パーツ取付・交換
更新日:2024.05.23 / 掲載日:2024.05.08
車高調をエアサス化する方法|メリットやデメリットもわかりやすく解説
車高を簡単に調整したい……車高調の場合、車高を変えるにはジャッキアップやタイヤを外すなどの手間な作業が必要なため、車高を簡単に上げ下げできるエアサス化を検討している人は多いでしょう。
この記事では、車高調をエアサス化する方法をご紹介します。メリットとデメリットも解説していますので、エアサス化を検討している人はぜひご覧ください。
1.そもそも車高調とエアサスの違いとは……
車高調とエアサスは、どちらも車高を調整できるサスペンションのことです。
車高調は、スプリング下にある受け皿やブラケットを上下させることで、車高を調整します。車高を調整するには、車体をジャッキアップし、タイヤを取り外す必要があります。
一方、エアサスは、スプリングの代わりに装着されているエアバッグの空気圧を調整することで車高を変えられます。リモコンなどを使い、車高を変えられるため、ジャッキアップなどの作業は不要です。
2.車高調をエアサス化する方法
車高調をエアサス化する方法をご紹介します。
ただし、エアサス化の作業にはメンテナンスに関する知識や技術、複数の道具が必要となる専門的な作業です。安全運転にも大きな影響を与えるため、整備士並みの知識がない人は専門業者に依頼することをおすすめします。
(1)必要な道具
エアサス化に必要な道具は以下のとおりです。
・エアサスキット(エアバック・エアタンク・エアコンプレッサーなど)
・ジャッキアップ、ジャッキスタンド
・レンチ
・結束バンドやケーブルクリップ
・内張りはがし
・コルゲートチューブ(配線保護のためのチューブ)
これら以外に道具が必要な場合もあります。事前に取扱説明書を確認し、必要な道具を準備しましょう。
(2)エアサス化する手順
エアサス化する手順をご紹介します。なお、エアサスキットによって細かな手順は異なるため、実際に作業する際は取扱説明書を確認しながら作業しましょう。
①車を持ち上げる
安全に作業できるよう、平坦な場所でエンジンを停止させましょう。
車高調を取り外すには車からタイヤを取り外す必要があるため、ジャッキアップし、ジャッキスタンドで車体を支えます。
ジャッキアップ前にレンチなどでホイールナットを少し緩めておくと、ジャッキアップ後にタイヤが取り外しやすくなります。
②タイヤを取り外す
先ほど緩めておいたホイールナットを完全に外し、タイヤを取り外します。
タイヤが車体に当たらないように注意しながら取り外し、作業の邪魔にならない安全な場所に置きましょう。
③フロント側の車高調を取り外す
車高調につけられているスプリングをエアバッグに代えるため、車高調を取り外しましょう。
フロント側の車高調はアッパーマウントのナット3本(上)、ロアブラケットの取り付けボルトとナット2本(下)で装着されています。車種によっては、スタビライザーやブレーキホースの取り付けナットやボルトを外す必要があります。
まずは、アッパーマウントのナット3本を緩めましょう。完全に外すと、下側のナットを外す際に、車高調が落下してしまいます。
次に、ロアブラケットの取り付けボルトとナット2本を取り外してください。もし、スタビライザーやブレーキホースが車高調に取り付いている場合は、それらのボルトなども一緒に外す必要があります。
車高調が落下しないように押さえながら、アッパーマウントのナット3本を完全に外して車高調を取り外します。
④リア側の車高調を取り外す
一般的に、リア側の車高調はアッパーマウント側でナット2本(上)、ロアブラケットの取り付けボルト1本で装着されています。
まず、ロアブラケット側の取り付けボルトを外しましょう。長いボルトとナットでアームと固定されている場合は、ナット側を緩めてください。
車高調が落下しないように押さえながら、アッパーマウント側のナットを外し、車高調を取り外しましょう。
なお、フロント側とリア側の車高調を取り外す順番は、どちらからでも問題ありません。
⑤エアサスキットを取り付ける
車体から車高調が外れたら、取扱説明書をもとにエアサスキットを取り付けましょう。
エアサスキットを取り付けたら、車高調を取り外した際の逆の手順で再度取り付けます。
車高調を取り付ける際はナットとボルトを仮締めしておき、最後にすべてのナットとボルトを規定の締め付けトルクで締め付けてください。
⑥トランクの内張りを剥がす
トランクにエアタンクとエアコンプレッサーを設置するため、トランクの内張りを剥がします。強い力で剥がすと破れてしまう恐れがあるため、内張り剥がしを使い、丁寧に剥がしましょう。
内張りを剥がしたら、エアタンクとエアコンプレッサーを設置します。
⑦トランクに配線する
各サスペンションからトランクに向かって、車体の下を這わせてエアホースを取り回していきます。取り回す際は、ホース保護のためコルゲートチューブをつけておきましょう。
基本、車体下から室内へ別の配線をとおしている部分があるため、その配線を利用して車内にとおします。
配線が完了したら、内張りを再度取り付けましょう。
⑧タイヤを取り付ける
最後にタイヤを取り付けたら、ジャッキアップを解除し、ホイールを規定トルクで締め付けましょう。
購入した商品により初期設定が異なるため、説明書に従って初期設定をおこないます。
リモコンなどで車高を調整し、タイヤとフェンダーなどの部品が干渉しなければ作業終了です。
3.エアサス化するメリットとデメリット
車高調をエアサス化するメリットとデメリットをご紹介します。
(1)車高調をエアサス化するメリット
車高調をエアサス化するメリットは以下の2つです。
①車高調整が容易になる
エアサス化の大きなメリットは、リモコンなどで車高を容易に変えられる点です。
車高調の場合、車高を変えるのにジャッキアップし、タイヤを取り外す必要がありますが、エアサスはリモコンで車高を変えられるため、手間な作業が必要ありません。
そのため、道路状況や運転条件に応じて、すぐに車高を上げ下げできます。
②乗り心地がよくなる
エアサスは空気を利用して車体を支えているため、路面から受ける衝撃を吸収し、車高調と比較して乗り心地がよくなる傾向にあります。
車高調はスプリングが衝撃を吸収しますが、エアサスではエアバッグが吸収してくれることで、滑らかな乗り心地を実現してくれるでしょう。
(2)車高調をエアサス化するデメリット
車高調をエアサス化するデメリットは以下の3つです。
①価格が高い
エアサス化するには、エアバッグやエアタンクなどのエアサスキットが必要になります。車高調キットと比較して部品点数が多く、複雑な構造であることから高価なのがエアサスのデメリットです。
車高調キットの相場が100,000〜200,000円に対し、エアサスキットの相場は400,000円以上、高価なものでは800,000円程度になるでしょう。
②故障リスクが高くなる
エアサスは機械的で複雑な構造のシステムになるため、車高調より故障リスクが高くなります。
たとえば、エアパイプやエアバッグの破損によって車体を支える空気が漏れてしまったり、コンプレッサーの故障によって車高を変えられなくなったりします。
これらは、経年劣化によって故障しやすくなるため、定期的な点検やメンテナンスが必要です。なお、構造の複雑さと部品点数の多さから修理費用も車高調より高くなるでしょう。
また、取り付けミスが原因で故障する場合も多いため、エアサスの取り付けは専門的な知識と技術を持つ業者に依頼するのをおすすめします。
③構造変更の申請が必要になる
車の構造を車高調からエアサスに変更することになるため、陸運局へ構造変更の申請が必要になります。
構造変更の申請には以下の書類が必要です。
・改造自動車等届出書
・改造等の概要説明書
・外観図(装着状態の写真など)
・改造部分詳細図
・強度検討書
・車検証
エアサス化を業者に依頼した場合、基本的には構造変更の申請を代行してくれます。
4.エアサス化を業者に依頼する場合
エアサス化を業者に依頼する際の費用相場とポイントをご紹介します。
(1)業者に依頼する際の費用相場
エアサス化を業者に依頼する際の費用は、70,000〜100,000円程度(本体代除く)が一般的な相場です。
この費用は取り付けにかかる工賃のみのため、エアサスキットなどの本体代は別途発生します。
ただし、取り付けるエアサスや業者によって費用は変動するため、業者を決める際は複数から見積もりを取ることが重要です。
(2)業者に依頼する際のポイント
エアサス化を業者に依頼する際は、以下のポイントを確認しましょう。
1. 実績と信頼性:エアサス化は専門的な知識と高度な技術を必要とします。そのため、レビューサイトなどで実績を確認し、経験豊富で信頼性のある業者を選ぶことが重要です
2. サポート体制:エアサスは故障が起こりやすいため、アフターサービスや保証について確認しましょう。万が一の故障時に、迅速に対応してくれる体制が整っている業者がおすすめです
3. 見積もり:エアサスの取り付け費用だけでなく、今後の点検やメンテナンス費用の見積もりを依頼しましょう。エアサスの寿命を延ばすためには、定期的な点検とメンテナンスが必要です
5.車高調やエアサスに関することはグーネットピットにお問い合わせください
車高調をエアサス化することで車高を容易に変えられるため、悪路や工事中の道路であっても安心して運転できます。
また、地面からの衝撃をエアバッグが吸収してくれるため、車高調と比較して乗り心地が向上します。
なお、エアサス化は専門的な知識と技術、高額なエアサスキットが必要な作業になるため、整備士並みの知識と技術がない人は専門業者に依頼することをおすすめします。
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