故障・修理
更新日:2021.02.20 / 掲載日:2021.02.20
オルタネータ交換 スバルサンバーを懐走仕様!2
リビルドと破損したものを多方面から見比べると、どこから見ても三菱電機の製品のようだ。内部まで徹底洗浄して、ケースなどの主要部品を交換することなく、ダメージを負った部品や消耗品を交換して組み立ててあるのがリビルド品。要するにほぼ新品なのだ。唯一の違いはラベルで、信越電装のオルタネータ番号が記載されたものが貼られている。これで約半額以下なのだから、当然リビルドを使うよね。捨てずに使うのはエコなのだ。
オルタネータの交換作業はいたって簡単。サンバーはボルト2本とベルト脱着だけというもの。1時間もあれば余裕だ。
今回オルタネータ購入にあたり、当然純正パーツは驚くほど高額(7~8万円)なのでリビルドを使うことにする。筐体などのパーツはそのまま洗浄して使用し、破損消耗した部分だけを交換して「準新品」と言えるのがリビルドである。海外リビルド格安品も出回っているので、信頼できるメーカーを検索していたら1967年創業の老舗、信越電装がなんとLINEで購入できるという現代的な対応をしていることがわかった。シャインというブランドは多くの整備工場などでも定評があり、純国産リビルドなので安心できる。
早速LINEでお友達登録をして、車体番号など必要なデータを送ると、在庫ありで価格表示されて返信がきた。格安リビルドが横行しているので、ちょっと高めに感じるかもしれないが、それでも純正の半額程度である。 OKを出すと伝票の写真が送られてきて、翌日代引きで現物が送られてきた。
使用済みの本体は2週間をめどに返却の旨があり、同梱されている伝票を送られてきた箱に貼り直せばOKだ。
同梱されたリビルドオルタネータは見た目は新品で、性能を証明するデータが本体に縛り付けられているので安心。さらに保証書が添付されていて、2年または4万キロ(どちらか早い方)という、格安リビルドにはない安心が得られる。
18万キロ走ったオルタネータはコア返却なので全バラにしなかったが、発電機本体よりも内蔵ICレギュレータの寿命だろう。発電機のブラシ消耗などの場合チャージランプの点灯/消灯が不定期にあったりするが、点灯のままだったのでそう判断。さあ、これであと18万キロイケる!
返送する前に内部がどうなっているか一応検証してみようと思う。プーリーを外し、外側の貫通ボルト(4本)を外すと分解できる。
両側のカバーを外すと回転子が取り出せる。発電機自体は交流で、レクチファイヤーで直流化後レギュレータで安定させている。
カバーにあるベアリングは回転もスムーズ。封入グリースによる抵抗もあり、ゴロゴロした感触はなく、前後共良好だった。
電気を取り出すブラシが当たるコンミュテータ部分の銅板も激しい段差はなく、若干片側が黒ずんでいるものの、問題はない。
ブラシ側のベアリングも回転はスムーズでゴロツキもない。18万キロを支えた耐久性は驚きを超えて恐ろしくさえある……。
038と書かれた部分がブラシで電気を取り出している部分。これが奥まで引っ込んで回転子と接触。まだまだ使えるほど残りはある。
ベアリング部分や内部を分解してみようと思ったが、ガッツリ固着していた。ドライバーではナメそうで、返送もあるのでそのままに。
オルタネータハンガーはワイヤーブラシで錆を落とした後、洗浄してシャシーブラックで塗装。ディーラーではやってくれない作業だ。
ハンガーのエンジンに接触する部分はマイナス端子でもあるので導通確保のために必ず塗装を剥がしておく。
まだ錆が残ってる!
制御端子のカプラーはOリング仕様。防水対策のためにシリコングリースを多めに塗って水侵入からの端子腐食を防止する。
取り外しの逆手順で装着して、ベルトのテンションをかけていく。バールの先端向きはこれが正解で、ちょっと起こしにくい。
装着したら出力端子を固定してカプラーをはめ込み、各部の固定を目視確認してバッテリー端子を接続すれば完成である。
アイドリング状態で出力端子とアース間で電圧測定は14.75V。チャージランプはもちろん消灯。これでまだまだ絶滅しなくて済む!