カー!といえばグーネットピット

無料整備工場検索&予約アプリ

グーネットピットアプリ

故障・修理
更新日:2021.11.25 / 掲載日:2021.11.25

農道ポルシェ、SUBARUサンバーを快走仕様「シート座面 張替えで快適&新品同様に 1」

■ Photo&Text Masahiro Kan  ■ 協力 星野自動車内張製作所 0463-22-2861 http://www.hoshinoseat.com
 走り出して四半世紀が経った我がサンバー。走行距離も18万キロ。7000キロ弱@年という数字だ。その時間はドライバーが乗っているわけで、安普請なシートは当然のごとくヘタリも激しい。ドラポジをとってみるとワンボックスの欠点であるドア側の沈み込みが激しい。ギャップを超えると尻は容赦無くボディへ叩きつけられる煎餅座布団状態。なんとかしたい

ついに座面をリフレッシュ!アンコ増し&表皮張替えだっ

 前号で色々シート交換をしてみてわかったことだが、純正シートの造りはサンバーに関してだけ言えば非常にシンプルな設計になっているということ。タイヤハウスの真上にシートがあり、フロントストラットサスペンションの固定軸も同じ位置にあるため、路面からの衝撃は容赦無く伝わってくる。

 タイヤハウスの真上にはシートレールと、座面を低く抑えたシートがあるだけで、これで車を成立させているところに驚愕するのだ。設計時の社内基準も当然加味されるが、例えば赤帽車両が長期間にわたって使われ、長距離走行を苦もなくこなしているということには感心する。

 ただ、軽自動車というコストダウンの産物であることには間違いなく、耐久性の面ではどこまで計算されているのかは不明だ。

 KVくんは1995モデルだから、26年という長い月日をかけて、18万キロを走破している個体だ。乗り降りによるシート座面の肩部分には荷重がかかり、潰されることで、内部ウレタンが痩せ、シート表皮のビニールレザーにも綺麗にクラックが入っている。

 ドラポジというのは非常に大切で、運転ポジションにドライバーがついた時、前後左右位置は当然のことながら、体の傾きにもかなり影響を及ぼす。腰椎が正面から見てS字状に曲がっているわけで、1時間以上の走行であれば体に負担がかかり、それが疲労につながることになる。

 シート交換を諦め、シート修復という手段は旧車にはつきもの。オリジナル形状を維持することもまた大切と思い、前号で紹介した星野内張製作所の門戸を叩いた。

 星野内張製作所さんではサンバークラスの座面張替え程度であれば実作業は半日もかからないというが、今回はプロセス」を紹介していただいて、DIYでも「時間をかければできる風味」にしてみた。

 ポイントは2点ある。座面をどの程度きっちり修復できるか、表皮の型紙と可能な限りのパーツ流用である。

 特に座面は金属パーツのヘタリをどうやってカバーしていくかに尽きる。どうしても長
年の使用でスプリングや金属プレートは伸びてしまうので、それを硬さの違うウレタンなどを駆使して調節するわけだ。

表皮パーツは型紙の正確さと流用部分の選択が重要だ

 純正パーツは全ては入手できないので、現状のパーツを修繕することから始める。内部のウレタンはかなり劣化していて、触るだけでボロボロ崩れていったり、弾力がなくなっていたりする部分があった。

 崩れてしまうようなところはある程度中身が出てくるまで削り込んで、そこに新たにウレタンを貼り、整形して形状を合わせたりしていく作業になる。

 座面のスプリングなどの伸びは修正するには溶接作業になるが、それをやらずに座面の反力を得ることも可能だ。座面ウレタンと金属部分のスキマに厚手のフェルトシートを貼り込んで硬度を出しながら、何度も着座を繰り返して納得いくように追い込んでいく。

 座面前側にあった金属プレートの部分にフェルトを足しながら着座して、足の角度をその都度確認。これは表皮を張った後の座面のハリにも直結するので、十分に納得できるまで、調整することが大切だ。

 シート表皮は全てのパーツを分解していき、合わせのポイントになる部分にはマーキングを忘れないこと。穴の開いた部分は形状が崩れているので、型紙にするためにマスキングテープで継ぎ足したりすることもワザのひとつ。

 また、分解したパーツで、シート表面に出ない樹脂パーツなどは上手に流用することも重要なのだという。

 表皮の合わせ部分に入るパイピングは、先にパイピングにする材料(今回はサイド部分の表皮)を二つ折りにして、縫い合わせておくことで、表皮の厚みを利用したパイピングエッジができあがる。

 ミシンは当然工業用を使用されていたが、厚手の生地が縫えるものなら修復できるとも。自分ではちょっと自信がないというユーザーは星野自動車内張製作所さんで受け付けてくれるが、DIYも楽しいぞ!

今回お世話になったのは「株式会社星野自動車内張製作所」

関東地区では最も古いと言われる70年以上の歴史を持った自動車内張修復の専門業者さん。車の内装やシートで疑問があったらなんでも問い合わせてみるといいだろう。


●株式会社星野自動車内張製作所 
神奈川県平塚市中堂17-20 Phone 0463-22-2861


この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ