてられると思っていたんですけど、ちょうど鉄板が無くなって、材料屋さんに頼んだんですけど、納品が遅れて、待ってる間にレースの方が忙しくなってしまったんですよね」という海老名さん。
「ホントにごめんなさい! やっと落ち着いたんで、これからセリカを急ピッチで進めますよ。サーキットでもAM誌を読んでくれている方に『あのセリカ、ホントに直るの?』なんてお声掛けしてもらっていたりもするので、このシーズンオフの間にしっかり作業を進めます」という久保さん。
セリカを製作するRSロゴスはモータースポーツのメンテナンスガレージ。さまざまなレースカテゴリーのレースに参戦するドライバーをサポートしているわけだが、その中のひとつが大人気を誇る86レースだ。ロゴスからは3台が参戦している。今シーズンはシーズン前から新型車両への変更などがあり、86レース車両に掛かる時間が増大していたそうだが、さらには練習走行中にクラッシュしてしまい、レースまでに突貫工事で車両を鈑金するなんていう突発的なアクシデントも発生したそうだ。そんなわけで9月半ばにようやく全日程を終了したのだが、今シーズンは86レースに振り回されるシーズンとなったようだ。
間違い探しレベルの超微妙な違いですが作業は進んでます
レースでドタバタしていると聞いてはいたが、海老名メカが暇を見つけて作業しているはずなので、そこそこ進んでいるはずと思っていたが甘かった。ガレージの一番奥に放置されていたようで、外観上の進歩はバックプレートの錆穴が埋まっていたのみ。
ガレージの奥に追いやられて半年放置されたセリカはガッツリ埃が積もっていた
コクピットもシートやカーペットが外され ドンガラ状態に!!
車内の錆穴も(クォーターウインドウ下)鉄板の切り貼りで 錆穴補修済み
室内に目を移すと、以前は付いていた内装の部品が取り外されていた。キャビン内の腐食穴の切り貼り作業を行うのに、内装が付いたままでは火災が発生してしまうので、シートやカーペットを剥がしたそうだ。
大穴が埋まっているところもあったが、要作業箇所はまだ多数あり。
まだ埋めてない錆穴もあるんですけどね
久々にガレージ奥から引っ張り出して来られたセリカ。「海老名メカが本腰を入れて作業しましょうかね!」と言ってくれているので次回の号ではそこそこ作業が進んでくれているはず。
ロゴスにご来場のみなさんからは相変わらずの人気!
作業開始時からしたら随分とまともになってきたのだが、このセリカでラリーに出るといったら、とても信じられない!という表情で驚かれてました。
ヴィッツレース用のフロントウインドウの撥ね石修理にきていた業者さん。