故障・修理
更新日:2023.07.28 / 掲載日:2023.07.28

360cc軽自動車『電動エアコン化』大作戦【16】

エンジンルームに余裕がなく、後付けエアコンを装着するのが困難だった360cc軽自動車に電動コンプレッサーのエアコンを装着するプロジェクト。小型のコンデンサーも手に入って準備万端。いよいよライフ360に涼しい風が!

●文&写真:橘 祐一

装着するのは「1972年式ホンダ・ライフ360」

ホンダ初の軽乗用車N360の後継車種として1971年に発売されたモデル。新開発のオールアルミエンジンはバランサーシャフトを組み込んで静粛性を向上し、軽量化のためにタイミングベルトを日本で初めて採用。大人4人が乗れる軽自動車として大ヒットとなった。

このクーラーキットを取り付ける!

自動車用LEDのCRUIZEブランドを展開する(株)ハートネット(https://www.heartnet.info)から販売される電動コンプレッサー式クーラーキットは、エアコンホースを自由な長さにカットしてフィッティングを作ることができる。必要なパーツは全てセットで価格は¥198,000。車種に合わせてパーツの変更が可能。

快適なマイカーに華麗に変身!大満足!

 今回装着した電動エアコンキットの大きな特徴が、エアコンホースの長さを自由にカットできて特殊な工具不要でフィッティングできることなのは何度もご紹介した通り。

 このライフ360も水抜きのドレン穴からコンデンサーへホースを通しているので、機器を固定するための穴以外、ボディに大きな加工は一切していない。貴重な旧車でも安心して取り付けられる。

 とはいえ、行き当たりばったりで取り付けているので途中困難な部分があったものの、無事に装着が完了。

 ガスを充填して動作させると、ものの数分で吹き出し口付近は0.7℃に! この日の外気温は28℃だったが、室内の中央付近で19.1℃まで下がっていた。超快適!

●ダクトタイプのエバポレーターは吹き出し口が4カ所。内側2カ所はキャップで塞いで、両サイドにダクトホースを取り付けて、リヤボードの通気口に取り付けた。スペアタイヤも元通り積むことができた。
●配管、配線が完了したらマニホールドゲージを取り付け、真空ポンプをつないで約1時間真空引きをした。ポンプを止めても0気圧を保っていればOK。

●使用するガスは一般的なカーエアコンと同じHFC-134aを使用する。まずはエアコンユニットを起動させずに、ガスを注入していく。

●レシーバータンクの上にあるサイトグラスが上から覗けないので、鏡を使って観察。泡が少なくなったらカスの注入完了。600g少々入った。
●カス注入時にはエアコンの能力を最大にするのだが、発電量が足りずにしばしはストップするので、別のクルマから電源をとって作業を行なった。
オプションの電流コントローラーを取り付けているので出力をコントロールできる。ランプ3個で最大。
最大で動かすと吹き出し口付近は0.7℃まで下がった。
出力は最小にしておけば65Aのオルタネーターでも問題なく動作する。
出力最小でも吹き出し口付近は7.9℃。これでも十分に涼しい。ただ、ハイパワーで連続使用するには現状のオルタネーターでは出力が足りない。同形状で95Aの強化型オルタネーターも存在しているので、いずれはこちらに交換するのが良さそう。
●エバポレーターのファンや出力調整のボリュームスイッチは、100均で買ったプラスチックのボックスに収納した。ただ、吹き出し口の前は邪魔かも。
●コンデンサーは跳ね石などで破損するのは嫌なので、バーベキュー用の網とメッシュのネットを加工してグリルガードを製作。夏でも乗れる旧車完成!
●憧れの「冷房車」ステッカーも貼ってみた!
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